- 作成日 : 2025年3月31日
介護アプリの主な機能は?メリットやおすすめのアプリを解説
業務の効率化が介護現場においても浸透しつつある昨今、介護現場における介護記録の入力や管理の手間を省きつつ、ケアの質をサポートする介護アプリが注目されています。
この記事では、介護アプリの機能性やおすすめのアプリを紹介します。アプリの導入を検討されている方や、業務効率化を課題とする事業所の方は参考にしてみてください。
介護アプリとは?どんな機能がある?
介護アプリとは、スマホやタブレットで利用できる、介護現場における業務の効率化や情報共有を目的としたアプリです。主な機能として、利用者へのケア内容の記録・管理、スタッフ間や家族との情報共有、スケジュール管理、各種帳票の作成などが挙げられます。
これらの機能を活用することで、記録作業の効率化やペーパーレス化が進み、スタッフの負担軽減や人的ミスの削減を期待できます。また、リアルタイムでの情報共有が可能となることで、スタッフ間の連携強化や利用者の家族への信頼・安心にもつながります。
介護記録
介護アプリの記録機能は、利用者の日々の健康状態や生活状況を詳細に記録し、スタッフ間での情報共有に活用できます。介護サービスの提供日時や場所、ケアの詳細を記録できます。
アプリによっては、音声入力やAIを活用した自動入力機能が搭載されているものもあり、業務効率化に役立ちます。
ケアプランの作成
介護業務においては、利用者のケアプランの作成も欠かせません。利用者一人ひとりの健康状態や生活状況に合わせた介護計画を効率的に作成・管理できるアプリが多いです。
総合的な援助方針や短期・長期の目標、具体的な援助内容を記入し、ケアプランの作成が可能です。
スタッフや利用者のスケジュール管理
スタッフや利用者のスケジュール管理機能も、スタッフの勤務シフトや利用者のケア予定を効果的に管理する役割を果たします。
スタッフ間でのシフト交換をアプリ上で簡単に行えたり、スケジュールの変更や重要な連絡事項を即時に通知し、情報伝達の遅れを防げたりするため、業務の質を改善する上で効果的な機能といえます。
帳票作成
帳票作成機能を活用すると、介護現場で必要とされる各種書類や報告書を効率的に作成・管理できます。また、CSV出力に対応しているアプリも多いです。
帳票作成において、介護アプリを利用する際には、テンプレートが用意されているため、入力項目を統一することで、記入ミスや漏れを防げます。また、帳票を電子データとして保存し、関係者間でリアルタイムに共有することで、情報伝達の迅速化とペーパーレス化を実現します。
利用者の家族との情報共有やコミュニケーション
利用者の家族との情報共有やコミュニケーションを図る機能もあります。日々のケアや利用者の体調変化を家族と共有したり、家族と介護スタッフ間のコミュニケーションを促進し、細かな要望や質問に迅速に対応したりするものがあります。
利用者の家族が利用者の状況を常に把握でき、安心感が増すだけではなく、利用者、家族、介護スタッフの三者間の連携が強化され、より質の高い介護につながります。
介護アプリを利用するメリット
介護アプリを利用するメリットを紹介します。介護アプリの導入を検討する事業所は、事前にどのようなメリットを得られるかを把握しておくことが重要です。
人的ミスの削減
紙の記録からデジタル化されたアプリに移行することで、手書きによる読み間違いや入力ミスが減少します。
介護アプリには、入力データの整合性を確認する自動チェック機能が備わっていることが多く、不整合や異常値をリアルタイムで検出し、スタッフに通知します。また、アプリの導入により、業務手順や記録方法が統一され、スタッフ間でのばらつきの減少を望める点も人的ミス削減につながります。
記録の作成や管理の効率化
介護アプリの導入により、記録の作成や管理の効率化を図れます。データの整理や集計、フォーマットの変換などの作業をアプリに任せることで、手動で行う時間と労力を節約できます。
また、データが一元管理されることで、最新の情報を全スタッフが共有可能です。テキストメッセージや共有機能を活用すれば、記録の管理・運用を円滑化できます。
スタッフ間・利用者の家族とのコミュニケーションの促進
介護アプリを活用することで、スタッフ間での情報共有がリアルタイムに行われ、連携が強化されます。また、アプリ内で統一されたフォーマットや手順が共有でき、業務のばらつきを減らし、サービスの質を均一化します。
利用者の家族とコミュニケーションを図るアプリでは、利用者の状況把握や要望や意見をアプリ上で受け取り可能で、ケアの質向上につなげられます。
ペーパーレス化の実現
介護アプリを導入すると、紙の電子化を実現し、ペーパーレス化を図れます。紙の使用量が減少することで、用紙代や印刷代、保管スペースのコストが削減可能です。検索機能や共有機能を活用すれば、必要な情報へ素早くアクセスできます。
おすすめの介護アプリ
ここからはおすすめの介護アプリを紹介します。自施設に見合うアプリを探す際の参考にしてみてください。
ケアコラボ
ケアコラボは、介護現場での記録業務を効率化し、スタッフ間やご家族との情報共有を促進するためのクラウド型ケア記録システムです。ケアコラボの料金や特徴は以下のとおりです。
項目 | 内容 |
---|---|
無料プラン有無 | 〇(1週間の無料体験有り) |
基本料金 | 初期費用:無料 月額費用:職員1名あたり880円(税抜)※10名までは定額8,800円(税抜) |
特徴 |
|
ケア記録アプリ
ケア記録アプリは、介護施設や通所介護、障害福祉サービス等のスタッフ向けに開発されたiPad専用の介護記録アプリです。 ケア記録アプリの料金や特徴は以下のとおりです。
項目 | 内容 |
---|---|
無料プラン有無 | 〇 |
基本料金 | 初期費用:無料 月額費用:5,000円(税抜) |
特徴 |
|
c-report
c-reportは、介護現場のスタッフが使いやすいように設計されており、記録業務の効率化を期待できる介護記録アプリです。c-reportの料金や特徴は以下のとおりです。
項目 | 内容 |
---|---|
無料プラン有無 | × |
基本料金 | 初期費用:50,000円(税抜) 月額費用:20,000円(~29名,税抜) |
特徴 |
|
CareViewer
CareViewerは、グループホーム運営に最適化された介護記録アプリです。CareViewerの料金や特徴は以下のとおりです。
項目 | 内容 |
---|---|
無料プラン有無 | 〇(フリープラン) |
基本料金 | フリープラン:0円 シンプルプラン:0円+利用者100円/人 ライトプラン:5000円+利用者200円/人 スタンダードプラン:10000円+利用者400円/人 |
特徴 |
|
Blue Ocean Note
Blue Ocean Noteは、高齢者介護、障がい者支援、保育事業所など、さまざまなサービス種別に対応しているクラウド型の介護記録システムです。Blue Ocean Noteの料金や特徴は以下のとおりです。
項目 | 内容 |
---|---|
無料プラン有無 | 不明(無料デモ有り) |
基本料金 | 要問い合わせ |
特徴 |
|
シフトカイゴ
シフトカイゴは、介護士の意見を元に開発されたシフト管理・スケジュール帳アプリです。シフトカイゴの料金や特徴は以下のとおりです。
項目 | 内容 |
---|---|
無料プラン有無 | 〇 |
基本料金 | 無料 |
特徴 |
|
ツナガール
ツナガールは、利用者ごとに情報をカテゴライズし、事業所内での円滑な情報共有をサポートする医療・介護従事者専用のコミュニケーションツールです。ツナガールの料金や特徴は以下のとおりです。
項目 | 内容 |
---|---|
無料プラン有無 | 要問い合わせ |
基本料金 | 要問い合わせ |
特徴 |
|
介護アプリを選ぶポイント
介護アプリを選ぶ上でのポイントをいくつか紹介します。自施設に合った介護アプリを導入するためには、選定基準を明確に定めることが重要です。
自施設のサービス形態に見合うか
まず、介護アプリが自施設のサービス形態(訪問介護、通所介護、居宅介護など)に対応しているかを確認しましょう。
たとえば、訪問介護に特化したアプリ、介護記録に特化したアプリなど、アプリの特徴と自施設のサービス形態や課題間にマッチングしたアプリを選ぶことが重要です。
操作のしやすさや機能性に優れているか
必要な機能が搭載されているか、また操作が直感的で使いやすいかも見極めましょう。基本的には、介護記録の入力や管理、情報共有、シフト管理などの機能が充実していることが望ましいです。
その他、既存の業務システムや他のソフトウェアとの連携も確認すべきポイントです。たとえば、CSV出力機能があると、Excelやスプレッドシートにデータを活用でき、経理や会計の事務作業が効率化できます。
サポート体制が充実しているか
導入後のサポート体制が整っているかも重要なポイントです。介護記録など個人情報の含まれる情報を扱うため、不具合やトラブル発生時に操作方法の問い合わせやサポート対応が充実しているかを確認しておきましょう。
費用対効果のバランスが取れているか
ここまで紹介したポイントを踏まえて、導入費用や維持費用が予算内であるか、コストに見合った機能やサービスが提供されているかを検討しましょう。アプリによっては、無料版と有料版の違いを把握し、必要な機能に応じて選択することが重要です。
多くのアプリは無料トライアル期間を設けているため、予算に対する機能性を判断するための期間となるように活用しましょう。
介護アプリの活用事例
介護アプリの活用事例をいくつか紹介します。一つ目は、スタッフ間のコミュニケーションが改善した事例です。ある介護施設では、介護アプリの導入前は、スタッフ間の情報共有は主に口頭や紙のメモで行われており、情報の伝達漏れや共有の遅れが生じることがありました。
介護アプリを導入し、介護アプリのチャット機能や情報共有機能を活用することで、スタッフ間のコミュニケーションが円滑化されました。また、リアルタイムでの情報共有が可能となり、利用者の状態変化やケア内容の確認工数の削減につながりました。
二つ目は、タブレット端末を活用したリハビリテーションの実施事例です。デイサービス施設では、タブレット端末を用いたリハビリテーションが行われています。
リーフレットやパンフレットなどでは可視化しにくい取り組みを端末に専用アプリをインストールすることで、わかりやすく可視化することを目指しています。
具体的には、脳トレーニングやゲームを通じて、利用者の認知機能の維持・向上を図る取り組みがされています。また、リハビリの様子を撮影し、家族に共有することで、利用者の状況を理解してもらいやすくする工夫も行われています。
これらの事例から、介護アプリの活用が介護現場の効率化やサービス品質の向上につながっていることがわかります。
自施設に適した介護アプリを導入しましょう!
介護アプリは、現場スタッフの業務負担の軽減や、介護ケアの質を向上させる上で役に立ちます。
アプリによって機能性もさまざまであるため、導入事例を参照しつつ、業務課題をクリアできる機能を備えたアプリを導入しましょう。本記事を参考に介護アプリの導入を検討してみてください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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