• 作成日 : 2023年9月27日

工数管理とは?メリットや課題、ポイント、効果的なツールなどを解説

工数管理とは、プロジェクト完了までに必要な作業量や作業人数を管理する活動・取り組みを指します。工数管理を行うことで、プロジェクトに必要な作業量や人数を把握でき、効率的なプロジェクト体制の整備やタスクの割り振り・実行が可能になります。
本記事では、工数管理の概要やメリット、課題、ポイント、効果的なツールなどについて解説します。

工数管理とは

工数管理とは、プロジェクトが完了するまでにかかる作業量や人数を管理する活動・取り組みのことです。
そもそも工数とは、ある作業を完遂するために必要な作業量であり、人数と時間を掛けて算出されます。

工数には、人月や人日、人時などの単位があり、プロジェクトによって用いられる単位は異なります。プロジェクトを効率的に進め、スケジュール通りに完了させるためには、工数管理をしっかりと行うことが重要です。

工数管理を行うメリット

工数管理を行うメリットとしては、主に以下の点が挙げられます。

  • プロジェクトを推進しやすくなる
  • プロジェクト体制の最適化が図れる
  • 定量的な成果確認ができる

プロジェクトを推進しやすくなる

工数管理を行うことで、プロジェクトをスムーズに推進できるようになります。
工数管理によってプロジェクト内のどのタスクにどの程度の時間がかかるかを定量化できるため、各タスクに多少の余裕を設けておくことで、プロジェクト推進中に生じるタスク遅延の影響などを軽減することも可能です。

また、各担当者にとってはどのタスクをいつ担当するのかが明確になるため、各タスクにより集中して取り組むことができるでしょう。

プロジェクト体制の最適化が図れる

工数管理を行うメリットには、プロジェクト体制の最適化も挙げられます。
プロジェクトの工程やタスクごとに担当者と工数を可視化することで、誰がどの程度の作業量を抱えているのかがわかります。

作業量や作業スキルに偏りがある場合は負荷分散もできるようになるため、最適な人員体制でプロジェクトを進行することが可能です。

定量的な成果確認ができる

工数管理を行うことで、定量的な成果確認ができる点もメリットです。
各担当者の作業工数の実績を数値で確認できるため、それぞれの担当者がどの程度の成果を出しているのかがわかりやすく、モチベーションの維持・向上が図れます。

チーム内で成果状況の共有やディスカッションを行うことで、業務上の気づきや改善提案などにもつながり、組織力の向上も期待できるでしょう。

工数管理における課題

工数管理には前述のようなメリットがある一方で、課題も存在します。工数管理の主な課題は以下のとおりです。

  • そもそもどの程度の工数が必要となるのかわからない
  • 作業工数を入力する手間がかかる
  • 数値の管理だけに目が行きがちになる

そもそもどの程度の工数が必要となるのかわからない

工数管理における課題のひとつは、プロジェクト推進に必要となる工数のボリュームの把握難しい点です。
組織・チームのプロジェクト実施経験が浅い場合や、過去に類似のプロジェクトを経験していない場合などに生じやすい課題であるといえます。

工数を把握するためには、現場担当者へのヒアリングを行ったり、作成予定の成果物を洗い出して作業工数を試算したりすることが重要です。

作業工数を入力する手間がかかる

工数管理では、各担当者が日々の作業工数を入力する必要があるため、入力の手間が生じる点も課題です。

プロジェクトのタスクを進めるための時間だけでなく、工数を入力・記録するための事務的な時間も必要となります。

数値の管理だけに目が行きがちになる

工数管理ではプロジェクトの各工程や各タスクの作業工数を定量化できる分、定量化した数値の管理だけに目が行きがちになる点も課題であるといえます。

プロジェクトの状況を適切に把握するためには、数値上の工数データだけでなく、業務現場に足を運んで実際に確認することも大切です。

工数管理を効果的に行うポイント

ここでは、工数管理を効果的に行うポイントとして、以下の事項について解説していきます。

  • 工数の予定と実績の両方を管理する
  • 数値の確認だけでなく、業務現場の状況の把握にも努める
  • なるべく作業工数を入力する負荷を軽減する

工数の予定と実績の両方を管理する

工数管理では、工数の予定と実績の両方を管理することがポイントのひとつです。
例えば、工数実績だけを管理していた場合、実績値の評価を行うことが難しくなってしまいます。

予定と実績の両方を管理することで、両者の間にどの程度の差異があるのかを把握でき、差異が発生した要因分析や今後の改善などにつなげられます。

数値の確認だけでなく、業務現場の状況の把握にも努める

工数管理を効果的に行うポイントとしては、工数データと業務現場の両方を確認することも挙げられます。
工数管理の目的はプロジェクトをスケジュール通りに完了させることであり、工数の数値を管理することはあくまで手段の一つです。

そのため、工数データの管理はしっかりと行いつつも、業務現場の様子や担当者からの声なども把握しておくことが重要となります。

なるべく作業工数を入力する負荷を軽減する

工数管理では作業工数の入力の手間も課題となるため、なるべく作業工数を入力する負荷を軽減することもポイントです。
毎日の作業工数の入力は5分~10分程度で終わることが多いものの、積み重なればそれなりの時間になります。

作業工数の入力の負担を軽減するためには、入力作業を効率化するためのツールの活用などが効果的です。

工数管理に役立つツール

工数管理に役立つツールとしては、主に以下が挙げられます。

  • エクセル
  • 工数管理ツール
  • ERP

エクセル

工数管理に役立つツールのひとつにエクセルがあります。
エクセルであれば導入済の企業も多いため、新たにツールの導入を行わなくてもすぐに管理を開始できるでしょう。

しかし、追加費用やツールの学習コストを抑制できる点などがメリットとなる一方で、エクセルの場合は各担当者が作業工数を手入力する必要があります。また、エクセル関数やマクロなどの管理が特定の担当者に依存しがちな点もデメリットです。

工数管理ツール

工数管理ツールは、プロジェクト推進における作業工数を管理するためのツールです。
作業工数は手入力だけでなく、カレンダーやスケジュールと連携して管理することも可能であり、効率的な工数管理を行えます。

また、未入力の項目や入力期限を超過した項目に対して、アラート通知を行う機能もあります。工数管理の状況をレポートとして出力する機能もあるため、チームで工数管理の状況を確認したい場合などにも有効活用できるでしょう。

ERP

ERP(Enterprise Resources Planning)は、ヒト・モノ・カネ・情報などの経営リソースを一元管理し、有効活用するための計画・考え方のことです。
企業内のあらゆるデータを一元管理するためのツール・システムを指す場合も多く、ERPを使うことで各種データの集約や有効活用を実現できます。

プロジェクトの工数管理に役立つ点では工数管理ツールと同様ですが、ERPであれば販売や会計、人事といったより広範な業務領域との連携を図ることも可能です。

ERPのメリットなどについては、以下の関連記事も併せてご確認ください。

まとめ

工数管理とは、プロジェクト完了までに要する作業量や人数を管理することです。工数管理を行うことで、プロジェクト推進の円滑化やプロジェクト体制の最適化、定量的な成果確認などが図れます。

一方、工数管理では工数を正確に予測する難しさや工数を入力・記録する手間などが課題となります。

工数管理を効果的に行うためには、工数の予定と実績の両方を管理することや、数値だけでなく業務現場の状況を直接確認することなどがポイントとなるでしょう。工数管理に役立つツールとしては、エクセルや工数管理ツール、ERPがあります。


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