- 作成日 : 2025年7月9日
社内の日程調整メールの書き方|基本マナーからシーン別の例文、効率化ツールまで解説
社内での打ち合わせや面談に欠かせない「日程調整」。少しでも配慮に欠けたメールを送ってしまうと、「仕事ができない人」「相手への気遣いができない人」というネガティブな印象を与えかねません。
この記事では、社内における日程調整メールの基本マナーから、様々なシーンでそのまま使える例文、やり取りを最小限に抑える効率化のコツまで、分かりやすく解説します。この記事を読めば、誰でも自信を持って、スマートな日程調整ができるようになるでしょう。
社内の日程調整メールの基本構成
日程調整メールは、基本的に以下の要素で構成されます。ビジネスメールの基礎ですが、改めて確認しておきましょう。
- 件名:メールの目的や要件が一目でわかるように記載します。
- 宛名:「〇〇部 〇〇様(さん)」のように、部署名と氏名を正確に記載します。
- 挨拶:「お疲れ様です。〇〇部の〇〇です。」と挨拶文と名乗りを入れます。
- 本文:ここで日程調整の要件を伝えます。
- 署名:自分の所属、氏名、連絡先などを記載します。
これらの型を守ることで、相手は安心してメールを読むことができます。
社内の日程調整メールのマナー
日程調整メールは、社内だからと気を抜かず、親しい同僚であっても丁寧なコミュニケーションを心がけることが、信頼獲得への第一歩です。
件名は「要件」が一目でわかるように
多忙な相手のメールボックスに埋もれないよう、件名は具体的かつ簡潔に記載するのが鉄則です。【】(隅付き括弧)を使って要件を強調すると、より視認性が高まります。
- 【日程調整のお願い】〇〇の件に関するお打ち合わせ
- 【ご回答のお願い:〇/〇締切】〇〇プロジェクト定例会議の日程調整
- 【〇〇の件】来週のお打ち合わせ日程のご相談
相手への配慮を忘れず、クッション言葉を活用する
日程調整は、相手の貴重な時間を使ってもらう行為です。依頼する際は、「お忙しいところ恐れ入りますが」「ご多忙の折、大変恐縮ですが」といったクッション言葉を添えるだけで、印象が格段に丁寧になります。依頼の仕方を工夫して、相手が気持ちよく協力してくれる雰囲気を作り出しましょう。
候補日は複数提示し、相手に選択肢を与える
日程調整で最も重要なのが、候補日の提示方法です。自分の都合だけを押し付けるのではなく、複数の候補日時を提示し、相手に選んでもらう形を取りましょう。候補日は3〜5つ程度が適切です。少なすぎると相手の選択肢を奪い、多すぎるとかえって相手を悩ませてしまいます。
所要時間や場所(URL)を明記する
「何のための打ち合わせで、どれくらいの時間がかかり、どこで行うのか」を明確に伝えましょう。これらの情報が不足していると、相手はスケジュールを確保できず、確認のやり取りが増えてしまいます。Web会議の場合は、使用ツール(Zoom、Teamsなど)やURLなども忘れずに記載します。
期限を設ける場合は、理由を添えて丁寧に
複数人との調整や、急ぎの案件で返信期限を設けたい場合もあるでしょう。その際は、ただ「〇月〇日までにご返信ください」と記載するのではなく、「〇〇の準備の都合上、大変恐縮ですが」のように、理由を一言添えるのがマナーです。相手に納得感を持ってもらうことが、スムーズな協力を得る秘訣です。
社内の日程調整メールの例文
ここでは、様々なビジネスシーンでそのまま使える社内日程調整メールの例文を紹介します。状況に応じて適宜カスタマイズしてご活用ください。
社内の日程調整メールを自分から送信する場合の例文
まずは、自分から打ち合わせを依頼する際のメールです。要点を簡潔にまとめ、相手が返信しやすいように配慮することがポイントです。
件名:【日程調整のお願い】〇〇の件に関するお打ち合わせ(〇〇部 〇〇)
〇〇部 〇〇様
お疲れ様です。
〇〇部の〇〇です。
先日の会議で議題に上がりました〇〇の件につきまして、詳細をディスカッションさせていただきたく、30分ほどお時間を頂戴できますでしょうか。
つきましては、以下の日程でご都合のよろしい時間帯をお教えいただけますと幸いです。
- 〇月〇日(月)13:00~17:00
- 〇月〇日(火)終日
- 〇月〇日(水)10:00~15:00
上記以外でも、〇〇様のご都合の良い日時がございましたら、お気軽にご指定ください。
ご多忙の折、大変恐縮ですが、ご検討のほどよろしくお願いいたします。
—
署名
—
社内の日程調整メールに返信する場合の例文
日程調整を依頼された側からの返信メールです。迅速な返信が、相手の仕事をスムーズに進めるための最大の配慮です。承諾する場合と、再調整をお願いする場合の2パターンを見ていきましょう。
1. 候補日で問題ない場合
感謝の意を伝え、確定した日時を明確に記載することで、双方の認識齟齬を防ぎます。
件名:Re: 【日程調整のお願い】〇〇の件に関するお打ち合わせ
〇〇部 〇〇様
お疲れ様です。
〇〇部の〇〇です。
日程調整のご連絡、誠にありがとうございます。
ご提示いただきました日程の中から、以下にてお願いできますでしょうか。
【日時】〇月〇日(火)14:00~14:30
当日は何卒よろしくお願いいたします。
—
署名
—
2. 提示された日程で都合が悪い場合
提示された日程で都合がつかない場合、ただ「難しいです」と返すのではなく、謝罪の言葉と共に、こちらから代替案を複数提示するのが理想的です。
件名:Re: 【日程調整のお願い】〇〇の件に関するお打ち合わせ
〇〇部 〇〇様
お疲れ様です。
〇〇部の〇〇です。
日程のご連絡、誠にありがとうございます。
大変申し訳ございませんが、ご提示いただいた日程には別件の予定が入っており、調整が難しい状況です。
誠に恐縮ですが、以下の日程で再度ご調整いただくことは可能でしょうか。
- 〇月〇日(木)10:00~12:00
- 〇月〇日(金)15:00~18:00
お手数をおかけし大変申し訳ございませんが、ご検討いただけますと幸いです。
—
署名
—
社内の日程調整メールを上司へ送る場合の例文
上司への連絡は、特に丁寧な言葉遣いと配慮が求められます。依頼する側、返信する側、それぞれのポイントを見ていきましょう。
1. 上司に日程調整をお願いする場合
相手を立てる表現を使い、上司の時間をいただくことへの敬意を示します。「ご都合をお伺いできますでしょうか」という表現が基本です。
件名:【ご相談】〇〇の件に関するお打ち合わせのお願い
〇〇本部長
お疲れ様です。
〇〇部の〇〇です。
現在進めております〇〇の件で、ぜひ本部長にご報告およびご意見を伺いたく、15分ほどお時間をいただくことは可能でしょうか。
つきましては、来週以降でご都合のよろしい日時を2、3お知らせいただけますと幸いです。
もし差し支えなければ、本部長の共有カレンダーを拝見し、空いている時間でこちらから候補日時を提案させていただきます。
ご多忙の折、大変恐縮ですが、ご検討のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
—
署名
—
2. 上司の日程調整メールに返信する場合
上司からの日程調整依頼には、迅速に返信することが重要です。依頼への感謝を述べ、簡潔に回答しましょう。
件名:Re: 〇〇の件に関する打ち合わせ日程の件
〇〇部長
お疲れ様です。
〇〇です。
日程調整のご連絡、ありがとうございます。
ご提示いただきました日程、いずれも問題ございません。
部長のご都合の良い時間で進めていただけますと幸いです。
取り急ぎ、ご確認のお礼まで。
引き続きよろしくお願いいたします。
—
署名
—
社外メンバーを含む複数人と日程調整を行う場合の例文
複数人の日程調整は複雑になりがちです。参加者全員の都合を確認するため、宛先に参加者を入れ、誰に返信してほしいのかを明確にしましょう。社外の方がいる場合は、社内でしか通用しない用語や略語の使用は避け、誰が読んでも分かる平易な言葉を選びましょう。敬称の使い分けにも注意が必要です。
件名:【日程調整】〇〇キックオフMTG開催のご連絡
関係者各位
皆様
お疲れ様です。
〇〇株式会社の〇〇です。
さて、〇〇プロジェクトの始動にあたり、キックオフミーティングを開催したく存じます。
つきましては、皆様のご都合をお伺いしたく、以下の候補日時よりご都合のつく時間帯を【〇月〇日(金)】までに、本メールにご返信いただけますでしょうか。
【候補日時】
- 〇月〇日(月)10:00~11:00
- 〇月〇日(火)14:00~15:00
- 〇月〇日(水)16:00~17:00
ご多忙中とは存じますが、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
—
署名
—
打ち合わせ日程が確定した場合の例文
複数人の調整が完了し、日程が確定した際の連絡メールです。決定事項を箇条書きで分かりやすく記載すると親切です。
件名:【日程確定のご連絡】〇月〇日(月)10時~ 〇〇キックオフMTG
関係者各位
皆様、日程調整にご協力いただき、誠にありがとうございました。
標記の件、以下の通り日程が確定いたしましたので、ご連絡いたします。
【日時】〇月〇日(月)10:00~11:00
【場所】第3会議室 (対面)
【参加者】〇〇様、△△様、〇〇(敬称略)
【議題】
- プロジェクト概要の共有
- 各メンバーの役割分担について
- 今後のスケジュール確認
お忙しいところ恐縮ですが、当日はどうぞよろしくお願いいたします。
—
署名
—
会議の日程変更をお願いする場合の例文
自分の都合で日程変更をお願いするのは、非常に心苦しいものです。まずは丁重にお詫びをし、変更をお願いする理由を正直に、かつ簡潔に伝えましょう。
件名:【日程変更のお詫びとお願い】〇月〇日のお打ち合わせにつきまして
〇〇部 〇〇様
お疲れ様です。
〇〇部の〇〇です。
〇月〇日(月)10時よりお約束しておりましたお打ち合わせにつきまして、誠に申し訳ございませんが、急なトラブル対応が入ってしまい、お伺いすることが難しくなってしまいました。
私の都合で大変恐縮なのですが、もし可能でしたら、以下の日程で再度ご調整いただくことはできますでしょうか。
- 〇月〇日(火)13:00以降
- 〇月〇日(水)10:00~15:00
この度は直前のご連絡となり、ご迷惑をおかけし大変申し訳ございません。
何卒ご検討いただけますよう、お願い申し上げます。
—
署名
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社内の日程調整におすすめのツール
近年、日程調整を自動化するツールが数多く登場しています。自分の空き時間を連携させたURLを相手に送るだけで、相手が都合の良い時間を選ぶと自動でカレンダーに予定が登録される優れものです。
- TimeRex(タイムレックス)
- Doodle(ドゥードゥル)
- YouCanBook.me など
ツールを使用することで、候補日を書き出す手間が省け、メールの往復が減少します。ただし、目上の方やITツールに不慣れな方には、冷たい印象を与える可能性があります。相手との関係性を見極めて利用しましょう。また、高機能なツールはコストがかかる場合があります。
スマートな日程調整は、信頼されるビジネスパーソンへの第一歩
社内の日程調整は、単なる作業ではありません。相手への配慮や仕事の進め方が端的に表れる、重要なコミュニケーションの一つです。
今回ご紹介したマナーや例文、効率化のテクニックを活用し、あなたの評価を高め、より円滑な人間関係を築いていきましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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