• 作成日 : 2025年4月2日

CONCAT関数(CONCATENATE関数)の使い方をわかりやすく解説

CONCAT関数(CONCATENATE関数)は、複数の文字列を連結して一つの文字列にする非常に便利な関数です。この関数を使うことで、スプレッドシート内のデータを簡単に整形し、見やすい形式にまとめることが可能になります。本記事では、CONCAT関数の基本的な使い方や、実際にどのような場面で役立つのかを詳しく解説します。また、この関数とCONCATENATE関数の違いについても触れていますので、これからスプレッドシートを利用する方も既に使っている方もぜひご覧ください。

CONCAT関数の使い方

CONCAT関数は、複数の文字列(文章や単語などのデータ)を結合するための非常に便利な機能です。この関数を使うことで、異なるセルに入力されたデータを簡単に一つのセルにまとめることができます。

具体的には、この関数は、例えば名前や住所、電話番号などを一つの情報として統合する際に役立ちます。これによりデータの整理や表示が容易になり、作業効率が大幅に向上します。

CONCAT関数の基本的な構文

CONCAT関数の構文は次のとおりです。

=CONCAT

(文字列1, [ 文字列2], …)

このような形式で、結合したい文字列を引数(関数に渡すデータ)として指定します。引数には、一つ以上の文字列を指定可能です。

例えば、セルA1に「田中」、セルB1に「太郎」と入力されている場合、

=CONCAT

(A1, B1)

と記入すれば、「田中太郎」と表示されます。このように、簡単に複数の文字列をまとめることができるのです。

実際の使用例

では、実際にCONCAT関数を使って、データを結合してみましょう。例えば、次のようなシンプルな表を考えます。

名前役職
山田部長
佐藤課長

この表のデータを使って、「山田部長」「佐藤課長」という形式で結合したい場合、次のように書きます。CONCAT (A1, B1)とすれば、「山田部長」となり、CONCAT (A2, B2)で「佐藤課長」となるわけです。このように、一目で分かる形式にまとめられます。

データの結合時の注意点

CONCAT関数を使用する際には、いくつかのポイントに気を付けると良いでしょう。例えば、結合する文字列の間にスペースを加えたい場合は、次のように書きます。

=CONCAT

(A1, ” “, B1)

とすることで、「田中 太郎」と表示されます。このように、必要に応じてスペースやカンマを挿入することが、視認性を高めるためには重要です。

また、空のセルが含まれている場合、CONCAT関数はそのセルを無視します。例えば、A1に「山田」、B1が空欄の場合、

=CONCAT

(A1, B1)

とすることで「山田」とだけ表示されます。データが抜けている場合に備え、IF関数(条件に応じて値を変える関数)などと組み合わせることで、より柔軟に対応できます。

CONCAT関数の利用シーン

CONCAT関数はさまざまなシーンで活躍します。データの整理や可視化を効率化する方法をあげてみましょう。

データの結合

最も一般的な利用シーンは、複数のセルに記載された情報を結合することです。たとえば、顧客名や住所、商品名といった異なる情報を一つのセルにまとめることで、データの見やすさが向上します。この機能は、特にレポートやプレゼンテーションを作成する際に便利です。

形式の統一

データを一つの形式に統一する際にもCONCAT関数は有用です。たとえば、異なる書式や表記のデータを統一して、より整然とした情報を提供することが可能になります。これにより、データ分析の際に一貫性が生まれ、より信頼性の高い結果を導き出すことができます。

カスタマイズした出力

ビジネスシーンでは、顧客向けのレターや通知文に、個別の情報を埋め込んで送ることが求められます。CONCAT関数を使うことで、標準的なフォーマットに個人名や日付などの情報をスムーズに組み込むことができます。これにより、作業の効率を劇的に向上させることができるのです。

データの視覚化

情報が結合されることによって、ビジュアル的にも理解しやすくなります。例えば、データダッシュボードを作成する際には、各要素を組み合わせて表示することで、より直感的に情報を伝えることができます。このように、CONCAT関数はデータの視覚的な要素にも寄与するのです。

CONCAT関数とCONCATENATE関数の違い

CONCAT関数はExcel 2016以降のバージョン(Web版・Mac版を含む)で利用できます。Excel 2016より前のバージョンでは、代わりにCONCATENATE関数を使用する必要があります(CONCATENATE関数はExcel 2016以降も使えますが、非推奨となっています)。

CONCAT関数とCONCATENATE関数は、どちらも複数の文字列を結合するためのツールですが、その機能と使用方法にはいくつかの違いがあります。具体的には、これらの関数は扱うデータの入力形式や引数の仕様に差異があり、ユーザーは目的に応じて使い分ける必要があります。

基本的な使い方の違い

まず、CONCAT関数はExcelの新しいバージョンで使える便利な文字列結合の方法です。一方、CONCATENATE関数は旧バージョンで使用されていた関数であり、今後のアップデートで廃止される可能性がある関数です。ただし、使用例は多くありますので、過去に作成したデータなどを扱う場合は CONCAT関数との違いを知っておく必要もあります。例えば、 CONCAT関数ではカンマ(,)で区切ることで複数の文字列を指定し、一度に結合できます。一方、CONCATENATE関数は、一つずつ文字列を指定しなければならず、セル範囲(複数のセルを一括で指定すること)を引数にできません。この違いにより、CONCAT関数の方が入力の手間を減らし、簡単に扱えるというメリットがあるのです。

引数の形式に関する違い

引数の形式に関する違いについて具体的に見てみましょう。

CONCAT関数
=CONCAT

(A1:B1) A1とB1の値を自動で結合

CONCATENATE関数
=CONCATENATE

(A1, B1) A1とB1の値を結合(一つずつ指定が必要)

このように、CONCAT関数ではセル範囲(A1:B1など)を一括指定できますが、CONCATENATE関数では一つずつセルを指定する必要があります。この違いにより、データ量が多い場合はCONCAT関数の方が便利です。

互換性と将来性

将来的な観点でみると、CONCAT関数はExcelの新しいバージョンで推奨されている関数です。一方、CONCATENATE関数は今後のアップデートで廃止される可能性が高いため、新しくExcelを学ぶ人はCONCAT関数を使用する方が望ましいでしょう。

このように、CONCAT関数とCONCATENATE関数は同じ目的を持ちながらも、その使い勝手や今後のサポート状況において違いがあります。初心者の方は、これら二つの関数を理解し、最適な場面で適切に使い分けていくことで、作業を効率化することができるでしょう。

まとめ

CONCAT関数は、データの結合において非常に重要な役割を果たします。この関数を活用することで、複数のセルの内容を簡潔に一つのセルにまとめることができ、データの整理や見やすさの向上に寄与します。また、特にビジネスシーンでは、顧客情報や売上データなどの重要なデータを効率的に処理するための強力なツールとなります。CONCATENATE関数との違いを理解することで、より効果的なデータ管理が可能になります。さらに、CONCAT関数はGoogleスプレッドシートでも利用できるため、日常業務においてもその利便性を実感できることでしょう。


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