- 作成日 : 2025年7月17日
メール添付のファイルが送れない原因と解決策、エラーメッセージの意味を解説
メールでファイルを送れない時、何に原因があるのでしょうか。また、他にどのような方法があるのでしょうか。この記事では、メール添付ファイルが送れない主な原因と、具体的な解決策、さらに安全で効率的な代替方法をわかりやすく説明します。
目次
メール添付ファイルが送れない主な原因
メール添付ファイルが送れない原因として、送信側と受信側、両方の環境に注意を払うことが大切です。よくある原因と解決策を解説します。
ファイル容量が大きすぎる
ファイル容量が大きすぎると、多くのメールサービスでは送信できません。GmailやYahoo!メールは25MB、Outlookは20MB、ドコモメールは10MB、auメールは2MB、ソフトバンクメールは2MBが上限です。
さらに、添付ファイルは送信時にエンコード処理されるため、実際には見た目よりも容量が増え、制限を超えることがあります。
また、送信できたように見えても、受信者のメールボックスが容量オーバーの場合、メールが届かないこともあります。
ファイル形式が対応していない
添付ファイルの形式にも注意が必要です。実行ファイル(.exe、.batなど)や、マクロ付きのWordやExcelファイル、パスワード付きZIPなどは、セキュリティ対策としてブロックされることがあります。安全な内容であっても、受信側のメールシステムで危険と判断されて拒否されることがあります。
受信側のメールボックスが一杯
受信者のメールボックスが容量オーバーの場合、添付ファイル付きのメールは受け取れません。送信者にはエラー通知が届くこともありますが、受信者が気づかないままになることもあるため、事前に確認しておくと安心です。
パソコンやネットワークに問題がある
パソコンやネットワークの不具合も、添付ファイルの送信を妨げる原因になります。古いメールソフトの使用や設定ミス、ウイルス対策ソフトやファイアウォールの影響により、送信がブロックされることがあります。また、インターネット接続が不安定だったり、途中でサーバーとの通信が切れたりすると、正常に送信できません。
問題を切り分ける際は、ソフトウェア、ハードウェア、ネットワークの3つの観点から確認すると原因が見つかりやすくなります。
セキュリティソフトがブロックしている
セキュリティソフトが添付ファイルをウイルスと誤認し、自動でブロックするケースもあります。特に、パスワード付きZIPファイルは内容をスキャンできないため、危険性が高いと判断されることが増えています。
かつて一般的だった「PPAP方式(ZIPファイルを送り、パスワードを別送)」も、現在では多くの企業で受信制限の対象となっています。セキュリティリスクとして扱われることが一般的です。これは、送信側でウイルスチェックができないことや、パスワードが窃取された場合に容易にファイル内容が漏洩する危険性があることなど、セキュリティ上の脆弱性が指摘されているためです。
メール添付ファイルが送れない時の具体的な対処法
メール添付ファイルが送れない場合、一つずつ原因を確認しながら、適切に対処しましょう。
ファイルサイズを小さくする
ファイルの容量は、メールサービスごとに上限があるため、以下の方法でサイズを減らしましょう。
- ファイルを分けて送信する
1つのファイルにこだわらず、内容を複数に分けて別々のメールで送る方法です。例えば、画像10枚を送る場合、5枚ずつに分けて2通にするなどが有効です。この際、相手が整理しやすいように、メール本文に「このメールは1通目/2通中」と記載しておくと親切です。ただし、この方法は、個々のファイルは小さくても合計容量が大きい場合に有効ですが、大容量の画像や動画を単独で送る場合には使えません。 - 画像の解像度を下げる
高解像度の画像は容量が大きくなりがちです。印刷用途でなければ、解像度を下げても業務上問題ないことが多いため、容量削減に有効です。例えば、300ppiの画像を72ppiに変更すれば、かなり軽量になります。ペイントなどの基本的な画像編集ソフトで調整可能です。 - 画像のサイズを縮小する
画像の縦横を半分にすると、容量は約1/4まで削減できます。メールでのやり取りでは、表示品質を損なわない範囲でのリサイズが有効です。 - ファイルを圧縮する(ZIP形式)
Windowsではファイルを右クリックし、「送る」→「圧縮(zip形式)フォルダー」を選ぶだけで簡単にZIP化できます。複数ファイルも一括でまとめられます。ただし、JPEGやMP4などすでに圧縮された形式のファイルはZIPにしても容量の削減効果が小さいことがあります。
ファイル形式を変換する
送信しようとしているファイルの形式が、メールサービス側で制限されている場合もあります。特に.exeや.batなどの実行ファイル、マクロ付きのOfficeファイル、パスワード保護されたアーカイブなどは、ウイルス拡散防止のためにブロックされることがあります。
このような場合、以下のような方法で対応できます。
- .exeファイルを送る必要がある場合は、まずZIP形式に圧縮し、可能であればパスワードは設定せずに共有しましょう。
- WordやExcelのマクロ付きファイルは、マクロを削除し、PDF形式に変換して送信すると、安全性が高まり、受信側の制限にも引っかかりにくくなります。
- 画像は一般的に互換性の高いJPEGやPNG形式に変換するのが無難です。
形式を変更する際は、送信目的とセキュリティを考慮し、受信者が扱いやすい形式を選ぶようにしましょう。
メールクライアントやネットワークの状態を確認する
添付ファイルが送れない原因は、ファイル自体に限らず、使用しているメールソフトや通信環境にある場合もあります。以下のような点をチェックしてみましょう。
- メールソフトのバージョン
古いメールソフトでは、セキュリティや添付ファイル処理に不具合が出ることがあります。OutlookやThunderbirdなどを利用している場合は、最新バージョンであるか確認し、必要に応じてアップデートを行いましょう。 - セキュリティソフトの設定
ウイルス対策ソフトやファイアウォールが、添付ファイルの送信をブロックしているケースもあります。設定メニューで「メールスキャン機能」や「添付ファイルのブロック」などの項目を確認し、必要に応じて一時的に無効化できるか検討しましょう。 - 通信環境のチェック
インターネット接続が不安定だと、大きなファイルの送信中に接続が切れ、失敗することがあります。オンラインのスピードテストで回線速度を測定し、遅い場合はモデムやルーターの再起動、可能であれば有線LANに切り替えることを検討しましょう。
受信者に状況を確認・連絡する
送信側の対策だけでは解決できない場合もあります。特に以下のようなケースでは、受信者側に確認・協力を依頼することが有効です。
- 受信者のメールボックスが満杯
受信者の容量オーバーが原因の場合、送信側では対応することはできません。「メールが届かないようですが、受信ボックスの容量をご確認いただけますか?」と一言確認するだけで、スムーズに解決することもあります。 - 受信者のメールシステムの制限
セキュリティポリシーが厳しい企業では、パスワード付きファイルや暗号化ファイル、特定の拡張子が自動で削除される設定になっていることがあります。相手に「添付ファイルがブロックされていないかご確認いただけますか?」と依頼し、必要に応じて別形式での再送を提案しましょう。
メール添付に代わる安全なファイル共有方法
メール添付が難しい場合や、より安全にファイルを送りたい時には、代替サービスが役立ちます。
ファイル転送サービスを利用する
ファイル転送サービスは、オンライン上にファイルをアップロードし、そのダウンロード用URLを受信者に共有するサービスです。
大容量のデータを共有でき、ファイルの保存期限が設定されていることが多いです 。セキュリティ対策としてダウンロード時にパスワードを設定できるサービスもあります。無料サービスはセキュリティ機能が限定される場合があるため、ビジネス利用にはセキュリティ対策が充実した有料サービスの利用がおすすめです。
- ギガファイル便:登録不要、1ファイルあたり最大300GB、保存期間は最長100日。国内での利用が多く、操作も簡単。
- データ便:無料で2GB/5GB、有料版ではさらに大容量対応。ファイル送信後の開封通知機能あり。
- Firestorage:会員登録なしで使えるが、登録すればファイル管理やセキュリティ設定が可能に。
- tenpu:広告なし、1GBまでのファイルを手軽に送れる。シンプルな操作性が魅力。
これらのサービスは、大容量ファイルを安全に「一時的に」共有したい場合に最適です。
オンラインストレージを活用する
オンラインストレージ(クラウドストレージ)は、ファイルをクラウド上に保管し、共有用のURLを通じて他者とファイルを共有できるサービスです。
必要に応じて容量の拡張も可能で、インターネットに接続されていればどこからでもファイルにアクセスできます。アップロード時のウイルスチェック、2段階認証、アクセスの制限など、高いセキュリティ機能を備えたサービスが多く、ビジネスシーンでも安心して利用できます。
- Google ドライブ:15GB。Gmailとも連携しやすく、Googleドキュメントなどとの共同編集にも対応。
- OneDrive:5GB。Microsoft 365との統合が強力で、Office文書の共有に便利。
- Dropbox:2GB。シンプルな操作と高速な同期でビジネス利用にも定評あり。
- Box:10GB。セキュリティ機能が豊富で、多くの企業で導入実績あり。
- MEGA:20GB。エンドツーエンドの暗号化に対応しており、プライバシー重視のユーザーに人気。
- pCloud:10GB。安全性と使いやすさのバランスが取れている。
- iCloud:5GB。Appleユーザー向け。MacやiPhoneとの連携に優れている。
- Amazon Photos:写真は無制限、動画は5GBまで。写真の長期保管に適している。
オンラインストレージは、PPAP(パスワード付きZIPファイル)に代わる安全なファイル共有手段として、政府や大手企業でも推奨されている方法です。
ビジネスチャットで共有する
メールよりも気軽にテキストベースのコミュニケーションができるビジネスチャットツールでは、チャットにファイルを直接アップロードして共有できます。誤送信などのトラブルを回避しやすく、やり取りの履歴や操作ログが残るため、セキュリティ面でも安心です 。
- Chatwork:日本国内での利用が多く、操作が直感的。中小企業を中心に人気。
- Microsoft Teams:OutlookやWordなどOffice製品との統合性が高く、大企業でも導入が進んでいる。
- Slack:グループチャット・スレッド管理・外部連携などが充実。エンジニアやスタートアップに広く利用されている。
注意点として、ビジネスチャットにはファイルのアップロード容量に制限があるため、動画や高解像度の画像など大きなファイルは他の方法と併用するのが現実的です。
メール添付のマナーと注意点
ファイルをメールで送る際には、相手への配慮が大切です。マナーを守り、スムーズなやり取りを心がけましょう。
添付前に相手に確認する
ファイルを添付する前に、相手にファイルを添付しても問題ないか、希望するファイル形式はあるかを確認することが望ましいです。
相手のメール環境によっては、容量制限やセキュリティ設定で添付がブロックされることもあります。事前確認をしておけば、送信ミスや再送の手間を防げます。
件名と本文に添付を明記する
メールの件名と本文には、「〇〇の資料添付」など、添付ファイルの有無を明記しておくと親切です。相手はメールを開封しなくても添付ファイルの有無を把握できるため、見落としを防ぎ、メールの重要性を認識しやすくなります。
ファイル名をわかりやすくする
添付するファイル名は、受け取った相手が内容を一目で理解できるように、シンプルで意味の伝わる名称にすることが大切です。例えば、「社名」「ファイルの詳細」「日時」などを明確に入れることで、相手がファイルを整理しやすくなります。
- 社名_資料名_日付.pdf
- 例:「ABC社_提案書_20250530.pdf」
特にビジネスシーンでは、ファイル名が不明瞭だと、相手が内容を把握するまでに時間がかかる、誤って別のファイルを開いてしまうといったリスクがあります。
PPAP(パスワード付きZIP)の問題点と代替策
パスワード付きZIPファイルを添付し、パスワードを別のメールで送る「PPAP」方式は、セキュリティ上の課題が指摘されています 。
主な問題点は次の通りです。
- メールサーバーのウイルスチェックを回避してしまう
- パスワードとファイルが同じ経路で届くため、盗聴に弱い
- 解凍できないトラブルが起きやすく、業務効率が下がる
- 実際には単純なパスワードが使われがちで、セキュリティ効果が不十分
そのため、政府や大手企業でもPPAPの利用を廃止する動きが広がっています。
代替策としては以下の方法が有効です。
- Google DriveやDropboxなどのクラウドストレージを活用
共有リンクにアクセス制限や有効期限を設定できます。 - ギガファイル便などのファイル転送サービスを活用
一時的にファイルをアップロードし、パスワード付きのダウンロードリンクを送信できます。 - Microsoft TeamsやSlackなどのビジネスチャットで共有
セキュリティが確保され、ログも残るため、管理性にも優れます。
これらはPPAPに代わる、より実用的で安全なファイル送信方法として広く利用されつつあります。
主要メールサービスの添付ファイル容量制限一覧
利用しているメールサービスによって、添付できるファイルの容量は異なります。主なサービスの制限を把握しておきましょう。
メールサービス | 添付ファイル容量上限 | 備考 |
---|---|---|
Gmail | 25MB | 25MBを超える場合はGoogleドライブ経由 |
Outlook.com | 25MB | OneDrive経由で2GBまで |
Outlook (一般的なインターネットメール) | 20MB | |
Outlook (Exchangeアカウント) | 10MB | |
Yahoo!メール | 25MB | メール本文含む、ファイル数50個まで |
ドコモメール | 約10MB | 本文含む |
auメール | 2MB (合計) | メールアプリ(MMS)は200MB |
ソフトバンクメール | 2MB |
よくあるメールエラーメッセージとその意味一覧
メールにファイルを添付して送信したあと、「MAILER-DAEMON」や「Mail Delivery Subsystem」からのエラーメールが届くことがあります。これは、送信に失敗したときに自動で返ってくる通知です。エラーメッセージの内容を読めば、どこで問題が起きたかを判断できます。
エラーメッセージ/コード | 意味 | 対策 |
---|---|---|
MAILER-DAEMON / Mail Delivery Subsystem | メールが正常に送信できなかったことを示す自動返信エラーメール | エラーメールの本文を確認し、原因を特定 |
User unknown | 宛先メールアドレスのユーザー名(@より前)が間違っています | メールアドレスのユーザー名を確認 |
HOST unknown / host not found | 宛先メールアドレスのドメイン名(@より後ろ)が間違っています | メールアドレスのドメイン名を確認 |
Message content rejected | 送信したメールが受信サーバーにスパムやウイルスと判断され、拒否されました | ウイルスチェック、件名や本文の不適切な表現を見直す |
Storage quota exceeded / Message size exceeds remaining | 受信者側のメールボックス容量オーバーの状態です | 受信者に連絡し、空き容量を確保してもらう |
Too much mail data | メールまたは添付ファイルのサイズが送信可能な上限を超えています | ファイルの圧縮、または添付ファイルの数・サイズを見直す |
4xx系エラー (例: 452, 4.2.2 The email account that you tried to reach is over quota.) | 一時的なエラー(一時的な回線混雑やサーバー制限によるもの) | 時間を置いて再送信を試す、受信者に連絡する |
5xx系エラー (例: 550, 5.2.1 The email account that you tried to reach is disabled.) | 永続的なエラー(送信側に修正が必要な問題) | メールアドレスが有効か確認し、必要に応じて受信者に問い合わせる |
メール添付ファイルが送れないときの対処と共有方法まとめ
メールでファイルが送れない原因は、容量オーバーや形式制限、受信者側のメール設定やセキュリティ制限など、さまざまな要因があります。まずはファイルのサイズや形式を確認し、必要に応じて圧縮や形式の変換、ネットワーク設定の見直しを行いましょう。それでも送信できない場合は、クラウドストレージやファイル転送サービスなどを使えば、安全かつ確実にファイルを共有できます。また、相手への配慮やビジネスマナーを意識することで、不要なトラブルを防ぎ、スムーズなやり取りが可能になります。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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