• 作成日 : 2025年8月12日

メールを途中で送信!何をすべき?対応やお詫びの仕方、例文を解説

メールを作成している途中で、誤って送信ボタンを押してしまった経験は、ビジネスパーソンなら誰しも一度はヒヤリとしたことがあるのではないでしょうか。この種の誤送信は、迅速かつ誠実な対応をとることが必要です。

この記事では、誤送信に対する基本的な対応方法から、お詫びメールの具体的な例文、今後の防止策までをわかりやすく解説します。

メールを途中で送信!まず何をすべきか?

「あっ!」と思った瞬間、頭が真っ白になるかもしれませんが、まずは落ち着いて行動することが大切です。パニックにならず、順序立てて状況を確認し、被害を最小限に抑えるための初動対応を行いましょう。

メール送信の取り消しを試みる

まず、使用しているメールソフトの「送信取り消し機能」が使えないか確認します。GmailやOutlookには、送信後一定時間内であれば送信をキャンセルできる機能が備わっています。設定している場合、この機能を使えば相手に届く前に取り消せる可能性があります。ただし、時間が限られているため、誤送信に気づいたら即座に試みる必要があります。

誤送信の内容と影響範囲を把握する

送信取り消しができなかった場合は、落ち着いて「誰に」「どのような内容のメールを」送ってしまったのかを正確に把握します。未完成の文章だけならまだしも、未公開の情報や個人情報、他社の情報などが含まれていないかを確認してください。

影響が社内にとどまるのか、社外の取引先や顧客にまで及ぶのかによって、その後の対応の重大さが変わります。

上司や関係者に迅速に報告する

特に社外の相手への誤送信や、機密情報が含まれる場合は、自己判断で対処せずに、速やかに上司に報告し指示を仰ぎましょう。「怒られるのが怖い」と報告をためらうと、被害範囲の特定や顧客対応が遅れ、会社の信用失墜や法令違反のリスクにもつながるため、事態を著しく悪化させかねません。

会社として組織的な対応をとるためにも、迅速で正確な情報共有は不可欠です。

メールを途中で送信したときお詫びの対応

お詫びの連絡を入れる際は、相手が誰であるかによって、伝え方のニュアンスや重視すべき点が異なります。ここでは「社内」「社外」「メルマガ」のケースに分けて、謝罪メールを送る際のポイントを解説します。

社内への誤送信(上司・同僚)に対するお詫び

社内の相手であれば、形式ばらず、迅速かつ簡潔な対応を心がけましょう。まずはチャットや口頭で「誤って送ってしまった」と一報を入れ、続いてメールでお詫びと正しい情報を送信します。

堅苦しい言い回しは不要ですが、礼儀を欠かず、ミスを素直に認め、事実のみを伝えることが大切です。言い訳がましい説明は避け、再送メールで正確な情報を伝えることを優先してください。

社外への誤送信(取引先・顧客)に対するお詫び

取引先や顧客といった社外の相手への誤送信は、会社の信頼や信用に影響するため、より慎重な対応が必要です。

誤送信に気づいたらすぐに行動し、落ち着いた判断と丁寧な対応が求められます。

相手がメールを開封する前であっても、可能な限り早く連絡を入れましょう。

特に相手が重要な顧客である場合や、内容に機密情報を含む場合は、まず電話で直接お詫びをするのが丁寧な対応とされています。ただし、相手の業種や普段のコミュニケーション方法によっては、メールでの第一報が好まれる場合もあるため、状況に応じた判断が求められます。

そのうえで、以下の要素を盛り込んだお詫びメールを送信しましょう。

  1. 件名には「【お詫び】」「【訂正】」など、誤送信であることが明確に伝わる言葉を入れる
  2. 冒頭で丁寧に謝罪の意を示す
  3. どのような誤りがあったのかを簡潔に説明する(例:宛先間違い、添付漏れなど)
  4. 再発防止に向けて社内でどのような対応をとるかを伝える
  5. 正しい内容の情報や資料を添付・再送する
  6. 誤送信メールは破棄いただくようお願いする

社外対応では、形式的な謝罪に終始するのではなく、誠意ある言葉と再発防止の姿勢を示すことが信頼回復につながります。相手から謝罪メールへの返信がない場合でも、削除依頼を行った事実と経緯を社内で記録として残しておくことが、責任ある対応といえます。削除したかどうかの執拗な確認は、かえって相手に迷惑をかけるため避けましょう。

メルマガ(メールマガジン)の誤送信に対するお詫び

メールマガジンは一度に多くの相手に配信されるため、誤送信が判明した時点ですぐに配信停止を行い、上司や関係部署に報告します。

そのうえで、正しい内容で再送するかどうかの判断を組織内で検討します。拙速な再送ではなく、内容・タイミング・受信者への影響を十分に考慮した対応が重要です。

お詫びメールを送る際は、以下のポイントを踏まえて対応しましょう。

  • 誤送信の事実を明確に記載し、迷惑をかけたことに対して謝罪の意を丁寧に伝える
  • 正しい情報を簡潔に提示し、必要に応じて改めて資料や案内を添付する
  • 誤って送信された内容を破棄していただくよう依頼する場合は、その旨を明記する
  • 配信解除を希望する受信者に向けて、メールの末尾に「配信停止手続き」のリンクをわかりやすく記載する

メルマガは情報の発信力が大きい分、誤送信の影響も大きくなる傾向があります。そのため、謝罪と同時に受信者への配慮を十分に示します。形式的な文面ではなく、誠意を感じられる言葉を添えて対応するよう心がけましょう。

メールの途中で送信に関するお詫びメールの例文

万が一、誤ってメールを途中で送信してしまった場合、速やかにお詫びと訂正の連絡を入れることが重要です。あらかじめ状況別に適切な文面を知っておけば、落ち着いて対応できます。ここでは「件名の書き忘れ」「添付漏れ」「宛先間違い」など、よくある誤送信のケースごとに、丁寧なお詫びメールの例文を紹介します。

メールを再送する際は、件名で「お詫び」や「再送」と明記し、本文は冒頭で謝罪の意を伝えるのが基本です。

件名を書き忘れた・文章作成途中で送信したときの例文

最も起こりがちなケースです。率直に謝罪し、正しい内容を改めてお伝えします。

件名: 【再送】「〇〇(本来の件名)」のご連絡

株式会社〇〇

担当〇〇様

いつも大変お世話になっております。〇〇株式会社の〇〇です。

先ほどお送りいたしましたメールにつきまして、件名が空欄のまま、また内容が未完成の状態で誤って送信されてしまいました。

ご迷惑をおかけしましたことを、心よりお詫び申し上げます。

改めまして、〇〇に関する正式なご連絡をさせていただきます。

(ここに正しい本文を記載)

今後は送信前の確認を徹底し、再発防止に努めてまいります。

何卒よろしくお願い申し上げます。

(署名)

添付ファイルを忘れて送信したときの例文

ファイル添付の漏れに気づいた場合は、速やかに再送し、丁寧にお詫びしましょう。

件名: 【再送】〇〇(元の件名)

株式会社〇〇

担当〇〇様

いつも大変お世話になっております。〇〇株式会社の〇〇です。

先ほどお送りいたしました「〇〇」に関するメールにおいて、添付すべきファイルが漏れておりました。

ご迷惑をおかけしましたことを、心よりお詫び申し上げます。

本メールにて、改めて資料(〇〇.pdf)を添付させていただきますので、ご確認のほどお願い申し上げます。

なお、先ほどのメールは破棄いただけますよう、併せてお願い申し上げます。

今後は再発防止のため、事前の確認をより一層徹底してまいります。

取り急ぎ、深くお詫び申し上げるとともに、改めてご案内申し上げます。

(署名)

宛先を間違えて送信したときの例文(情報漏洩の可能性あり)

宛先ミスは最も注意を要する対応です。まずは上司や関係部署に報告し、その指示に従って対応する必要があります。そのうえで、誤って送信してしまった相手には、誠意を込めて謝罪し、削除のお願いをしましょう。

件名: 【重要】誤送信のお詫び

株式会社〇〇
担当〇〇様

いつも大変お世話になっております。〇〇株式会社の〇〇です。

先ほど送信いたしました「〇〇(件名)」という件名のメールにつきまして、

宛先の入力ミスにより、誤って〇〇様にお送りしてしまいました。

私の確認不足により、ご関係のない内容をお届けしてしまい、深くお詫び申し上げます。

誠に恐れ入りますが、当該メールは開封なさらず、そのまま削除いただきますようお願い申し上げます。

なお、万一ご不明な点がございましたら、私までご一報いただけますと幸いです。

今後同様の問題が起きないよう、宛先のチェック体制を設け、再発の防止に努めてまいります。

このたびはご迷惑をおかけしましたこと、重ねて深くお詫び申し上げます。

(署名)

メールの途中で送信を防ぐ方法

メールの誤送信は、誰にでも起こりうるミスですが、あらかじめ予防策を講じておくことで、トラブルを未然に防ぐことができます。

以下のような方法を取り入れることで、送信ミスのリスクを大幅に下げることが可能です。

送信前のチェックリストを実践する

メールの送信ボタンを押す前に、指差し確認するくらいの気持ちでチェックする習慣をつけましょう。

  • 宛先(To, Cc, Bcc)は正しいか?
  • 意図しない相手がCcやBccに入っていないか?
  • 件名は適切か? 空欄になっていないか?
  • 本文の宛名は正しいか?
  • 本文の内容に誤りはないか?
  • 誤字脱字はないか?
  • 添付ファイルは正しいか? 添付漏れはないか?
  • パスワード付きzipファイルの場合、パスワードは別送したか?

メールの「送信遅延・取り消し機能」を活用する

主要なメールソフトには、送信を一時的に遅らせることで誤送信を防ぐ機能が標準で備わっています。

Gmailの場合

Gmailでは「送信取り消し」機能がこれにあたります。設定画面で、送信を取り消せる時間を5秒、10秒、20秒、30秒の中から選択可能です。送信ボタンを押した後、画面の左下に「元に戻す」という表示が一定時間現れ、これをクリックすれば相手にメールが届く前に送信をキャンセルできます。この時間を最大の30秒に設定しておくだけで、ミスに気づいて対応するための貴重な時間を確保できます。

Microsoft Outlookの場合

Microsoft Outlookのデスクトップアプリ版では、仕分けルールを活用して柔軟な設定ができます。「すべてのメールの送信を1分遅らせる」といった一括設定のほか、「宛先に社外のドメインが含まれる場合のみ送信を遅らせる」といった条件付きのルールも作成可能です。ただし、Web版や新しいOutlookでは機能が限定的な場合があるため、お使いの環境に合わせた設定が求められます。

特に注意が必要なメールに対して送信前の見直し時間を確保することができます。

下書き保存を習慣にする

本文作成中や添付確認前の段階で「うっかり送信」を防ぐため、途中段階ではこまめに下書き保存し、送信操作は最後に行うよう意識づけましょう。「件名・宛先・添付」を全て確認してから送信するという手順を決めておくと効果的です。

宛先自動補完機能(オートコンプリート)に頼りすぎない

過去にやり取りした相手のメールアドレスを自動で表示してくれる宛先自動補完は便利な機能ですが、同姓の別人や、似たアドレスの別会社を選択してしまうミスの温床にもなります。

表示されたアドレスをうのみにせず、必ず最後まで目視で確認する、あるいはアドレス帳から選択するようにしましょう。

メール途中で送信しないために会社が取り組むべきこと

メールの誤送信は、個人の注意力だけで完全に防ぐのは難しいものです。ヒューマンエラーは業務の中で必ず起こり得るという前提に立ち、会社として防止策を仕組み化することが重要です。ここでは、組織的に取り組むべき代表的な対策を紹介します。

ダブルチェックのプロセスをルール化する

特に見積書や契約書、個人情報を含むような重要メールを送信する際は、送信者以外の第三者が宛先と内容をチェックする「ダブルチェック」を義務化しましょう。

チャットツールなどで「これから〇〇様に〇〇の件でメールを送ります。宛先と添付ファイルに間違いがないか確認をお願いします」と、同僚や上司に依頼するプロセスを組み込むことで、客観的な視点が加わり、ミスを未然に発見しやすくなります。

定期的な情報セキュリティ研修を実施する

メール誤送信のリスクに対する社員全体の意識を高めるためには、定期的な研修の実施が有効です。研修では次のようなテーマを取り上げます。

  • なぜメールの誤送信が問題なのか
  • 情報漏えいが起きた際に会社・顧客にどのような影響を及ぼすか
  • 実際の誤送信事例を共有し、注意点を具体的に学ぶ

このような研修を通じて、社員一人ひとりの当事者意識を育てることができ、誤送信防止への意識づけにもつながります。

インシデント発生時の報告フローを明確にする

誤送信が発生してしまった場合に備え、迅速に対応できる社内の報告体制(エスカレーションフロー)を整備しておくことが重要です。具体的には次のような内容をあらかじめ決めておきます。

  • 誰が、どの部署に、どの順序で報告するか
  • どのような情報を、どのタイミングで共有すべきか
  • 外部への連絡や対応は、どの部署が担うか

このような明確な対応ルールがあれば、担当者が慌てずに適切な初動対応を取ることができるようになります。全社員への周知徹底も忘れずに行いましょう。

メール途中で送信したときは誠実な対応と再発防止を

メールを途中で送信してしまった場合は、迅速な対応と、相手に応じた適切なお詫びの伝え方が何よりも重要です。社内と社外では謝罪のアプローチも異なるため、相手との関係性を考慮した丁寧な対応を心がけましょう。

誤送信を未然に防ぐには、送信遅延の設定や送信前のダブルチェック体制の導入といった、仕組みによる予防策が有効です。また、謝罪だけで終わらせず、具体的な改善策を実行に移すことが信頼回復への第一歩となります。

誤送信は誰にでも起こり得ますが、その後の誠実な対応と再発防止への取り組みが重要です。


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