- 作成日 : 2025年7月9日
日報メールの書き方ガイド|例文一覧や件名・本文のフォーマット、返信マナーを解説
日報メールの書き方に、毎日頭を悩ませていませんか?
日報メールの目的を正しく理解し、書き方を工夫するだけで、あなた自身の成長を促し、上司やチームからの評価を高めることができます。
この記事では、日報メール(業務報告メール)の基本的な書き方から、周りと差がつく応用テクニックまで、例文を交えて分かりやすく解説します。
目次
日報メールの基本フォーマット
相手に伝わりやすく、信頼感を与える日報メールには「型」があります。この基本フォーマットを身につけるだけで、日報作成のスピードと質が格段に向上します。
一目でわかる件名の書き方
多忙な上司は、件名だけでメールの重要度を判断します。「誰から」「何の」メールかが瞬時にわかるように、簡潔かつ具体的に記載するのが鉄則です。
- 基本形:【日報】氏名 2025年X月X日
- 良い例:【日報】営業部 山田太郎 2025年5月28日(新規契約2件獲得)
- NG例:お疲れ様です 本日のご報告 日報
宛名・挨拶のビジネスマナー
本文の冒頭には、必ず宛名と挨拶を入れます。宛名は「会社名・部署名・役職・氏名」を正式名称で記載するのが基本です。挨拶文は「お疲れ様です。〇〇です。」が一般的で、簡潔に始めましょう。
本文は「PREP法」で論理的に伝える
本文は、結論(Point)→理由(Reason)→具体例(Example)→再度結論(Point)の順で構成する「PREP法」を意識すると、論理的で非常に分かりやすくなります。日報では、まず今日の業務の全体像や最も伝えたい成果を最初に述べ、その後に詳細を続けると良いでしょう。
業務内容は客観的な事実を箇条書きで
具体的な業務内容は、時系列やプロジェクトごとに整理し、箇条書きで記載します。長々と書かず、客観的な事実を端的に報告するのがポイントです。実績は、「契約1件獲得」のように具体的に記載します。
評価を左右する「所感・考察」の書き方
日報で最も差がつくのが「所感・考察」です。単なる感想ではなく、「なぜ成功・失敗したのか」「その経験から何を学んだか」「次からどう活かすか」まで書くことで、あなたの思考力と成長意欲を示すことができます。
明日の予定と締めの言葉
最後に翌日の業務予定を簡潔に記載します。これにより、上司はあなたの業務計画を把握し、アドバイスをしやすくなります。締めの挨拶は「ご確認のほどよろしくお願いいたします。」といった丁寧な言葉で締めくくりましょう。
日報メールの例文・テンプレート
ここでは、立場や状況に応じた日報メールの例文を紹介します。ご自身の状況に合わせてカスタマイズし、活用してください。
新入社員・若手社員向けの例文
新入社員・若手社員は、学んだことや気づきを具体的に書くことが成長のアピールに繋がります。
件名:【日報】開発部 鈴木一郎 2025年5月28日
〇〇リーダー
お疲れ様です。開発部の鈴木です。
本日の業務日報をご報告いたします。
■ 業務内容
- 09:00-12:00:〇〇機能のコーディング研修
- 13:00-17:00:先輩のコードレビュー、修正作業
■ 所感・考察
本日、初めてコードレビューで指摘をいただきました。自分では気づけなかった変数名の付け方のルールや、処理の効率性について学ぶことができました。指摘いただいた内容はメモに取りましたので、明日のコーディングから早速実践します。
■ 明日の予定
- △△機能のコーディング
以上です。ご確認のほどよろしくお願いいたします。
署名
中堅社員・リーダー向けの例文
中堅社員やリーダーは、個人の成果だけでなく、チームやプロジェクト全体の進捗、課題、そしてその改善策まで含めることが期待されます。
件名:【日報】マーケティング部 高橋花子 2025年5月28日(新キャンペーン進捗報告)
〇〇部長
お疲れ様です。マーケティング部の高橋です。
本日の日報をお送りします。
■ 本日の業務内容
- 新キャンペーン「夏の応援セール」に関するタスク進捗管理
- デザイナーへのLPデザイン修正依頼
- 広告代理店との定例ミーティング
- メンバー(佐藤さん、田中さん)の進捗確認とフィードバック
■ 実績・成果
- 広告代理店との協議の結果、CPAを当初目標から5%削減できる見込みとなりました。
- LPデザインの修正点を具体的に指示し、FIXの目処が立ちました。
■ 課題と対策
佐藤さんの担当タスクに遅延が見られます。ヒアリングしたところ、別案件との兼ね合いでリソースがひっ迫していることが原因でした。対策として、一部タスクを田中さんに分担するよう調整し、明日午前中に再度スケジュールを整理します。
■ 所感・考察
プロジェクト進行において、個々のタスク遅延が全体のボトルネックになることを再認識しました。今後は、週初めの定例で各メンバーの負荷状況をより詳細にヒアリングする仕組みを取り入れ、リスクの早期発見に努めます。
■ 明日の業務予定
- LP最終確認、広告入稿準備
- 佐藤さん、田中さんとのスケジュール再調整ミーティング
以上、ご確認のほどよろしくお願いいたします。
署名
営業職向けの例文
営業職の日報は、訪問件数や受注額といった「数字」での報告が必要です。成果だけでなく、失注理由の分析なども次に繋がる重要な情報です。
件名:【日報】営業第一部 佐藤健太 2025年5月28日(新規契約1件)
〇〇課長
お疲れ様です。営業第一部の佐藤です。
本日の業務日報をご報告いたします。
■ 本日の活動実績
- 訪問件数:3件(A社、B社、C社)
- 新規テレアポ:25件
- アポイント獲得:2件
- 契約件数:1件(B社 / 〇〇システム / 50万円)
- 見積書提出:1件(C社)
■ 商談内容と結果
- A社:導入に前向きだが、価格面で他社と比較検討中。来週、再度アプローチ予定。
- B社:課題であった業務効率化の点で価値を感じていただき、契約。
- C社:担当者レベルでは好感触。稟議用の見積書を提出済み。
■ 所感・考察
B社様からは、導入事例を交えた具体的な費用対効果の説明が決め手になったとのお言葉をいただきました。成功事例の共有が受注確度を高めることを再認識しました。一方でA社様には価格面の優位性を伝えきれなかったため、次回はコスト削減効果をより定量的に示すデータを用意して臨みます。
■ 明日の業務予定
- D社訪問
- E社オンライン商談
- 本日アポイント獲得先への御礼メール
ご確認よろしくお願いいたします。
署名
リモートワークの例文
リモートワークでは、意識的に業務の進捗や状況を共有することが重要です。オフィス勤務以上に、自身の状況が相手に伝わるような配慮が求められます。
件名:【日報】開発部 渡辺直美 2025年5月28日(〇〇機能実装完了)
〇〇チームリーダー
お疲れ様です。開発部の渡辺です。
本日の業務内容をご報告いたします。
■ 本日の業務内容(勤務時間:09:00-18:00)
- 09:00-12:00:〇〇機能の単体テスト実施
- 13:00-16:00:テストで発見されたバグの修正
- 16:00-17:30:修正箇所の再テスト、実装完了
- 17:30-18:00:明日のタスク整理、ドキュメント更新
■ 進捗状況
- 担当していた〇〇機能の実装が完了し、開発環境へマージ済みです。
- 現時点でブロッカーとなっている課題はありません。
■ 所感・考察
当初想定していなかったエッジケースでバグが発生しました。原因は〇〇という条件の見落としでした。テストコードを作成する段階で、より多角的な視点から仕様を再確認する重要性を感じました。今後の開発に活かしていきます。
■ 連絡事項・相談
明日の△△機能の実装に着手する前に、仕様について1点確認したい箇所があります。明日午前中の朝会で5分ほどお時間をいただけないでしょうか。
■ 明日の業務予定
- 朝会にて仕様確認
- △△機能の実装開始
以上です。ご確認のほどよろしくお願いいたします。
署名
体調不良やトラブル報告を含む例文
事実を簡潔に報告し、関係者への影響と今後の対応策を明確に伝えることが重要です。
件名:【日報・ご報告】総務部 田中由美 2025年5月28日
〇〇課長
お疲れ様です。総務部の田中です。
本日の業務日報をご報告いたします。
■ 業務内容
- 午前:請求書処理(30件完了)
- 午後:体調不良のため、14時にて早退させていただきました。
■ ご報告
A社様よりお問合せのあった備品発注の件、本日中に対応予定でしたが、早退により対応できておりません。明日午前中に最優先で対応いたします。ご迷惑をおかけし、大変申し訳ございません。
■ 明日の予定
- A社様の備品発注対応
- 未処理の請求書対応
以上です。ご確認のほどよろしくお願いいたします。
署名
日報メールの評価を上げるポイント
基本を押さえた上で、さらに一歩進んだ日報を書くためのテクニックです。
事実と意見を明確に区別する
「A社を訪問した(事実)。おそらく好感触だったと思う(意見)。」のように、客観的な事実と主観的な意見は明確に分けて書きましょう。これを混同すると、報告の信憑性が低下します。事実報告をしっかり行った上で、「所感」として自分の意見を述べる構成が理想です。
定量的な報告で説得力を高める
「たくさんテレアポした」ではなく「30件テレアポした」のように、可能な限り数値で表現しましょう。定量的な報告は具体的で客観性があり、評価の基準にもなりやすいため、ビジネスコミュニケーションの基本として非常に重要です。
ポジティブな改善提案で主体性を示す
日報を単なる報告で終わらせず、「この課題に対し、〇〇という方法を試してみたいのですが、いかがでしょうか」といった相談や提案を付け加えましょう。あなたの主体性や問題解決能力をアピールでき、上司との有益なコミュニケーションに繋がります。
日報メールに書くことがないときの対処法
毎日日報を書いていると、「今日は特に書くことがない…」と感じる日が訪れることがあります。そんな時に役立つ、日報のネタを見つけるための思考法をご紹介します。
日々の業務を5W1Hで分解する
「資料作成」と一言で終わらせず、「When(いつ)、Where(どこで)、Who(誰が)、What(何を)、Why(なぜ)、How(どのように)」で分解してみましょう。「なぜ、この資料が必要なのか?」「どのように工夫して分かりやすくしたか?」など、分解することで報告すべきことや考察のヒントが見つかります。
小さな気づきや学びを言語化する
業務の中で感じた、ほんの些細な疑問や気づきを大切にしましょう。なぜそう感じたのかを深掘りし、「自分も真似てみよう」という改善策に繋げれば、それは立派な成長記録になります。
自己学習や情報収集について報告する
直接的な業務でなくても構いません。スキルアップのために学習したことや、業界ニュースを読んで考えたことなども報告しましょう。「〇〇というツールの使い方を勉強した」「競合他社の新しい動きについて、自社では〇〇のような対策が考えられる」など、視野の広さと学習意欲を示すことができます。
日報メールの作成を効率化するアイデア
質の高い日報を継続するには、作成の負担を減らす工夫も欠かせません。ここでは、日報作成を効率化するための具体的な方法をご紹介します。
日報フォーマットの作成・保存
今回紹介した基本構成や例文を参考に、自分だけの日報フォーマットを作成し、メモ帳アプリやドキュメントに保存しておきましょう。毎回ゼロから書く必要がなくなり、大幅な時間短縮に繋がります。
辞書登録機能の活用
「おつ」と入力すれば「お疲れ様です。〇〇です。」、「にっぽう」と入力すれば日報のテンプレート全体が呼び出されるように、PCやスマートフォンの辞書登録機能を活用しましょう。定型文を瞬時に入力できるため、驚くほど効率が上がります。
メール以外のツールの検討
日報の提出方法はメールに限りません。ChatworkやSlackといったビジネスチャットツールを使えば、より気軽に報告でき、フィードバックもスピーディになります。また、日報に特化したSaaSツールは、提出管理や分析機能も充実しており、組織全体の生産性を高めます。
AI活用で日報作成を自動化
ChatGPTのような生成AIを活用すれば、日報メールの自動化も可能です。今日のタスクリストや出来事を箇条書きでAIに渡し、「この内容でビジネス用の日報を作成して」と指示するだけで、精度の高い下書きが完成します。それを元に修正・追記すれば、作成時間を短縮できます。
日報メールの返信マナー
日報は提出して終わりではありません。返信を通じてコミュニケーションを深めることで、その価値はさらに高まります。
上司から部下への返信ポイント
上司の立場で日報に返信する際のポイントも、参考として紹介します。
部下からの日報には、できるだけ返信をしましょう。「確認しました」の一言でも構いません。特に、部下が勇気を出して書いた「所感」や「改善提案」に対して具体的に褒めたり、「その点、もう少し詳しく聞かせてくれる?」と質問したりすることで、部下のモチベーションと成長を促すことができます。
- 良い返信例:「〇〇の改善提案、良い視点だね。明日少し詳しく聞かせてください。」
- 避けるべき返信例:「感想はいいから、もっと数字を報告して。」
部下から上司への返信ポイント
上司から日報に返信をもらったら、必ず目を通しましょう。感謝の気持ちを伝える場合は「ご返信ありがとうございます。大変参考になります。」のように簡潔に返信するか、次回のリアクションで応えるのがスマートです。指摘やアドバイスは真摯に受け止め、翌日の日報や行動で改善を示すことが自身の成長にもつながります。
日報メールを戦略的に活用しましょう
日報メールは、面倒な義務作業ではありません。基本のフォーマットで分かりやすく伝えること、書くことがないときは業務を分解してネタを探すこと、そして事実と意見を分けて主体的な提案を加えることを意識するだけで、その価値は大きく変わります。
さらに、AIなどのツールを活用して作成を効率化・自動化し、返信を通じてコミュニケーションを深めることで、日報はあなた自身の成長を加速させ、キャリアを切り拓くための戦略的ツールへと進化します。この記事を参考に、ぜひ今日からあなたの日報をアップデートしてみてください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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