• 作成日 : 2025年3月3日

総務の仕事は?業務内容や必要なスキル、転職先について解説

総務の仕事は、企業を支える重要な役割を果たしています。総務は組織全体の効率性を高め、働きやすい環境を整えるために欠かせない部門と言えます。

しかし、総務の担当者が具体的にどのような仕事をしているのか分からない人もいるでしょう。この記事では、総務の業務内容や求められるスキル、総務に向いている人の特徴などを解説します。

総務の業務内容

まず、総務の業務内容について紹介します。

備品の発注や管理

備品の発注や管理は、企業の円滑な運営に欠かせません。備品の発注は、ニーズの把握から始まります。どのような備品が必要かを社員や部署から情報収集し、適切な数量や仕様を決定します。無駄な発注を避け、コスト削減につなげることを意識して行います。

次に、業者の選定です。価格だけでなく品質や納期、アフターサポートなどを総合的に考慮して選びます。

発注が完了したら、備品の管理です。備品の在庫状況や使用状況を定期的に確認し、必要に応じて再発注を行います。また、備品の使用状況を把握し、どの備品が頻繁に利用されているかを分析することも重要です。発注のスケジュールを調整したり、物品の合理的な配置を検討することで、企業の生産性向上が期待できます。

施設の点検やメンテナンス

大規模な修繕が必要になる前に、定期的に施設の点検やメンテナンスを行うことで、トラブルを未然に防ぎ、社員にとって快適な環境を維持できます。

メンテナンスには、日常点検と定期点検の2つに大きく分けられます。日常点検は、見える場所での清掃や簡易な異常の確認を指します。定期点検は専門業者によるもので、安全点検、機械の動作確認、電気系統のチェックなどを含みます。

総務では、点検やメンテナンスを実施する年度計画を策定し、実施スケジュールを設定します。いつ、どの設備を点検するかを明示し、過去の点検結果を基に、重点的に点検を行う部分を見極めます。点検後には報告書を作成し、改善点や今後の対応策を記載します。

社内イベントの企画や運営

社内イベントの企画や運営は、社員同士のコミュニケーションを促進し、チームワークを高めるために重要です。社内イベントの目的として、リーダーシップの強化、社員の士気向上、新入社員の早期適応などが挙げられます。

社内イベントにはチームビルディング、社員の表彰、セミナーなど様々なタイプがあります。

総務では、ターゲットとなる参加者を明確にし、ニーズや関心に合ったプログラムを考えます。若手社員向けのイベントと管理職向けのイベントでは、内容や進行の方法が異なるため、それぞれに合ったアプローチが必要です。

あわせて、事前に予算を見積もり、費用対効果を考慮した計画を立て、効率的に運営することが求められます。また、実際の運営段階では、スムーズなイベント進行や参加者の役割分担、タイムスケジュールの設定を行います。

株主総会の企画や運営

株主総会は株主とのコミュニケーションの場であり、企業の透明性や信頼性を向上させる機会でもあります。総務は株主総会の開催日時や場所を決めます。社内のニュースレターやウェブサイト、郵送などを用いて株主に株主総会の告知をします。

総会当日は、運営や進行のサポートを行います。必要に応じ、株主総会が終了した後の議事録の作成やフォローアップもします。

契約や社内文書の管理

契約や社内文書の管理は、総務にとって大切な業務の一つです。

まず、契約書を適切に管理し、社員がいつでも内容を確認できる状態に保ち、万が一の紛争時には証拠として利用できるようにします。契約更新日や契約内容のリマインダーを設定することで、更新漏れやミスを防ぎます。

社内文書の種類は多岐にわたります。報告書、議事録、マニュアルなどを簡単に検索・参照できる体制を整えます。人事情報や機密契約については、厳重に管理する必要があるため、適切な権限を持った者のみがアクセスできるように設定します。必要に応じて、文書管理システムや専用のソフトウェアを導入する場合もあります。

電話や郵便物・来客への応対

電話や郵便物、来客への応対は、企業の印象を左右する重要な業務です。電話対応や郵便物の処理は迅速に行い、関係者や担当部署に共有します。来客があった際には迎え入れ、待機場所や会議室へ案内し、飲み物などを提供します。

窓口となる総務が細かいところまで配慮した対応を心がけることで、顧客や取引先との信頼関係を築くことができます。

総務業務に必要なスキル

総務の担当者に求められるスキルを見ていきましょう。

コミュニケーションスキル

総務において、社員や外部関係者と円滑にやり取りし、職場の雰囲気を良くするコミュニケーションスキルは重要です。総務は社員や取引先、ステークホルダーと多岐にわたる情報をやり取りするため、高いレベルのコミュニケーション能力が求められます。業務連絡を円滑に行い、関係者間で認識のズレがあった場合には傾聴しつつ臨機応変に解決を図ります。社員の満足度やモチベーションを高め、より良い職場環境を作り上げるために、表情、声のトーンなど、非言語コミュニケーションにも配慮が必要になります。

スケジュールを管理するスキル

スケジュールを管理するスキルも、総務では大切です。業務の効率化や生産性向上のために、担当者のスケジュールを適切に調整し、タスクの優先順位をつけてプロジェクトの進行や納期を管理します。予定が変更になった場合には柔軟に対応してスケジュールを整えることが求められます。

マルチタスクスキル

総務では複数の業務を同時並行で進めるマルチタスクスキルも重要です。電話対応、書類の作成、会議の準備など、異なる業務を同時にこなす必要があります。重要な作業を見極めて優先順位を明確にし、効率的にタスクを進めていかなければなりません。

総務業務に向いている人

総務業務に適性があるかを判断できるポイントを挙げます。

裏方としてサポートすることが好き

総務の仕事は、組織や社員が円滑に働けるように様々なサポートを行うため、目立たない部分での貢献が好きな人にとっては魅力があるでしょう。

多くの企業では、総務部門が中心となり、会社全体の運営を支えています。社員が快適に働けるようにオフィス環境を整えたり、社員の声を聞き、必要な情報上層部に伝えることも、裏方としての重要なサポートです。

総務の業務が適切に遂行されている企業は、社員の満足度が高く、離職率が低い傾向にあると言われています。仕事の達成感を他者の成功に見出し、チームでの協力を大切にするタイプには、総務業務は非常に向いています。

細かい点に気づいてフォローできる

細かい点に気づいてフォローできる人も、総務業務に適性があります。総務は多岐にわたる業務を担当しており、些細な問題にも迅速に対応する能力が求められます。日常の業務フローやスケジュール、社内イベントの準備において不備がないか観察し、細かなところへサポートを行うことが必要です。

数字だけでは測れない気づきのスキルが必要な職種と言えるでしょう。

未経験からオフィスワークに挑戦したい

総務業務は電話応対や書類管理、会議の準備など、身近な業務から始めるため、オフィスワーク未経験者もチャレンジしやすいです。

また、コミュニケーション能力や時間管理能力など、以前の職場で培ったスキルを活かせるるポイントが多いです。担当する仕事が幅広いため、これから幅広い事務職のスキルを身につけたいという人にはおすすめです。

総務業務の給料の相場

総務職の給与水準について解説します。

総務業務の給料の相場は、一般的に300万円から600万円程度です。年代によって給料水準が異なり、20代では300から400万円ほどの場合が多いのに対し、50代では600~700万円程度が平均的です。

未経験者がスタートする場合、初任給は20~25万円前後から始まることが多いです。しかし、実務経験を積んだり、一般的な事務以外に労務管理や人事業務、法務や経営支援なども担当することで、年収が400万円から500万円までアップする可能性があります。資格や専門的なスキルを持っていると、さらに有利に働くことが多いです。

総務業務からの転職先

総務業務は、多岐にわたる業務を管理する役割を担っており、培ったスキルや経験は、他職種への転職にも大きな強みとなります。ここでは、総務のキャリアを活かした転職先を紹介します。

人事

人事は、総務業務から転職しやすい職種の一つです。人事専門職は組織の人材戦略を考える上で欠かせません。人事職は、採用活動や社員の育成、評価制度の設計などにおいて総務業務で培ったスキルや経験を活かしやすいです。総務業務では、社員とのコミュニケーションや業務の調整、さらには社内規定の策定など、様々な業務を担当しています。これらは、人事業務においてとても役立ちます。

キャリアのステップアップとしても人事職は魅力的です。いったん人事としての経験を積むことで、今後は人事企画や戦略的な役割へと進む道も開かれています。このように、総務業務からの転職先として人事は、過去の経験を活かしつつ、新しい挑戦をするには最適な職種と言えます。

経理

経理は、企業の財務状況を正確に把握し管理する職種です。日々の取引を記録し、伝票の作成や仕訳を行い、月次・年次の決算業務や請求書の発行、さらには経費精算なども担当します。総務業務の経験がある方にとって、経理部門への転職はスムーズに進められる可能性があります。なぜなら、総務業務も経理業務に関連する部分が多く、基本的なビジネススキルや調整力が役立つからです。

経理職の求人は安定しており、キャリアの選択肢も幅広いことが特徴です。経験を積むことで、経理のマネージャーやCFO(最高財務責任者)などのポジションを目指すことも可能です。このように、経理業務は将来的なキャリアの展望が開ける職種でもあります。

事務職

事務職も、総務業務から転職しやすい職種の一つです。資料の作成や管理、電話応対、メールのやり取りなどで、総務業務で身に着けたコミュニケーションや調整役としての力を発揮できます。

事務職では多様な業務に携わることができ、業務の効率化を図るためのパソコンスキルや情報整理能力、計画性を養えます。フレックスタイム制度やリモートワークが普及している現在では、働き方の柔軟性も広がっています。自分に合った職場環境を見つけることができれば、充実したキャリアを築けるでしょう。

カスタマーサポート

カスタマーサポートは、顧客に対して製品やサービスに関するサポートを提供する職種です。顧客の問い合わせに応じて問題解決を行うことが主な役割です。商品に関する質問やトラブル対応、アフターサポートなどを行います。顧客と直接やり取りするため、お客様の声をしっかりと聞く能力が求められます。

そんなカスタマーサポートでは、総務業務で培った注意深さやコミュニケーション能力が大いに役立ちます。カスタマーサポートからは、マネジメント職や専門職への道が開けています。

まとめ

総務部門は、組織全体の効率性を高め、働きやすい環境を整えるために欠かせない存在です。また、総務業務に必須のスキルは、チームの連携を促進し、情報共有を円滑にします。

日々の業務を通して自らの強みを磨くことで、スキルアップやスムーズな転職が可能です。総務業務に従事する方々は、自らの市場価値を再認識し、より良い環境を求めてキャリアの可能性を広げていきましょう。


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