- 更新日 : 2023年7月7日
IPOの申込み管理におすすめのサービス3選|当選確率を上げる方法も紹介

IPO投資では、当選確率を向上させるために、複数の証券会社から応募を行う必要があります。しかし数十社の証券会社で申込みや購入の抽選を行っていると「どこの証券会社に応募したか」「当選発表日がいつだったか」を忘れてしまうこともあるでしょう。
本記事では、IPOの申込み状況を管理するためのツールやサイト、当選確率を向上させるためのコツを紹介していきます。IPOの当選確率を上げたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
IPOの当選確率の向上には複数の証券会社からの応募が必要
IPOの当選確率を向上させるためには、複数の証券会社から応募することが必要になります。一般的に1社あたりの当選確率は、1〜2%程度だといわれているためです。
IPO投資は公募価格よりも高い初値をつけることが多く、投資初心者にも人気のある投資手法です。その人気の高さから、IPOへ申込みを行ったとしてもなかなか当選することはありません。そのため、IPO投資を専業としている投資家は、数十社の証券口座を開設して多数の申込みを行っています。
IPOの申込み状況を管理する重要性
IPOが重なる時期などに多数の申込みを行っていると「どこの証券会社に応募したか」「当選発表日がいつだったか」などを管理することが難しくなります。またIPOの購入期間は、抽選結果が発表されてから数日~1週間程度と短くなっていることがほとんどのため、購入を忘れてしまうことがあるかもしれません。
しかしIPO当選後に購入を忘れてしまった場合や、個人の事情により購入をキャンセルしたい場合は、証券会社によってはペナルティーが課される場合があります。
ペナルティーの内容は証券会社によって異なりますが、1か月または半年間IPOへ申込みできなくなるケースも。ペナルティーを受けないためにも、現在の申込み状況が確認できるサイトやツールの導入が必須といえます。
証券会社 ペナルティー内容 SMBC日興証券 1か月ネットからのIPO申込不可 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 1か月ネットからのIPO申込不可 松井証券 6か月抽選対象から除外
IPOの申込み管理におすすめのサービス3選
ここからは、IPOの申込み管理におすすめのツールを3つ紹介します。管理を手間に感じている方はぜひ検討してみる価値があるでしょう。
IPO管理帳
画像出典:IPO管理帳
まずは庶民のIPOが提供している「IPO管理帳」を紹介します。IPO管理帳の特徴は、抽選・購入申込み期間になると自動で日付が取得されることです。「BB申込済」「当選購入」といったステータスはweb上で表示され、操作もwebのボタンをクリックするだけで完結します。
また、最大5名までの複数口座にも対応しているため、家族の申込み状況も同時に管理することが可能です。ネット環境のあるスマートフォンやパソコン、タブレットに対応しています。
やさしいIPO株のはじめ方アプリ
画像出典:やさしいIPO株のはじめ方アプリ
「やさしいIPO株のはじめ方アプリ」は、やさしいIPO株が提供している完全無料のアプリです。やさしいIPO株のはじめ方アプリの特徴は、IPO管理がアプリ内で完結することにあります。
アプリ下部の「上場予定企業」から、申込期限や購入期間のスケジュールが確認できるほか、IPOへの「申込意思」も入力することが可能です。また、アプリのプッシュ通知機能により「申込期限」や「購入期間」のお知らせも受け取ることができます。なお、このサービスは、スマートフォン・Macのみに対応しているようです。タブレットでもダウンロードできますが、動作保証はされていません。
Entersoft IPO Manager
「Entersoft IPO Manager」は、Entersoftが提供しているWindows向けのフリーソフトです。Entersoft IPO Managerの特徴は、ブックビルディングのスケジュールと証券会社での申込み状況が一目で管理できることです。
過去には1か月に30件のIPOが行われる月もありましたが、このソフトを利用すればすべてのスタンスが確認できます。また、複数口座の登録にも対応しているため、5つの口座を確認して150件のスタンスを表示させることも可能です。
初値予想・公募割れの予想やIPOスケジュールの自動取得など、基本的な機能も備わっています。対応しているデバイスは、Windows PCのみです。
応募数の増加以外!IPOの当選確率を向上させる方法
応募数を増やす以外の方法で、IPOの当選確率を向上させる方法には、以下のようなものがあります。
- 後期抽選型にも応募する
- 外れる度に当選確率の上がる証券会社に応募する
- 主幹事実績の多い証券会社から応募する
- 口座開設数の少ない証券会社から応募する
- ネット証券会社から応募する
ひとつずつ詳しく解説します。
後期抽選型にも応募する
IPO投資に利用できる資金が少ない場合は、後期抽選型にも応募して当選確率を向上させましょう。
後期抽選型とは、IPOへの抽選申込み時に抽選を行わず「購入申込み時に抽選」を行うもののことです。通常の前期抽選型では、IPOへ申込む際に抽選が行われ、抽選結果が発表されるまでは資金が拘束されてしまいます。
しかし後期抽選型の場合は、抽選申込み時に入金は必要なものの、申込み後は資金が出金できるため、他の前期型のブックビルディングに参加できる特徴があります。なお後期抽選型では、抽選時と購入時のそれぞれで申込みが必要です。
以下の証券会社では、後期抽選型が採用されています。
- 楽天証券
- auカブコム証券
- 岩井コスモ証券
外れる度に当選確率の上がる証券会社に応募する
SBI証券では、IPO抽選に外れる度に当選確率が上がる独自の制度を導入しています。サービス名は「IPOチャレンジポイント」といい、IPOの抽選・配分に外れた回数に応じてポイントが加算されます。
IPOチャレンジポイントを消費してIPOの申込みを行えば、当選する確率が上がるというしくみです。ポイントを使用して抽選に外れてしまった場合、使用したポイントは消費されてしまいますが、また新たにポイントが付与されます。
IPO抽選に外れる度にポイントが付与されるため、注目銘柄が登場したときのためにとっておくということも戦略のひとつです。
主幹事実績の多い証券会社から応募する
当選確率を向上させるためには、主幹事実績の多い証券会社から応募する方法もおすすめです。
主幹事とは、IPOのスケジュール管理や全体的な運営、公開価格の決定など、中心的な役割を果たす証券会社のことです。主幹事実績が多い証券会社では、配分される株数が多くなる特徴があります。
以下の証券会社は、多くの主幹事実績があります(2021年実績) 。
- 野村證券(28社)
- SMBC日興証券(26社)
- SBI証券(21社)
- 大和証券(16社)
口座開設数の少ない証券会社から応募する
口座開設数の少ない証券会社から応募すれば、ライバルが少ないため、当選確率の向上が見込めます。
以下の証券会社は、口座開設数がまだ多くありません。当選確率を上げる以外でも、こういった口座開設数が少ない証券会社に応募するのもひとつの方法です。
証券会社 口座開設数 岡三オンライン 29万 GMOクリック証券 49万 松井証券 139万 auカブコム証券 145万
ネット証券会社から応募する
資金力が少ない個人投資家は、ネット証券会社から応募することをおすすめします。店舗型の証券会社では、大口投資家へ優先的にIPOの抽選を配分する「裁量配分」が採用されている場合が多いからです。
ネット証券会社の場合は、完全平等抽選や平等抽選による抽選方法が一般的のため、資金力が少ない個人投資家にもチャンスがあるということです。
以下の証券会社では、平等抽選または完全平等抽選を行っています。
- マネックス証券
- 楽天証券
まとめ
IPO投資では、当選確率を向上させるためにスケジュールやスタンスの管理が必須になります。IPOを管理するツールについては、利用者のニーズに合わせた使い方ができることから「IPO管理帳」をおすすめします。出先ではスマートフォンから確認し、自宅ではPCの大きな画面でIPOの状況が確認できるためです。本記事で紹介したツールやサイトが、今後のIPO投資に役立てば幸いです。

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よくある質問
IPOの申込み状況はどのように管理するのがおすすめ?
IPO管理ツールを用いて、申込み状況を一元管理する方法をおすすめします。IPO管理ツールでは、以下のような機能が使えます。
- 初値・公募割れの予想
- 割当数の表示
- IPOのスケジュール取得
- IPO銘柄へのスタンス表示
IPOの当選確率を上げるには?
IPOの当選確率を上げるコツには、以下のようなものがあります。
- 後期抽選型に応募する
- 主幹事実績の多い証券会社から応募する
- 口座開設数の少ない証券会社から応募す
- 完全平等抽選のネット証券会社から応募する
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。