• 更新日 : 2022年10月27日

IPO株を上場後に購入するメリット・デメリットは?手順や確認事項も紹介

IPO株を上場後に購入するメリット・デメリットは?手順や確認事項も紹介

これから投資を始めたいという人の中には、IPO株を上場後に購入する「セカンダリー投資」に興味がある人もいるのではないでしょうか。セカンダリー投資はリスクの高い投資手法といわれていますが、短期間で大きな利益が狙える投資でもあります。損失を減らすためにも、セカンダリー投資のことを学んでおきましょう。

本記事では、セカンダリー投資のメリット・デメリットや、IPO株を購入する前に確認しておきたい項目について解説していきます。少しでもリスクを回避してIPO株で利益を出したい方は、ぜひ参考にしてください。

IPO株を上場後に購入する「セカンダリー投資」とは

IPO株を上場後に購入するメリット・デメリットは?手順や確認事項も紹介

IPOとは「Initial Public Offering」の略語で、新規公開株や新規上場株式を意味します。IPO投資とは、新規公開株式(以後IPO株とする)へ投資する手法のことです。多くの株式が上場後に公募価格よりも高い初値をつけることから、投資初心者にも人気があります。

あまりにIPO投資の人気が高いことから、IPO株を購入するためには、抽選が必要になる場合がほとんどです。抽選に当たる確率は、一般的に1〜2%が目安とされています。

セカンダリー投資では、上場直後の初値でIPO株を購入して利益を狙います。IPO株を購入するための抽選に外れた人でも、この手法であれば利益が狙えます。IPO株は、上場以降も株価が上昇する可能性があるからです。

上場以降も株価が上昇したIPO株として、2021年11月24日にマザーズ市場に上場した「デスクレスワーカーをつなげる『Buddycom』の開発・販売」を行っている(4412)サイエンスアーツの事例をご紹介します。

サイエンスアーツは公募価格が1,710円で、初値は4,545円でした。この銘柄でIPO投資をした投資家は、165.8%の利益が得られたと考えられます。

しかし上場以降もサイエンスアーツの株価は上昇を続け、上場から約3週間後の終値は14,080円まで上昇しました。セカンダリー投資を始めた場合でも、67.7%の利益が得られていた可能性があるということです。

 IPO投資セカンダリー投資
1,710円(公募価格)4,545円(初値)
4,545円(初値)14,080円(2021/12/17)
利益165.8%67.7%

Googleファイナンス サイエンスアーツの株価をもとに筆者作成

このように、IPO株を購入するための抽選に外れてしまった場合でも、セカンダリー投資を行えば利益が得られるかもしれません。ただし上場後の株価は3か月から半年程度は安定しないため、ハイリスク・ハイリターンの投資だということは知っておきましょう。

IPO株を上場後に購入するメリット

IPO株を上場後に購入するメリット・デメリットは?手順や確認事項も紹介

IPO株を上場後に購入するメリットには、以下のようなものがあります。

  • 口座を開設している人は誰でも投資できる
  • 短期間で大きな利益を狙える
  • 口座を開設している人は誰でも投資できる

    通常、IPO株を購入するためには当選確率の低い抽選(一般的には1〜2%)に申し込み、当選する必要があります。しかし上場後にIPO株を購入するセカンダリー投資では、抽選を行わずに投資することが可能です。

    ただし初値が最高値となり、株価が下落する可能性もあるため、購入する銘柄は慎重に選びましょう。

    短期間で大きな利益を狙える

    IPO株の株価は、上場後3か月から半年程度は不安定になる特徴があります。しかし株価の上昇局面でIPO株が売却できれば、短期間で大きな利益が狙えます。

    特に、IPO時の公開価格を下回る「公募割れ」の株を購入した場合は、安い資金で大きな利益を狙うことも可能です。短期間で大きな利益が得られなかった場合でも、将来的に値上がりする可能性もあります。

    IPO株を上場後に購入するデメリット

    IPO株を上場後に購入するメリット・デメリットは?手順や確認事項も紹介

    IPO株は、上場直後の勢いで株価が上昇する場合もありますが、当然株価が下落する可能性もあります。これはIPO株に関わらずすべての株式投資で言えることです。しかし、上場直後の勢いが関係するIPO株は、すでに流通している株式よりもこのリスクが高いという特徴があります。

    上場後は値動きが激しい傾向にあるため、セカンダリー投資はIPO投資よりもリスクが高いことは知っておきましょう。

    IPO株を上場後に購入する手順

    IPO株を上場後に購入するメリット・デメリットは?手順や確認事項も紹介

    IPO株を上場後に購入する手順は、以下のとおりです。

    1.証券口座を開設する

    IPO株を購入するためには、証券口座が必要です。基本的には取引手数料が安いことからネット証券会社をおすすめしますが、IPO投資も行いたいと考えているのであれば、できるだけ多くの証券口座を開設しておきましょう。

    2.IPO株を購入するための資金を証券口座へ入金する

    証券口座が開設できたら、IPO株を購入するための資金を口座へ入金しましょう。入金方法は証券会社により異なりますが、口座振替サービスを利用した「リアルタイム入金」の利用をおすすめします。

    3.IPO株の情報を確認して買いたい株を選択する

    証券口座への入金が完了したら、IPO株の情報を確認して購入する株を確定しましょう。購入後の流れは、通常の株式取引と同様です。IPO株を購入する際に確認しておきたい項目については、次に解説します。

    IPO株を上場後に購入する際の確認項目

    IPO株を上場後に購入するメリット・デメリットは?手順や確認事項も紹介

    IPO株を上場後に購入する際は、以下の項目を確認しましょう。

  • 公募価格と初値
  • 出来高
  • ロックアップ期間
  • これらの事項を確認しておかなければ、大きな損失を生んでしまう可能性があります。

    公募価格と初値

    まず確認していきたい項目は、IPO株の公募価格と初値です。セカンダリー投資では、公募価格と初値の情報を確認したうえで、今後の株価の値動きを予想することが大切だからです。公募価格とは、株式を新規公開する際に、株主に販売される価格のことをいいます。初値とは、株式が上場した際に初めてついた株価のことです。

    一般的に公募価格は、IPO株の理論価格に比べて割安になりやすい特徴があります。その理由は、主幹事会社が株式の売れ残りを防ぐためからなどとされています。割引として、適正価格よりも20〜30%程度安く設定している場合が多いようです。

    出来高

    通常の株式取引と同様に、セカンダリー投資を行う場合も出来高を確認する必要があります。出来高とは、期間中に取引が成立した株式数のことです。株式チャートの下段に表示されていることが多いです。

    一般的に、出来高を見ればIPO株の人気や注目度が分かるといわれており、1日に売買されている株式数や株価の動きを見て、IPO株の売買を判断します。公募価格が初値を大きく上回った場合は、公募価格で購入した投資家がIPOを売りに出すため、出来高が急増するため、株価の値下がりが予想されます。

    ロックアップ期間

    上場後のロックアップ期間も確認しておきましょう。ロックアップとは、IPOの際に、上場日から一定期間は株式の売却等を行わない旨を確約することをいいます。ロックアップ期間を設ける目的は、創業者やベンチャーキャピタル等の大株主がIPO直後に株式を売却できてしまうと株価が下落してしまうからです。

    ロックアップ期間は一般的に、90日または180日とするケースが多いです。ロックアップ期間を過ぎると、大株主がIPO株を売却できるようになるため、株式が下落する可能性が生じます。セカンダリー投資を行う際は、証券会社などで開示される「目論見書」などにより、ロックアップの有無などの詳しい条件を確認しておきましょう。

    まとめ

    本記事では、IPO株を上場後に購入するセカンダリー投資について解説しました。セカンダリー投資はハイリスク・ハイリターンの投資といわれているため、IPO株を購入する前に、企業の業績や将来性について確認しておきましょう。また通常の株取引と同様に、ローソク足やトレンドを読む技術もセカンダリー投資では役立ちます。急いで投資を行うのではなく、ある程度知識を身につけてから投資を始めてもいいのではないでしょうか。

    よくある質問

    IPO株を上場後に購入するメリットは?

    IPO投資のように抽選を行わずに購入できるため、口座を開設している人であれば誰でも投資できることや、上場直後の株価が不安定な状況を利用することにより、短期間で大きな利益が狙えることです。

    IPO株を上場後に購入するデメリットは?

    上場直後は値動きが激しい傾向にあるため、セカンダリー投資はハイリスク・ハイリターンの投資といえます。上場直後の勢いで株価が上昇する場合もありますが、当然株価が下落する可能性もあることに注意が必要です。


    ※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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    上場までの道のりガイド

    監修:中川崇

    田園調布坂上事務所代表。広島県出身。大学院博士前期課程修了後、ソフトウェア開発会社入社。退職後、公認会計士試験を受験して2006年合格。2010年公認会計士登録、2016年税理士登録。監査法人2社、金融機関などを経て2018年4月大田区に会計事務所である田園調布坂上事務所を設立。現在、クラウド会計に強みを持つ会計事務所として、ITを駆使した会計を武器に、東京都内を中心に活動を行っている。