- 作成日 : 2025年3月31日
カンバンボードとは?メリットや作り方をわかりやすく解説
タスクの進捗の視覚化は、プロジェクト管理において必須です。カンバンボードは、タスクの可視化を実現し、優先順位付けや業務の整理を簡単にします。この記事では、カンバンボードを利用するメリットや作成方法について案内します。
目次
カンバンボードとは
カンバンボードとは、作業やタスクの進捗を視覚的に管理するためのツールです。タスクを「未着手」「進行中」「完了」といった状態に分けて表示し、作業の流れを一目で把握できるようにする特徴があります。
カンバンボードによりタスクを視覚化することで、担当者や作業の負担を公平に分配することができます。各メンバーがどのような作業に取り組んでいるのかを明確にすれば、適正な業務量を調整しやすくなるため、アジャイル開発やリモートワークの環境でも特に重宝されています。
カンバンボードの利用目的
カンバンボードを利用する主な目的について解説します。
プロジェクトの進捗状況の共有
カンバンボードはプロジェクトの進捗状況を可視化し、チーム全体で情報を共有するのに効果的です。プロジェクトのステータスを一目で確認できるため、作業の効率化やコミュニケーションの円滑化が図れます。
ボードを参照すれば、どのタスクがどの段階にあるのかが明確になります。また、タスクが進行するごとにカードを移動させることで、進捗状況を視覚的に示すことができます。さらに、定期的にボードを見直し、タスクの進捗を確認することで、問題点や遅延の原因を早期に発見できます。
適切なスケジュール調整
カンバンボードはタスクの進行ステップに応じて列を分け、それぞれにタスクを置きます。重要度や納期を考慮しながら優先順位を決めて、スケジュール調整に役立てましょう。進行中のタスクがどれくらいの時間を要しているか、また問題が発生しているかを確認し、フレキシブルにスケジュールを更新することも大切です。
カンバンボードを利用するメリット
カンバンボードを利用するメリットを見ていきましょう。
チームや業務の課題を発見できる
カンバンボードを分析することで、タスクにかかる平均時間やボトルネックになっているタスクが把握できます。チームや業務の抱える改善すべき点が明確になるので、効率化の方法や人員増を検討するデータとして活用できます。
チームメンバーとのコミュニケーションが活性化する
カンバンボードでは、タスクがカードとして表示されるため、チームメンバーは自分が何に取り組んでいるのか、また他のメンバーが何をしているのかを瞬時に把握できます。
タスクの状況や実施期限などがボード上で明示されることにより、時間の無駄が削減され、メンバー間のコミュニケーションが自然と活発になります。また、意思疏通が円滑になり、トラブルが発生した際にも迅速に対処しやすくなります。チーム全体のパフォーマンス向上にもつながります。
カンバンボードの作り方
カンバンボードの作成手順は以下のとおりです。
(1)対応ステージの作成と配置
まず、プロジェクトに必要なステージの種類を考えます。「To Do」、「In Progress」、「Done」の3つのステージが一般的に用いられます。
「To Do」は、開始前のタスクが表示される場所であり、作業の優先順位を設定するために活用されます。このステージにタスクを整理することで、誰が何に取り組むべきかが明確になります。「In Progress」は、現在実施中の作業を示すステージであり、作業の進捗状況をリアルタイムで把握するために重要です。「Done」は、完了したタスクが記録される場所で、チームの成果を振り返るためのリソースになります。
ステージはプロジェクトの特性に合わせて追加や変更も可能です。例えば、開発プロジェクトでは「レビュー待ち」や「テスト中」のように細分化されたステージが求められることがあります。ステージ名には具体的なアクションを反映させると良いでしょう。
あわせて、作成したステージについて定期的に見直しを行う仕組みを設けましょう。プロジェクトが進むにつれて、作業の特性や必要なステージも変わることがあります。
(2)タスクの作成と配置
タスクの作成にあたっては、以下の要素を考慮することが効果的です。
はじめに、タスク名は簡潔かつわかりやすいものである必要があります。例えば、「資料作成」といった具体的な表現が望ましいでしょう。次に、タスクの詳細情報として、どのような作業を実施するのかを説明することが大切です。この詳細部分には、作業内容や必要な情報、関連資料のリンクなどを盛り込みます。
さらに、各タスクの所要時間を見積もって記入します。例えば、タスクが1時間で終わるのか、3日かかるのかを明示することで、チーム全体のスケジュール感を共有しやすくなります。
また、タスクには必ず締切日を設けることをお勧めします。締切日は現実的なものであることが重要ですが、あまりに厳しすぎるものはストレスを引き起こしかねません。
最後に、タスクの担当者を明示します。誰がそのタスクを担当するのかを明確にすることで、責任の所在がはっきりし、タスクの進捗に対するコミュニケーションが円滑になります。
これらを踏まえた上で、カンバンボードにタスクを追加する際には、ボードの各ステージに合わせて「To Do」「In Progress」「Done」といった状態に分け、必要に応じてタスクを移動させます。これにより、タスクの進行状況が視覚的に把握でき、業務の透明性が向上します。
カンバンボードを運用するポイント
カンバンボードを上手に活用していくための注意点を紹介します。
カンバンボードの活用ルールを周知する
カンバンボードを効果的に運用するためには、利用するルールを全メンバーに周知することが不可欠です。
基本的な構成や機能について知り、チーム全員がボードに貼られたカードの状況を確認し、進捗が滞っているタスクは速やかに原因を探り、対応策を話し合いましょう。
チームが成長するにつれて業務の内容やメンバーの役割が変わる場合もあるため、ルール自体を定期的に見直し、柔軟に運用していくことがカンバンボードの効果的な活用につながります。
カンバンボードの足りないところはコミュニケーションで補完する
カンバンボードからは、タスクの進捗や状況は把握できますが、メンバーの個々の意思や感情を読み取ることはできません。各メンバーが抱えるさまざまな感情や意見、または作業に対する姿勢は、ボードの情報だけでは伝わらないことが多いです。例えば、ボード上では「進行中」となっていても、実際にはメンバーがそのタスクに対して不安を感じたり、取り組みに対して消極的であったりします。
そのため、積極的にコミュニケーションを取り、メンバーの状況を確認することが大切です。
まず、定期的な1on1ミーティングを設けることが推奨されます。1on1ミーティングにより、メンバーがアサインされたタスクについて自由に意見を述べたり、抱えている問題について相談できる場を提供します。
また、オープンなフィードバックが可能な環境を構築することも重要です。カンバンボードを適切に活用しているつもりでも、メンバー間で誤解や認識のズレが生じることがあります。フィードバックセッションを行い意見を交換することで、チームの連携が向上し、結果的に作業効率も改善されます。
カンバンボードを積極的に活用し業務を効率化しよう
カンバンボードは作成や利用に特別な知識が不要で、簡単に導入できる管理手法です。カンバンボードを効果的に運用すれば、業務フローの改善やボトルネックの発見が実現できます。メンバー間のコミュニケーションを図りながらカンバンボードを適切に活用し、よりスムーズな業務運営とパフォーマンスの向上を目指してください。
この記事をお読みの方におすすめのガイド5選【部署別紹介】
最後に、この記事をお読みの方によく活用いただいている人気の資料・ガイドを紹介します。すべて無料ですので、ぜひお気軽にご活用ください。
経理担当者向け
①Excel関数集 32選まとめブック
経理担当者の方をはじめ、ビジネスパーソンが知っておきたい便利なExcel関数集を初級~上級までギュッと網羅。新人社員の研修用などにもお使いいただけます。Google スプレッドシートならではの関数もご紹介しています。
②勘定科目・仕訳辞典(税理士監修)
勘定科目・仕訳に関する基本知識、および各勘定科目の仕訳例を具体的かつ網羅的にまとめた、50ページを超えるガイドを無料で提供しております。お手元における保存版としてでだけでなく、従業員への印刷・配布用としてもぜひご活用ください。
人事労務担当者向け
①入社・退職・異動の手続きガイドブック
書類の回収・作成・提出など手間のかかる入社・退職・異動(昇給・昇格、転勤)の手続き。
最新の制度をもとに、よくある質問やチェックポイントを交えながら、各手続きに必要な情報をまとめた人気のガイドですす。
②社会保険・労働保険の手続きガイド
企業において社会保険および労働保険の加入・喪失手続きは必ず発生し、手続きを誤れば保険事故が発生した際に従業員が不利益を被る可能性があります。
各保険の基本的な手続き方法を入社・退職・異動のシーン別にギュッとまとめた分かりやすいガイドです。
総務・法務担当者向け
契約書ひな形まとめ30選
業務委託契約書や工事請負契約書…など各種契約書や、誓約書、念書・覚書、承諾書・通知書…など、使用頻度の高い30個のテンプレートをまとめた、無料で使えるひな形パックです。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
Teamsでファイル削除できない時は?原因や削除・復元する方法を解説
Teams(チームズ)でのやりとりにおいて、ファイルを共有する際に間違って違うデータを送ってしまい、削除できずに困った経験はないでしょうか。 本記事では、Teamsにおけるファイルの削除方法を中心に詳しく解説します。また、Teamsでファイ…
詳しくみる工数管理ツールおすすめ8選!(無料あり)生産性向上のための活用法
工数管理ツールとは、プロジェクトの完遂に必要な作業量を算出して管理するためのシステムです。エクセルやスプレッドシートと比べて工数の入力や分析の手間が省け、工数状況を把握しやすいという特徴があります。 本記事では、工数管理ツールを利用するメリ…
詳しくみるGoogle Keepの何がサービス終了になった?PCでの使い方について解説
Google Keepとは、Googleが提供しているメモ帳アプリとWebサービスです。2021年に、Google Keep Chromeアプリなどのサポートは終了しました。 本記事では、業務効率化を目指している方に向けて、Google K…
詳しくみる無料ファイル転送サービスおすすめ7選!有料との違いや安全性を解説
ファイル転送サービスとは、Webサイト上でファイルの送受信ができるものです。Webサイトにファイルをアップロードし、発行されるURLを受信者に渡すことで、ダウンロードできます。 本記事では、無料のファイル転送サービスの選び方や、おすすめのサ…
詳しくみる会員管理システムおすすめ7選!(無料あり)導入メリットや選び方を解説
自社のサービスを継続的に提供するには、適切な会員管理が欠かせません。会員管理システムを導入すれば、会員情報を効率よく管理できるため、顧客満足度の向上や既存顧客のリピーター育成に役立ちます。 本記事では、会員管理システムおすすめ7選を中心に、…
詳しくみるwelogとは?どこまで無料?機能や料金、他の情報共有アプリとの違い
welogはドキュメント共有ツールです。情報の集約が可能となるため、社内に蓄積されているものの共有されていないノウハウやナレッジの集約・共有が実現します。この記事ではwelogの概要や主な機能、welog以外のノウハウ共有アプリの概要につい…
詳しくみる



