- 作成日 : 2023年6月30日
バックオフィスとは?業務内容や課題、効率化するための方法などを解説

バックオフィスとは、経理や人事、法務、総務など、企業活動を後方から支える職種や業務を指します。
直接利益を生み出さない部門ではあるものの、企業活動を営むうえで不可欠な存在です。バックオフィスには専門性が求められる職種も多いため、業務の属人化や特定の担当者の業務量増加などが課題として挙げられます。本記事では、バックオフィスの概要や課題、バックオフィス業務を効率化するための方法などについて解説します。
目次
バックオフィスとは
はじめに、バックオフィスの概要やフロントオフィスとの違い、バックオフィスの具体例、一般事務との違いについて解説します。
バックオフィスの概要
バックオフィスとは、「Back Office(後方オフィス)」という言葉が意味するように、表立って顧客と対面せずに後方からサポートするオフィス業務や職種を総称した用語です。
また、直接的な利益(=売上)を生み出さない間接部門などがバックオフィスと呼ばれることもあります。
フロントオフィスとの違い
バックオフィスの対義語として「フロントオフィス」があります。
フロントオフィスは、顧客営業や販売担当といった顧客と直接対面する職種、および売上などの直接利益を生み出す部門などを指す用語です。
バックオフィス業務の具体的な例
バックオフィス業務の具体的な職種や部門としては、以下が挙げられます。
財務・経理部門
企業活動で必要な資金管理を行います。
たとえば、財務諸表の作成や決算作業、資金調達、税金の計算などです。
人事部門
社内の人材管理や労働環境の整備などを行います。
たとえば、採用活動や労働時間の管理、人材配置、評価制度の整備、人材育成などです。
総務部門
社員が働きやすいようにオフィス環境の整備を行います。
たとえば、備品管理やオフィスビルの防災に関する企画・主導、入退室ルールの整備などです。
法務部門
企業活動における法律面を管理します。
たとえば、契約書の確認や知的財産権の管理、社内のコンプライアンス教育などです。
情報システム部門
社内のIT資産やネットワーク環境などを管理します。
たとえば、パソコンやモバイル端末の管理、社内システムの保守・運用などです。
広報部門
社内活動の外部発信や自社のブランディング活動を行います。
たとえば、取材対応や社外イベント企画、広報誌の作成などです。
一般事務など
特定の専門職種ではなく、各部門や担当者をサポートするための職種です。
たとえば、データ入力や電話対応、書類のファイリングなどが挙げられます。
バックオフィスと一般事務の違い
バックオフィスと一般事務は混同される場合もありますが、両者の位置づけは異なります。前述のとおり、一般事務はバックオフィスの一部であり、バックオフィス業務は経理や法務などより幅広い業務を指しています。
直接利益を生み出す部門ではないものの、それぞれの部門が専門的な役割を果たしており、企業活動において不可欠な存在です。
バックオフィス業務における主な課題
ここでは、バックオフィス業務における主な課題として、以下の3点について解説します。
- 業務が属人化しがち
- 業務量のコントロールが難しい
- 非効率な業務プロセスとなっている
業務が属人化しがち
バックオフィス業務には、経理や法務、情報システムなど、専門性の高い職種が多く集まっています。そのため、特定の社員が長年担当しているケースもあり、業務が属人化しがちです。
業務の遂行を一部の担当者に依存してしまう属人的な状況を解消するためには、業務の可視化やマニュアル化が重要となるでしょう。
業務量のコントロールが難しい
バックオフィス業務は、経理部門の決算作業や情報システム部門のシステムトラブル対応など、時期やタイミングによって業務量の差が大きい点も課題です。
システム面やコンプライアンス面などのトラブルを完全になくすことは難しく、トラブルが生じると突発的に業務負担が大きくなることもあります。
専門的な職種であるため人材の配置替えも容易ではなく、少数の担当者で対応しなければならない場合も考えられます。
非効率な業務プロセスとなっている
バックオフィス業務では請求書や契約書などを紙で作成・管理し、非効率な業務プロセスとなっているケースが依然として残っている点も課題です。
経済産業省の「DXレポート2 中間取りまとめ」によると、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進指標の診断に回答した企業のうち9割以上が、業務のデジタル化を含めたDX推進に未着手または散発的な実施に留まっていることが分かります。
新型コロナウイルスの影響でDX化が推し進められた後でも、書類や押印のデジタル化といった環境変化への対応ができていない企業が少なからず存在しているのです。
参考:経済産業省「DXレポート 2 中間取りまとめ」
バックオフィス業務を効率化する方法
バックオフィス業務を効率化するためには、以下のような方法が効果的です。
- 業務をアウトソーシングする
- ERPを導入する
業務をアウトソーシングする
バックオフィス業務を効率化する方法のひとつに、業務のアウトソーシングが挙げられます。バックオフィス業務の担当者が少ない場合や、業務量が多く困っている場合などに有効な方法です。
たとえば、単純なデータ入力作業や電話対応、書類のファイリング作業などであれば、専門性は不要であるためアウトソーシングしやすいでしょう。法務や経理、情報システムなどの専門的な職種に関しても、専門の業者に委託することで社内の業務を効率化できる場合があります。
ただし、業務ノウハウが属人化している場合はアウトソーシングが難しくなる点や、社内にノウハウが蓄積されにくくなる点には注意が必要です。
ERPを導入する
会計や人事など基幹業務に関わるバックオフィス業務については、ERPを導入して効率化を図ることも有効な手段です。ERPを導入することで、社内データをシステム上で一元管理でき、業務の属人化や非効率性の解消につながります。
ERPの詳細については、以下の関連記事も併せてご確認ください。
また、ERPの中でもSaaS型ERPであれば契約後すぐに使うことができるため、バックオフィス業務が滞るリスクを軽減しつつ、業務の効率化が図れます。
SaaS型ERPの詳細については、以下の関連記事も参照することでより一層理解が深まるでしょう。
まとめ
バックオフィスとは、営業などとは異なり顧客と直接対面せず、後方から企業活動を支える業務や職種を指します。
たとえば、経理や総務、人事、法務、情報システム、一般事務などが挙げられます。
バックオフィス業務は専門的な職種も多く含むため、業務が属人化しがちな点が課題です。また、業務量をコントロールしにくい点や非効率なアナログ管理なども課題であるといえます。
バックオフィス業務を効率化するためには、業務のアウトソーシングやERPの活用が効果的です。特にSaaS型ERPであれば、契約後すぐに使うことができるため、バックオフィス業務が滞るリスクを抑えつつ業務を効率化できるでしょう。

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