- 作成日 : 2025年7月17日
チケット管理をツールで効率化!主な機能や違いを比較!
問い合わせやタスクの対応が追いつかない、進捗が見えにくいと感じたら、チケット管理ツールの導入が効果的です。情報を一元化し、業務の遅れや対応漏れを防ぎながら、顧客対応や社内作業の効率を高められます。この記事では、チケット管理ツールの基本機能や利用シーン、代表的なツール、選び方や導入時の注意点までをわかりやすく解説します。
チケット管理とは
チケット管理は、顧客からの問い合わせや、社内業務の依頼を「チケット」として登録し、対応状況を整理・追跡する方法です。誰が何を対応しているかを明確にし、進捗を把握できます。
使われる場面は、例えば以下のような業務です。
- 顧客からの問い合わせ(返品対応、使い方の質問など)
- 社内のITサポート(パスワード再発行、PCトラブルなど)
- システム障害やバグ報告(ログイン不具合、画面表示エラーなど)
- プロジェクト内のタスク整理(資料作成、外注手配など)
こうした場面では、対応の抜けや遅れを防ぎ、スムーズに進行するためにチケット管理が役立ちます。対応履歴も残せるため、引き継ぎや再発防止にも使えます。
チケット管理をExcelで管理
Excelは初期コストがかからず、手軽に始められる方法です。行単位でチケットを管理し、進捗を手動で更新します。ただし、複数人での同時編集が難しく、リアルタイム共有や履歴管理が困難です。
チケット管理をツール・システムで管理
専用ツールは自動化や可視化に優れています。チケットの自動登録・振り分け、ステータスのリアルタイム表示、履歴検索やレポート機能などを備え、情報共有と業務効率を向上させます。
チケット管理ツールとは
チケット管理ツールは、問い合わせや業務依頼を「チケット」として記録・整理し、対応状況を見える化するシステムです。業務の抜けや遅れを防ぎ、チーム全体で対応を共有できます。
チケット管理ツールの主な機能
- チケット自動作成
メール、チャット、電話、Webフォームなど複数の窓口から届いた情報を自動でチケット化します。 - ステータス管理
「未対応」「対応中」「完了」などの進捗状況をリアルタイムで表示し、現在の状況を一目で把握できます。 - 担当者割り当て
チケットごとに担当者を指定し、対応の属人化を防ぎます。ルール設定による自動振り分けも可能です。 - コメント・ファイル共有
チケット内で関係者がコメントを残し、資料などを添付してやり取りできます。メールのやり取りが不要になります。 - 履歴の蓄積と検索
過去の対応履歴を保存・検索できるため、同じような問い合わせに素早く対応できます。 - レポート機能
対応時間や件数、滞留チケットなどをグラフで可視化し、業務の傾向分析や改善に役立ちます。
チケット管理ツールの利用シーン
- 顧客サポート
問い合わせやクレーム対応をチケット化し、対応の漏れを防ぎます。 - 社内ヘルプデスク
パスワード再発行、機器の不具合対応など、社内からの依頼を記録して対応します。 - システム障害・バグ管理
エラーや不具合の報告をトラッキングし、再発防止にも活用されます。 - プロジェクトのタスク整理
各メンバーのタスクをチケット化し、担当や進捗を明確にします。 - 業務の引き継ぎ・ナレッジ共有
記録が残るため、担当交代時の引き継ぎがスムーズになり、情報が蓄積されていきます。
チケット管理に役立つ代表的なツール7選
代表的なチケット管理ツールを7つ紹介します。機能や使いやすさを比較しながら、自社に合った選定の参考にしてください。ヘルプデスク業務、プロジェクト管理、タスク管理など、幅広い用途で活用されています。
Zendesk(ゼンデスク):顧客サポートに特化
Zendeskは、世界中で広く利用されているクラウド型のチケット管理ツールです。顧客サポートに特化しており、メール、チャット、電話、SNSなど、複数のチャネルから寄せられる顧客からの問い合わせを一元管理できます。
例えば、顧客からのメールが自動的にチケット化され、担当者に割り当てられます。AIを活用したチャットボット機能も備わっており、定型的な質問には自動で対応できます。これにより、顧客は迅速な回答を得られ、サポート担当者はより複雑な問題に集中できます。レポート機能も充実しており、顧客対応の品質を分析し、改善に役立てられます。
無料トライアル期間:14日間
Freshdesk(フレッシュデスク):シンプルな操作性
FreshdeskもZendeskと同様に、顧客サポート向けのクラウド型チケット管理ツールです。直感的なインターフェースが特徴で、導入後すぐに使い始められます。例えば、自動でチケットを分類する機能や、担当者への振り分けルールを設定する機能があり、手作業を減らせます。
また、ナレッジベースを作成する機能も備わっており、よくある質問とその回答を公開することで、顧客自身で問題を解決できるように促します。
これにより、問い合わせ数を減らし、サポート業務の負担を軽減します。
無料プランあり/有料プラン:月額約2,200円〜/無料トライアル期間:21日間
JIRA Service Management(ジラ サービスマネジメント):IT運用に強い
JIRA Service Managementは、Atlassian社が提供するITSM(ITサービスマネジメント)向けのチケット管理ツールです。主にIT部門でのインシデント管理、変更管理、サービスリクエスト管理などに活用されます。
例えば、システム障害が発生した際に、JIRA Service Management上でインシデントチケットを作成し、関係者間で状況を共有しながら解決にあたります。JIRA Softwareとの連携が強力で、開発と運用の連携に適しています。 開発チームとの連携を重視する企業、ITサービスを体系的に管理したい企業に最適です。
無料プラン(3ユーザーまで)あり/有料プラン:月額約2,500円〜/無料トライアル期間:7日間
Redmine(レッドマイン):高いカスタマイズ性と無料利用
Redmineは、オープンソースのプロジェクト管理ツールですが、チケット管理機能も充実しています。業務にあわせてカスタマイズでき、自社サーバーにインストールしてカスタマイズできる点が特徴です。例えば、プロジェクトの進捗管理、タスクの割り当て、バグ報告など、多様な「チケット」を管理できます。
互換のオープンソースソフトウェアが豊富で、自社の業務に合わせて機能を追加できる拡張性があります。チケット・プロジェクトで利用できる独自のカスタムフィールドを追加できます。費用を抑えたい、自由な設定が必要な中小企業や技術部門に向いています。
無料プラン(OSS)あり/有料サービス例:月額10,000円〜/無料トライアル:最大2ヶ月間
Backlog(バックログ):日本語対応と視覚的な進捗管理
Backlogは、日本企業のヌーラボが提供するクラウド型ツールです。IT以外の部署でも使いやすいインターフェースで、ガントチャートやバーンダウンチャートによる進捗の見える化が特徴です。課題管理と情報共有がスムーズに行えます。 日本語サポートや商習慣への対応も整っており、非IT部門にも導入しやすいです。
無料プラン:なし/有料プラン:月額2,970円〜(30ユーザーまで)/無料トライアル期間:30日間
ServiceNow(サービスナウ):業務全体の統合管理
ServiceNowは、ITサービスを含む企業内の多様な業務プロセスを一元管理できる統合プラットフォームです。ITIL準拠の機能や自動化・AI機能が充実しており、大規模な組織や複雑なIT環境に適しています。 導入には専門的な知識や設計が必要で、導入コストも高めです。
有料プラン:個別見積もり(月額数万円〜)/無料トライアル:要問い合わせ
Asana(アサナ):シンプルなチケット管理が可能
Asanaはタスク・プロジェクト管理ツールですが、簡易的なチケット管理にも活用できます。タスクに担当・期限・ステータスを設定し、コメントやファイル共有も可能です。 少人数チームやライトな運用をしたい企業に適しています。
無料プランあり(最大10ユーザー)/有料プラン:月額約1,200円〜/無料トライアル期間:要問い合わせ 少人数チームやライトな運用をしたい企業に適しています。 無料プランでは最大10ユーザーまで基本機能を利用でき、有料プランは月額約1,200円~(Starter)から。中小企業や大企業向けにより高度なサービス、Enterprise ・ Enterprise+ プランへの拡張も可能です。
チケット管理ツールの選び方
チケット管理ツールは、機能・使いやすさ・費用・セキュリティの4点を基準に選びます。導入後に使われなくなるケースも多いため、最初の選定で業務に合ったツールを見極めることが大切です。
業務に合った機能があるか
ツール選定で最も重要なのは、自社の業務に必要な機能が備わっているかどうかです。例えば、顧客対応業務なら、問い合わせの自動振り分け、ナレッジベース、複数チャネル対応が求められます。一方、社内のITサポートなら、インシデントや変更の管理、優先度設定、SLA(対応時間の目標)などが役立ちます。
機能が多すぎても使いこなせない場合があるため、「必要な機能に絞って選ぶ」ことが失敗しにくいポイントです。
チーム全体で使いやすいか
どんなに高機能でも、使いにくければ業務効率は落ちます。画面の見やすさ、操作の直感性、スマホ対応、社内マニュアルの必要度など、実際に使用する従業員の視点で確認することが大切です。
無料トライアルやデモ環境が提供されているツールは、導入前に現場メンバーと一緒に操作感を確かめられるため安心です。
コストが予算に見合っているか
初期費用、月額費用、サポート費用など、導入にかかる全体のコストを事前に把握しておくことが重要です。無料プランや段階的に機能拡張できるプランがあると、スモールスタートが可能です。
有料プランでも、月額1,500円〜利用できるものから、数万円以上かかる大規模向けツールまで幅があります。費用に見合った機能とサポートが得られるかどうかが比較のポイントです。
セキュリティとデータの取り扱い
チケットには顧客情報や社内の機密情報が含まれるため、セキュリティ体制も確認が必要です。データの暗号化、多要素認証、アクセス権限の管理、バックアップ体制などが整っているツールを選びます。
特にクラウド型の場合は、データセンターの所在地やベンダーのセキュリティ認証(ISO27001など)の有無もチェックポイントです。
チケット管理ツール導入時の注意点
チケット管理ツールは、ただ導入するだけでは効果を発揮しません。業務に定着させるためには、導入前の準備、運用ルールの明確化、トレーニング、セキュリティ対策など、複数の視点での配慮が必要です。
業務フローの見直しをせずに導入しない
既存の業務フローをそのままツールに当てはめようとすると、かえって混乱が生じることがあります。導入前に、「どの情報を、誰が、いつ、どのように入力・管理するのか」を明確にしたうえで、ツールの仕様とすり合わせることが重要です。
特に、複数の窓口から情報が届く場合や、対応フローが複雑な場合は、事前の整理が欠かせません。
チーム内で運用ルールを統一する
ツールを効果的に活用するには、使い方がチーム内でバラバラにならないようにルールを整備しておく必要があります。例えば、チケットのタイトルや内容の記入方法、進捗ステータスの更新タイミング、対応完了の定義などがあいまいだと、情報が混在して管理しにくくなります。
運用ルールは簡潔かつ具体的に定め、全員に共有し、定期的に見直す体制も必要です。
ツールの使い方を放置しない
導入後に「誰も使わなくなった」という失敗は少なくありません。多くの原因は、使い方がよくわからない、もしくは面倒に感じることです。操作マニュアルを整備するだけでなく、導入初期には勉強会やフォローアップを実施するなど、現場で継続して使われる工夫が必要です。
また、チーム内に“ツールの管理役”を決めておくと、ルールの徹底や改善提案がしやすくなります。
セキュリティ設定を後回しにしない
チケットには個人情報や業務上の機密が含まれることが多いため、セキュリティ対策は後回しにせず最初に設計すべきです。管理者・担当者ごとのアクセス権限を適切に設定し、外部とのやり取りがある場合は、通信の暗号化やファイルの取扱い方針もあわせて明確にしておきます。
特にクラウド型ツールを導入する際は、ログ管理やデータの保存先、ベンダーのセキュリティポリシーも確認しておくと安心です。
チケット管理ツールで業務と対応のムダをなくす
チケット管理ツールは、顧客からの問い合わせやタスクの状況を一元管理できることで、チーム全体の連携がスムーズになり、顧客対応の品質も安定します。
ツール選定では、必要な機能、使いやすさ、費用、セキュリティの観点から比較することが大切です。無料プランやトライアルを活用し、実際の業務に合ったものを見極めましょう。
日々の業務の無駄や属人化を減らす手段として、チケット管理ツールの導入は有効です。
適切なツールを選び、運用ルールを確立することで、組織全体の生産性を向上させられます。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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