- 作成日 : 2024年8月19日
決算説明会とは?株主総会との違いや開催時期・スケジュールを解説
決算説明会とは、企業が投資家やアナリストに対して財務状況や業績を報告し、経営戦略や今後の見通しを共有する重要な会議です。
四半期ごと、半期ごと、または年度ごとに開催され、企業の透明性を高め、信頼関係を強化する目的があります。
本記事では、決算説明会の概要を詳しくご紹介し、スケジュールや進め方などもお伝えします。
決算説明会とは
決算説明会とは、企業が四半期ごと、半期ごと、または年度ごとに行う重要なイベントで、主に投資家やアナリスト、メディア関係者に対して財務状況や事業活動の成果を報告する場です。
この会議では、企業の経営陣が過去の業績を振り返り、収益、費用、利益、キャッシュ・フローなどの財務データを詳細に説明します。
本項では、以下4つの項目について深掘りして解説していきます。
- 決算説明会の目的
- 株主総会の開催義務
- 株主総会との違い
- 決算発表との違い
決算説明会の目的
決算説明会の目的は、企業が投資家、アナリスト、メディアなどのステークホルダーに対して透明性を持って財務状況や業績を報告し、信頼関係を築くことにあります。
まず、企業は四半期ごと、半期ごと、または年度ごとに行われる決算説明会を通じて、収益、費用、利益、キャッシュ・フローなどの重要な財務データを詳細に提供します。
これにより、投資家は企業の経営状況や業績の実態を把握しやすくなるのです。
さらに、決算説明会では過去の実績だけでなく、将来の戦略や見通しについても説明が行われます。
経営陣は今後の事業計画、市場環境の変化に対する対応策、新たな投資機会やリスクについても詳細に語ります。
この情報は、投資家が企業の将来性を評価し、投資判断を行う上で極めて重要です。
株主総会の開催義務
決算説明会は義務ではありませんが、企業には株主総会の開催義務が存在します。
株主総会は、会社法に基づいてすべての株式会社に開催が義務付けられている重要な会議です。この会議は通常、毎年一度開催され、全株主に対して会社の重要事項を報告し、承認を得る場となります。
株主総会では、企業の経営陣が財務諸表や事業報告を提示し、取締役や監査役の選任、配当の決定などの重要な議案について株主の承認を求めます。
これにより、株主は企業の経営に対して直接的に影響を与えることができ、経営の透明性と健全性を確保する役割を果たしているのです。
それでは株主総会さえあれば決算説明会は不要と感じるかもしれません。しかし、決算の内容などを株主以外の投資家等にも伝えるためや対話の機会を設けるために、決算説明会については開催を行うのが望ましいです。
株主総会との違い
株主総会は、会社法に基づいてすべての株式会社に開催が義務付けられている公式な会議です。通常、毎年一度開催され、全株主に対して会社の重要事項を報告し、承認を得る場となります。
主な違いを以下の表にまとめてみました。
決算説明会 | 株主総会 | |
---|---|---|
開催目的 | 企業の決算など状況を説明する | 株主が企業の運営に対する正式な意思決定を行う 例(企業の戦略や経営方針の変更、財務状況の改善など) |
開催義務 | 義務なし | 義務あり |
参加者 | 投資家とアナリスト、マスコミ関係者など | 株主 |
決算発表との違い
決算発表は、企業が四半期ごと、半期ごと、または決算ごとに行う公式な報告であり、財務諸表や経営成績を公開することに焦点を当てています。
これは主にプレスリリースや公式ウェブサイトを通じて行われ、企業の収益、費用、利益、キャッシュ・フローなどの詳細なデータが広く公開される仕組みです。
決算発表の目的は、法的な開示義務を果たし、投資家や市場参加者に対して最新の財務情報を提供することにあります。
これにより、投資家は企業の現状を把握し、投資判断を行うための基礎情報を得ることが可能です。
双方向のコミュニケーションを促進する場である決算説明会とは違い、決算発表は基本的に一方向の情報提供であり、企業が法的な義務を果たすための形式的なプロセスという点が大きな違いです。
決算説明会の開催時期・スケジュール
決算説明会の開催時期・スケジュールについては、企業が四半期ごと、半期ごと、または年度ごとに行う決算発表の直後に設定されることが一般的です。
主なスケジュール間は、以下の表にまとめています。
必要な準備 | 行う時期の目安 |
---|---|
日程調整 | 決算発表の日程が決まったらすぐ |
決算書・事業報告書の作成 | 決算後14日以内 |
会場・配信ツールを決定 | 日程が決まったらすぐ |
参加者へ案内 | 日程が決まったらすぐ |
会場の準備 | 当日まで |
リハーサル | 前々日まで |
このように、決算説明会の開催時期とスケジュールは、企業の決算発表のタイミングに合わせて計画され、四半期ごと、半期ごと、年度ごとに設定されます。これにより、投資家やアナリストは最新の財務情報を迅速かつ詳細に把握することができ、企業との信頼関係を深めることが可能です。
決算説明会当日の進め方
決算説明会当日の進め方は、以下の通りです。
- 目的と目標の明確化
- 日時と場所の設定
- 資料作成・案内
- プレゼンテーションの準備
- 実施とフィードバック
特に最初の目的と目標の明確化が重要です。
企業は、投資家やアナリストに対して財務状況や業績、経営戦略について正確かつ詳細に伝えることを目的としています。
そのため、どの情報を強調するか、どのようなメッセージを伝えたいかを事前に明確にし、その目標に沿った内容を準備することが大切となるでしょう。
まとめ
決算説明会の開催は、特に義務付けられていませんが、企業の透明性を高め、信頼関係を築くために行う必要があります。
スケジュールは、四半期ごと、半期ごと、または年度ごとに開催されることが一般的です。
決算発表直後に設定され、目的と目標の明確化、資料作成、プレゼンテーションの準備と実施、フィードバックの収集までのプロセスが基本となるため、まずは決算説明会の目的と目標をしっかりと定めた上で、入念な準備を進めましょう。
よくある質問
決算説明会の参加者は誰?
決算説明会の参加者は、投資家とアナリスト、マスコミ関係者などが該当します。
決算説明会の質疑応答はどんな内容?
財務データに関する質問や事業戦略や将来の計画に関する質問などが中心に行われます。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
販売サイクルのRCMとは?リスクマネジメントの重要性や作成方法を解説【テンプレート付き】
企業の成長において、販売サイクルの最適化は欠かせません。特に、信頼性中心のメンテナンス(RCM)を導入することで、製品やサービスの品質を高め、顧客満足度を向上させることができます。 本記事では、RCMが販売サイクルに与える影響と、その具体的…
詳しくみる知的財産デューデリジェンス(知財DD)とは?目的や手順などの全体像を解説【テンプレート付き】
知的財産は企業の競争力の源泉であり、デジタル技術の進展によってその重要性はますます高まっています。言い換えれば、他社や自社の知的財産の評価や現状を見誤ると、思いもよらないリスクを招いたり、突然競争力を失ったりする事態になりかねません。 そこ…
詳しくみるIPOに必要なタスクは?進め方やIPO準備の管理方法を解説
IPOを成功させるためには、多くの複雑なタスクを効率的に管理する必要があります。 ここでは、IPOに向けた重要なタスクとして、監査法人の選定、資本政策の策定、内部統制の強化、ITシステムの整備について詳しく解説し、プロジェクト管理を効率化す…
詳しくみるKPIとは?ビジネスにおける指標をわかりやすく解説!
KPIとは企業の最終目標到達までの各プロセスにおける達成度を示す指標です。企業が最終的な目標を達成するためには途中にある各プロセスをしっかりとクリアしていくことが大切で、その評価や達成度計測を行うためにKPIが必要とされます。重要業績評価指…
詳しくみるフェア・ディスクロージャー・ルールとは?概要や適用範囲、実務対応を解説
2017年5月の金融商品取引法改正によってフェア・ディスクロージャー・ルールが導入されました。企業は、重要な情報を開示する際、すべての投資者に対して公平かつ同時に開示しなければいけません。情報開示は、投資家との信頼関係構築、法令遵守の観点か…
詳しくみるスタンダード市場とは?プライム市場との違いや上場基準をわかりやすく解説
上場を検討している事業主の中には、東京証券取引所の新しい市場区分である「スタンダード市場」や「プライム市場」などについて調べている人もいるでしょう。実績があり、収益も安定している中小企業が上場を検討するならば、スタンダード市場が向いています…
詳しくみる