• 更新日 : 2025年4月2日

エクセルで中央値を出す関数は?スプレッドシートの方法も解説

データ分析を行う上で、中央値は非常に重要な指標となります。Microsoft Excelを使用すれば、豊富な関数を活用して手軽に中央値を算出することができます。本記事では、Excelで中央値を求めるための具体的な関数や方法を紹介します。また、関数を使用せずに中央値を計算する方法や、Googleスプレッドシートでのやり方についても触れますので、データ処理に役立ててください。

エクセルで中央値を出す関数

エクセルで中央値を出すには、MEDIAN関数を使用します。この関数を使うことで、指定した範囲内の数値データを小さい順(昇順)または大きい順(降順)に並べたとき、ちょうど真ん中に位置する値(中央値)を簡単に計算することができます。

中央値とは、データを小さい順に並べた際に中央に位置する値のことです(データの個数が奇数の場合は中央の1つの値、偶数の場合は中央の2つの値の平均)。平均値はすべての数値を合計して個数で割るのに対し、中央値はデータの真ん中の値を取るため、極端に大きい値や小さい値(外れ値)の影響を受けにくいのが特徴です。

この値はデータの分布を理解する上で重要な指標であり、外れ値の影響を受けにくいため、データの存在意義を正確に反映することができます。特に、住宅価格や所得などのデータ分析において、中央値は非常に有用です。

それでは、具体的な操作手順を見ていきましょう。

MEDIAN関数の使い方

MEDIAN関数を使用する際の基本的な計算式は以下のとおりです。

=MEDIAN(数値1, [数値2], …)

この関数は引数として複数の数値や範囲を受け取ることができ、引数(関数に渡される値やセル範囲のこと)には直接数値を入力することも、セル範囲を指定することもできます。たとえば、A1からA10のセルに入っている値の中央値を求めたい場合、以下のように入力します。

=MEDIAN(A1:A10)

例を使った具体的な手順

具体的にエクセルでの操作を通じてMEDIAN関数を利用してみましょう。以下の手順に従ってください。

まず、入力するデータを用意します。ここでは、A1からA10のセルに以下の数値を入力したと仮定します:

  • A1: 10
  • A2: 20
  • A3: 30
  • A4: 40
  • A5: 50
  • A6: 60
  • A7: 70
  • A8: 80
  • A9: 90
  • A10: 100

次に、中央値を計算するセルを選択し、次の数式を入力します:

=MEDIAN(A1:A10)

この操作により、A1からA10の中央値である55が表示されます。中央値は、データの個数が奇数の場合は、真ん中の数値が中央値になりますが、データの個数が偶数の場合は、真ん中にくる2つの数値の平均値が中央値となります。ここではデータが10個の偶数個なので、中央の2つの値「50」と「60」の平均が計算され「55」となります。このように簡単に中央値を計算することもできるため、エクセルはデータ分析に役立つ便利なツールなのです。

注意事項

MEDIAN関数を使用する際に、入力範囲に数値以外のデータ(文字列や空白セルなど)が含まれている場合、そのセルは無視されますが、エラーにはなりません。これに注意してデータを準備することが重要です。

エクセルで関数を使わずに中央値を出す方法

エクセルでは、関数を使わずに中央値を算出することも可能です。この方法は、特に関数に不慣れな方にとって、直感的でわかりやすいです。単純に数値の並びを視覚的に確認し、中央値を特定することができます。

まず、データが入力されているセルを確認します。中央値を求めるためには、数値が整然と並んでいる必要があります。データ系列がバラバラの順番(無作為)になっている場合、正しい中央値を算出することは難しくなるため、初めにデータを昇順または降順にソートすることをお勧めします。

データのソート方法

次に、データをソートする手順を解説します。この作業を行うことで、中央値を視覚的に見つけやすくすることができます。

まず、ソートを行いたいデータを選択します。その後、エクセルのメニューから「データ」タブを開き、「並べ替え」機能を選択します。ここでは、昇順を選ぶことをお勧めします。この操作により、最小値から最大値までの順番にデータが整列します(Macの場合は、「データ」タブ内の「昇順」または「降順」ボタンをクリックすると並べ替えができます)。

中央値の特定方法

データがソートされたら、中央値を特定するための作業に移ります。データの個数が奇数の場合、真ん中に位置する数値が中央値となります。具体的には、ソート後のデータ行数(データが何個あるか)を確認し、センターの位置にある数値(真ん中にある数値)を見つけます。

一方、データの個数が偶数の場合は、中央の2つの数値(真ん中に位置する2つの数)の平均を取ることで中央値を算出します。この操作も簡単に行えますので、安心してください。例えば、データの個数が6であれば、3番目と4番目の数値を見つけ、その合計を2で割ります。これによって正確な中央値が導き出されます。

以上の方法により、関数を使用せずにエクセルで簡単に中央値を算出することが可能です。実際にデータを扱うときに、ぜひこの方法を活用してみてください。

Googleスプレッドシートで中央値を出す方法

Googleスプレッドシートで中央値を求める方法は非常にシンプルで効率的です。特に、大量のデータを扱う際には、中央値を算出することがデータ分析の重要なステップとなります。ここでは、具体的な手順を解説しますので、初めての方でも簡単に操作できるでしょう。

中央値を求める関数の使用

Googleスプレッドシートには、中央値を計算するための便利な関数があります。これにより、選択した範囲のデータの中央値を簡単に求めることができます。

まず、中央値を求めたいデータが入っているセル範囲を確認してください。次に、中央値を表示させたいセルを選択します。ここで使用する関数は「MEDIAN」です。この関数は、大変シンプルな構文を持っており、以下の手順で使用できます。

  1. 中央値を求めたいデータが入力されているセル範囲を特定します。
  2. 中央値を表示させたいセルをクリックします。
  3. そのセルに「=MEDIAN(」と入力し、中央値を求めたいデータ範囲を指定します。
  4. 範囲の指定が終わったら、閉じカッコ「)」を入力し、Enterキーを押します。

例えば、A1からA10までのセルにデータが入力されている場合、「=MEDIAN(A1:A10)」と入力することで、指定した範囲のデータの中央値が表示されます。この方法を使うと、データが変化しても自動的に更新されるため、非常に便利です。

手動で中央値を求める方法

関数を使わずに中央値を求めることも可能です。この方法は、少数のデータセットの場合に役立ちます。以下の手順で中央値を求めることができます。

  1. 中央値を求めたいデータセットを小さい順に並べます。
  2. データの個数が奇数であれば、中央の値が中央値となります。
  3. データの個数が偶数の場合は、中央の2つの値の平均を取ることで中央値が求まります。

この方法では、データの整理や観察ができるため、データの全体像をつかむのにも役立ちます。ただし、データ数が多い場合は、手動での作業は煩雑になるため、関数を利用することをお勧めします。

まとめ

本記事では、中央値関数の使い方やエクセル・Googleスプレッドシートでの計算方法について詳しく解説しました。中央値はデータのばらつきを把握する上で非常に重要な指標です。中央値を正しく理解し利用することで、データ分析や報告書作成の精度が向上し、より効果的な意思決定をサポートします。今後は、紹介した方法を参考にして、データ処理を効率化してみてください。


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