- 作成日 : 2025年7月17日
Windowsで消えた付箋を復元する方法は?誤って削除した場合の対処法も解説
Microsoftが展開するサービスの中でも人気が高い付箋(Sticky Notes)は、日々のタスク管理やアイデアの記録に非常に便利なツールです。しかし、「付箋が消えた」「誤って削除してしまった」といった予期せぬトラブルで大切なメモが失われると、大きな不安に襲われることでしょう。
この記事では、Windowsで付箋のデータが消えてしまった場合に、自力で復元を試みる具体的な手順を初心者にも分かりやすく解説します。復元できない場合の最終手段や、今後のデータ消失を防ぐための予防策も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
Windowsで付箋のデータが消える原因
大切な付箋のデータが予期せず消えてしまう背景には、いくつかの一般的な原因が存在します。
- ユーザーの誤操作
 最も多いのが、ユーザー自身による意図しない削除です。「メモの削除」ボタンの誤クリックや、ショートカットキーの誤操作などが考えられます。付箋アプリには削除前に確認画面を出す設定があるので、オンにしておくと安心です。
- アプリの不具合
 付箋アプリ自体が突然終了したり、フリーズしたりすると、編集中だった内容が保存されずに消えてしまうことがあります。
- OSのアップデートやシステムの問題
 Windowsの大型アップデート後に、データが消えたり、アクセスできなくなったりするケースが報告されています。過去のアップデートでは、データの保存場所が変更されて混乱を招いた事例もありました。
- クラウドの同期エラー
 付箋はMicrosoftアカウントでクラウド同期されますが、ネット接続の不安定さや認証トラブルが原因で同期に失敗し、データが消えたように見えたり、古いデータに上書きされたりすることがあります。
Windowsで付箋が消えたときに確認すべきこと
「付箋が消えた!」と慌ててしまう前に、まずは落ち着いて以下の基本的な点を確認しましょう。意外と簡単な操作で見つかることがあります。
メモの一覧に隠れていないか確認する
デスクトップから付箋が見えなくなっただけで、アプリ内には残っているケースです。
- スタートボタンから付箋のアプリを開きます。
- メモの一覧が表示されるので、探しているメモがないか確認してください。
- 見つかったメモをダブルクリックすると、再びデスクトップに表示させることができます。
Outlook(Web版)の同期データを確認する
Windowsの付箋は、Microsoftアカウントを通じてクラウド(Outlook)に自動でバックアップされています。PC上のデータに問題があっても、クラウド上に残っている可能性が高いです。
- Webブラウザで Outlook.com にアクセスし、付箋アプリで使っているMicrosoftアカウントでサインインします。
- 左側のメニュー下部にある「メモ」フォルダをクリックします。
- ここに、同期された付箋の内容が保存されていないか確認します。
この方法は、PC内のファイルを操作する前に試せる、最も安全で簡単な確認方法です。
Windowsで誤って削除した付箋を復元する方法
うっかりミスで削除してしまった場合でも、諦めるのはまだ早いです。Windowsの機能を使って、削除前の状態に戻せる可能性があります。
方法1. 付箋のデータファイルから直接復元する
Windowsの付箋データは、PC内の特定フォルダにファイルとして保存されています。
- Windows 10 (Ver. 1607以降) , Windows 11- 保存パス: C:Users[ユーザー名]AppDataLocalPackagesMicrosoft.MicrosoftStickyNotes_8wekyb3d8bbweLocalState
- ファイル名: plum.sqlite
 
もし、以前に手動で plum.sqlite ファイルをバックアップしていた場合、そのファイルを現在の場所に上書きコピーすることで、バックアップ時点の状態に復元できます。
ただし、この操作を実行すると、バックアップ以降に作成・編集した付箋データはすべて失われます。作業前には必ず、現在の plum.sqlite ファイルを別の安全な場所にコピーしてバックアップを取っておきましょう。
方法2. Windows標準機能「以前のバージョン」を活用する
Windowsのシステムの保護が有効になっている場合、ファイルの「以前のバージョン」から復元できる可能性があります。
- エクスプローラーで付箋データファイル plum.sqlite を見つけます。
- plum.sqlite ファイルを右クリックし、メニューから「プロパティ」を選択します。
- プロパティウィンドウで「以前のバージョン」タブをクリックします。
- ここに復元可能な日付のバージョン一覧が表示されたら、戻したい時点のものを選択し、「復元」ボタンをクリックします。
この機能は、事前にWindowsのバックアップやシステムの保護が有効に設定されている必要があります。「利用可能な以前のバージョンはありません」と表示される場合は、この方法では復元できません。
Windowsで付箋が復元できない場合は専用ソフトを使用
ここまでの方法で付箋が復元できない、データの一部が消えたままといった状況では、専門のデータ復元ソフトの利用が最後の手段となります。
付箋が消えたと気づいたら、可能な限りそのPCの使用を中止してください。新しいデータを保存したり、ソフトをインストールしたりすると、消えたデータの上に情報が上書きされ、復元の可能性が著しく低下します。
データ復元ソフトの基本的な使い方
- ソフトのインストール
 データが消えたドライブ(通常Cドライブ)とは別のドライブやUSBメモリにソフトをインストールします。これは復元したいデータの上書きを防ぐためです。
- スキャン
 ソフトを起動し、付箋データがあったドライブ(Cドライブ)を選択してスキャンを実行します。まずは「クイックスキャン」を、見つからなければ「ディープスキャン(詳細スキャン)」を試します。
- 検索とプレビュー
 スキャン完了後、検出されたファイル一覧から plum.sqlite を検索します。多くのソフトは、復元前に中身をプレビューできます。
- 復元
 復元したいファイルを選択し、元の保存場所とは異なる安全なドライブや外部ストレージに保存します。
Windows向けデータ復元ソフトの比較表
市場には多くのデータ復元ソフトが存在します。選ぶ際のポイントは、対応OS、スキャン能力、プレビュー機能の有無、そして操作の分かりやすさです。
| ソフト名 | 主な特徴 | 対応OS | 無料版制限 | 価格帯 | 
|---|---|---|---|---|
| FonePaw データ復元 | 1000種以上のファイル形式対応、無料スキャン・プレビュー、シンプル操作 | Win/Mac | 明示なし | 月額7,680円~ | 
| Wondershare Recoverit | 高い復元率、RAW・パーティション復元対応 | Win/Mac | 100MBまで無料、クラッシュシステム対応 | 月額5,980円~ | 
| EaseUS Data Recovery Wizard | 高い復元率を謳う、3ステップの簡単操作 | Win | 2GBまで無料 | 月額8,900円~ | 
| MiniTool Power Data Recovery | 様々なデバイス・ファイル形式に対応 | Win | 1GBまで無料 | 月額9,500円~ | 
| Disk Drill | 550以上のデータ種類を復元可能 | Win/Mac | 500MBまで無料 | 約12,100円(税込) | 
価格や無料版の制限は変動する可能性があるため、各公式サイトで最新情報をご確認ください。
アプリの不具合が起きた場合の注意点
付箋データではなく、アプリ自体が起動しない、動作が不安定といった場合は、アプリのリセットや再インストールが有効な場合があります。
- リセット手順
 Windowsの設定から「アプリ」>「インストールされているアプリ」へ進み、「付箋」の項目の右端にある「・・・」を右クリックし「リセット」を実行します。
- 再インストール手順
 同様にアプリの設定からアンインストール後、Microsoft Storeから再度インストールします。
これらの操作は、PC内に保存されている付箋データを完全に消去する可能性が非常に高いです。あくまでアプリの動作不良を直すための最終手段であり、データ復元が目的の場合は絶対に行わないでください。実行前には、必ずOutlookでの同期やファイルのバックアップが完了していることを確認してください。
Windowsで付箋データを守るための予防策
データを失ってから復元を試みるのは大変です。日頃から以下の対策を講じ、大切なデータを守りましょう。
- Microsoftアカウントで同期を有効にする
 これが最も簡単で強力な対策です。付箋アプリの設定で、必ずMicrosoftアカウントでサインインし、同期をオンにしておきましょう。
- 「削除する前に確認する」を有効にする
 付箋アプリの設定でこの項目をオンにすれば、うっかり削除を大幅に防げます。
- 「ファイル履歴」機能を有効にする
 Windowsの「ファイル履歴」機能で付箋のデータフォルダをバックアップ対象に含めておけば、定期的に自動でバックアップが作成されます。
- データファイルを手動でバックアップする
 plum.sqlite ファイルを定期的にUSBメモリやクラウドストレージなど、PCとは別の場所にコピーしておくと安心です。
Windowsで大切な付箋データ取り戻しましょう
Windowsの付箋が消えても、慌てる必要はありません。まずはアプリのメモ一覧やOutlookの同期データといった簡単な方法から確認しましょう。それでも見つからない場合は、ファイルの「以前のバージョン」機能で復元を試みてください。最終手段としてデータ復元ソフトもありますが、何よりも重要なのはMicrosoftアカウントでの同期を有効にするなど、日頃からの予防策です。この記事で紹介した手順を踏んで、大切なデータを取り戻し、今後のトラブルを防ぎましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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