そもそも白色申告とは何か

青色申告と白色申告の違い

毎年2月から始まる確定申告には2種類あり、「青色申告」と「白色申告」に分けられます。しかし税理士などの会計の専門家を除いて、それぞれの違いを明確に理解している人は少ないでしょう。具体的に青色申告と白色申告はどこが違うのでしょうか?

大きく異なる点としては、作成する書類手続きの方法申告によって得られるメリットといった点が挙げられます。

青色申告では記帳義務や決算書(貸借対照表・損益計算書)の作成義務があるのに対し、白色申告ではごく簡単な帳簿しか必要ありません。また、青色申告を行う場合には事前に税務署に届け出ておく必要もあります。青色申告と白色申告では、申告のためにかかる手間がまったく異なります。

そのかわり、青色申告には白色申告にはない特別控除があります。簡易簿記の場合には10万円、複式簿記をつける場合には65万円が控除されるため、大きな節税効果が期待できます。また、家族の給与を経費として落とせたり、赤字を3年まで繰り越せたりと、税制上有利になっている点が多々あります。

つまり、「青色申告」と「白色申告」の違いは手続きの際の簡易性をとるか、控除の大きさをとるかの違いともいえます。

白色申告と呼ばれる由来

では、なぜ「白色申告」という名前がついたのかご存知でしょうか?

一方の青色申告には「青空のように一点の曇りもない申告をする」という意味が込められているのですが、白色申告はどうして「白」なのでしょうか?

あまり知られていませんが、法律上は「白色申告」という言葉はどこにも出てきません。これはもともと、青色申告に対比して便宜的に呼ばれるようになったものであり、あくまでも通称なのです。ですから明確な由来があるわけではなく、「青色ではない」といった程度の意味合いです。

白色申告で受けられる控除

基礎控除

確定申告をする場合には、申告の種別や所得の種類に関わらず、すべての納税者に対して適用される控除があります。これが「基礎控除」と呼ばれるものです。

控除額は白色申告でも青色申告でも一律で、38万円と定められています。申告書にあらかじめ記載がありますので、正しく申告を行いさえすれば特別な手続きは必要ありません。

事業専従者控除について

事業専従者控除とは何か

個人事業主であれば、自分の配偶者や親族を従業員として雇っているケースも多いのではないでしょうか。しかしこうした従業員への給与は、白色申告の場合には経費として計上することができません。

そのかわりに白色申告では、特定の条件を満たすことによって控除を受けることができます。これが「事業専従者控除」です。

事業専従者控除は、配偶者の場合で最大86万円、配偶者以外の場合には1人あたり最大50万円までが控除されます。

事業専従者控除を受けるための条件

それでは、事業専従者控除を受けるためにはどのような条件を満たす必要があるのでしょうか?

従業員が事業専従者として認められるためには、以下の3つの条件をすべて満たしている必要があります。

(1)白色申告者と生計を同じくしている配偶者または親族であること
(2)その年度の12月31日時点で満15歳以上であること
(3)年間で6ヶ月を超えて白色申告者が行う事業に従事していること

つまり、たとえ親族だとしても、別生計であったり、14歳以下の子供であったり、「ときどき手伝いにくる」といった程度の人については事業専従者として認められないということです。

また、事業専従者控除の対象者は配偶者控除や扶養控除の対象外となりますので、注意が必要です。

事業専従者控除の金額の計算方法

事業専従者控除の計算は難しくありません。「事業所得等 ÷ (事業専従者の数 + 1)」という計算式によって簡単に求めることができます。

ただし、配偶者86万円・配偶者以外50万円/人という上限が定められている点に要注意です。求められた金額がこれを超える場合には超過部分が切り捨てられ、「控除額=上限額」となります。

それでは具体例を挙げて計算してみましょう。

※収入300万円・経費150万円・専従者1人(配偶者)の場合
この場合の計算式は「(300万 - 150万) ÷ (1 + 1) = 75万」となりますので、事業専従者控除額は算出された数字がそのまま適用されて75万円です。

※収入400万円・経費200万円・専従者1人(配偶者)の場合
この場合の計算式は「(400万 - 200万) ÷ (1 + 1) = 100万」となりますが、算出された数字は配偶者の上限である86万円をオーバーしています。そのため、事業専従者控除額は86万円となります。

事業専従者控除を受けるための手続き

事業専従者控除を受けるための手続きは、とてもシンプルです。確定申告の際に、申告書の所定の欄に控除を受ける旨や、その対象となる事業専従者の氏名・控除金額などをしっかりと正確に記入すれば、それだけで控除が適用されます。

青色申告において事業専従者の給与を経費にする場合には、事前に届出書を提出しておかなければならないのですが、白色申告者の場合はこうした書類は不要です。事業専従者控除を受けるための特別な事前申請は一切必要ありません。

まとめ

ここまで見てきたように、白色申告によって受けられる控除額は決して多いわけではありません。また、2014年からはすべての事業所得者に記帳が義務づけられるようになったため、白色申告をするメリットは以前よりも小さくなっています。

ただし、事業をはじめたばかりで所得が少ない場合や記帳に慣れていない場合などには、白色申告のほうが適していることもあります。受けられる控除額をしっかりと把握し、自分に適した申告方法を選ぶようにしたいところです。



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