更新日 : 2022年6月14日

マネーフォワードクラウドpresents「& money」 株式会社メドレー 取締役 河原亮CFOに聞く!(前編)

    マネーフォワードクラウド「& money」 株式会社メドレー 取締役 河原亮CFOに聞く!(前編)

    さまざまな企業のリーダー、ファイナンス部門の方にフォーカスを当て、その仕事や企業の成長戦略の裏側、その仕事術に迫ります。今回お話を伺ったのは、株式会社メドレー 取締役CFO、河原亮さん。メドレーはIT、テクノロジーを活用し「納得できる医療」の実現を目指す最先端ヘルステック企業です。前編では、河原さんがいかにCFOになったか、そしてメドレーの2019年12月の東証マザーズ上場の後先について伺いました。

    プロフィール

    河原亮
    東京大学工学部を卒業。JPモルガン証券株式会社にて、国内外の資金調達業務及び M&A アドバイザリー業務に従事。2016 年7月、株式会社メドレー取締役に就任。CFO としてファイナンス、IR などに従事している。

    聞き手:瀧口友里奈
    経済キャスター/東京大学工学部アドバイザリーボード
    東京大学卒。セント・フォース所属。「100分de名著」(NHK)、「モーニングサテライト」(テレビ東京)、「CNNサタデーナイト」(BS朝日) 、日経CNBCの番組メインキャスターを複数担当。ForbesJAPANで取材•記事執筆も行い、多くの経営者を取材。東京大学大学院在学中。

    CFOとして世の中に大きなインパクトを

    瀧口 まずメドレーがどんな会社か、を教えていただけますでしょうか。

    河原 当社は「医療ヘルスケアの未来をつくる」というミッションを掲げ、医療ヘルスケア業界のデジタル化というテーマに取り組んでいます。

    瀧口 具体的に展開されている事業は?

    河原 医療ヘルスケア業界のダイレクトリクルーティングを支援している人材プラットフォーム事業と、主に医療機関向けのSaaSを提供している医療プラットフォーム事業の大きく二つのセグメント事業を展開しています。

    瀧口 人材プラットフォームが「ジョブメドレー」、そしてもう一方の医療プラットフォームが「CLINICS(クリニクス)」ですね。

    河原 はい。医療プラットフォームの中には複数のプロダクトがあり、「CLINICSオンライン診療」というオンライン診療のシステムと、「CLINICSカルテ」というクラウド型電子カルテがあります。さらに調剤薬局向けに「Pharms(ファームス)」というシステムを展開しています。また直近では歯科医院向けに「Dentis(デンティス)」というシステムの提供も開始しており、さまざまな医療機関に向けてプロダクトを提供しているという状況です。

    瀧口 河原さんのCFOのお仕事についてもお話を伺いたいのですが、河原さんがファイナンス、財務関係の道に進まれたきっかけ、理由について教えていただけますでしょうか?

    河原 新卒から金融機関で働いておりましたので、そちらの背景について少し触れさせていただきます。大学は理系でしたが、将来的に自分が研究者やエンジニアになるイメージが湧かなかったんです。そして就職活動をする中で、投資銀行という存在を知り、数字を扱いながらも世の中に大きなインパクトを出せるような職業だと感じ、その道を選びました。また就職活動中に、その投資銀行に勤め続けるのか、場合によっては事業会社のCFOというキャリアの道もあるのではと思い至りました。結果、9年間投資銀行に勤め、実際CFOにならないかという話があり、実現に至ったという感じです。

    金融の世界から事業会社への転身

    瀧口 メドレーにジョインされたのは、2016年。それまではJPモルガン証券に在籍されていました。

    河原 JPモルガン証券というアメリカに本社がある金融機関で、主に大企業向けのM&AアドバイザリーやIPO含めた資金調達の支援を担当していました。

    瀧口 メドレーにジョインされたきっかけは?

    河原 元々創業者の瀧口浩平のことを、学生時代から知っていたという縁がありました。また経営陣のメンバーも、元々知っていたというのがきっかけです。そういう中で、メドレーが上場に向けて準備を進めていくというところで、ファイナンス関係のバックグラウンドがあり、元から知っているメンバーに来てほしいという話があってジョインすることになりました。

    瀧口 元から信頼関係があったということですね。でも、このJPモルガン証券からスタートアップに行くというのはご自身の中で葛藤はありませんでしたか?

    河原 当時はそういった転職をする方はまだ少なく、実際私が転職するという話を社内でしたときもかなり驚かれました。また、私自身も仕事の環境や仕事の内容についてかなり満足していた状態でした。ただ、CFOのキャリアも後々振り返ったときに素晴らしい経験なるのではないかと思い、やる後悔よりもやらない後悔の方が、後々考えると大きいのではと考え、最終的に勇気を持って飛び込んでみたという感じです。

    瀧口 2016年にCFOに就任。そして2019年12月に当時の東京証券取引所マザーズに上場された。2016年から2019年までの3年間を振り返っていかがですか。

    河原 金融機関から事業会社に転職したことも初めての体験でしたし、大企業からいわゆるグロースのベンチャー企業に移ったことも環境の変化として大きかったです。なので、一般的にはアンラーニングという表現になるかと思いますが、前の環境で当たり前だと思っていたことをある意味一部捨てて、新しい環境に適応していくのは正直かなり大変でした(笑)

    瀧口 とりわけ印象的だったことは?

    河原 前職の金融機関ではどちらかというと同じようなバックグラウンドの人間が多かったので、阿吽の呼吸でやれる部分がありましたが、事業会社に入って、かつインターネット企業でとなると、エンジニアの方や事業サイドの方との接し方なども個人的に初めてであったので、そこが一番苦労した部分ではあります。

    瀧口 多様な対応が必要だったということですね。ご自身はCFOとしてのこれまでを振り返ってみて、どんなタイプのCFOだと思われますか。

    河原 どちらかというと保守的なタイプなのかなと考えます。性格的な部分もありますが、前職が比較的固い金融機関であったということも一定程度影響していて、様々な局面でリスクのほうが気になってしまうタイプなのかなと考えていますね。

    保守的なCFOとしてメドレーでの役割

    瀧口 このリスクが気になるというところは、CFOとしての適性としてはご自身の中でどう考えていらっしゃいますか。

    河原 様々な事柄に対して、誰か1人で意思決定するというよりは経営陣でしっかり議論して意思決定をするということを当社はずっと続けているので、そういった中で個性や専門性を持ち、CFOの立場で一定程度リスク感覚を持って、そういった議論に臨む、参加するということは、意味のあることだと思います。一方でグロース企業として保守的になりすぎず、積極性、攻めと守りの部分のバランスを保つということは経営陣で議論しながら気をつけている部分です。

    瀧口 メドレーの中におけるCFOの役割で、一番大事にしてきたことは?

    河原 メドレーはコーポレートアクションが多い会社です。資金調達というような機会でもエクイティとデット、双方を何回もさせていただきました。複数回のM&Aも実施したり、また上場後は株価が下がった局面で自己株式取得も実施させていただきました。直近でいうと、NTTドコモ社との資本業務提携もあり、プロジェクトの数、アクションの数がとても多くなっています。市場の方との対話をやっていきながら、それぞれの大きなコーポレートアクションを成功させていく、多いコーポレートアクションをしっかりこなしていくというところは、個人的には大事にしている観点だと思います。

    瀧口 それだけコーポレートアクションが多いと、もう常に山場という感じですかね。

    河原 そうですね。もう少し落ち着くタイミングがどこかで来るんじゃないかと期待していたのですが、入社して約6年、あまり落ち着いたタイミングというのが幸か不幸かないという状況です(笑)。

    上場で得た達成感と安堵感

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    瀧口 2019年年末のマザーズ上場を振り返って如何でしょうか?

    河原 IPOは非常に多くの関係者の方が関わるプロセスですし、長い時間をかけて準備するプロセスです。証券会社の方も取引所の方もそうですが、社内でも、多くの社員が準備に関わります。さらには既存株主ですね。当時の上場前の既存株主の方ともかなり議論をして、最終的にはご協力をいただいたということもあります。そういった非常に多くの方々を巻き込んでいったプロジェクトが最終的に2019年12月に無事、上場できたというとことについては、ほっとしたという一言です。もちろん達成感というのもありますが、安心した、それに尽きるかなと。

    瀧口 IPO後での大変なことは?

    河原 明確に違うことといえば、毎日株価が付くということと、四半期ごとに決算発表をしなくてはいけないということ。決算発表した後に、当社では100件ぐらい外部の投資家の方とミーティングし、その内容をお伝えます。それは上場前にはなかった部分なので、業務としても一番違う部分はあるかなと思います。そしてそういう中で、外部の方から様々なフィードバックをいただきます。「ここはどうなんですか」ということや、「メドレーさん、こういうふうに見えていますよ」とか。そういったフィードバックを年中いただける状況にあるというのが、上場と非上場の一番大きく違うところなのかなと思います。

    瀧口 IPO前と後で社内の様子に変化はありましたか?

    河原 社内の様子はそれほど変わってないと思います。上場直後は一定程度の盛り上がりはありましたが、劇的に変わったというところはないです。でも、知名度、注目度が上がった部分はあるので、採用活動においてはポジティブな影響はあったと思います。

    瀧口 社員の方の数もぐっと増えた?

    河原 現状連結で700名を超える社員がいるという状況です。私が入ったときは100名いなかったので、かなりのペースで採用できています。

    瀧口 IPO前と後のご自身の変化は?

    河原 先ほどの話につながりますが、外部の方とお話しする機会が本当に増えました。先ほど四半期ごとに多くのミーティングというお話しをしましたが、海外の方が結構多いです。なので、英語を使う機会もかなり増えましたし、海外から日本がどう見えているのか、当社がどう見えているのか、業界がどう見えているのかというインプットはとても刺激になりますしいい影響を受けています。

    (後編に続く)

    お話は後編に続きます。
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    インタビューの雰囲気や臨場感あふれる息遣いなども是非聞いてみてください。

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