• 更新日 : 2024年10月25日

マネーフォワード クラウドpresents「& money」 Recovery International株式会社 柴田旬也CFOに聞く!(後編)

さまざまな企業のリーダー、ファイナンス部門の方にフォーカスを当て、その仕事や企業の成長戦略の裏側、その仕事術に迫ります。今回お話を伺ったのはRecovery International 株式会社 柴田旬也取締役CFO。その後編です。これからIPOを目指すCFOへ、そして柴田CFOの仕事術などをお伺いしました。

プロフィール

柴田旬也
公認会計士。1982年生まれ、茨城県出身。大学卒業後、2007年12月あずさ監査法人、現在の有限責任あずさ監査法人入所。2016年9月Recovery International株式会社入社2018年3月 取締役就任、CFO。趣味は筋トレとサーフィン。

聞き手:瀧口友里奈
経済キャスター/東京大学工学部アドバイザリーボード
東京大学卒。セント・フォース所属。「100分de名著」(NHK)、「モーニングサテライト」(テレビ東京)、「CNNサタデーナイト」(BS朝日) 、日経CNBCの番組メインキャスターを複数担当。ForbesJAPANで取材•記事執筆も行い、多くの経営者を取材。東京大学大学院在学中。

会社の「認知度を高めたい」。社長と二人三脚でのIPO。

瀧口:そもそもなんですが今年2月のIPOの目的は?

柴田:医療業界には医師をトップとするヒエラルキーが結構しっかりとあって、なかなか看護師等ヒエラルキーの下に位置する人の意見が通らないとかいうのがあるんです。また、私の妻は医師なんですが、この時代にまだまだ女性が弱いという話をよくしています。それで、自分に子供が生まれて、その子供が大きくなったらやっぱりお母さんの影響で医療業界に入る可能性が高いな、なんて思っていたところで、社長がとにかく上場して、認知度を高めたいと。そしてその認知度が高まった訪問看護の会社ってどういう会社なんだって見られたときに、フラットで温かみがあって、誰でも意見を言い合える、どんな人でも価値観を尊重して、どんな人でも役職に就けるし、それを応援する会社を作りたいのだと。IPOをする目的っていうのがそこにあって、僕はとても共感しました。そして二人三脚でそれを実現するために、IPOを通過点としてこれからさらに会社を大きくしていきたい。組織体の拡大もそうだし、認知度という意味でも広げていきたいというふうに考えています。

瀧口:そういった大きなビジョンに基づいてのIPOだったんですね。これからIPOを考えている企業のCFOの方に向けて伝えたいことは?

柴田:「社長目線を持ったCFO」というのはすごくお勧めしたいなと思っています。社長目線というのは、ただ全社レベルで視野を広くということに限らず、多くのCFO、ファイナンス担当は管理部長との兼務、管理部長兼CFO、要は管理部を管轄しながらCFOをやる方が結構多いと思うんです。管理部だけじゃなくて、業務部、営業部で起こっている問題を、全部自分事のように捉えて動いていく、そういう動き方をすごくお勧めしています。例えば僕だと、コロナの前後で新規の依頼とか減ったんですね。その時にそれって管理部の話じゃないんですけども、「あ、売り上げ下がっちゃうね」みたいな話があって、その時に、営業ができる気がするから、新規取れる気がするから行ってきますねって営業に行ったんです。そういう動きまでしっかりすることをお勧めします。何故なら、IPOって幅広い分野の審査対応が求められるんです。幅広い質問。ここってどうなっています?そうすると現場の末端の動きとか、管理部だけじゃない色々な動きまでをしっかり把握している方がしっかりと審査対応できるんです。

瀧口:「自分事として捉える」ということを日頃から実践することによって、IPOのときもスムーズに対応できると、いうことですよね。

柴田 そうです。

朝は4時起き!日々勉強で研鑽を重ねる

瀧口:柴田さんの個人の話も伺っていきたいのですが、柴田さんはご自身のステップアップのために普段どんなことをしてらっしゃるのですか?

柴田:一言で言うと、勉強、勉強、勉強……日々勉強。全てに自分事に、社長みたいに、自分事にならなきゃいけないと思うと、例えばマーケティングの分野だったり、営業の分野だったり、まだ知らない法令の部分だったり、法務の知識だったり、とにかくありとあらゆるものを勉強しなきゃと思うと、日々勉強しなきゃいけなくなる。

瀧口:寝る時間とかはありますか。

柴田:もちろんです(笑)。僕は朝4時に起きて4時から7時までは家族はみんな寝ているので、その3時間をとても大事にしています。

瀧口:朝4時に起きて勉強の時間というのを確保されてらっしゃる。それは本を読むとかですか、それともオンラインでトレーニングを受けるとか・・・。

柴田:ありとあらゆることですね、書籍、YouTubeも見ますし、オンラインもやりますし、SNSで勉強することもあるし、ありとあらゆることです。

瀧口:いつかCFOの方の勉強法とかっていうコーナーがあったら楽しそうだなと勝手に思いました。ちなみにご趣味とかは?

柴田:趣味は筋トレと、サーフィンですかね。これはあの、私のビジュアルが出ないことを祈りますけども。ちょっと細くて白くて、あの、、、嘘つけって言われそうですけど。

瀧口:でも確かにそんなに日焼けはしていらっしゃらない感じがしますね。サーフィンは気分転換になりますか。

柴田:なります。

瀧口:やっぱり自然と触れ合う時間って大事ですよね。

柴田:コロナ禍で特に自然を欲しちゃうというか。

自分事として捉えることで「VUCAの時代」を乗り越える

マネーフォワード クラウドpresents「& money」 Recovery International株式会社 柴田旬也CFOに聞く!(後編)

瀧口:「VUCA(ブーカ)の時代」ってよく言われますが、この予想できない世の中で、それでも未来を見通す財務のキーワード、何かありますかね。

柴田:財務っていうくくり、言葉自体がなくなっていくのでは思っています。どんなスキル、どんな役職、部署であれ、社長目線っていうのをどんな立場でも持っていくと、このVUCAの時代を生き残れるのではと考えています。自分はこの役割だから、自分は財務だからと考えてしまうと他があんまり見えなくなるし、他の事を言われても、まあ他人事というか、「がんばって、大変そうですね」で終わってしまいますが、社長目線は先程言った、なんでも自分事に捉えるっていうような思考です。隣の部署とか自分の部署以外が、すごく見えてくるんです。見えてくると、その部署で起こっている課題・問題も見えてきて、自分事であればあるほど、解決しなきゃ、と思ってくるんです。それで自分で解決することもあれば、誰かを動かして解決することもあるんです。結局解決できるかどうかは、成功することもあれば失敗することもあって、まあ失敗することの方が多いのですが、経験値として残るんです。これを繰り返していると、勝手に自分の仕事の幅だったり、スキルセットの幅が広くなっていくので、VUCAの時代、いろんな激変がありますが、自分の幅が広がれば対応できるだろうと考えています。

瀧口:これからの組織のあるべき姿、新しい時代の働き方は?

柴田:新しい組織の形としては、既に多くあるかもしれないですけども、やはり多様な価値観で“共働”できる、“共に働ける”組織というのがすごく大事かなと思っています。IPOを通じて、いろんな価値観を持っていろんなことを言う人が、しっかりとタッグを組んで力を合わせたときのパワーの大きさ、熱量の大きさというのを感じました。これは、監査法人では感じることができなかったことです。IPOがあったからこそ、一つの目標に向かって大きなパワーを作れたというのは、やはり価値観は多様な方がよくて、たとえばそれをまとめる役の人なのかもしれないし、相互にわかり合ってもいいと思うんですが、それをいかに共働できるような組織を作っていくかというのは、結局業績を伸ばしていくためにも大事なことだし、働き手である一人一人にとってもやりがいとか、働きやすさに繋がると思っています。

瀧口: Recovery Internationalをこれからどういった方向に導いていきたいですか?

柴田:訪問看護をしっかりと広めていきたい。出させていただけるメディアにはとにかく出て「訪問看護」っていう言葉を1回でも2回でも発言できれば意味があると思っています。最初にお話した、“今病院を想像してしまうけど、本当の気持ちは家にある”、このギャップをどんどん訪問看護自体を広めていって、広げていって、縮めていきたいと思っています。もちろん不特定多数の株主の方に支えられてこそ、それができると思っているので、だから株価の理論値っていうところはしっかりと上げていきたいなと思っています。そこは忘れずにやっていき魅力ある銘柄になりたいです。

瀧口:ステークホルダーの方への還元というところももちろん、CFOとして積極的にされるということですね。最後に、柴田さんご自身の挑戦は?

柴田:新たな領域へのチャレンジです。やはりこのままではいけないと思いますし、成長していくためには新しいことにどんどんチャレンジしていく、社長目線を持って、見つけた課題とか、どこかに気付きを見つけて、気付いたポイントから、事業を大きくしていくとか。また、これから仕事と家庭が循環するような働き方が大事になってくる、もしくは仕事とプライベートが循環するような働き方が大事になってきて、うまく循環させることができると一人一人の人生が豊かになると思っているんです。一例を挙げると、隣にいる誰かを説得して動いてもらうというプロセスは、家に帰って妻を説得をしたり、子供が嫌だっていう勉強を楽しく前向きに勉強させるという、人を動かすということに繋がると思います。また、家庭のなかなかうまくいかない苦労が、会社で隣にいる人に影響を与えられるという、そういった循環を繋げていけると、仕事で働く意味、家庭を頑張る意味、結婚してない方だったら、仕事で働く意味とプライベートを充実させる、そういった循環が生まれ、人生が豊かになると思っています。そういったものを形にする新たなチャレンジ、挑戦もしていきたいと思っています。まずは自分で実践し、さらに社会にフィードバックしていけたらいいですね。

瀧口:そこにもまた循環が生まれそうですね。

柴田:そう言われてみればそうですね(笑)。

 

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