- 作成日 : 2025年8月19日
仕事の依頼メールのマナーと文例まとめ、社内・社外・シーン別の例文付き
仕事の依頼メールは、相手との関係性や状況に応じて適切な表現やマナーを使い分ける必要があります。特に社外の相手や初対面の担当者に送る場合は、言い回し一つで印象が大きく変わります。この記事では、ビジネスで失礼なく依頼を伝えるための基本マナー、丁寧な言い回し、社内外で使える例文、シーン別の文例までをわかりやすく解説します。効率化を意識したテンプレート活用のコツも紹介しますので、実務にすぐ役立ててください。
目次
仕事の依頼メールで失敗しないためのマナーとは?
仕事の依頼メールで大切なのは、相手への丁寧な配慮です。依頼内容を正確に伝えることはもちろん、相手が気持ちよく協力できるような表現を心がけることで、円滑な業務と良好な関係づくりにつながります。
件名を簡潔でわかりやすく記載する
件名はメールの第一印象を決める要素です。多忙な相手は、件名だけで開封の判断をすることもあるため、誰から何の依頼かがすぐにわかる表現を心がけましょう。
「【株式会社〇〇】〇〇ご依頼の件」のように、誰から何の依頼かが一目でわかるようにします。
- 良い例:【〇〇部△△】〇〇プロジェクトに関するアンケートご協力のお願い
- 悪い例:お願い、依頼の件
仕事の依頼内容は具体的に記述する
本文では、「誰に・何を・いつまでに」対応してほしいのかを明確に示しましょう。併せて、依頼の背景や目的に触れておくと、相手が全体像を把握しやすくなります。
作業内容を箇条書きなどを活用して、依頼する作業内容をリストアップすると、抜け漏れがなく伝わりやすくなります。
仕事の依頼の目的と背景を伝える
なぜその仕事の依頼が必要なのかを伝えることで、相手の理解と納得を得やすくなります。
たとえば、「来週の定例会議で使用する資料のため」や「新規顧客への提案の精度を高めるため」など、具体的な目的を一文添えるだけでも協力を得やすくなるでしょう。
相手への配慮を表す言葉を選ぶ
仕事の依頼は、相手の時間や労力を借りる行為です。一方的な表現や命令口調は避け、「お忙しいところ恐れ入りますが」「ご多用の折恐縮ですが」といったクッション言葉を活用しましょう。
また、「ご都合がよろしければ」「ご無理のない範囲で」といった表現を添えると、より丁寧な印象を与えられます。
仕事の依頼メールに使える丁寧な言い回し
依頼メールでは、直接的すぎる表現を避け、やわらかく丁寧に伝えることで、相手に配慮した印象を与えられます。
丁寧な言い回しは、相手との関係を良好に保ちつつ、スムーズな業務遂行につなげる効果もあります。特に初対面の相手や社外宛のメールでは、言葉遣いによって受け取られ方が大きく変わります。
クッション言葉を使って印象を和らげる
クッション言葉とは、依頼やお願いの前に添えることで、相手の心理的負担を軽減する表現です。ビジネスメールでは以下のようなフレーズがよく使われます。
用途 | 例文(クッション言葉) |
---|---|
一般的なお願い前に添える | 恐れ入りますが/恐縮ですが/差し支えなければ |
多忙な相手への配慮 | ご多用のところ恐れ入りますが/お忙しいところ恐縮ですが |
相手の判断に任せたいとき | もしご都合がよろしければ/ご検討いただけましたら幸いです |
確認や返信をお願いするとき | お手数をおかけしますが/ご確認いただけますと助かります |
直接的な表現を避けつつも、依頼の意図が明確に伝わるようにしましょう。
依頼に適した表現を使う
依頼の内容に応じて、適切な言い回しを選ぶことが大切です。以下は、よく使われる依頼フレーズの例です。
内容 | 例文 |
---|---|
作業を依頼するとき | ご対応いただけますでしょうか/ご対応をお願いできますでしょうか |
回答や返信を依頼するとき | ご返信をお待ちしております/お返事いただけますと幸いです |
日程調整を依頼するとき | ご都合のよい日時をお知らせいただけますでしょうか |
情報提供を依頼するとき | ご教示いただけますと幸いです/詳細をご共有いただけますと助かります |
強い口調にならないように、「~してください」ではなく「~いただけますでしょうか」や「~いただけますと幸いです」といった形を選ぶと丁寧な印象になります。
基本の仕事依頼メールの例文
仕事の依頼メールには、定型的な構成があります。まずは宛名、次に挨拶、依頼内容、補足情報、締めの言葉という順番で書きましょう。
社内と社外では、文面の丁寧さや情報量に違いがあります。以下の基本例文をベースに、自社の文化や状況に応じて調整してください。
社内向けメールを書く
仕事を社内の人にお願いするメールでは、過度に形式張らず、要点を簡潔に伝えることが大切です。ただし、丁寧さを失わないよう注意しましょう。
件名:来週の会議資料作成のお願い 〇〇さん お疲れさまです。総務部の△△です。 来週の営業会議に向けた資料作成について、〇〇さんにご対応をお願いできればと思いご連絡しました。 下記の内容で、7月5日(金)までに準備いただけると助かります。
お忙しいところ恐縮ですが、どうぞよろしくお願いいたします。 |
社外向けメールを書く
社外の人に仕事を依頼するメールは、丁寧な言葉遣いや署名、背景の補足をしましょう。初めての連絡であれば、自己紹介を必ず入れましょう。
製品・サービスの見積もりを依頼する
件名:【お見積もりのご依頼】〇〇(製品名)について 株式会社△△ ⬜︎⬜︎ 株式会社〇〇 初めてご連絡いたします。 株式会社△△の購買部に所属しております、⬜︎⬜︎と申します。 貴社のウェブサイトにて製品「〇〇」を拝見し、現在弊社で導入を検討しております。 お忙しいところ恐れ入りますが、下記の条件でお見積もりをいただけますでしょうか。
大変恐縮ですが、◯月◯日(金)までにご回答いただけますと幸いです。 本件につきましてご不明な点がございましたら、お気軽にご連絡ください。 何卒よろしくお願い申し上げます。 ———————————————————————————————————————— 株式会社●● 営業部 △△ △△ TEL:03-XXXX-XXXX Email:△△△@example.co.jp ———————————————————————————————————————— |
セミナー・イベントへの登壇を依頼する
件名:【ご登壇のお願い】弊社主催セミナー「〇〇」について 株式会社△△ ⬜︎⬜︎ 株式会社〇〇 初めてご連絡いたします。 株式会社△△でセミナー企画を担当しております、⬜︎⬜︎と申します。 この度、〇〇様が執筆された書籍『△△△△』を拝読し、その卓越した知見に大変感銘を受けました。 つきましては、弊社が開催するセミナーにて、ご登壇をお願いしたくご連絡いたしました。
まずはご検討いただけますと幸いです。 興味をお持ちいただけましたら、改めて詳細をご説明させていただければと存じます。 ご多忙とは存じますが、〇〇様のお話を伺えることを、参加者一同切に願っております。 なお、心ばかりではございますが、謝礼もご用意しております。 何卒よろしくお願い申し上げます。 ———————————————————————————————————————— 株式会社●● セミナー事業部 △△ △△ TEL:03-XXXX-XXXX Email:△△△@example.co.jp ———————————————————————————————————————— |
【シーン別】仕事の依頼メールの例文
仕事の依頼メールは、シーンによって文面や伝え方を柔軟に変えることが大切です。場面に合った表現を選ぶことで、相手にとっても受け入れやすい内容になります。
以下では、ビジネスでよくある5つの場面を取り上げ、それぞれに適した依頼メールの文例をご紹介します。
業務の引き継ぎを依頼する
件名:【ご依頼】業務引き継ぎに関するご対応のお願い 〇〇さん お疲れさまです。総務部の△△です。 退職に伴う業務引き継ぎについて、以下の対応をお願いしたくご連絡しました。 【引き継ぎ内容】
お忙しいところ恐れ入りますが、7月10日(水)までに共有いただけますと助かります。 どうぞよろしくお願いいたします。 |
資料作成を依頼する
件名:【お願い】企画資料作成のご対応について 〇〇様 いつもお世話になっております。株式会社●●の△△です。 7月15日開催予定の企画会議に向けて、資料の作成をお願いできますでしょうか。 【資料概要】
お忙しいところ恐縮ですが、何卒よろしくお願いいたします。 |
返信を依頼する
件名:【ご確認依頼】契約書ドラフトのご返信について 〇〇様 お世話になっております。株式会社●●の△△です。 先日お送りした契約書案について、ご確認とご返信をお願いできますでしょうか。 ご不明点などございましたら、お気軽にご連絡ください。 お忙しいところ恐れ入りますが、7月4日(木)までにご回答いただけますと幸いです。 どうぞよろしくお願いいたします。 |
営業メールとして依頼する
件名:【〇〇のご提案】貴社業務の効率化について 株式会社〇〇 営業部 ××様 突然のご連絡失礼いたします。株式会社●●の△△と申します。 当社では、〇〇業務の自動化を支援するシステムを提供しております。 業務効率化を検討中とのお話を伺い、貴社にてぜひご活用いただければと思い、ご提案の機会を頂戴できればと考えております。 一度、オンラインにて15分ほどお時間をいただけませんでしょうか。 ご都合の良い日時がありましたら、いくつか候補をいただけますと幸いです。 何卒よろしくお願いいたします。 |
急ぎの対応をお願いする
件名:【至急のお願い】見積書のご提出について 〇〇様 いつもお世話になっております。株式会社●●の△△です。 急ぎで恐縮ですが、7月3日(水)午前中までに見積書をご提出いただけますでしょうか。 明日の社内承認手続きに必要なため、早急なご対応をお願い申し上げます。 ご不明な点などございましたら、お気軽にご連絡ください。 何卒よろしくお願いいたします。 |
相手に伝わる仕事の依頼メールを書くコツ
仕事の依頼メールを丁寧に書いても、内容が伝わらなければ意味がありません。相手にストレスなく読んでもらい、迅速に対応してもらうためには、メールの構成や表現の工夫が必要です。
ここでは、相手にとってわかりやすく、対応しやすい依頼メールにするための3つのポイントを紹介します。
件名と本文の構成を工夫する
仕事のメール依頼の件名には、メールの要点を短く明確に記載しましょう。本文は「挨拶 → 依頼内容 → 補足 → 締めの言葉」という流れが基本です。
箇条書きを入れることで、視認性が上がり、読み手の負担を軽減できます。
テンプレートを活用して効率化する
毎回ゼロから文面を考えるのは非効率です。あらかじめ自社で依頼メールのテンプレートやひな形を整備しておけば、作成の時間を短縮でき、文面の品質も安定します。
テンプレート活用のポイントは以下のとおりです。
- 件名・宛名・署名などの形式は統一する
- 依頼内容や日付部分は都度編集できるように区別する
- 社外・社内向けで文面を使い分けるようにする
汎用テンプレートは社内Wikiやチャットツールに掲載し、誰でもすぐ使える状態にしておくと便利です。
相手に配慮した表現を選ぶ
内容が正しくても、言い回し次第で受け取る印象は大きく変わります。依頼を一方的に伝えるのではなく、「~いただけますと幸いです」「ご無理のない範囲で」といった表現を取り入れましょう。
また、返信期限や対応の期日を一方的に決めつけるのではなく、「◯月◯日までにご対応いただけますと助かります」とやわらかく伝えることで、相手も対応しやすくなります。
仕事依頼メールは丁寧さと効率性の両立が重要
仕事依頼メールでは、相手への配慮と正確な情報伝達を両立させることが求められます。社内外やシーンに応じて適切な表現やマナーを選ぶことで、信頼関係の維持や業務の円滑化につながります。件名や本文の構成を工夫し、テンプレートを活用することで、対応スピードと文章の品質を安定させることも可能です。
この記事で紹介した例文やポイントを参考に、日々の依頼メール作成に役立ててください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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