- 作成日 : 2025年7月17日
Teamsでタスク管理を始めるには?おすすめの管理方法や使い方を解説
Microsoft Teams(チームズ)は、コミュニケーションだけでなく、チームや個人のタスク管理にも使える多機能なツールです。
多くの企業でTeamsの導入が進む中、「タスク管理もTeamsで完結させたいけれど、どうすればよいかわからない」「どんなアプリがおすすめなの?」といった疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。
この記事では、Teamsを使ったタスク管理の具体的な方法や、おすすめの連携ツール、さらにタスク作成の準備から使い方まで解説します。
目次
Teamsでタスク管理するメリット
Teamsでタスク管理を行うことは、チーム内のコミュニケーションを円滑にし、業務の生産性を高める多くの利点があります。情報が分散せず、一箇所で管理できることが大きな強みです。
コミュニケーションの一元化
タスクに関する会話とタスク自体が同じプラットフォーム内にあるため、情報が分散しません。タスクの進捗状況や関連する議論、資料の共有などがすべてTeams上で行えるため、メールや他のツールを行き来する手間が省けます。これにより、メンバー間の認識のずれが減り、タスク実行に必要な情報のやり取りがスムーズになります。
タスクの見える化
Teamsのタスク管理機能を使うと、誰がどのタスクを担当し、現在の進捗はどうなっているかといった状況が視覚的に把握できます。チームメンバー全員がタスクの全体像を共有できるため、特定のメンバーに業務が集中するのを防いだり、遅延しているタスクに気づきやすくなったりします。これにより、チーム全体でタスクのバランスを取り、協力して業務を進める体制が整います。
Microsoft 365との連携による効率化
Microsoft Teamsは、PlannerやTo Doといった他のMicrosoft 365のタスク管理ツールとシームレスに連携します。これにより、個人のTo Doリストからチームのプロジェクトタスクまで、一元的に管理できるようになります。Teams内でタスクを作成・管理できるだけでなく、Outlookのメールから直接タスクを作成したり、会議の議事録からアクションアイテムを自動でタスク化したりすることも可能です。連携機能を使うことで、情報入力の二度手間がなくなり、日々の業務効率が向上します。
Teamsでタスク管理をする方法
Teamsでタスクを管理するには、Microsoft 365のタスク系アプリとの連携が前提になります。Teams単体でもタスク管理は可能ですが、Planner、To Do、Outlookなどを組み合わせることで、個人とチーム両方のタスクを一元的に扱えるようになります。
ここでは、Teamsと連携できる主なタスク管理ツールと、それぞれの特徴を解説します。
Microsoft Planner
Plannerは、チーム全体で使うタスク管理ツールです。プロジェクトの進行に合わせて、タスクを「未開始」「進行中」「完了」といった段階で分類し、カード形式で視覚的に整理できます。
- タブとしてTeamsのチャネルに追加可能
- タスクに担当者・期日・メモなどを設定できる
- ステータスごとに分類されたカンバン形式
- チーム全体の進捗がひと目でわかる
プロジェクトの管理や、複数人でのタスクの分担に向いています。
Microsoft To Do
To Doは個人のタスク管理に特化したツールで、日々の「やること」を整理したい人に向いています。Teamsと連携させれば、Teams内から直接To Doにアクセスできます。
- 個人のタスクを一覧で表示
- 優先順位・期日・リマインダーを設定できる
- Plannerで自分に割り当てられたタスクも自動で表示
- Outlookと連携し、メールをタスク化できる
個人の作業とチームからの割り当てタスクを一緒に確認したいときに便利です。
Microsoft Outlookとの連携
Outlookはメール・カレンダーだけでなく、タスク機能も持っています。To Doとの連携により、Outlookで作成したタスクがTeamsにも反映されます。
- メールをそのままタスクに変換できる
- カレンダーの予定と連動させてスケジュール管理可能
- Outlookのタスク一覧がTo Doを通じてTeamsにも表示される
メール中心の業務を行っている場合や、予定とタスクを一緒に管理したい人に適しています。
このように、Teamsでのタスク管理は、単体機能だけでなく、他のMicrosoft 365ツールとの連携によって本領を発揮します。目的に応じてPlanner・To Do・Outlookを使い分けることで、チーム全体でも個人でも、効率的なタスク運用が実現できます。
Teamsでタスク作成する前の事前準備
Teamsでタスクを作成する前に、効果的なタスク運用のため、タスクの細分化と優先順位を決めましょう。後々の作業がスムーズに進みます。
タスクは必ずサブタスクに分解する
1つの大きな作業をそのままタスクとして登録してしまうと、進め方が曖昧になり、着手しづらくなります。これを避けるには、具体的な行動レベルまでタスクを分解し、「サブタスク」として設定することが重要です。
例えば、「新製品の企画」という大項目を登録するのではなく、以下のように細かく分けます。
- サブタスク1:ターゲット市場の調査(調査資料の収集、数値データの整理)
- サブタスク2:競合製品のリストアップと分析
- サブタスク3:商品コンセプト案の作成
- サブタスク4:社内レビュー資料の作成と提出
こうしたサブタスクごとに期日や担当者を設定することで、1つずつ確実に管理でき、PlannerやTo Do上でもタスクの進行状況が可視化されます。
Plannerの場合は、1つの「タスクカード」に対して「チェックリスト(=サブタスク)」を追加する機能があるため、1タスク=1作業というより、1タスクに複数の実行ステップを含める設計が可能です。
優先順位をあらかじめ明確にしておく
タスクに優先順位を設定しておくことで、「今やるべきこと」が明確になります。対応に迷わず取り組めるようになり、時間のロスや判断のストレスを減らせます。
優先順位は「緊急度」と「重要度」の2軸で判断するのが基本です。以下の4分類にあてはめて整理すると、対応順がはっきりします。
- 緊急かつ重要:すぐに対応(例:期限が迫った顧客への提案書)
- 緊急ではないが重要:計画的に実行(例:スキル習得や資料作成)
- 緊急だが重要でない:時間を決めて処理(例:報告メールの作成など)
- 緊急でも重要でもない:削除、または他者に委任する判断も検討
この分類をもとに、タスクを登録する段階で優先度を指定しておくと、日々のタスク処理がスムーズになります。
Teamsで使えるタスク管理ツールでも優先度設定は対応しています。Plannerでは「優先度」を「低」「中」「重要」「緊急」から選択できます。Microsoft To Doでは、★マークによる「重要」表示や、リストごとの整理によって優先度を分けて扱うことができます。
タスク登録時点で優先度を明確にしておくことで、後から見直したときにも迷いがなく、対応のスピードと精度が高まります。
タスクに必要な情報を事前に整理する
タスクを登録するときに迷わないように、誰が何をいつまでにやるのか、何を参照すればよいのかを事前に整理しておきます。
具体的には以下の要素を準備しておくとスムーズです:
- 担当者(自分 or チームメンバー)
- 期日・期限
- 添付資料やリンク(ファイル、OneDrive、SharePointなど)
- 関連タスクや依存関係(別タスクが終わるまでは着手できない、など)
これらはPlannerのタスク詳細画面、To Doの詳細入力欄から個別に登録できます。特に共有タスクの場合は、情報が揃っていないと他メンバーが動けないため、登録時点で必要な情報を含めておくことが大切です。
Teamsでタスク作成する方法や使い方
Teamsでタスクを作成し、管理する操作を解説します。主要なアプリである「 Planner」を中心に、その使い方を見ていきましょう。
Teamsにタスクアプリを追加する
まずはタスク管理アプリ「 Planner」をTeamsに追加します。これにより、タスク管理の中核となる操作が可能になります。
- Teams左側のナビゲーションバーで「…」をクリック
- 検索バーに「Planner」と入力し、アプリを選択
- 「追加」をクリックしてTeamsに導入
頻繁に使う場合は、アプリのアイコンを右クリックして「ピン留め」を選択すると、常に表示されるようになり、素早くアクセスできます。
新しいタスクを作成する
- タスクリストやプランを選び、「タスクを追加」をクリック
- タスク名を入力し、「期日」「担当者」「メモ」などを設定
- 作成したタスクはすぐにリストに反映され、進行可能になる
タスクをチームメンバーに割り当てる
タスクに担当者を設定しておくことで、責任の所在を明確にできます。複数人の割り当ても可能です。
- タスクの詳細画面を開き、「担当者」をクリック
- 表示されたメンバー一覧から選択
- 割り当てられたタスクは相手の「自分に割り当て済み」に自動で追加される
タスクの進捗を更新する
タスクの進捗状況を定期的に更新することで、チーム全体のタスク管理を円滑に進められるようになります。
- Tasksアプリ内の該当タスクをクリック
- 「未開始」「進行中」「完了」などの状態を選択
- コメント欄に進行中の状況や課題などを入力して共有
これにより、チームメンバーがタスクの現状を素早く把握でき、必要に応じてサポートを提供できるようになります。
タスクを完了する
タスクが完了したら、正しく処理しておくことで、チームの状況も正確に反映されます。
- タスクの左側にあるチェックボックスをクリック
- または詳細画面で「完了」を選択
- 完了済みのタスクは通常、リストから非表示か「完了セクション」に移動
- 後から完了タスクを確認することも可能
Teamsと比較されるタスク管理ツール
Microsoft Teamsのタスク管理機能はMicrosoft 365の他のサービスと連携して利用できる点で強みがありますが、他にもさまざまなタスク管理ツールがあります。ここでは、Teamsとよく比較されるツールをいくつか紹介します。
Asana|高度なプロジェクト管理に対応
Asanaは、チームでのプロジェクト進行に必要な機能を豊富に備えたタスク・プロジェクト管理ツールです。タスクを親子関係で構造化したり、依存関係を設定したりできるため、複雑な業務フローを持つ組織に向いています。
タイムラインやカレンダー、ワークフローの自動化といった機能が充実しており、タスクの進行状況を視覚的に把握できます。コミュニケーション機能もあるものの、中心はあくまでプロジェクト管理です。複数のタスクを並行して進める必要がある部門や、業務量が多いマネジメント層に適しています。
Trello|視覚的に直感操作できるカンバン方式
Trelloは、カードを使ってタスクをボードに並べて管理する、カンバン方式のタスク管理ツールです。ドラッグ&ドロップによる操作で、タスクの移動や進捗更新が簡単にでき、使い始めやすいのが特徴です。
「To Do」「Doing」「Done」といったシンプルな進行管理が基本で、個人でもチームでも手軽に使えます。コミュニケーション機能は限定的ですが、SlackやTeamsなどと併用されることも多く、特に少人数のチームやスタートアップ企業で広く採用されています。
Jira|開発チーム向けのタスク・イシュートラッキングに強い
Jiraは、ソフトウェア開発のプロジェクト管理に特化したタスク管理ツールです。バグの管理、機能開発の進行、スプリント単位での作業配分など、アジャイル開発に必要な機能が豊富に用意されています。
一般的なビジネスチームにはやや複雑に感じられることもありますが、IT部門や開発チームには高い評価を得ています。Teamsとは異なり、コードやリリース管理まで一貫して行いたい現場向けです。
Backlog|日本発、開発から一般業務まで幅広く対応
Backlogは、プロジェクト管理とタスク管理を統合した、日本製のツールです。ガントチャート、Wiki、バージョン管理(Git/SVN)といった機能を備え、ソフトウェア開発だけでなく、営業、広報、人事など非エンジニア部門でも扱いやすいインターフェースが特徴です。
日本企業の業務フローに合うように設計されており、チャットやドキュメント共有など、タスクに関連するやり取りもスムーズに行えます。Teamsのようなチャネル構成はありませんが、タスクベースで動くチームにはなじみやすい構成です。
Teamsタスク管理を最適化する
Microsoft Teamsでのタスク管理は、個人とチームの業務を整理し、日々の効率を上げるための実用的な方法です。Teamsには、PlannerやTo DoをはじめとするMicrosoft 365のツール群と連携することで、プロジェクト単位の管理から日々の作業まで一元管理できます。
タスクは事前にサブタスクへ分解し、優先順位と必要な情報を整理しておくと、登録も管理もしやすくなります。
Teams内の会話からそのままタスク化し、共有・更新まで一貫して行えるため、業務の流れを止めずに進められます。ITスキルが高くなくても扱いやすく、チームへの導入もしやすいのが特徴です。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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