- 作成日 : 2025年5月7日
SlackでToDo管理する方法は?ToDoリストの作り方やSlackと連携できるツールを解説
Slackはビジネスチャットツールとして広く使われていますが、工夫次第でタスクの管理(ToDoリスト管理)もできます。日々のやり取りから発生する「やること」をSlack上で一元管理できれば、他のアプリに切り替える手間が省けて業務効率化につながります。本記事では SlackでToDo管理を行う方法を解説し、注意点やSlackと連携可能な外部ツールもご紹介します。
目次
SlackでToDo管理を行うとは?
SlackでToDo管理とは、Slack上でタスクを把握・管理することです。通常タスク管理には専用のアプリを使うことが多いですが、Slackはチームのコミュニケーションハブであり、そこで直接タスクも管理できれば情報の一元化が図れます。Slackにはタスク管理専用の機能が長らくありませんでしたが、2023年に新たに「リスト」機能が正式追加され、Slack内でタスクやプロジェクトを簡単に管理できるようになりました。
このSlackリスト機能により、Slack上でToDoリストの作成、進捗管理、タスクの割り当て・共有が可能になっています。
Slackリストは比較的新しい機能で、一部の有料プランのみ利用可能です。そのため、従来からあるSlackの基本機能(リマインダーやメッセージの保存・ピン留めなど)を活用してToDo管理する方法も引き続き有効です。また、Slackと外部のタスク管理ツールを連携させて運用するケースも多く見られます。
Slackの標準機能でToDo管理する方法
Slackにはリマインダー設定やメッセージのブックマーク(保存)、ピン留め、リアクション、Canvasなどの基本機能があります。これらを工夫することで、外部ツールを使わずにSlack内で簡易的なToDo管理が可能です。さらに先述した新機能のSlackリストを使えば、より本格的なタスク管理もSlack上で完結できます。
Slackリマインダー機能によりToDo設定する
Slackには「Slackbot」のリマインダー機能があり、指定した日時に自動で通知を送ってくれるため、タスクの予定や期限の管理に役立ちます。リマインダーを設定するには、メッセージ入力欄で「/remind」コマンドを使用します。例えば以下のように入力すると、Slackbotが指定時刻に通知します。
- /remind me 資料を提出する tomorrow at 10am – 「明日10時に資料を提出する」と自分(me)宛てリマインド
- /remind #general ミーティング開始 every Monday 9:00am – 「毎週月曜9時に#generalチャンネルで会議開始をリマインド」
このように、自分自身や特定のチャンネル宛にリマインダーを設定できます(※特定メンバー個人宛には、そのメンバーとのダイレクトメッセージ上でリマインドする形式になります)。繰り返し指定も可能で、every dayやevery Mondayなど英語で頻度を指定すれば定期的なリマインドが設定されます。設定したリマインダーの一覧は/remind listで確認でき、完了したものはリストから削除できます。
リマインド内容や日時の指定は一部英語表記に対応しているため、日時は「tomorrow」「at 10am」のように英語で入力する必要があります。Slackの日本語インターフェースでは、メッセージメニューから「あとでリマインド」機能を使って手軽にセットすることもできます。またリマインド通知はSlackbotからDMで届きますので、見逃さないようSlackbotからの通知をオンにしておくことも重要です。
メッセージをブックマーク(保存)してタスク管理する
Slackでは後で見返したいメッセージをブックマーク(保存)することができます。各メッセージの右上に表示される「あとで保存」アイコン(リボンの形)をクリックすると、自分の「後で」ビューにそのメッセージが追加されます。ブックマークしたメッセージは自分だけが閲覧でき、デスクトップでもモバイルでも一覧表示可能です。
- タスクとして残したいメッセージを保存する
自分宛てに送ったメモや他ユーザーからの依頼メッセージなど、あとで対応すべき内容をブックマークします。 - 「後で」ビューで一覧を確認
Slack画面上部の自分のアイコンメニューから「後で」ビューを開くと、保存したメッセージ一覧が表示されます。ここをToDoリスト代わりとして活用します。 - 対応が完了したら保存を解除
タスクが完了したらそのメッセージの保存を解除(「ブックマークを外す」操作)します。Slackの「後で」ビューでは保存済みアイテムを既読・未読といったステータス管理もできるため、完了したタスクは保存を解除することで、ToDoリストから消し込む運用が一般的です。
このようにブックマーク機能を使えば、自分用の簡易ToDoリストとしてSlack内にタスクを蓄積・消し込みしていくことができます。後から見返しやすいよう、必要に応じてSlackのリマインダー機能と組み合わせ、「特定のブックマークに対して後で通知する」ことも可能です。
メッセージをピン留めしてチームのToDoを共有する
Slackのピン留め機能は、チャンネル内の重要なメッセージを目立たせておくものです。タスク管理においても、チームで共有すべきToDoをピン留めすることで、誰でもすぐに確認できるようにできます。使い方は簡単で、対象メッセージの「その他」(・・・)メニュー(実際のアイコンは三点リーダーが縦になっているもの)から「チャンネルにピン留めする」をクリックするだけです。
ピン留めされたメッセージは、そのチャンネル画面上部のピンマークから一覧表示できます。
ピン留めのメリットはチャンネル参加者全員が見られることですが、その反面「情報が混在しやすい」点に注意が必要です。タスク以外にも重要なお知らせ等をピン留めするケースがあるため、ピン留めされたメッセージがすべてタスクとは限りません。そのため、ピン留めをタスク管理に使う場合は「ピン留めされた◯◯のメッセージはタスク」であると分かるよう運用ルールを決めたり、件名に【ToDo】と入れたりするなどの工夫をすると良いでしょう。
リアクションを活用してステータス管理をする
Slackメッセージには「リアクション」として絵文字を付けることができます。このリアクション機能を利用してタスクの状態を視覚的に管理する方法もあります。Slackのメッセージ自体にはチェックボックスを付けたり完了マークを入れたりする機能はありませんが、絵文字リアクションなら柔軟にステータスを表現できます。
リアクションでのToDo管理例
- まずタスクを表すメッセージを用意します。例えば自分宛てに「○○の資料作成」と送信するか、依頼メッセージ自体をそのままタスクとみなします。
- タスク対応中や完了時に、そのメッセージに対して決められた絵文字でリアクションします。例えば「確認待ちは目のマークのリアクション」「完了したらチェックマークのリアクション」といったルールをチームで共有します。
- こうすることで、メッセージを見るだけで「誰がリアクション(対応)したか」「タスクが進行中か完了済みか」等がひと目で分かります。
Slack Canvasを活用してToDoリストを作成する
Slackの新機能Canvas(キャンバス)も、簡易的なToDoリストとして活用できます。CanvasとはSlack上で使えるドキュメント機能で、チャンネルやDMごとに1つのキャンバスを作成可能です。テキストや画像を貼り付けたり、リストを作成したりできます。チェックリスト項目も追加可能なため、タスクリストとして活用できます。
CanvasでToDoリストを作る手順
- タスク管理に利用したいチャンネルまたは自分とのDMを開きます。画面右上に表示されている「Canvas」アイコン(四角い書類マークのようなアイコン)をクリックします。
- そのチャンネル/DMに紐づくCanvasが画面に表示されますので、必要に応じてタイトルを編集し(例:「●●プロジェクトToDoリスト」など明確な名前に)、本文エリアに「チェックリスト」を追加します。チェックリストはメニューから箇条書きのチェックボックス付きリストを選択することで作成できます。
- 各タスク項目をチェックリストに記入していきます。担当者や期限などもテキストで追記すると良いでしょう。完了したタスクのチェックボックスをクリックすれば完了済みマークが付きます。
Canvas上のToDoリストは、そのチャンネル参加者全員が閲覧・編集可能です。また、自分だけのCanvas(自身のプロフィールメニューからアクセスできるパーソナルCanvas)も利用できるので、そこに個人用タスクリストを作成することもできます。Canvasはドキュメント形式なのでSlackのメッセージ欄に埋もれる心配がなく、常に最新のタスクリストを一箇所で確認できる利点があります。
ただし編集の手間はかかるため、小規模なタスク数であれば上記リマインダーや保存機能で十分な場合もあります。
Slackリスト機能を活用してタスク管理する
2024年に登場した「Slackリスト」機能を使えば、Slackを離れることなく本格的なタスク管理・プロジェクト管理が可能です。Slackリストでは複数のタスクリストを作成し、各タスクに担当者や期限、優先度、ステータスなどのフィールドを設定できます。さらにチームでリストを共有し、タスクの進捗をカンバンボード風に管理するといったこともできます。
SlackリストはSlackサイドバーの「ホーム」タブ内のその他(・・・)メニュー、またはサイドバー下部の「+」アイコンからアクセスできます。Slackリストは従来の基本機能に比べ格段に体系だったタスク管理ができる反面、まだ新しい機能のため社内浸透には時間がかかるかもしれません。また「リスト」の存在に気付かないメンバーもいるため、導入時には導入目的や使い方をしっかり周知するとともに、必要に応じてこれまで紹介したリマインダー等と併用すると良いでしょう。
Slackの標準機能でToDo管理する場合の料金プラン
ここまで紹介してきたそれぞれの機能がSlackの無料プランでどこまで利用できるのか、ご説明します。
リマインダー機能
この機能は無料プランでも利用可能で、個人向けのタスク管理やチャンネル内での共有リマインドにも対応しています。設定方法は「/remind me ○○ at 10am」のようにコマンド形式で入力するか、メッセージのメニューから「あとでリマインド」を選択するだけで簡単に使えます。
リマインダーの数や利用頻度に制限は設けられておらず、無料ユーザーでも日常的なタスク管理に十分活用できる機能です。
メッセージの保存(あとで)
この機能も無料プランで問題なく使用できます。保存したメッセージは、Slack上部の「後で」ビューに自動で整理され、既読・未読といったステータスの切り替えも行えます。保存できる件数については明確な制限はありませんが、無料プランでは後述の通りメッセージ履歴が90日分までの閲覧に制限されているため、古い保存メッセージは自動的に見られなくなる可能性があります。
そのため、中長期的なタスク管理にこの機能を利用する場合は、有料プランの検討が推奨されます。
ピン留め機能
この機能も無料プランで利用可能です。各チャンネルにつき最大100件程度までピン留めでき、操作もメッセージの「その他」メニューから選ぶだけとシンプルです。
ただし、こちらもメッセージ履歴に依存するため、無料プランでは90日を過ぎた古いピン留めメッセージは参照できなくなる可能性があります。重要なタスクの長期保存には注意が必要です。
リアクションによるタスクの状態管理
この機能も無料プランで自由に使えます。メッセージへのリアクション数に制限はなく、チーム内でルールを定めておくことで、簡易的なステータス管理が可能になります。
無料ユーザーでも十分に活用できる機能ですが、リアクションを付けたメッセージが古くなると、やはり履歴制限の影響を受けてしまう点には留意が必要です。
Canvas(キャンバス)
Canvasは無料プランでも一部利用できますが、保存件数や編集権限などに若干の制限があります。個人用Canvasは無料プランでも作成可能ですが、チャンネルごとのCanvas機能は一部の有料プラン(現在はPro以上)向けの機能となる場合があります。
また、無料プランではCanvasに追加されたファイルの履歴も90日で見られなくなるため、長期的なタスクリストや文書保存にはやや不向きです。チームでCanvasを共有しながらToDo管理したい場合は、無料プランでは機能が限定されるため有料プランへのアップグレードが現実的な選択肢となります。
リスト
この機能は無料プランでは利用できません。現在のところ、一部の有料プランのみ対応となっており、無料ユーザーには提供されていません。
リスト機能は視認性が高く、Slack内で完結する本格的なタスク管理機能として非常に有用ですが、導入には有料プランが前提となる点には注意が必要です。
メッセージの履歴制限
Slackの無料プランでは、ワークスペース全体で過去90日間までのメッセージとファイルのみ閲覧可能という制限があります。このため、リマインダーや保存済みメッセージ、ピン留め、Canvas、リアクションなど、どの機能であっても、その対象となるメッセージが90日を経過すると非表示になってしまう可能性がありますので注意しましょう。
Slackと外部ツールの連携でToDo管理する方法
Slack単体の機能だけでは物足りない場合、外部のタスク管理ツールとSlackを連携する方法があります。Slackは多くのアプリと連携でき、連携アプリを追加することでSlack内から他ツールのタスクを操作したり通知を受け取ったりできます。
それぞれのツールの特徴と、Slack連携によってできることを解説します。
TrelloとSlackを連携してToDo管理する
Trello(トレロ) はカンバン方式のプロジェクト管理ツールです。カードとボードによる視覚的なタスク管理が特徴で、Slackと連携することでSlackから直接Trelloのカードを作成したり、Trelloの更新通知をSlack上で受け取ることができます。Slack用のTrello公式アプリを導入すれば、例えばSlackの任意のチャンネルでコマンド一つでTrelloにカードを追加することが可能です。
Trello連携でできること
Slackメッセージの「・・・(その他)」メニューから「Trelloに追加」を選ぶことで、メッセージ内容をコメント付きでTrelloカード化することも可能です。さらに、SlackとTrelloのボードをリンクさせておけば、Trello側でカードが追加・更新された際にSlackに通知を飛ばすこともできます(期限が近づいたら通知することも可能)。
これにより、Slack上でTrelloの動きを把握でき、逐一Trelloの画面を開かずともチームのタスク状況を確認しやすくなります。
Trello連携のメリット
無料プランでもある程度使えるTrelloを活用すれば、カンバン形式でタスクを整理できる上に、その通知や追加をSlackから行えるため効率的です。プロジェクト全体のタスクをボードで俯瞰的に把握したい場合に有用でしょう。一方デメリットは、SlackとTrello双方でタスクを管理する形になるため、慣れないうちは「どちらにタスクを書いたか」混乱する恐れがあることです。運用としては「タスクは基本Trelloで管理し、Slackは通知と追加入力に使う」と割り切るとスムーズです。
AsanaとSlackを連携してToDo管理する
Asana(アサナ) はチーム向けの本格的なプロジェクト管理ツールです。ガントチャートや進捗管理、タスクの割り当てなど高機能ですが、Slackとの連携により日常のやり取りとタスク管理を繋ぐことができます。SlackにAsana公式アプリを追加すると、Asana上のタスク更新をSlackに通知したり、SlackからAsanaのタスクを作成・検索することが可能になります。
Asana連携でできること
SlackでAsanaアプリを導入後、特定のSlackチャンネルにAsanaのプロジェクトをリンクすれば、そのプロジェクトでタスクが追加・完了されるたびにSlackに自動通知が届きます。これにより、メンバーはSlack上でリアルタイムにAsanaの進捗に気付きやすくなります。また、SlackメッセージからAsanaに新規タスクを作成することも可能です。
他にも、Slack上で Asanaのタスク一覧を表示したり、 SlackメッセージをAsanaタスクに変換することもできます。
Asana連携のメリット
プロジェクト管理をAsanaに一元化しつつ、通知や簡易操作をSlackで行えるため、コミュニケーションとタスク管理の両立が図れます。「Asanaにコメントが付いたらSlackで即確認し返信」などシームレスに進められるでしょう。またAsanaは機能が豊富なので、中〜大規模プロジェクトでも対応可能です。
デメリットは、Asana自体の習熟が必要な点と、Slack通知が多くなり過ぎてしまう可能性です。プロジェクト規模によっては通知ルールを調整しないとSlackがタスク通知で埋もれてしまうこともあるので、チャンネルを分ける等の工夫が必要です。
TodoistとSlackを連携してToDo管理する
Todoist(トゥドゥイスト) は個人から小規模チーム向けのタスク管理アプリです。シンプルなToDoリストとして人気があり、Slack連携により素早くタスク追加・完了報告ができます。SlackのTodoist公式アプリを追加すると、Slack上で/todoistコマンドを使ってタスクを追加したり、SlackのメッセージをワンクリックでTodoistのタスクとして記録したりできるようになります。
Todoist連携でできること
Slackの任意のチャンネルやDMで/todoist Add monthly report by Fridayのように入力すると、Todoistに「monthly report」というタスクが金曜日期限で追加されます(日時やプロジェクト名、ラベルもコマンド内で指定可能)。また、Slackメッセージの「・・・」メニューから「Add a task Todoist(Todoistに追加)」を選ぶだけで、その内容を新規タスクとしてTodoistに送ることもできます。Slackで追加したタスクは完了時にSlack上でチェックマークを入れて完了報告することもできます。複数人でTodoistプロジェクトを共有している場合は、Slack上でタスクの担当者変更(委任先変更)も可能です。
Todoist連携のメリット
個人や小さなチームの日々のToDo管理に適したTodoistを、Slack上の操作で素早く扱える点がメリットです。メールやSlackで受けた依頼をすぐTodoistにタスク化しておけば抜け漏れ防止になります。Todoistはマルチプラットフォーム対応(スマホアプリなど)なので、Slackで追加したタスクを他の端末で確認・処理できる柔軟性も魅力です。
デメリットとしては、プロジェクト全体の管理というより個々人のタスク管理向きであるため、大人数のプロジェクト管理には不向きな点です。また無料版では機能制限(リマインダー機能は有料など)がありますので、必要に応じて有料プランの検討が必要です。
NotionとSlackを連携してToDo管理する
Notion(ノーション) はドキュメント作成からデータベース管理まで幅広く使えるオールインワンツールです。タスク管理もデータベース機能で柔軟に行えますが、Slackと連携することで情報共有を円滑にできます。SlackにNotion公式アプリを追加すると、Slackメッセージから直接Notionのタスクデータベースに新規ページ(タスク)を作成したり、Notion側の更新をSlackに通知したりすることが可能です。
Notion連携でできること
Slack上でNotionアプリを通じてタスクを登録できます。対話型メニューが開くなどして、どのNotionデータベースに追加するか等を選択し、Slackからタスクを登録できます。あるいは、任意のSlackメッセージの「・・・」メニューから「Create task in Notion(Notionでタスクを作成)」を選ぶことで、そのメッセージ内容を含むタスクページをNotionに直接作成できます。
一方で、Notion側でタスクのステータスが「完了」になったときにSlackに通知を送る、といったNotion→Slackの通知設定も可能です。さらにSlack上のNotion通知に直接返信すると、そのコメントがNotion側に反映される仕組みもあり、Slackから離れずにNotion上のディスカッションに参加できます。
Notion連携のメリット
ドキュメントとタスクが結びついたNotionを使うことで、タスクの詳細な情報管理(関連するメモやプロジェクトドキュメントとの紐付け)が容易です。Slack連携により、チャットで決まったToDoをすぐNotionのタスクリストに記録してナレッジ化し、更新はSlack通知で把握する、といった運用ができます。情報が社内Wiki的に蓄積されつつタスク管理もできる点が強みです。
デメリットは、Notion自体の学習コストがやや高いことと、タスク管理に特化したツールではないため設定を自分たちでカスタマイズする必要があることです。Slackとの連携設定も最初にNotion側でデータベースを用意したり許可設定を行ったりする手間があります。
Slack ToDo管理のメリット・デメリット
SlackでToDo管理を行う方法には、大きく分けて「Slackの標準機能のみで管理する場合」と「外部ツールと連携して管理する場合」があります。それぞれ利点もあれば注意すべき点もありますので整理してみましょう。
Slack標準機能を使ったToDo管理のメリット・デメリット
メリット
Slackだけでタスク管理が完結するため、ツールの切り替えが不要で手軽です。チャット中にそのままタスク設定(リマインド設定など)でき、思いついたタスクをすぐメモ代わりに保存しておくこともできます。また余計な外部サービス連携がいらないのでセキュリティやコストの面でも安心です。Slack新機能のリストを活用すれば、専用ツールに引けを取らない高度な管理も実現可能になりつつあります。
デメリット
Slack本来の用途はチャットであり、タスク管理専用ツールと比べると機能面で限界があります。標準のリマインダー機能はシンプルな通知に留まり、ガントチャートや進捗レポートのような高度な機能はありません。また、Slack上でタスクを管理するとどうしても他のメッセージに埋もれて見落としがちになるリスクがあります。
特に無料プランでは後述するように古いメッセージが見られなくなるため、長期タスクには不向きです。さらにSlack標準機能の使いこなしにはチーム内で一定の合意や工夫が必要で、例えば「何をもってタスク完了とするか(リアクションを付ける?メッセージを削除?)」など運用ルールの周知が欠かせません。
外部ツール連携によるToDo管理のメリット・デメリット
メリット
外部の専門ツールを使うことで、Slackだけでは難しい高度なタスク管理が実現します。目的に応じた最適な運用が可能です。それでいてSlack連携により通知や追加操作はSlack上で行えるため、コミュニケーションと管理の両立ができます。
タスクの追加漏れ防止や通知の即時確認など、Slackとのリアルタイム連携がチームの生産性向上につながります。また多くの連携アプリは基本無料で使えるものが多く、小規模ならコストをかけずに導入できます。
デメリット
複数のツールを併用することになるため、運用が複雑化しやすい点が最大の課題です。ITに不慣れなメンバーにとっては「Slackも見て、さらに別のツールも開く」という状況が負担となり、結局使われなくなる恐れもあります。そのため誰でも直感的に使える簡単なツールを選ぶことが重要ですが、シンプルなツールは機能不足になりがちというトレードオフもあります。
さらに、外部ツールとの連携設定やアカウント登録など初期設定の手間もかかります。情報漏えい等のリスクから会社で外部連携を制限している場合、そもそも利用できないケースもあります。
総じて、外部ツール連携は便利な反面「チーム全員がそのツールを使いこなす」という前提が必要であり、導入時には教育や運用ルールづくりが不可欠でしょう。
SlackでToDo管理する場合の注意点
Slackでタスク管理する際に注意すべきポイントや、起こりがちなトラブルについてまとめます。便利な反面見落としがちな点に気をつけ、スムーズに運用できるようにしましょう。
無料プランでは過去90日の履歴しか見られない
Slack無料プランの場合、90日より前のメッセージやファイルは閲覧不可となります。そのため、長期間にわたるタスクをSlack上のメッセージで管理していると、3か月以上前のやり取りが消えて確認できなくなる恐れがあります。さらに、2023年の仕様変更で、無料ワークスペースでは1年以上前のデータは完全削除され復元不可能になることも発表されました。
対策
長期のタスク管理には無料版Slackは不向きです。必要に応じて有料プランへの移行や、タスク内容を別途バックアップ(エクスポート)するなど検討してください。
リマインダー通知のタイムゾーンや言語設定
Slackリマインダーはワークスペースやユーザーのタイムゾーン設定に従います。海外メンバーと共通チャンネルで使う際は時間指定が相手のタイムゾーンでどう表示されるか確認しましょう。また前述の通り日時指定は一部英語表記が基本のため、日本語で「明日10時」などと書いても認識されません。
対策
自分のSlack環境のタイムゾーン設定を正しく設定し、コマンド補完機能(/remind入力時にガイドが出ます)を利用して正確にセットしましょう。
通知が多すぎて埋もれる
外部ツールと連携してタスク通知を飛ばしすぎると、Slackのチャネルが通知だらけになり重要な会話を妨げるケースがあります。例えばAsanaで細かい変更のたびにSlack通知する設定にすると膨大な通知量になります。
対策
通知専用のチャンネルを作りタスク通知はそこに集約する、または連携するイベントを絞り込む設定を行いましょう(「タスク完了時のみ通知」など)。メンバー各自でも必要に応じてその通知専用チャンネルをミュートし、重要なものだけ見る運用も検討してください。
メンバーへの周知と教育が必要
Slackでタスク管理するルールが明確でないと、「誰がどこにタスクを書いたか分からない」「依頼したつもりが伝わっていない」といった齟齬が生じます。
対策
初めにチームで「Slack上でToDo管理するルール」を取り決めましょう。例えば「依頼があれば必ずリアクションを付けて確認した印」「完了したらチェックマークでリアクション」や、「重要なタスクは#todoチャンネルにも共有」などです。
また新しい外部ツールを導入する際はトレーニング期間を設け、使い方を資料で共有するなどして定着を図りましょう。
まとめ
本記事では、SlackでToDo(タスク)管理を行うための方法を基本から応用まで解説しました。Slackの標準機能を使えば、リマインダーによる期日管理やメッセージ保存・ピン留めによるタスク一覧の見える化など、手軽なタスク管理が実現できます。
加えて、外部ツールとSlackを連携すれば、それぞれのツールの強みを活かしつつSlack上で通知や操作ができ、コミュニケーションとタスク管理の一元化が図れます。
SlackでToDo管理をするメリットは、何と言っても日頃使い慣れたSlack上で完結する手軽さと情報伝達の速さです。適切にSlackを活用すれば、タスクを逃さずキャッチアップし、スピーディーかつ効率的にタスク管理を進めることができるでしょう。ぜひ今日からSlackでのToDo管理に取り組んでみてください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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