- 作成日 : 2025年8月5日
エクセルのEOMONTH関数の使い方ガイド!日付管理を効率化する方法
エクセルで「ある日から○ヶ月後の月末日」を自動計算したいなら、EOMONTH関数が適しています。読み方は「イー・オー・マンス」関数で、End Of Month(月末)の略です。この関数を使えば、契約満了日や締め日、支払期日の管理が一気にスマートになります。手動調整や日付のずれによるミスを防げるため、日付管理の精度とスピードが格段にアップします。
本記事では、EOMONTH関数の基本的な使い方から、業務で役立つ応用例までをわかりやすく解説します。
目次
EOMONTH関数の使い方
EOMONTH関数は、指定した日付から起算して、特定の月数の月末日を求める関数です。
たとえば、「今日から3ヶ月後の月末日」や、「基準日となる日付の先月末日」などを、簡単な数式で算出できます。
経理処理や請求書発行の締日、契約期間の終了日の管理など、月末日を使った日付計算が必要な場面で非常に役立ちます。EOMONTH関数の書式は以下の通りです。
- 開始日(必須): 計算の基準となる日付を指定します。シリアル値が含まれている必要があるため、DATE関数などの関数を使ったり、セル参照で日付が入ったセルを指定したりして入力します。”2023/4/1″のように文字列で直接日付を入力すると、エラーが発生することがあるため注意が必要です。
- 月(必須): 開始日から何ヶ月後の月末日を求めるかを数値で指定します。
- 0を指定すると、開始日と同じ月の月末日が求められます。
- 正の数(1, 2, 3…)を指定すると、開始日から指定した月数だけ後の月末日が求められます。
- 負の数(-1, -2, -3…)を指定すると、開始日から指定した月数だけ前の月末日が求められます。
EOMONTH関数の入力例
ここでは、セルA1に基準日として「2023/4/15」が入力されている場合を例に、EOMONTH関数の使い方を見ていきましょう。
目的 | 入力する数式 | 結果(セルの書式設定を「日付」にした場合) | 解説 |
---|---|---|---|
A1と同じ月の月末日 | =EOMONTH(A1, 0) | 2023/4/30 | 月数に0を指定。 |
A1の1ヶ月後の月末日 | =EOMONTH(A1, 1) | 2023/5/31 | 月数に1を指定。 |
A1の3ヶ月後の月末日 | =EOMONTH(A1, 3) | 2023/7/31 | 月数に3を指定。 |
A1の1ヶ月前の月末日 | =EOMONTH(A1, -1) | 2023/3/31 | 月数に-1を指定。 |
A1の6ヶ月前の月末日 | =EOMONTH(A1, -6) | 2022/10/31 | 月数に-6を指定。 |
今日を含む月の月末日 | =EOMONTH(TODAY(), 0) | (実行した日の月末日) | TODAY()関数で今日の日付を取得し、月数に0を指定。 |
【重要】表示形式を「日付」にしよう!
EOMONTH関数の結果は、Excelの内部的な日付シリアル値(数値)として表示されます。これを日付形式で見やすくするには、セルの書式設定を変更する必要があります。
- EOMONTH関数を入力したセルを選択します。
- 右クリックし、「セルの書式設定」を選択します。
- 「数値」あるいは「表示形式」タブを開き、「日付」を選択して、好みの形式(例: 「yyyy/m/d」)を選び、「OK」をクリックします。
これで、計算結果が日付として正しく表示されるようになります。
EOMONTH関数の利用シーン
EOMONTH関数の具体的な利用シーンをいくつかご紹介します。
1. 支払い期日や請求締め日の計算
「購入月の翌月末払い」「サービス利用月の当月末締め」といったルールに基づいた期日計算に便利です。
- 例:購入日(セルA1)の翌月末日を支払い期日とする場合
数式:=EOMONTH(A1, 1)
2. 契約満了日や更新日の管理
「契約開始日(セルA1)から1年後の月末日まで」といった契約期間の計算に使えます。
- 例:契約開始日(セルA1)の1年後(12ヶ月後)の月末日を求める場合
数式:=EOMONTH(A1, 12)
3. レポート作成やデータ集計
「先月末までの売上」「今月末時点の在庫数」など、月末を基準としたデータの抽出や集計に役立ちます。
- 例:今日(TODAY())を含む月の月末日を求める場合
数式:=EOMONTH(TODAY(), 0)
4. プロジェクトのスケジュール管理
「このフェーズは来月末までに完了」といった、月末を区切りとしたタスクの期日設定に利用できます。
- 例:開始日(セルA1)の2ヶ月後の月末日をマイルストーンにする場合
数式:=EOMONTH(A1, 2)
このように、日付の管理や計算が必要な幅広いシーンで、EOMONTH関数は月末日を正確かつ迅速に算出する手助けとなります。
EOMONTH関数の応用
EOMONTH関数は単独でも便利ですが、他の関数と組み合わせることでさらに活用の幅が広がります。ここでは、特によく使われる応用例をご紹介します。
1. 基準日を含む月の「月初め」を求める
EOMONTH関数は月末日を求めますが、これを利用して月初めを求めることも可能です。
考え方はシンプルです。
- まず、基準日(セルA1)の「前月」の月末日を求めます(月数に -1 を指定)。
- 求めた月末日に 1 日を足せば、基準日を含む月の月初めになります。
数式は以下のようになります。
- 例:A1に「2023/4/15」が入っている場合 =EOMONTH(“2023/4/15”, -1) → 「2023/3/31」が得られます。 これに + 1 すると、「2023/4/1」となり、4月の月初めが求められます。
2. 次月の「月初め」を求める
これもよく使う応用例です。
- まず、基準日(セルA1)の「当月」の月末日を求めます(月数に 0 を指定)。
- 求めた月末日に 1 日を足せば、次月の月初めになります。
数式は以下のようになります。
- 例:A1に「2023/4/15」が入っている場合 =EOMONTH(“2023/4/15”, 0) → 「2023/4/30」が得られます。 これに + 1 すると、「2023/5/1」となり、5月の月初めが求められます。
このように、EOMONTH関数で月末日を求め、それに 1 を足し引きすることで、簡単に月初めの日付も算出できます。
EOMONTH関数を使う上での注意点
日付の入力形式
開始日には、Excelが認識できる日付形式(例: 2023/4/15、”2023-04-15″、あるいは日付が入力されたセル参照)を指定してください。文字列のように無効な日付を指定すると、エラーになることがあります。
計算結果の表示形式
上記でも解説しましたが、EOMONTH関数の結果は、Excelの内部的な日付シリアル値(数値)として表示されます。戻り値を表示させるセルの表示形式は、「日付」に必ず変更して確認しましょう。
これらの点に注意すれば、EOMONTH関数をスムーズに活用できます。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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