• 作成日 : 2024年5月27日

社会課題に向き合うゼブラ企業とは?その特徴や事例などを解説!

GoogleやAmazonなどに代表されるように、テクノロジーの進展によって、指数関数的にビジネスを拡大させ、急成長する企業が増えてきました。このような企業はユニコーン企業と呼ばれ、多額の資金調達を行い資本市場を賑わせています。

一方、社会や環境課題の解決が年々急務となる潮流の中で、このような企業形態とは別に、社会貢献とビジネスを両立させようとするゼブラ企業も登場しました。
本記事ではこのゼブラ企業について、その特徴やユニコーン企業との違い、事例などを解説します。

ゼブラ企業とは

はじめに、ゼブラ企業の特徴をユニコーン企業との違いを中心に解説します。

ゼブラ企業の登場

昨今、多くのビジネス書などで描かれる企業の成功ストーリーは、多額の資金を集め、たった数年で爆発的に成長した企業について語られたものが多いといえるでしょう。しかしながら、このようなビジネスだけでは社会課題や環境問題などの、解決自体に時間を要するテーマの全てに対処しきることは困難です。

このような背景から、2017年にアメリカの4人の女性起業家によって、上記のような短期的成長と利益を追及する「ユニコーン企業」に対するアンチテーゼとして、「ゼブラ企業」の概念が提唱されました。

ゼブラ企業の特徴

上記のような背景に伴い、ゼブラ企業は、主に次の4つの点を満たしている企業を指すことが多いといえます。

1. ビジネスを通じて社会課題の解決に尽力している
2. 株主だけでなくステークホルダー全体への貢献を意識している
3. 競合との競争ではなく協力・共有を重視している
4. ステークホルダー全体の共助・相利共生を実現するイノベーティブなアイデアを有している

ユニコーン企業との違い

ユニコーン企業とは、設立から10年以内で未上場としながらも、10億ドル以上の評価額を受ける企業のことを指します。つまり、利益追求型で指数関数的な成長を遂げ、競争環境の中で独占的なシェアを有している点が、ユニコーン企業の特徴です。

一方のゼブラ企業は、利益よりも持続的な繁栄に重きを置いており、シェア獲得ではなく、競合やステークホルダーとのWin-Winの共創関係を築くビジネスモデルを志向します。

ゼブラ企業の事例

次に、ゼブラ企業の特徴を有し、その価値観を体現している具体的な企業を紹介します。

Peerby

Peerbyは、オランダで2012年に創業され、活用されていない日用品を近所に住む人たちと共有する、シェアリング型のビジネスとして発展してきました。

ゼブラ企業への転換の背景

このユニークなビジネスモデルは、ダボス会議などをはじめ多くのメディアでも取り上げられ、3年で7億円近くの資金調達を行うなど急成長を遂げ、ユニコーン企業の候補として順調にビジネスを拡大しました。

一方その結果として、投資家らから短期での高いリターンや収益率を求められ、さらに目先の利益を追求するようになります。

しかし、創業者のDaan氏らを中心に、改めて自社の理念と向き合った結果、「廃棄を減らしながら、近所の人が互いに支え合うローカルコミュニティをつくること」がPeerbyの価値であると再定義しました。

ビジネスモデルの改革

その中で、コミュニティ作りに焦点を当て、日用品の貸し借りにおける課金型のレンタルモデルから、コミュニティに多く貢献した人は少ない額を、小さい貢献の人は多い額を払うメンバーシップフィーの課金モデルへと移行します。

また事故や盗難に備えて、コミュニティ内でそれを補填できるための、コミュニティファンドの仕組みも確立しました。

加えて、本来ならば競合する日用品メーカーやサプライヤーに対しては、ものを所有するのではなく、シェアすることを前提としたものづくりを支援するサービスを展開しています。

このような形でコミュニティ形成を支えるビジネスモデルを展開し、社会課題解決やステークホルダー全体への貢献を実現する姿は、ゼブラ企業の価値観を体現しているといえるでしょう。

ボーダレスジャパン

国内のゼブラ企業としては、社会起業家のプラットフォームを展開するボーダレスジャパンが挙げられます。

ボーダレスジャパンは、世の中のさまざまな社会課題の解決を行うために社会起業家を多く輩出することを目指し、その育成や支援を行っています。

創業の背景

ボーダレスジャパンの創業は、創業者の田口氏がアフリカの子供達の映像を見た際、貧困で苦しむ人を助けたいという想いを持ったことに起因します。

その中で寄付だけでなく、ビジネスによる継続的な支援の必要性や、自分だけでなく同じ志を有する仲間を募ることの重要性に気づき、現在のボーダレスジャパンを創業したといわれています。

ゼブラ企業としてのビジネスモデル

具体的には、社会課題を解決しながらビジネスとして得た利益を、株主ではなく次の社会起業家のための資金にあてる形式を採っています。

また、グループ経営や新しい社会起業家のアイデアは社会起業家の合議制で議論がなされ、個々の社会起業家をサポートします。

このように、社会起業家同士の共助の仕組みを提供しており、ゼブラ企業としての1つの在り方を示しているといえるでしょう。

ゼブラ企業を体現するための3つのポイント

本章では、上記の事例をまとめつつ、セブラ企業としてその価値観を体現するためのポイントを3点紹介します。

1. 実現したい世界観や理念、解決したい社会課題に向き合い、見つめ直すこと
2. リソース・資金配分の優先順位をつけること
3. 共助の仕組みの活用を意識すること

実現したい世界観や理念、解決したい社会課題に向き合い、見つめ直すこと

PeerbyのDaan氏やボーダレスジャパンの田口氏らのように、まずは何を解決したいかに向き合い、自身の実現したい想いを見つめ直すことが重要です。

ここではユニコーン企業の創業者らが企図するような、顧客の便利さや豊かさよりも、社会的な課題に目を向けることが、ゼブラ企業の体現に必要な点も忘れてはいけません。

リソース・資金配分の優先順位をつけること

次に、見つめ直した理念や想いを実現するための解決策を講じますが、その際にリソースや資金を配分するための優先順位をつけることもポイントの1つです。

特にゼブラ企業が扱う社会課題はテーマが大きく、この観点を見失いがちであるため、改めて意識しましょう。

共助の仕組みの活用を意識すること

3つ目のポイントは、共助の仕組みをビジネスモデルに組み込むことです。ステークホルダー間で関係性を持ち、互いに助け合うための仕組みがゼブラ企業の体現には欠かせません。

Peerbyのコミュニティファンドやメーカーへの支援、ボーダレスジャパンの起業家同士の支援のようなケースがその例として挙げられます。

まとめ

本記事では、近年注目を集めるゼブラ企業について、ユニコーン企業との違いやその特徴、またその価値観を体現するためのポイントや事例を中心に解説しました。

利益と圧倒的な成長を追求する従来型の企業とは異なり、社会課題に対してビジネスの力を用いながら解決を目指すことが、ゼブラ企業の根幹です。さらにゼブラ企業では、競合企業も含めたステークホルダー全体への貢献や、共助の仕組みを取り入れる点も特徴となります。

まずは自身が解決したい社会課題に向き合うことから始めつつ、本記事の事例やポイントを参考に、改めて自身・自社の進むべき方向を定義してみてはいかがでしょうか。


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