- 更新日 : 2025年8月5日
WEEKNUM関数とは?使い方や月曜始まり、週の基準設定を解説
Excelで日付データを扱っていると、「この日付が年の何週目にあたるのか」を知りたい場面もあるでしょう。ここで役立つのが、ExcelのWEEKNUM(ウィークナム)関数。
日付からその年の「週番号」を自動で算出でき、曜日単位ではなく週単位で、スムーズに分析が行えます。この記事では、WEEKNUM関数の使い方や注意点、ビジネスでの活用法を初心者にも分かりやすく解説します。
WEEKNUM関数の基本的な使い方
WEEKNUM関数は、シンプルでありながら強力な関数です。指定した日付がその年の何週目にあたるかを判断するために、2つの引数を使用します。
WEEKNUM関数の書式
WEEKNUM関数の基本的な書式は以下の通りです。
=WEEKNUM(シリアル値, [週の基準])
それぞれの引数について詳しく見ていきましょう。
- シリアル値(必須):
この引数には、週番号を計算したい日付を指定します。Excelでは日付が「シリアル値」という数値で管理されており、この引数には日付が入力されたセルへの参照、または直接日付を記述できます。たとえば、「2025/1/15」のような日付形式の文字列を直接入力することも可能ですが、一般的には日付が入力されているセル(例:A2)を指定するのが一般的です。 - 週の基準(省略可能):
この引数は、週の開始曜日と、その年の最初の週をどのように定義するかを指定するものです。この引数を省略した場合、Excelのデフォルト設定である日曜始まりが適用されます。しかし、国や業界、あるいは個人の習慣によって週の数え方にはいくつかの異なる基準が存在するため、この引数でそれらを細かく設定できます。指定できる値とその意味については、後ほど詳しく説明します。
WEEKNUM関数の計算例
具体的な例でWEEKNUM関数の動作を見てみましょう。
たとえば、セルA1に「2025/1/5」という日付が入力されているとします。この日付が何週目にあたるかを計算するには、以下のように数式を入力します。
=WEEKNUM(A1)
この数式を入力すると、Excelはデフォルトの週の基準(日曜始まり)に基づいて、A1の日付が第2週であると判断し、「2」という結果を返します。2025年1月1日は水曜日であり、デフォルトの日曜始まりでは1月1日を含む週(2024年12月29日~2025年1月4日)が第1週と数えられます。したがって、1月5日(日曜日)は次の第2週の始まりとなるためです。
もし、週の始まりを月曜日にしたい場合は、次のように記述します。
=WEEKNUM(A1, 2)
この数式では、「週の基準」に「2」を指定しています。これは「月曜始まり」を意味します。この場合、2025年1月5日(日曜日)は月曜始まりの週(週の基準2)では1月1日を含む週(2024年12月30日~2025年1月5日)が第1週とみなされるため、結果は「1」となります。
このように、「週の基準」引数を適切に設定することで、さまざまな週の定義に対応できるのがWEEKNUM関数の大きな特徴です。
週の基準(return_type)の種類
WEEKNUM関数の「週の基準」引数には、以下の数値を指定できます。この設定によって、週の開始曜日と、第1週の定義が異なります。
数値 | 週の開始曜日 | 第1週の定義 |
---|---|---|
省略または 1 | 日曜日 | 1月1日を含む週 |
2 | 月曜日 | 1月1日を含む週 ※ISO 8601規格に準拠しない月曜始まり |
11 | 月曜日 | 1月1日を含む週 |
12 | 火曜日 | 1月1日を含む週 |
13 | 水曜日 | 1月1日を含む週 |
14 | 木曜日 | 1月1日を含む週 |
15 | 金曜日 | 1月1日を含む週 |
16 | 土曜日 | 1月1日を含む週 |
17 | 日曜日 | 1月1日を含む週 |
21 | 月曜日 | 年の最初の木曜日を含む週 ※ISO 8601規格に厳密に準拠した週番号システム。ヨーロッパなどで広く使用される。 |
特に重要なのは、「1」(省略時)、「2」または「11」、そして「21」です。
- 1(省略時): 多くのExcelユーザーがデフォルトで利用する設定です。日曜始まりで、1月1日が含まれる週をその年の最初の週(第1週)とします。
- 2または11: 月曜始まりの週を定義したい場合に利用します。多くの国やビジネスでは週を月曜日から数えるため、この設定が役立ちます。2と11は同じ動作をします。
- 21(ISO 8601): 国際標準化機構(ISO)が定める週番号システムに準拠する場合に選択します。このシステムでは、週は月曜日から始まり、その年の最初の木曜日を含む週がその年の第1週と定義されます。これは、特にヨーロッパ諸国や国際的なビジネスでよく用いられる基準です。たとえば、1月1日が金曜日だった場合、その週は前の年の最終週とみなされ、その年の第1週は翌週の月曜日から始まることになります。
どの「週の基準」を使用するかは、あなたの目的や所属する組織の慣習によって選択する必要があります。異なる基準で週番号を計算すると、同じ日付でも結果が異なるため、この点を十分に理解しておくことが重要です。
WEEKNUM関数の利用シーン
WEEKNUM関数は、週番号を表示するだけでなく、さまざまなビジネスシーンでデータの集計、分析、管理を効率化するために活用できます。
1. 週次レポートの作成
週次の売上、生産量、アクセス数などのデータを集計する際に、WEEKNUM関数が役立ちます。
たとえば、日々の売上データが日付とともに記録されている場合、それぞれの売上日が年の何週目にあたるかをWEEKNUM関数で抽出し、その週番号を基準に合計値を算出することで、週ごとの売上推移を簡単に把握できます。
週ごとの目標達成度を評価したり、特定の週に売上が伸びた原因を分析したりする際に不可欠な情報となります。
数式としては、まず日付データが入力された列の隣に新しい列を設け、そこにWEEKNUM関数を用いて週番号を計算させます。その週番号の列を基準として、SUMIFS関数やピボットテーブル機能を使用すれば、週ごとの合計値を自動的に集計できます。
2. プロジェクト進捗を週単位で管理
タスクの開始日や終了日から週番号を出して「開始週」「終了週」を記録すれば、予定と実績のズレもすぐに把握できます。
WEEKNUM関数を使うことで、タスクの開始日や終了日から週番号を算出し、ガントチャートや進捗報告書に週単位の情報を追加できます。これにより、プロジェクトメンバー全員が現在の週番号とタスクの進捗状況を週単位で共有しやすくなり、認識のズレを防ぎます。たとえば、各タスクに「開始週」と「終了週」という項目を設定し、実際の進行状況をこれらの週番号と比較することで、計画からの遅れを早期に発見できます。
3. シフトや勤務表の自動化
飲食店や小売店、工場など、週単位でスタッフのシフトや作業スケジュールを調整したい時にWEEKNUM関数が役立ちます。
たとえば、毎週異なるスタッフ配置が必要な場合や、特定の週だけイベント対応で人員を増やす必要がある場です。様々な人員配置パターンごとに専用の表を作成します。各行は1週間を表し、列は曜日または特定の役割に対応させましょう。
WEEKNUM関数で現在の週番号を特定し、その週番号に対応するシフトパターンをVLOOKUP、XLOOKUPまたはINDEX/MATCH関数で検索し、自動的に呼び出すような仕組みを構築できます。これにより、手作業でのシフト作成に伴う入力ミスや時間ロスを大幅に削減し、より柔軟で効率的な人員配置が可能になります。
4. 前年や前月との週単位比較
前年同期比や前月同期比など、異なる期間のデータを比較分析する際にもWEEKNUM関数で比較ができるようになります。
たとえば、今年の第10週の売上と、前年の第10週の売上を比較したい場合(前年同週比)、日付データからWEEKNUM関数で週番号を抽出し、同じ週番号同士のデータを突き合わせることで、正確な比較分析が可能になります。これにより、季節性やトレンド、プロモーションの効果などを週単位で評価し、より詳細なビジネスインサイトが得られます。月や四半期で比較するよりも、週単位で細かく見ることによって、より詳細な変化や傾向を把握できるのです。
5. 週で絞り込みや並べ替えが可能に
膨大な日付データの中から特定の週のデータだけを抽出したい場合や、週番号順にデータを並べ替えたい場合にも、WEEKNUM関数は役立ちます。WEEKNUM関数で週番号を算出した列があれば、簡単にフィルタリングや並べ替えが可能です。これにより、必要な情報を素早く見つけ出し、分析作業の時間を短縮できます。
WEEKNUM関数を使用する際の注意点
WEEKNUM関数を効果的に活用し、予期せぬ結果を防ぐために、ここでは、関数を使う上で知っておきたいポイントや、実務での応用時に気をつけるべき点について解説します。
1. 年をまたぐ週番号の扱い(ISO 8601基準の重要性)
WEEKNUM関数を使用する上で、年の変わり目における週番号の扱いは特に重要です。特に、年末年始の日付が絡む場合、どの「週の基準」を選ぶかによって、同じ日付でも週番号が異なることがあります。
最も混乱しやすいのが、ISO 8601規格([週の基準]に21を指定)と、その他の基準(1, 2, 11など)の違いです。
- ISO 8601規格([週の基準]=21)の場合:
この規格では、その年の最初の木曜日を含む週が「第1週」と定義されます。もし1月1日が金曜日、土曜日、または日曜日である場合、その週は前の年の最終週(第52週または第53週)とみなされるのです。そのため、翌週の月曜日から始まる週がその年の第1週となります。これにより、各週が常に7日間となり、週番号が年度をまたいで一貫性を保ちます。国際的なビジネス慣習や、週ごとの正確な集計が必要な場合に適しています。 - その他の基準([週の基準]=1, 2, 11など)の場合:
これらの基準では、1月1日を含む週を「第1週」と定義します。このため、1月1日が週の途中の曜日(たとえば水曜日)であった場合、その週は「第1週」とされますが、その週の日数は7日未満となります。また、年末に近づくと、12月31日を含む週がその年の最終週となりますが、これも7日未満となることがあります。この方式は、年の初めから順に週番号を割り振っていく直感的な方法ですが、週の日数が一定しないという特徴があります。
したがって、年の変わり目を含むデータを分析する際には、どの週の基準が自分の目的に最も合致しているかを十分に検討し、一貫して同じ基準を適用することが不可欠です。特に、国際的なデータのやり取りや、週の長さを常に7日間として扱いたい場合は、ISO 8601基準(21)の利用を強くお勧めします。
週番号はその年の週の定義基準や、年末年始の曜日配置によって、12月末や1月初旬の日付が思わぬ週に分類されることがあります。特に年をまたぐデータでは注意が必要です。ISO 8601基準(週の基準21)では、年によっては53週目が発生することもあります。
2. WEEKNUM関数と他の関数の組み合わせ
WEEKNUM関数は、単独で使うだけでなく、他のExcel関数と組み合わせることで、さらに高度なデータ分析やレポート作成に活用できます。
SUMIFSやAVERAGEIFSとの組み合わせ
特定の週の合計値や平均値を算出する場合に有効です。たとえば、週ごとの売上合計を求めるには、WEEKNUM関数で算出した週番号を基準としてSUMIFS関数を使用します。A列に日付、B列に売上を入力し、「ヘルパー列(例:C列)」を作成してWEEKNUM関数の結果を追加しておけば、その後単一の条件(週番号)で容易にデータをフィルタリングできるのでおすすめです。
=SUMIFS(合計したい範囲, 週番号の範囲, WEEKNUM(対象日付, [週の基準]))
このように記述することで、指定した日付の週番号に合致するデータの合計を動的に算出できます。
YEAR関数との組み合わせ
年をまたぐ週番号のユニークな識別子を作成したい場合に便利です。WEEKNUM関数は週番号のみを返しますが、これは年ごとに重複する可能性があります(例:2024年第1週と2025年第1週)。これを区別するために、YEAR関数で年を取得し、WEEKNUM関数で取得した週番号と結合することで、2025-01のような形でユニークな週の識別子を作成できます(「&”-“&」によって年と週番号を結合)。
=YEAR(日付セル)&”-“&TEXT(WEEKNUM(日付セル, [週の基準]), “00”)
TEXT関数を使うことで、週番号が1桁の場合でも「01」「02」のようにゼロ埋めして表示させ、並べ替え時に正しく機能するようにできます。
TEXT関数と組み合わせた表示形式の調整
WEEKNUM関数が返すのは単なる週番号の数値ですが、これを「第〇週」のような表示形式にしたい場合は、TEXT関数と結合できます。
=”第”&WEEKNUM(日付セル, [週の基準])&”週”
これにより、週番号がより分かりやすい形式で表示されます。
3. ピボットテーブルでの活用
週単位の集計や分析を行う場合、WEEKNUM関数で事前に週番号を算出した列を用意し、それをピボットテーブルの行や列、またはフィルターとして活用することで、柔軟なデータ集計が可能になります。
たとえば、日付のデータを含む表からピボットテーブルを作成し、行フィールドに「週番号(WEEKNUM関数で算出した列)」、値フィールドに「売上」を設定すれば、瞬時に週ごとの売上集計表が作成できます。さらに、週の基準を変更したい場合は、元のデータにWEEKNUM関数を追加し直すだけで対応可能です。
4. WEEKNUM関数がないExcelバージョン
古いExcelのバージョン(Excel 2003など)では、WEEKNUM関数が標準で搭載されていない場合があります。そのような環境で週番号を計算したい場合は、INT関数とMOD関数、またはDATE関数とTEXT関数などを組み合わせた複雑な数式を用いるか、またはVBA(Visual Basic for Applications)を使ってカスタム関数を作成する必要があります。
たとえば、1月1日を基準とする単純な週番号であれば、以下のような数式で代用できることがあります。
=INT((対象日付 – DATE(YEAR(対象日付),1,1) + WEEKDAY(DATE(YEAR(対象日付),1,1),1))/7)+1
ただし、この代替数式はWEEKNUM関数の全ての「週の基準」に対応できるわけではなく、特にISO 8601のような複雑な定義を再現するのは困難です。可能であれば、最新のExcelバージョンを使用することをおすすめします。
5. WEEKNUM関数の限界と考慮事項
WEEKNUM関数は便利ですが、いくつかの限界や考慮すべき点があります。
週の開始曜日に注意
WEEKNUM関数では週の開始曜日を指定できますが、これはExcel上の計算ルールであり、実際のカレンダーや企業の運用ルールと異なる場合があります。分析対象に応じて適切な設定を選ぶことが大切です。
うるう年と年末年始は週番号がずれやすい
週番号はうるう年の影響は受けないものの、年末年始の曜日配置によって、12月末や1月初旬の日付が思わぬ週に分類されることがあります。特に年をまたぐデータでは注意が必要です。
週番号の基準はチームで統一を
WEEKNUM関数は引数次第で異なる週番号を返すため、複数人でファイルを扱う場合は「週の起算日」などの設定をあらかじめ共有しておくことが重要です。基準がバラバラだと、集計や比較に不整合が生じる恐れがあります。
WEEKNUM関数で週単位のデータ管理を効率化
WEEKNUM関数は、日付から年の「週番号」を自動で取得できる便利な関数です。週次レポートやシフト管理、プロジェクト進行の可視化など、ビジネスのさまざまな場面で活用できます。
SUMIFSやピボットテーブルと組み合わせれば、より高度な週単位分析も可能になります。ただし、使用する「週の基準」によって結果として返される週番号が変わるため、関係者間であらかじめ定義を統一しておくことが重要です。
特に年末年始やISO 8601基準を用いた分析では、仕様の理解が欠かせません。WEEKNUM関数を正しく使えば、日付データの活用範囲が一段と広がります。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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