- 作成日 : 2024年8月8日
スタートアップの成長ステージとは?各フェーズの定義や資金調達方法を解説
会社創業時、スタートアップ企業という認識をもち、自社がどのフェーズに位置するのかを把握することが大切です。
現状の課題や解決策を明確にし、経営していくことで、事業の拡大が図れるようになるでしょう。
そこで本記事では、スタートアップのステージについて詳しく解説します。
スタートアップのステージとは
スタートアップのステージとは、スタートアップ企業のライフサイクル(起業前後から上場もしくはM&Aまで)における成長の段階をさします。
ステージは、主に以下の6つがあります。
- プレシードステージ
- シードステージ
- アーリーステージ
- ミドルステージ
- レイターステージ
- EXIT
プレシードステージ
プレシードステージは、スタートアップのアイデアが生まれ、初期の検証が行われる最初の段階です。
この段階では、創業者がビジネスアイデアを具体化し、市場のニーズを把握することが重要です。
ビジネスアイデアの有効性を確認するために、市場調査や競合分析を行います。
従業員数の目安 | 3人〜5人 |
資金調達の方法 | ・自己資金 ・日本政策金融公庫 ・補助金・助成金 ・ベンチャーキャピタル(VC) など |
ただし、プレシードステージには主に以下のような課題があります。
課題
- 売上が期待できない
- 資金に限界がある
上記のような課題を解決するためにも、周囲の人からの借入や補助金などをうまく活用して、売上を作れるように事業投資していくことが大切です。
シードステージ
シードステージは、アイデアが具体的な形となり、事業化への準備が本格的に進む段階です。
アイデアの具体化が進み、最初のプロトタイプが完成します。このプロトタイプは、将来の製品やサービスの基礎となるものであり、ユーザーテストや市場調査を通じて改良が加えられます。
ここでは、顧客のニーズや市場のフィードバックを取り入れながら、製品の方向性を定めることが重要です。
従業員数の目安 | 5人程度 |
資金調達の方法 | ・自己資金 ・日本政策金融公庫 ・補助金・助成金 ・ベンチャーキャピタル(VC) など |
シードステージでは、創業に向けた人材がそろっていないという課題が挙げられます。事業開発や市場調査に必要な資金を確保し、ビジョンに共感する社員やパートナーを見つけるためのチームビルディングを進める必要があるでしょう。
アーリーステージ
アーリーステージは、製品やサービスの開発が進み、市場投入が行われる時期であり、成功の鍵を握る重要な時期です。
プレシードステージやシードステージで作成されたプロトタイプをもとに、より完成度の高い製品やサービスを開発します。
この段階では、ユーザーからのフィードバックを反映させ、製品の機能や使いやすさを向上させることが求められます。市場の要求に応じて製品を改良し、競合製品との差別化を図ることが重要です。
従業員数の目安 | 5人~50人 |
資金調達の方法 | ・エンジェル投資家 ・補助金・助成金 ・ベンチャーキャピタル(VC) など |
アーリーステージにおける課題は、主に以下の通りです。
課題
- 市場への適応
- 事業の実現有無
上記課題を少しでも解消するために、ビジネスプランやアイデアの魅力などをうまく伝えられるようにしましょう。
ミドルステージ
ミドルステージは、初期の成功をもとに事業を拡大し、市場での地位を確立することが主な目的です。
この段階では、売上が急速に拡大している段階にあるため、市場での認知度や社会的な信用も高まっていると想定されます。
従業員数の目安 | 50人~150人 |
資金調達の方法 | ・金融機関 ・補助金・助成金 ・ベンチャーキャピタル(VC) など |
ミドルステージにおける課題は、「人員や設備が必要になる」ことです。
組織が急成長するため、生産性や効率の低下が懸念されます。うまく人員や業務効率化が図れるツールなどを利用して、生産性を上げられるようにしましょう。
レイターステージ
レイターステージは事業が成熟し、さらに大きな飛躍を目指す段階です。レイターステージでは、企業は既に確立された市場での地位を強化し、新たな成長の機会を探求することが求められます。
従業員数の目安 | 150人以上 |
資金調達の方法 | ・金融機関 ・ベンチャーキャピタル(VC) など |
レイターステージにおける課題は、新たな取り組みをする際に膨大な資金が必要となることです。
事業の安定化は実現できているものの、新規事業の立ち上げや拠点の拡大などを行う必要が出てくるため、しっかりとした資金計画を立てることが大切です。
しかし、これまでの実績も考慮されるため、資金調達のハードルはそこまで高くないでしょう。
EXIT
スタートアップにおけるEXITとは、創業者や投資家が投資のリターンを実現するために、企業を売却したり、株式を公開したりすることです。
特にEXITは、企業価値の最大化が重要な課題となります。EXITを成功させるためには、投資家や買収企業に対して企業の魅力を最大限に示す必要があります。
これには、製品やサービスの品質向上、顧客基盤の拡大、安定した収益の確保が含まれます。
特に、財務状況の健全性と透明性は、投資家の信頼を得るために不可欠です。また、競合他社との差別化や独自の強みを明確にすることで、企業価値を高めることが求められるでしょう。
まとめ
スタートアップのステージは、主に6ステージあります。
これらのステージの特徴を理解することで、今自社に必要なことや足りないものなどが明確になり、対策を打ちやすくなります。
今後事業を伸ばしていくために、自社がどの位置にいるのかを理解することが重要です。シード期からアーリー期までは、可能な限り融資を受けて、事業を伸ばすことに注力すると良いでしょう。
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よくある質問
スタートアップのステージごとの違いは?
スタートアップのステージごとの違いは、主に以下の通りです。
- プレシードステージ:アイデアが生まれ、初期の検証が行われる初期の段階
- シードステージ:アイデアが具体的な形となり、事業化への準備が本格的に進む段階
- アーリーステージ:製品やサービスの開発が進み、市場投入が行われる時期
- ミドルステージ:初期の成功をもとに事業を拡大し、市場での地位を確立する段階
- レイターステージ:事業が成熟し、さらに大きな飛躍を目指す段階
- EXIT:創業者や投資家が投資のリターンを実現するために、企業を売却したり、株式を公開したりする段階
シード期は何をするべき?
これからアイデアを着実に事業化していくための計画が必要です。
事業開発や市場調査に必要な資金を確保し、ビジョンに共感する社員やパートナーを見つけるためのチームビルディングを進める必要があります。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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