- 更新日 : 2025年1月21日
特性要因図とは?無料テンプレート・作り方を紹介
問題解決や業務改善の手法として知られる「特性要因図」は、課題の原因を体系的に分析するために広く利用されています。この図は、魚の骨のような独特の形状を持ち、各要因を分解して視覚的に整理することで、複雑な問題を理解しやすくするのが特徴です。品質管理やプロジェクトマネジメントの場面で、非常に役立つツールとされています。
この記事では、特性要因図の概要から、無料で使えるテンプレート、具体的な作り方までを紹介します。特性要因図を活用して効率よく問題解決を進めたい方に向けて、分かりやすくお伝えしますので、ぜひご覧ください。
特性要因図とは?
特性要因図とは、課題解決や原因究明のために用いるフレームワークです。この図を使用することで、結果と要因の因果関係を視覚的にまとめることが可能になります。「石川ダイアグラム」「フィッシュボーン図」「魚の骨図」といった別名でも知られています。特性要因図は、下記の3要素から構成されています。
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問題となっている特性を「製品の不良品率が高い」と設定した場合、その要因として「人」「機械」「材料」などを書き込むことができます。それらの要因(カテゴリ)には、個別具体的な原因が存在します。例えば、「人」という要因に注目した場合、「エンジニアが不足している」という原因を特性要因図では示すことが可能です。さらに、エンジニア不足の原因として、「採用がうまくいっていない」や「エンジニアの離職率が高い」といった具体的な内容を指摘できます。
特性要因図の無料テンプレート
特性要因図を作成する際には、テンプレートを活用するのがおすすめです。テンプレートを使用することで、図の構成に迷うことなく、効率的に高品質な特性要因図を作成できます。下記のリンクでは、特性要因図の無料テンプレートをダウンロードできるので、ぜひご活用ください。
特性要因図の構成要素・作り方
特性要因図は、特性を貫く「背骨」とそれにつながる要因を構成する「大骨」、要因の中にある具体的な原因を特性に結びつける「小骨」「孫骨」から構成されています。これらの線をつなげることで、魚の骨のような形に見えます。
ここでは、製造業や品質改善の現場でよく使われる特性要因図の詳しい作成方法を解説するので、ぜひ参考にしてください。なお、今回は下記のケースで書き方を解説します。
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背骨
背骨は、解決したい問題(特性)を示します。この背骨部分は特性要因図そのものの基礎となるため、明確かつ簡潔に記載することが求められます。特性要因図の中央に横線を引き、その右端に今回の特性である「製品の不良品率が高い」と記入します。この線は魚の背骨に相当するものです。
大骨
大骨は背骨から斜めに伸びる線で、問題を引き起こしている大まかな要因を表します。背骨から上斜め方向と下斜め方向に線を引き、それぞれの先端に「人」「機械」「材料」と記入します。これらは問題に影響を与える大枠の項目であり、解決策を導くための出発点です。
大骨を設定する際には、関係性や関連性を意識してカテゴリを選びます。例えば、「人」は作業者のスキルや人的リソースの問題を示します。背骨と大骨の関係性・関連性を強く意識することで、より実用的で効率的な改善活動に役立つツールとなるでしょう。
小骨
小骨は大骨から枝分かれして、要因に関連する具体的な原因を示します。「人」という大骨からさらに線を伸ばし、「エンジニア不足」と記入します。このようにして、要因を具体化してください。
孫骨
最後に、孫骨を描きます。孫骨は小骨からさらに線を伸ばし、原因をさらに詳細に掘り下げてください。「エンジニア不足」という小骨から分岐し、「採用がうまくいっていない」「エンジニアの離職率が高い」と記入します。これにより、問題の根本原因を明確化することが可能です。
特性要因図を活用して効率的な問題解決を
特性要因図は、課題の原因を整理し、視覚化するための優れたツールです。その構造は「背骨」「大骨」「小骨」「孫骨」といった要素で成り立ち、各段階で情報を細分化することで、具体的な解決策を導き出す手助けとなります。また、無料のテンプレートを活用すれば、初心者でも簡単に作成を始められる点も魅力です。
特性要因図を活用することで、問題の全体像を明確に把握できるだけでなく、チームでの共有や議論もスムーズになります。適切な手順とテンプレートを活用して、効率的な問題解決を目指しましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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