• 更新日 : 2024年7月12日

QBRとは?効果的な実施手順や達成すべき指標などをを解説

QBRは「四半期ビジネスレビュー」という言葉に和訳され、四半期(3ヶ月)ごとに目標や計画について議論する会議を指します。QBRの効果を最大化するためには、適切な実施手順やトピックを把握した上で開催することが重要です。
本記事では、QBRの効果を最大化するための実施手順や達成すべき指標をはじめ、QBRで議論すべき重要トピックなどを解説します。

QBRとは

はじめに、 QBRの定義や目的について解説します。

QBRの定義

QBRは(Quarterly Business Review)の略であり、日本語では「四半期ビジネスレビュー」と訳されます。
QBRは、四半期(3ヶ月)ごとに目標や計画などをクライアントと振り返り、今後の計画やアクションについて議論する会議です。主に営業部やマーケティング部、またはコンサルタントがクライアントに対して開催します。

QBRの目的

QBRの主な目的は以下のとおりです。

  • クライアントとの関係性維持・強化
  • 進捗状況の確認
  • 戦略の確認・見直し

どのようなビジネスでも、人と人とのつながりは重要です。QBRの場で定期的に顔を合わせることで、信頼関係を構築することも目的の1つです。またビジネス上の進捗や戦略の妥当性などを評価し、必要に応じて見直す場でもあります。

そのほか、情報をキャッチアップできる機会の創出や、自社の成果・価値を正しくクライアントに理解してもらうこともQBRの目的として挙げられます。

なぜQBRは四半期ごとに行うのか

QBRは「四半期ごと」に実施する点がポイントです。

仮にQBRを年次で行う場合、クライアントとのコミュニケーションが希薄になりがちです。また、進捗確認のスパンが空いてしまうため、戦略見直しなどのアクションが遅れてしまう恐れもあります。

さらに、会計などを含む企業活動は四半期単位が多いため、進捗確認や戦略見直しの時期に都合がよいという点も、QBRを四半期ごとに開催する理由の一つに挙げられるでしょう。

ただし、企業のリソースは限られています。そのため「重要クライアントは四半期ごとにQBRを実施するが、それ以外は年次で実施」というように、費用対効果を踏まえた運用も必要です。

効果的なQBRの実施手順

ここでは、効果的なQBRの実施手順を次のステップごとに解説します。

  1. 事前準備
  2. QBRの実施
  3. フォローアップ

1.事前準備

QBRは事前準備をせずに開催すると雑談で終わってしまい、効果を得られません。

効果的なQBRを行うためには、あらかじめ目的、参加者、スケジュールなどを設定しておくことが重要です。
また、設定したQBRの目的を達成するために、売上関連情報や進捗状況などの情報収集・分析をはじめ、必要に応じて関係者へアンケートなどを行い、意見を収集しておくとよいでしょう。

また、当日のアジェンダおよび議論ポイントを整理し、事前に参加者へ配布しておけば、短時間でも有意義な議論を行えるはずです。参加者側も、事前にアジェンダや議論ポイントに目を通しておき、必要な情報を整理しておくことをおすすめします。

2.QBRの実施

QBRの当日は、あらかじめ設定したアジェンダに基づいて進行しましょう。

QBRは四半期ごとに限られた時間で開催されますが、特定の議論だけに時間を費やしたり、議論が発散しがちです。効果的なQBRにするためには、各アジェンダにかける時間を設定した上でファシリテーターがタイムマネジメントを行い、議論をコントロールしながら進める必要があります。
また、参加者全員が議論の目的を理解し、深い議論を行う心掛けも重要です。

そのほか、微細な疑問点などはあらかじめ解消しておいたり、定性的な情報ではなく、定量的な情報をベースとした議論を行うこともQBRの効果を高めます。また、QBR終了時は次回の開催日程を決めておくとよいでしょう。

3.フォローアップ

QBR実施後は、速やかに議事録を配布しましょう。また、QBRで発生した疑問点などの解消も必要です。さらに、目標達成のために必要な対策の検討・実施はもちろん、次回準備の一環として、進捗状況の定期的な追跡も求められます。

QBRで達成すべき指標

QBRで達成すべき目標とKPI(重要業績評価指標)は、企業の戦略や経営状況によって異なります。主要目標とKPIの例は次のとおりです。

主な目標KPI(重要業績評価指標)
売上拡大
  • 新規顧客獲得数
  • 顧客継続率
  • 1顧客あたりの平均購入額
  • 市場シェア拡大
  • 市場シェアに対する増加率
  • 新規市場参入率
  • 顧客満足度向上
  • CSATスコア
  • NPS
  • 問題解決率
  • 反復問い合わせ率
  • 効率アップ
  • 生産性向上率
  • 不具合の削減率
  • 問題解決までの時間

  • また、財務部門がQBRを実施する場合の主要目標とKPIは下表のとおりです。
    主な目標KPI(重要業績評価指標)
    収益向上
  • 総収益
  • 営業利益
  • ROA
  • 財務リスク削減
    (資金効率性向上)
  • 財務レバレッジ率
  • CF安定性
  • 資本コスト最適化
    (適切な資金調達
  • 負債比率
  • 自己資本比率
  • 資本コスト

  • これらを参考にした上で、自社の戦略などとマッチする目標やKPIを設定・確認しましょう。

    QBRで議論すべき重要トピック

    QBRでは、以下の重要トピックについて議論しましょう。

    • 達成状況の確認およびレビュー
    • ビジネス環境の確認
    • 将来の戦略およびアクションアイテムの検討

    達成状況の確認およびレビュー

    QBRでは達成状況のレビューを行いましょう。

    達成した目標に関しては、成果を得られた具体的なアクションや再現性を確認することが重要です。また、未達となった目標については、下記のポイントについてヒアリングした上で、今後の活動に活かすとよいでしょう。

    • 目標までの差分
    • 具体的な原因
    • 進捗を阻害する課題

    QBRは一般的に対面型の会議形式で開催されるため、一歩踏み込んだ議論を行いやすい点が特徴です。メールなどのテキストベースのコミュニケーションでは解決が難しい問題を打開できるチャンスだと捉え、積極的な議論を展開することをおすすめします。

    ビジネス環境の確認

    ビジネス環境の確認もQBRで議論すべき重要なトピックです。

    ビジネス環境は常に激しく変化しているため、QBR実施時に定期的に確認および議論しましょう。世界情勢や市場動向などをはじめ、競合他社やクライアント自身の状況に至るまで広範囲にわたる状況整理が求められます。

    なお、ビジネス環境の確認や分析を行う際は、PEST分析や3C分析などのフレームワークを活用しましょう。

    将来の戦略およびアクションアイテムの検討

    QBRでは、クライアントの達成状況やビジネス環境を踏まえた上で、今後取るべき戦略や計画について議論しましょう。

    今後のアクションアイテムについては、以下分類を理由とともに記載することが重要です。

    • (新規)実行すること
    • 継続すること
    • 中止すること

    なお、新たに発生したアクションアイテムはしっかりと記録し、責任者や担当者を決定しておくことをおすすめします。

    まとめ

    今回はQBRについて解説しました。

    QBRは「四半期ビジネスレビュー」の略であり、「クライアントとの関係性維持・強化」「進捗状況の確認」「戦略の確認・見直し」などを目的に開催します。QBRの効果を最大化するには、正しい実施手順と議論すべきトピックについての共通認識を持つことが重要です。

    最適な経営戦略の設定や収益最大化などを実現したい方は、本記事を参考に効果的なQBRの実現にチャレンジしてください。


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