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  • 更新日 : 2021年10月25日

ERPと人工知能AIの活用は業務効率化につながるのか

ERPとAI(人工知能)の活用は業務効率化につながるのか

近年、AI技術に注目が集まっていますが、AIとはどのような技術でどのように業務に応用されているのでしょうか。この記事では、AI技術の概要や注目されている理由、さらにERPにおけるAI活用について解説を行います。

AIとは

日常生活においても急速に普及しつつあるAI(人工知能)ですが、実際にはどのような技術なのかわからないという方もいるでしょう。実はAIとは、ある特定の技術を指しているわけではなく、様々な技術や分野を総称した言葉です。なかでも現代のAIとして多く活用されているのが、「機械学習」と呼ばれる統計学の一種をベースとする技術です。また、その機械学習の中でも「深層学習(ディープラーニング)」と呼ばれる技術に注目が集まっています。

機械学習

機械学習は、統計に関連する技術の一つです。具体的には、あるタスクを行う際に過去データを利用して回帰や分類といった推測を行います。
例えば、これまでの国語のテストで70点、75点、80点を取った学生がいるとします。この学生は次のテストで何点を取ると予想できますか?おそらく85点くらいを予想する方が多いでしょう。この学生は過去のデータから徐々に学力を伸ばしていることが読み取れます。これが、機械学習の一つである回帰の考え方です。
また、自動運転において信号の色を判定する際に、赤であれば停止、青であれば発進するように設定するとします。この時に、古くなって赤茶けた青信号があった際にも、どちらかというと青色であることを判定して発進の指示を出すでしょう。このように、曖昧なものも含めて何らかの分類基準を定義します。

深層学習(ディープラーニング)

近年では、機械学習の中でも深層学習(ディープラーニング)と呼ばれるニューラルネット系の技術を用いた手法が注目されています。深層学習は、従来の機械学習の手法よりも圧倒的に高い精度で回帰や分類を行うことができます。具体的には、画像を見て判断するタスクであれば人間と同じ判断能力で処理を行うことが可能となりました。
深層学習の基盤となっている技術は、ニューラルネットと呼ばれる人間の神経細胞を模したモデルです。ニューラルネット自体は以前より存在しますが、近年、このニューラルネットを複数の層でつなげ合わせることで高い精度を出せるようになりました。このように深い層まで処理を行うことから深層学習という名前で呼ばれています。

AIが注目されている背景

近年では第三次AIブームとしてAIに注目が集まっていますが、これにはどのような背景があるのでしょうか。
上述した通り、現在AIが注目されている大きな理由は、深層学習の登場にあります。深層学習は従来の手法よりも圧倒的に高い精度で処理を行うことができ、画像処理や音声認識、自然言語処理などのタスクに応用できます。これにより、製造業における検査業務の自動化やドローン等を活用した保守点検作業の自動化が実現し、チャットボットの活用や音声対話システムなど幅広い応用アプリケーションが登場しました。
また、DXというキーワードの浸透とともに、DX推進のためにAIを活用する企業が増えたことも、AIに注目が集まっている理由の一つです。AI技術を利用してDXを推進することで、従来であれば人手がかかっていた業務の自動化や、新規ビジネスの開発などを実現することが可能となります。

ERPとAIの活用

経営の効率化を支援するERPは、自社の重要なデータを一元的に蓄積することが可能です。AIの活用のためには学習元となるデータが重要となりますが、その収集元としてERPで蓄積したデータを活用することが有効となります。このように、ERPとAIは相性がよいといえるでしょう。
それでは、具体的にERPとAIはどのように活用できるのかを解説していきます。

ERPの登場

そもそもERPとは、どのような目的で登場したシステムなのでしょうか。
1960年代に効率的な在庫管理を目的として、「必要なものを」「必要なときに」「必要なだけ」部品や材料を調達するMRP(Material Requirements Planning:資材所要量計画)と呼ばれる考え方が生まれました。MRPの考え方は主に製造分野を中心として広まりましたが、これを財務会計や販売、流通など経営全体に拡大することで生まれたのがERP(Enterprise Resources Planning:企業資源計画)です。
1990年ごろに登場したERPは、そのメリットから多数の企業で導入されるようになりました。近年では、クラウド型のERPも登場しており、手軽に利用できる仕組みとして普及が進んでいます。

ERPとAI による業務推進

それでは、ERPにおいてAIはどのように活用できるのでしょうか。AIの活用による業務推進について、「予測」と「発見」の2つの観点から解説します。

予測によるデータが収集できる

AIの活用によって、実績値を元に将来を予測して業務を実施することができます。例えば、過去の販売実績から需要を予測するといったことが可能となるでしょう。ERPに蓄積された販売実績データをAIに読み込ませて学習させることで、気温・天候・季節・イベントの有無などの条件によりどのように需要が変化するのかを分析します。
このように、AIによる予測を活用することで、業務の推進や精度向上につなげることができます。

人間が発見できない問題点を発見することができる

ERPとAIを活用することで、人間が発見できないような問題を見つけることができます。具体的には、IoTによって収集した設備情報から、故障の予測などを行うことが可能となるでしょう。ERPに保持されている設備情報とその作動状況を元に、AIに過去の故障ケースを学習させることで、故障が発生しやすい条件や故障リスクが高い設備を発見します。
このようなAIによる問題発見によっても、業務の推進や精度向上が期待できます。

ERPとAIの活用で高速処理も可能になる

この記事では、AI技術の概要とともに、ERPとAIの活用について解説しました。深層学習の革命により、AIは一気に身近なものとして実用化しました。また、ERPとAIを組み合わせることで、ERPに蓄積されたデータをAIにて活用することができます。自社の業務の中でAIの活用範囲を検討し、積極的に導入していくことをおすすめします。

よくある質問

AIとは何ですか?

AIとは主に機械学習をベースとする技術であり、物事を予測する「回帰」と物事を仕分けする「分類」の処理を行うことができます。近年では、ERPと連携して活用するケースも増えてきています。詳しくはこちらをご覧ください。

AIが注目されている理由は?

機械学習の一つである深層学習(ディープラーニング)によりAIの精度が大幅に向上し、実用化範囲が増えたことにより、AIに注目が集まっています。 詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:野崎晋平

2008年 東証一部IT企業に入社しERPの設計や開発業務に従事。2013年 東証一部小売企業に入社し、ERPの運用保守やリプレイスの企画、各種システム導入プロジェクトのマネジメント業務などに従事。2015年 株式会社アイティベルを設立し、IT領域の執筆などを行う。生産管理システムや人事システム、POS、スマホアプリ、ECサイトなど幅広いシステム導入経験を持つ。株式会社アイティベル 野崎晋平