- 更新日 : 2024年7月17日
人材アセスメントとは?企業の導入メリットや手順・活用のポイント
人材アセスメントは、人材のスキルや適性、能力などを打算社が客観的な目線で分析し、組織の成功の鍵を握る重要なプロセスです。
適切な人材アセスメントを行うことで、従業員の能力と潜在力を正確に把握し、組織全体のパフォーマンス向上に繋げることができます。
本記事では、人材アセスメントの概要を踏まえた上で、導入するメリットや流れなどを解説します。
人材アセスメントとは
人材アセスメントは、企業や組織がその人材の能力や適性、潜在能力を評価し、適切な人材配置や育成方針を立案するためのプロセスです。
このアプローチには、個々の従業員が持つスキル、知識、行動特性、および業務遂行能力に関する深い理解が求められます。
人材アセスメントは単に現在のパフォーマンスを評価するだけでなく、個人の潜在的な成長能力や将来のポジションでの成功確率を予測することも目的としています。
人材アセスメントの手法の種類
人材アセスメントにはさまざまな手法があります。
人材アセスメントの主な手法
種類 | 評価方法 | |
---|---|---|
適性検査 | 第三者機関 | |
知能検査 | 専門家 | |
従業員サーベイ | 企業 | |
360度サーベイ | 上司や部下 | |
アセスメント研修 | 評価の専門家 |
人材アセスメントの主な評価項目
人材アセスメントによる評価項目は評価の対象者、目的によって異なります。
人材アセスメントの目的別の主な評価項目
評価の目的 | 主な評価項目 |
---|---|
採用 | |
昇格 | |
管理職選任 |
人材アセスメントが注目される背景
人材アセスメントが注目される背景は、主に以下の通りです。
人材アセスメントが注目される背景
- 働き方の多様化
- 「個」の意識の高まり
近年、コロナ禍により働き方が多様化したことが大きな要因となっています。
従業員一人ひとりの特性や能力、働き方の好みを理解し、それに合わせて役割やプロジェクトを割り当てることが、従業員の満足度の向上、生産性の向上、そして組織の柔軟性の確保に不可欠です。
企業が人材アセスメントを導入するメリット
企業が人材アセスメントを導入するメリットは、主に以下の通りです。
人材アセスメントの導入メリット
- 採用時のミスマッチを防げる
- 従業員の強みを発見できる
- 離職率を改善できる
- 最適な人材配置ができる
- 管理職としての適性を見極められる
採用時のミスマッチを防げる
企業が人材アセスメントを導入することによるメリットの1つは、採用時のミスマッチを防ぐことができる点です。
人材アセスメントを用いることで、応募者のスキル、性格、価値観、そして仕事に対する姿勢を深く理解することが可能となります。
そうすることで、企業と応募者のミスマッチを防ぎ、優秀な人材を確保しやすいでしょう。
従業員の強みを発見できる
従業員の強みを発見し、それを最大限に活用することができるようになる点も、メリットです。
人材アセスメントによって、個々の従業員のスキルセットや個性、そして能力を詳細に分析し、それぞれの強みを明確にすることを可能にできます。
このプロセスを通じて、組織は従業員をより適切な役割に配置したり、個人の成長を支援するための具体的な計画を立てたりすることが可能です。
離職率を改善できる
企業が人材アセスメントを導入すると、離職率の改善が図れます。
理由は、人材アセスメントが従業員の直面している問題や不満、キャリアの望みを明確にし、それに対応する措置を講じることができるようになるからです。
従業員が自分の能力を認識され、キャリア成長の機会を得られる環境は、職場の満足度を高め、結果として離職率を低下させることに寄与します。
最適な人材配置ができる
企業が人材アセスメントを導入することで得られるメリットの中に、最適な人材配置ができることがあります。
人材アセスメントによって、従業員一人ひとりの能力や適性、興味、そして職務に対する情熱を詳細に分析し、それに基づいて各従業員を最も適した役職やプロジェクトに配置できるようになるからです。
従業員の能力が明確にできれば、それぞれの得意分野を活かすことができ、自分の能力を最大限に発揮できるだけでなく、仕事への満足度も高まるでしょう。
管理職としての適性を見極められる
人材アセスメントは、管理職としての適性を見極める能力の向上も図ることが可能です。
このメリットの背景には、人材アセスメントが従業員のリーダーシップ能力、意思決定スキル、対人関係能力といった管理職に求められる資質を綿密に評価できる点にあります。
そのため、組織内で管理職に適した候補者を正確に特定でき、将来のリーダーを発掘し、組織の持続可能な成長を支えることができるようになるでしょう。
人材アセスメントの導入の流れ
人材アセスメントの導入の流れは、主に以下の通りです。
人材アセスメントの導入手順
- 現状の課題や目的を明確にする
- 測定する領域や項目を設定する
- アセスメント手法を決定・実施する
- 結果を分析して施策に反映させる
- 定期的に実施してモニタリングする
1.現状の課題や目的を明確にする
人材アセスメントを導入する際の最初のステップは、組織の現状の課題や目的を明確にすることです。
具体的には、組織が人材アセスメントを通じて達成したい具体的な目標を設定し、それに基づいてアセスメントの方法を選定します。
課題と目的の例
課題 | 人材アセスメントの導入目的 |
---|---|
慢性的な人手不足の改善 | 自社で活躍している人の傾向の明確化 |
離職率の高さ | 離職する社員の特徴や傾向の明確化 |
新規事業請負人の選定 | リーダー気質のある人の特徴や行動傾向などの理解を行い、人材を選定 |
このプロセスにより、アセスメントが組織のニーズに合致したものになり、期待される成果をもたらすことが可能になるでしょう。
2.測定する領域や項目を設定する
次に、測定する領域や項目を設定するステップです。
明確に定義された測定領域は、アセスメントの焦点を絞り込み、より有意義なデータを収集するための基盤を提供します。
例えば、営業力の強化を目的とした企業が人材アセスメントを実施する場合、測定項目としては、営業スキルや顧客対応能力、製品知識、交渉力などが設定されるでしょう。
このように、測定する領域や項目を事前に設定し、戦略的な人材管理を行い、組織全体の成長と発展を促進するようにしましょう。
3.アセスメント手法を決定・実施する
測定する領域や項目を設定した後、アセスメント手法を決定し実施することが重要です。
選ばれる手法は、対象となる人材のスキル、能力、適性、および潜在能力を正確に評価するためのものでなければならず、これには心理テスト、能力試験、面接、360度フィードバックなどが含まれます。
このプロセスを通じて、組織は具体的な人材育成計画や配置計画の策定に必要な情報を得ることができます。
4.結果を分析して施策に反映させる
アセスメント手法を決定し、実施したら結果を分析して施策に反映させることが重要です。
アセスメントから得られたデータを深く理解し、それを組織の人材戦略、育成計画、および配置計画に具体的に反映させることで、組織の成長と従業員の発展を促進できるようになります。
ただし、ただ分析しても意味がないため、アセスメント結果を教える側は、結果をもとにどのようなアクションにつなげていくかを教えると良いでしょう。
5.定期的に実施してモニタリングする
アセスメント手法の結果を分析した後は、定期的に実施してモニタリングしましょう。
定期的に実施する理由は、組織と従業員の両方が時間とともに変化するため、定期的な評価を通じてこれらの変化を捉え、適切に対応する必要があるからです。
このアプローチにより、組織は従業員の能力の変化、キャリアの進展、さらには新たなニーズや課題を迅速に特定し、適切な対策を講じることができます。
人材アセスメントの代表的なツール
人材アセスメントを行うには、ツールの導入が必要です。
アセスメントツールが組織の特定のニーズに合わせてカスタマイズ可能な評価フレームワークを提供し、従業員の能力、適性、潜在力を正確に測定するための一貫した方法論を確立します。
代表的なツールは、主に以下の通りです。
人材アセスメントの代表的なツール
ツール名 | 提供会社 | できること |
---|---|---|
モチベーションクラウド(組織サーベイ) | 株式会社リンクアンドモチベーション | |
カサナリ | アイディール・リーダーズ株式会社 | |
Geppo | 株式会社ヒューマンキャピタルテクノロジー | |
Wevox | 株式会社アトラエ |
人材アセスメントの導入時のポイント・注意点
人材アセスメントを導入する際のポイント、注意点は、主に以下の通りです。
人材アセスメント導入時のポイント
- アセスメント対象者に導入目的を共有しておく
- アセスメント結果のみで昇進や異動を判断しない
アセスメント対象者に導入目的を共有しておく
人材アセスメントを導入する際の重要なポイントの1つは、アセスメント対象者に導入目的を明確に共有しておくことです。
透明性と理解の促進を通じて、従業員の不安を軽減し、参加への意欲を高めます。
アセスメントが行われる目的、使用されるツールの種類、そして得られた結果がどのように利用されるかを事前に説明することで、従業員はプロセスに対する信頼感を持ち、より積極的に参加することが可能になります。
アセスメント結果のみで昇進や異動を判断しない
アセスメントの結果をもって直接的に昇進や異動の判断を下さないことも、アセスメント対象者に導入目的を共有しておくことです。
この慎重なアプローチが求められる理由は、アセスメント結果は従業員の能力や適性の一面を示すものであり、その他の要因、例えばチームでの実績、組織への貢献度、リーダーシップ能力なども総合的に評価されるべきだからです。
アセスメントを唯一の判断基準とすることは、従業員の多様性や複雑性を適切に反映できないため、公平かつ包括的な評価プロセスを損なう恐れがあります。
まとめ
人材アセスメントは、企業や組織が従業員のスキル、適性、能力を評価し、適切な人材配置や育成方針を立案するために不可欠なプロセスです。
これにより、個々の従業員の潜在能力や将来の成功確率を予測し、組織全体のパフォーマンス向上につなげることが可能です。
特に、採用時のミスマッチ防止や従業員の強みの発見、離職率の改善、最適な人材配置、管理職の適性判断など、導入することでさまざまなメリットが期待できるでしょう。
よくある質問
人材アセスメントとは?
人材アセスメントは、企業や組織が従業員や候補者のスキル、適性、能力を評価し、その情報を基に適切な人材配置や育成方針を立案するためのプロセスです。 このアプローチは、個々の従業員が持つ知識、スキル、行動特性、業務遂行能力に関する深い理解を求め、それらをもとに個人の潜在的な成長能力や将来のポジションでの成功確率を予測します。
人材アセスメントを導入するメリットは?
企業が人材アセスメントを導入するメリットは、主に以下の通りです。
- 採用時のミスマッチを防げる
- 従業員の強みを発見できる
- 離職率を改善できる
- 最適な人材配置ができる
- 管理職としての適性を見極められる
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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