• 作成日 : 2021年11月5日

SaaS型ERPとは?オンプレミス型・PaaS型ERPの比較も解説

SaaS型ERPは、インターネットを介して既成のERP機能を利用する仕組みです。この記事では、SaaS型ERPとPaaS型・オンプレミス型ERPとの違いや、それぞれのメリット・デメリットを解説します。

ERPの提供形態(種類)と違い

ここでは、SaaS型・PaaS型・オンプレミス型の3つの提供形態について解説します。

SaaS型ERP

SaaS(Software as a Service)型ERPは、ベンダーが提供するERPシステムをインターネット経由で利用する仕組みを指します。「所有ではなく利用」の考え方に基づいて、インフラやミドルウェア、ソフトウェアの管理が不要な点が特徴です。月額利用のサブスクリプションのように必要な分だけ費用を支払います。日本でも、国内の商習慣に合った製品が増え、普及が進んできました。SaaS型ERPは、パブリッククラウド型とプライベートクラウド型に分類されます。

パブリッククラウド型ERP

SaaS事業者が提供する他社と共用するクラウドサーバー上で稼働しているERPを利用する形態

プライベートクラウド型ERP

SaaS事業者が提供する自社のみで占有するクラウドサーバー上で稼働するERPを利用する形態

PaaS型ERP

PaaS(Platform as a Service)型ERPでは、ミドルウェアやインフラにあたる部分をクラウド事業者から調達し、ユーザー企業がERPソフトウェアを導入・管理する形態です。業務プロセスに直結するソフトウェアを自社で管理しながら、IT環境に柔軟性を持たせるのが特徴です。

オンプレミス型ERP

自社内でサーバーやネットワーク等を構築し、ERPシステムのすべてを管理・運用します。要件に合わせて、インフラの調達からソフトウェアの開発・更新を行う方法です。従来のERPパッケージはオンプレミス型を前提としたものが多く、あらゆる業務を網羅できる大規模システムを構築します。

SaaS型ERPのメリット

SaaS型ERPは契約すればすぐに使えるようになるので、導入にかかる時間が短く、かつ初期費用も抑えられます。ソフトウェア及びハードウェアの更新や、インフラ側のセキュリティ対策もクラウド事業者が担当するため、運用に関わる工数が削減できるのも利点です。

近年は、容易に機能を追加できるアドオンの仕組みや、他システムとの連携機能が充実しており、自社の業務フローと合わせるのが簡単になりました。IoT(Internet of Things)機器からデータを収集・蓄積するような新技術を活用した場面であっても、外部サービスと連携する機能を使えるSaaS型ERPが提供されています。

プライベートクラウド型のメリット

プライベートクラウド型のERPは、クラウド環境でありながら他社とインフラを隔離できるので、セキュリティ性を高めながらSaaS形式でERPを利用できるのが大きなメリットです。

パブリッククラウド型のメリット

パブリッククラウド型のERPは、インターネット環境のみあれば利用できる形態のため、初期費用を抑えながらスピーディに導入できる点が最大のメリットです。また、インフラの管理を考慮する必要がなく、運用時の負担が軽減されるのもメリットと言えるでしょう。特にIT部門のリソースが少ない中小企業でパブリッククラウド型の普及が進んできましたが、近年はERPシステムのスリム化を目指す大企業でも採用されるケースが増えてきています。

PaaS型ERPのメリット

PaaS型ERPの場合、インフラの調達・運用から解放されるのに加えて、ユーザー企業がソフトウェアを管理するので、自社の要件に合わせて自由にカスタマイズできるのが利点です。既にオンプレミス型ERPを運用していた場合、そのソフトウェアをPaaS環境に移行する方法も採用できます。利用者へ同じ業務プロセスを提供し、オンプレミス型のように自由度を保ちながらも、IT環境を最適化するクラウド型の利点も享受できるのが特徴です。サーバーやネットワークの運用保守には少なからずコストや工数を要しますが、この作業をクラウド事業者へ委託できるのは大きなメリットと言えます。

オンプレミス型ERPのメリット

オンプレミス型では、その業界や企業に特有の要件があった場合でも、自由にカスタマイズできるのが利点の一つです。運用時のコストは保守費用に限られるため、長期的に見ると総保有コストが低減できる場合があります。データの管理を他社に委託することなく、自社内に限定されたIT環境を構築するので、適切なセキュリティ対策をとればリスクが軽減できます。

SaaS型ERPはこういう場合におすすめ

近年は、システム設計時にクラウド環境を前提に検討するクラウドファーストの考え方が広がっています。頑健性に対する要件の高いERPにおいても、柔軟性や効率性を向上させるためにクラウド型を採用する企業が増えてきました。

SaaS型ERPは、特殊な業務プロセスが少なく、自社の業務プロセスをベストプラクティスへ合わせられる企業に向いています。業界や部門ごとにアドオンやテンプレートが提供されているので、自社の要件に合うかを確認します。

子会社や関連会社を有する企業グループの場合、標準化・効率化が必要な本社と、変化の激しい子会社でERPに対する要件が異なる場合があります。例えば、本社ではパッケージを活用したPaaS型ERPを使用し、子会社にはSaaS型ERPを導入するといった使い方が考えられます。初期費用を抑えながら、必要な機能だけ、すぐに利用が開始できるというSaaS型ERPの特長を最大限に活用します。

SaaS型の大きなメリットとして、初期費用や導入までの時間が抑えられる点や、運用管理のコスト・工数が軽減できる点が挙げられます。さらに、クラウド事業者がシステムを管理し、いつでもどこからでもアクセスできるため、事業継続性の向上にも寄与します。データをバックアップしたり、クラウド事業者に冗長化を対応させたりできるので、災害が発生した場合でも、被害を抑え、早く復旧させるのにも有効です。ERPの可用性を確保しながら、IT部門の負担や予算を軽減したい企業から採用が増えています。

プライベートクラウド型が向いている企業

プライベートクラウド型はセキュリティの高さが利点なので、セキュリティ要件が高い企業に向いています。また、サービスによってはカスタマイズ可能な場合もあるため、独自の要件がある企業に向いているでしょう。

パブリッククラウド型が向いている企業

パブリッククラウド型ERPは、カスタマイズ要件が発生しない中小企業に向いています。必要な分だけ利用料金を支払うサブスクリプションの仕組みのため、スピーディに導入でき、かつコストの最適化が期待されます。

SaaS型ERPの特徴を理解しよう

ERPは企業全体に関わるシステムなので、経営層・ユーザー部門・IT部門、それぞれの観点から総合的に検討する必要があります。SaaS型ERPは、導入や運用に関するコストを低減しながらセキュリティや事業継続性を向上させたりする効果が期待されます。SaaS型ERPの特徴を理解し、自社の業務に適用できるか検討してみてはいかがでしょうか。

当社では、手軽に利用できるクラウド型のERPとして、「マネーフォワード クラウド ERP」を提供しています。マネーフォワードクラウドERPは最低1サービスからスモールスタートできるため、勤怠管理や経費精算など、お客様の成長段階にあわせてサービスを組み合わせて使うことができます。また、最短1ヶ月で導入できる点も特徴です。

よくある質問

SaaS型ERPとは何ですか?

インターネットを介してERPを利用するクラウドサービスの提供形態です。勤怠管理や経費精算など、必要な機能のみをサブスクリプション型で利用します。 詳しくはこちらをご覧ください。

SaaS型ERPとオンプレミス型の違いとは?

オンプレミス型ではインフラの調達・設定からソフトウェアの開発・運用まで、自社で担当し、自由にカスタマイズできるのが特徴です。SaaS型の場合、インフラやミドルウェア、ソフトウェアの調達や運用が不要で、インターネット環境を介してERPを利用します。 詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:野崎晋平

2008年 東証一部IT企業に入社しERPの設計や開発業務に従事。2013年 東証一部小売企業に入社し、ERPの運用保守やリプレイスの企画、各種システム導入プロジェクトのマネジメント業務などに従事。2015年 株式会社アイティベルを設立し、IT領域の執筆などを行う。生産管理システムや人事システム、POS、スマホアプリ、ECサイトなど幅広いシステム導入経験を持つ。株式会社アイティベル 野崎晋平

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