- 作成日 : 2025年7月17日
タスクとToDoの違いは?今日から使える業務効率化のコツを解説
日々の業務に追われる中で、やるべきことが増える一方で整理が追いつかず、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。そんなときによく耳にするのが「タスク」と「ToDo」という言葉です。どちらも仕事を進めるうえで欠かせない要素ですが、その違いを正しく理解し、状況に応じて使い分けることで、業務の効率は大きく変わってきます。本記事では、タスクとToDoの違いをわかりやすく解説し、整理のコツやおすすめの管理ツールも紹介します。
目次
「タスク」と「ToDo」の意味の違いとは
ビジネスで使われる「タスク」と「ToDo」にはどのような違いがあるのでしょうか。
タスク(Task)とは、業務上取り組むべき作業や課題のことです。一般的にタスクには「誰がいつまでに行うか」という具体的な期限や担当者が設定されており、プロジェクトや仕事の一部として位置づけられます。例えば「今週末までに会議資料を作成する」「○月○日までに顧客へ提案書を提出する」など、明確な締め切りのある作業はタスクと呼ばれます。
一方、ToDo(トゥードゥー)とは、「やるべきこと(未完了の作業)」を指します。ToDoは本来「to do=すべきこと」という意味で、日常的なやることリストとして使われます。明確な期限が設定されていない作業や、思いついた用事・備忘録的な項目も含まれるのが特徴です。例えば「デスク周りを整理する」「読みたい業界誌の記事に目を通す」など、今すぐに対応する必要はないが、いずれやりたいことがToDoに該当します。
つまり、「タスク」と「ToDo」の主な違いは「期限の有無」にあると言えます。期限や納期が設定された業務はタスク、期限がなく単にやるべきことリストに載せている項目はToDoという使い分けです。ただし、この違いは絶対的なものではなく、あくまで一般的な使い分けの目安です。両者とも「やるべきこと」には違いないため、しっかり区別して管理しないと、進捗の認識にズレが生じる可能性もあるので注意が必要です。
タスクとToDoの違いがわかりにくい理由
タスクとToDoの違いがわかりにくい理由の一つに、両者が「やるべき作業」として重なるため、日常会話で区別されず使われることがあります。実際に、明確にその違いを意識せずに使っている人も少なくありません。
また、公式な定義やルールがなく、辞書的には「タスク=任務・課題」「ToDo=やること」とされていても、実務においては人や組織ごとに異なる解釈が存在します。「ToDoにタスクが含まれる」と考える人や、両者をほぼ同じ意味として使う人もいます。
さらに、どちらもカタカナや英語で表現される外来語であるため、新人には馴染みが薄く、上司や同僚からの指示内容が曖昧に感じられる場合もあります。
このように、明確な定義や使い分けが浸透していないことが混乱の背景となっています。今後は自分なりに「タスク」と「ToDo」の違いを意識し、適切に使い分ける工夫が業務効率化にも役立つでしょう。
ビジネス現場での「タスク」と「ToDo」の使い分け方
タスクとToDoはどちらも「やるべきこと」ですが、ビジネスの現場では意味や使い方に違いがあります。両者を適切に使い分けることで、抜け漏れを防ぎ、業務の優先順位を整理しやすくなります。ここでは使い分けの方法を、実践的な観点から整理して紹介します。
締め切りのある仕事は「タスク」として管理する
ビジネスにおける「タスク」とは、納期や締め切りが明確に決まっている作業を指します。「来週までに報告書を提出する」「○日までにクライアントへ連絡する」といったように、誰がいつまでに取り組むのかがはっきりしているものは、タスクとして捉えると整理しやすくなります。
このようなタスクは、プロジェクト管理ツールやスケジュール表に記録して、担当者や期日をチームで共有すると、対応漏れの防止につながります。タスクが複数ある場合には、優先度をつけたり、進捗を可視化したりする工夫も有効です。タスクは期限を守る必要があるため、日々の業務の中でも早めに着手する意識が求められます。
締め切りがない作業は「ToDoリスト」で整理する
一方、期限が明確でない作業や、急ぎではないがいずれ対応したいことは、ToDoとして個人リストに記録する方法が適しています。ToDoは「やることメモ」のようなもので、「資料のファイル整理」や「業界ニュースを読む」など、日常業務の合間に処理しやすい作業が多く含まれます。
ToDoリストを作成することで、忘れがちな作業を可視化でき、タスクの合間に効率よく消化することができます。業務に優先順位をつける際にも、ToDoリストに並べておけば、どの作業から取り組むべきか判断しやすくなります。
チームではタスクを、個人ではToDoを活用する
プロジェクトやチーム単位での仕事では、タスクとして業務を管理する方法が効果的です。プロジェクト管理ツールを使えば、タスクごとに進捗や担当者を明確にでき、チーム全体の動きが見えやすくなります。一方、各メンバーの個人的な仕事や業務補助的な作業は、ToDoリストを活用することで柔軟に管理できます。
新入社員が、上司から「週末までに資料をまとめておいて」と指示された場合、それは明確な期限があるためタスクとして扱います。一方、自分で「明日の会議準備をしておこう」「報告書を一度読み直す」と考えた作業は、ToDoとしてリスト化しておくと漏れがありません。
このように、タスクとToDoの違いを明確にした上で管理方法を使い分けることで、業務の流れがスムーズになり、仕事の整理がしやすくなります。また、チーム内でも「これはタスクか、それともToDoか」を共有しておくことで、業務分担や確認作業が円滑に進み、認識のズレによるミスを減らすことにもつながります。
タスクとToDoを整理するコツと注意点
業務の現場では、タスクとToDoが入り混じって存在していることが多く、整理の仕方によって作業効率やミスの有無に大きな差が出てきます。どちらも「やるべきこと」ですが、管理の方法や扱い方を工夫することで、作業の見通しが立ちやすくなり、日々の業務をスムーズに進めることができます。ここでは、タスクとToDoを効果的に整理するコツと、注意すべきポイントを紹介します。
書き出して見える化する
まず行いたいのが、頭の中にあるタスクやToDoをすべて書き出して「見える化」することです。記憶に頼って作業を管理していると、抜けや漏れが起きやすく、優先順位を正しく判断できないこともあります。紙のノートやホワイトボード、あるいはスマートフォンのメモアプリなど、自分が扱いやすい方法を使ってリスト化しましょう。
その際には、期限が明確な作業をタスク、それ以外はToDoとして区別するのがポイントです。例えば「月末までに請求書を送付する」といったものはタスクとして記載し、「資料棚を整理する」「社内報をチェックする」など、急ぎでない項目はToDoとしてまとめておきます。こうして視覚的に区別することで、「今やるべきこと」と「あとでやれること」が整理され、取り組む順番も明確になります。
期限と優先度の管理を習慣化する
タスクには必ず期限を設定し、それに応じて優先度を決めていきましょう。どの業務をいつまでに行うかを具体的に決めておくと、スケジュールの中での位置づけが明確になります。可能であれば、紙の手帳やデジタルカレンダーに登録し、アラートや通知などの機能も併用すると、より効果的に管理できます。
一方、ToDoに関しては、放置しないことが大切です。リスト化したまま忘れてしまうと、結局やるべきことがたまってしまい、混乱を招きます。ToDoは毎日あるいは毎週見直しを行い、内容を更新したり、必要のないものを削除したりして、リストを常に新しい状態に保っておきましょう。これにより、精神的な負担が軽くなり、モチベーションの維持にもつながります。
大きなタスクは細かく分ける
業務の中には「企画立案」や「月次報告の準備」など、大きくて漠然としたタスクが含まれることもあります。このようなタスクは、そのままでは手を付けづらく、後回しになりがちです。そこで有効なのが、タスクを具体的なToDoに分解することです。
例えば「新商品の提案準備」というタスクを、「市場調査を実施する」「競合製品を分析する」「提案書の骨子をまとめる」などのように分けることで、一つずつ段階的に取り組むことが可能になります。それぞれのToDoには簡単な期限や目安時間を設定しておくと、着手のハードルが下がり、進捗も感じやすくなります。ただし、分割しすぎると逆に手間が増え、リストの管理が煩雑になるので、あくまで管理しやすい単位での分解を心がけましょう。
自分に合った方法を優先する
タスクとToDoの管理において、完璧を目指して形式にこだわりすぎる必要はありません。「これはタスクなのかToDoなのか」と毎回悩んでしまうようでは、本来の業務が滞ってしまいます。重要なのは、自分が継続しやすい方法で整理することです。
例えば、紙の手帳が好きな人は手書きで、スマホのアプリをよく使う人はデジタルで、というように、自分に合ったスタイルを選ぶのが良いでしょう。アプリの機能が多すぎて使いこなせないよりも、シンプルでも使い続けられる方法のほうが、日々の業務には効果的です。
また、ある程度のルールを決めておくことで、迷いを減らすことができます。例えば「期限のあるものはすべてタスクに」「3日以上放置したToDoは削除候補に」といった簡単な基準を設けておくと、リストの更新がスムーズになります。こうしたルールはチーム内でも共有しておくと、認識のずれを減らすことができ、スムーズな業務連携にもつながります。
おすすめのタスク管理法と使えるアプリ紹介
タスクとToDoの違いを理解したうえで、それを実際にどう管理するかが次のステップになります。ここでは、タスク管理法と使いやすいアプリを紹介します。
毎朝5分のToDo作成から始める
最初から複雑な管理方法に挑戦する必要はありません。まずは、毎朝5分間だけ、今日やるべきことをリストアップすることから始めてみましょう。やることリストを作り、それぞれの項目に優先順位をつけましょう。重要度や緊急度が高いものをリストの上位にし、期限があるものには日付を記載しておくと、自然とタスクとToDoの整理ができます。
書き出したリストは、完了した項目にチェックを入れるだけでも達成感が得られ、作業意欲が継続しやすくなります。慣れてきたら、日次だけでなく週単位・月単位のタスク計画にも挑戦してみると、より大きな視点で仕事を管理できるようになります。
「優先度マトリクス」で効率的に整理する
少し慣れてきたら、「優先度マトリクス」を使ってタスクとToDoを分類してみるのもよい方法です。これは「緊急かつ重要」「重要だが緊急ではない」「緊急だが重要でない」「どちらでもない」という4つの領域に分類して整理する手法です。
例えば、クライアントへの提出資料の準備などは「緊急かつ重要」、今後の企画立案に関する調査は「重要だが緊急ではない」と分類されます。視覚的に整理することで、何から手を付けるべきかが明確になり、無駄な時間を減らすことができます。最初は難しく感じるかもしれませんが、一度この視点で自分のリストを見直してみるだけでも、改善のヒントが得られます。
初心者におすすめのタスク管理アプリ
Todoist(トゥドゥイスト)
Todoistは、ToDo管理アプリの定番ともいえる存在です。インターフェースがシンプルで使いやすく、スマートフォンやPCから手軽にアクセスできます。項目の追加や編集もスムーズで、期限の設定やラベルによる分類、優先度の指定も可能です。プロジェクトごとにリストを分けることもできるので、仕事とプライベートのタスクを分けて管理するのにも便利です。
使い始めのうちは、思いついたToDoを書き込むだけでも十分効果を実感できます。まずは「毎日のメモ帳」として活用し、次第にタスクの整理にも活用範囲を広げていくのがおすすめです。
Microsoft To Do(マイクロソフト トゥドゥ)
Microsoft To Doは、Windowsユーザーとの相性が良いタスク管理アプリです。OutlookやMicrosoft 365と連携できるため、メールとスケジュールの流れの中でタスクを自然に管理できます。各ToDoに締め切りやリマインダーを設定することも可能で、シンプルな見た目ながらしっかりとタスク管理機能を備えています。
ビジネスで使っているPCがWindows環境であれば、導入の手間が少なく、すぐに運用を始められるのも魅力です。チームでの共有リストの作成もできるため、社内の情報共有にも活用できます。
Trello(トレロ)
Trelloは、カード形式でタスクを管理できるカンバン方式のアプリです。「未着手」「進行中」「完了」などの列を作成し、カードをドラッグ&ドロップで移動させることで、作業の進行状況を視覚的に確認できます。
各カードにはチェックリストや期限、メモを追加でき、カード=タスク、チェックリスト=ToDoという形で使い分けも可能です。直感的に操作できるため、視覚的に整理するのが好きな人にとっては特に使いやすいツールです。自分専用のボードを作成するだけでも、思考の整理に役立ちます。
タスクとToDoの違いを理解し、業務効率を高めよう
タスクとToDoは似ているようで異なる概念です。違いを理解し、目的に応じて適切に使い分けることで、仕事の優先順位が整理しやすくなります。リスト化や見える化、ツールの活用を通じて、初心者でも無理なくタスク管理を始められます。日々の業務をスムーズに進めるためには、自分に合った管理方法を継続的に実践することが重要です。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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