• 作成日 : 2023年9月4日

業務標準化とは?メリットやデメリット、進め方について詳しく解説

昨今の働き方改革によって勤務時間の短縮や生産性向上が求められている中、業務標準化に取り組む企業が増えています。業務標準化に取り組めば、企業全体の生産性向上や業務の効率化など、多くのメリットを得ることが可能です。

本記事では、業務標準化のメリットやデメリット、具体的な進め方について詳しく解説していきます。

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業務標準化とは

業務標準化とは、社員の誰もが同じ成果を出せるように業務の手順を整理し、設定したルールに沿って業務を行えるようにすることです。
業務の手順・ルールを統一し、同じ認識を持って作業することで、社員全員が同じレベルで業務を行えるようになります。誰もが同じ手順で業務を遂行するため、成果物の品質水準を一定以上に保つことが可能です。

また、業務標準化によって業務の属人化も解決できます。
属人化とは、特定の人しかその業務を担当できなかったり、担当者しか業務の詳細が分からなかったりする状態のことです。属人化が進むと、業務の担当者が不在の場合に業務が滞り、誰も対応できなくなるといったリスクがあります。

業務効率化との違い

業務標準化と混同されやすい言葉が「業務効率化」です。
業務効率化とは、業務プロセスの中にあるムダな作業などを改善し、生産性を高める取り組みのことを指します。

業務標準化は「ルールに沿って業務を行えるようにする」こと、業務効率化は「業務を現状よりも効率的にする」ことであり、目的や意味合いが異なります。

業務標準化の方法

業務標準化の方法は、大きく「タスクの標準化」と「業務フローの標準化」の2つに分けられます。

タスクの標準化とは、社員ごとに仕事内容や成果に差が出ないように、誰が・どのような作業を行うかを明確にすることです。
社員一人ひとりのやるべきことや作業が統一化されるため、業務品質を一定に保てるというメリットがあります。
社員の誰が作業を行っても、業務品質が保たれる状態を作ることができます。

一方、業務フローの標準化とは、業務の流れを可視化し、社員の誰もが業務の流れを把握できる状態にすることです。
業務フローを標準化しておけば、仮に業務の担当者が代わった場合でも、スムーズな引き継ぎと業務の遂行が可能になります。ある社員が抜けたとしても仕事が回る状態を作れます。

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業務標準化を行うメリット

業務標準化を行うことで、以下の3つメリットを得られます。

  • 生産性の向上
  • 業務品質の向上
  • 属人化の防止

それぞれのメリットについて、以下で詳しく解説します。

生産性の向上

業務標準化を行えば、業務をより効率的に進められるようになり、企業全体の生産性向上につながります。
また、業務タスク・業務フローが最適化されることで、ムダな作業や非効率な作業をなくしたり、改善したりすることも可能です。

例えば、顧客に対する電話対応のマニュアルを作成して業務フローを標準化しておけば、誰もが質の高い顧客対応を行えるようになり、企業に対する信頼感が高まります。顧客満足度のアップにもつながるでしょう。

業務品質の向上

業務標準化の取り組みでマニュアルやフローチャートなどを活用すれば、社員全員が同じ業務を遂行できるようになり、組織全体の業務品質が安定します。
作業の中でミスが起きやすいポイントや、重要なチェックポイントなどを共有できるため、人為的なミスが起こりにくくなる点がメリットです。

属人化の防止

業務標準化の体制を整えておけば、業務の手順やノウハウ、進捗状況などを社員間で共有でき、属人化を防止できます。異動などで社員の入れ替えがあるときも、スムーズに引き継ぎを行えるようになるでしょう。

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業務標準化のデメリット

業務標準化によって得られる効果は大きいものですが、以下のデメリットがあることも認識しておく必要があります。

マニュアル化していない業務に対応できなくなる可能性がある

業務標準化を進めると一定の水準で業務を行えますが、マニュアルに記載されていない作業はできなかったり、臨機応変な対応をしにくかったりするというデメリットがあります。
そのため、社員が柔軟かつ臨機応変に対応できるように考慮した上でマニュアルを作成することが重要です。

社員のモチベーション低下につながる可能性がある

マニュアル化された業務は単調な作業になることが多く、マンネリ化しやすいものです。
単調な作業を繰り返し行う状態が続けば、社員が不満を感じ、モチベーションが低下する可能性が高くなるでしょう。

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業務標準化を進める方法

業務標準化は、以下の流れで進めていきましょう。

  1. 現状の業務を洗い出す
  2. 標準化すべき業務の優先順位を付ける
  3. 業務を最適化する
  4. 業務をマニュアル化する
  5. 定期的に見直し・改善を行う

①現状の業務を洗い出す

まずは、業務内容を工数や頻度、難易度などの項目で数値化しましょう。
担当者へのヒアリングを行なうことで、より詳細な数字を把握できます。この段階では、生産性が低い業務や、担当者がいないと進められない業務などを洗い出しましょう。

②標準化すべき業務の優先順位を付ける

①で洗い出した問題点を踏まえて、標準化すべき業務を選定していきます。属人化している業務以外にも、品質にばらつきのある業務も対象にするとよいでしょう。
全ての業務を標準化するのはコスト・手間がかかります。優先順位を付けて、一つずつ取り組むことが重要です。

③業務を最適化する

続いて、現状の業務手順が最適かどうかを確認していきます。
具体的には、業務にムダな工程があれば省いたり、作業工程の順番を入れ替えたりすることで、業務を最適化できます。
ITツールを活用した業務改善など、より効率的な方法を検討することが大切です。例えば、ERP導入することで業務標準化を実現できます。
ERPを導入するためには、業務フローの見直し・改善を実施し、ムダのない統一された業務フローを実行する必要があります。また、伝票やデータ形式なども統一しなければなりません。ERPの機能に自社の業務を合わせる形で業務標準化を図れるのです。

基幹業務を一元管理できるERPを導入することで、企業はさまざまなメリットを得られます。ERPを導入するメリットについては、以下の記事で詳しく解説しています。こちらをご確認ください。

④業務をマニュアル化する

続いて、③で最適化した業務をもとにして、業務フローやタスクの進め方、トラブル時の対応法などを盛り込んだマニュアルを作成していきます。社員が柔軟な対応を行えるようにしておくことがポイントです。

⑤定期的に見直し・改善を行う

マニュアルを用いて実際に業務に取り組んでみると、問題点や改善点が出てくる可能性があります。定期的に業務を見直し、改善していくことで、より効率的で標準化された業務を行えるようになるでしょう。

まとめ

業務標準化を進めれば、業務の手順・ルールを統一化でき、社員全員が同じレベルで業務を行うことが可能です。企業の生産性向上や業務効率化にもつながります。

業務標準化を進めるためには、課題となっている業務を洗い出し、優先順位を付けて一つずつ取り組む必要があります。業務標準化を効率的に進めるには、ERPの機能に自社の業務を合わせて、業務標準化を図る方法が有効です。

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※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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