税額控除の種類とその活用方法は?

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税額控除とは、計算で出た所得税額より、直接一定の金額をマイナスできるものです。所得税額から直接控除できるため、節税効果が高くなります。

ここでは各種税額控除の主なものをその内容とともに紹介します。

1. 配当控除

総所得金額の中に、剰余金の配当など、一定の配当所得がある場合、その所得の10%または5%を税金から直接引くことができます。ただし、申告分離課税を選択した配当所得に関しては配当控除を利用できません。

2. 外国税額控除

外国で生じた所得のうち、日本の所得税と類似した性質のものがその外国で課税されている場合に、二重課税にならないよう設けられている制度です。所得税の控除の限度額は次の式によって算出されます。

所得税の控除限度額=その年分の所得税額×(その年分の国外所得金額÷その年分の所得総額)

外国所得税額が所得税の控除限度額以下の場合は全額が控除されます。所得税の控除限度額より外国所得税額のほうが高額の場合は、海外での所得税額から所得税の控除限度額を引き算した額か、復興特別所得税の控除限度額か、どちらか低い金額と所得税の控除限度額の合算額になります。

復興特別所得税の控除限度額は次の式によって算出されます。

復興特別所得税の控除限度額=その年分の復興特別所得税額×(その年分の海外での所得金額÷その年分の所得総額)

この控除を適用するには確定申告の際に、所定の事項の記載とともに海外での所得税課税証明等の提出を求められます。外国税額控除は、確定申告の際に提出する明細書に記入した金額が限度となります。

3. 政党等寄付金特別控除

個人が政党または政治資金団体に、政治活動のための一定の寄付金を寄付した場合に受けられる控除です。寄付金控除と二重に控除を受けることは認められません。また、確定申告の際に寄付金の領収書だけでなく、決められた書類の提出が必要です。控除金額は、次の式によって計算されます。

政党等寄付金特別控除額=(その年中に支出した政党などに対する年間の寄付金の総額−2,000円)×30%

ただし、所得税額の4分の1の金額が限度額になります。

政党などに対する寄付金とは、政治資金規正法に定められた政党や政治資金団体へ、同法が定める政治活動のために支出うお金のことで、同法の規定による報告書により報告されたものをいいます。

4. 認定NPO法人等寄付金特別控除

認定されているNPO法人等のNPO活動の為に、一定の寄付金を支払った場合に受けられます。寄付金控除受けている場合は両方の申告を同時にはできません。また、この控除を受けるためには、確定申告の際に寄付金の明細書等の決められた書類の提出が求められます。

5. 公益社団法人等寄付金特別控除

学校法人や公益社団法人、公益財団法人、社会福祉法人や更生保護法人という公益法人等に、一定の条件をクリアして寄付金を支払った場合に受けられます。寄付金控除の適用を受けている場合は両方の控除を同時に認められません。またこの控除を受けるためには、確定申告の際に寄付金額と受領日を示す一定の書類等の添付提出が求められます必要です。

6. 住宅借入金等特別控除

居住者が国内において銀行などの金融機関等を利用して住宅ローンを組むなど、住宅借入金などをもって住宅の取得や増改築などを行い、その取得年中に当該住宅を住居として利用した場合に受けられるものです。

A.住居の新築、売買贈与等で取得、あるいは増改築等
自ら居住用の住居の新築、あるいは新築中古住宅を取得、既存住宅の増改築などを行い、その取得等に使用した住宅ローン等がある場合に、受けられるものです。住宅ローン等の12月31日時点での借入残高をもとに控除額が計算されます。この控除を受けるためには、確定申告時に、一定の書類の添付が必要です。給与のみの所得者は1年目に確定申告を行うことで、2年目からは勤務先で行う年末調整の際に控除を受けられます。

B.特定の増改築等
自ら所有の建物に段差をなくす工事や省エネの為の増改築改修工事などを行い、自ら住居として利用した場合に受けられるものです。借入金の年末残高を元に控除額が計算され、5年間控除します。この控除を受けるためには確定申告時に一定の書類の添付が必要です。給与のみの所得者は1年目に確定申告を行うことで、2年目からは勤務先で行う年末調整の際に控除を受けられます。

AとBのどちらにも該当する場合、選択となります。借入金の金額、期間を考慮して選択してください。

7. 住宅耐震改修特別控除

1981年5月以前に建てられて現在も住居として利用している家屋に、耐震改修をした場合に受けられるものです。この控除を受けるためには、確定申告書に耐震改修の証明書や建物の登記簿謄本など、一定の書類の添付が必要です。

8. 住宅特定改修特別税額控除

段差をなくすためや省エネの為の増改築改修工事で、定められた条件を満たす場合に受けられます。ただし6.で示した住宅借入金等特別控除の適用を受けるとき両方を重ねて申告はできません。この控除を受けるためには、確定申告の際に増改築工事証明書や建物謄本など、一定の書類の添付が必要になっています。

9. 認定住宅新築等特別税額控除

認定長期優良住宅の新築または、建築後未入居未使用の認定長期優良住宅の取得、低炭素建築物である家屋の新築または、建築後未入居未使用の低炭素建築物の取得があった場合に受けられます。7.の住宅耐震改修特別控除との選択適用になり、適用には確定申告書に一定の書類の添付が必要です。

10. 中小企業者が新しく機械等を購入、取得したときの所得税額に対する特別控除

青色申告者である中小企業者が、新品の特定機械装置などを購入、取得し、事業に利用した場合に受けられるものです。特別償却の適用がある場合には受けられません。

11. 中小企業者が経営力向上設備等を購入、取得したときの所得税額に対する特別控除

青色申告者である中小企業者が、新品の経営力向上設備等などを購入、取得し、事業に利用した場合受けられるものです。特別償却の適用がある場合には受けられません。

12. 試験研究費の総額に係る所得税額の特別控除

必要経費に認められる試験研究費を所得税額から控除します。

13. エネルギー環境負荷低減推進設備等を取得した場合の所得税額の特別控除

青色申告者で、新品のエネルギー環境負荷低減推進設備などを取得し、事業に利用した場合で、特別償却の適用を受けていないときに適用できます。

14. 雇用者給与等支給額が増加した場合の所得税額の特別控除

青色申告者で国内の雇用者への給与支給額が規定の額以上増えた場合に金額を控除できるものです。

まとめ

これら税額控除は、税額から直接マイナスされますので、該当するものがあるときは積極的に適用していくといいでしょう。住宅借入金等特別控除や配当控除など生活に身近なため適用できる人も多いと思います。

税額控除には一定の書類の提出が必要となるものが多いので、適用したい場合には、添付書類の準備を忘れないようにしてください。各種証明書、登記簿謄本など、控除の種類によって必要な書類は違いますので、詳しくはそれぞれの控除についての国税庁のHPなどを確認し、事前に準備をしておきましょう。

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※掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:土屋 英則 (税理士)

税理士法人ゆびすい
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