• 作成日 : 2022年12月29日

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは? 定義とERPの活用で実現できることをわかりやすく解説

ここ数年の間に、多くの企業でDX(デジタルトランスフォーメーション)が推進されています。しかし、DXに着手しはじめたものの、“業務のデジタル化”で止まってしまい、本質的にDXを実現できている企業はあまり多くはありません。

ここでは、DXとはなにか、ビジネスのデジタル化とはどう異なるのか、実現するにはどのようなステップが必要なのかなど、DXの概要とクラウド型ERPの活用で実現できることを解説します。

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DX(デジタルトランスフォーメーション)とは

DX(デジタルトランスフォーメーション)には、さまざまな意味があります。もともとはIT技術を活用し、人々の生活をより良く改善・進化させていくことを指します。

ビジネスシーンにおけるDXは、経済産業省が日本におけるDXについて言及した「DXレポート」や、経営者向けにDXを推進するうえでのポイントが提示された「DX推進ガイドライン」に、企業活動に沿った内容が定義されています。

ビジネスにおけるDXの定義

経済産業省の「DX推進ガイドライン」によると、ビジネスにおけるDXは、次のように定義されています。
「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズをもとに、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」

また、経済産業省の「DXレポート2」では、DXを次のように定義しています。
「組織横断/全体の業務・製造プロセスのデジタル化、“顧客起点の価値創出”のための事業やビジネスモデルの変革」

参考:DXレポート2(中間取りまとめ)|経済産業

この2つの定義から、ビジネスにおけるDXには次のようなポイントがあることがわかります。

  • 業務の一部や業務プロセスではなく、企業や組織全体をデジタル化すること
  • データや技術を活用して製品やサービスだけでなく、ビジネスモデルや企業文化まで変革すること
  • それらの変革をもとに、企業の競争力、優位性を維持・向上すること

DXの3段階

DXには、その達成度合いに応じた3つの段階があります。それぞれ、どのような段階を指すのか解説します。

  1. デジタイゼーション
    これまでアナログで行われてきた業務にITツールを導入し、業務の一部をデジタル化すること。これは、「ツールのデジタル化」とも言えます。
  2. デジタライゼーション
    特定の業務プロセスを整理して、プロセスをまるごとデジタル化すること。その結果、新しい価値やビジネスモデルを生み出すことができます。これは、「プロセスのデジタル化」とも言えます。
  3. デジタルトランスフォーメーション
    企業全体をデジタル化し、ビジネスモデルだけでなく組織や企業そのものを変革し、顧客や社会のニーズに合わせて新しい価値やビジネスモデルを生み出していきます。これは、「ビジネスのデジタル化」とも言えます。

DX(デジタルトランスフォーメーション)化とデジタル化、IT化の違い

DXとデジタル化、IT化は似ていますが、厳密には異なるものです。

「IT化」とは、IT(Information Technology)技術を活用して業務をデジタル化し、業務効率化を実現することで、デジタイゼーションにあたります。

「デジタル化」とは、IT技術の進化により、データや技術を活用して業務プロセスの効率化を図り、新たな価値やビジネスモデルを生み出すことです。デジタル化には、アナログで行ってきた業務をデジタル化して効率化すること(デジタイゼーション)と、デジタル技術やデータを活用して新しい価値やビジネスモデルを生み出すこと(デジタライゼーション)の2つが含まれます。

「DX(デジタルトランスフォーメーション)」は、さらに次のステップで、業務やビジネスモデルだけでなく、企業全体を変革するものです。

IT化やデジタル化の主な目的は、自社の業務効率化です。しかし、DXの目的はさらに企業文化や企業のあり方全体を変革し、顧客視点から新しい価値を提供し、企業の競争力や優位性を維持・向上させることと言えます。

IT化やデジタル化は、DXを実現するためのひとつの手段にすぎないのです。

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企業がDXに取り組むべき理由

そもそもなぜ政府は、DXの推進を進めているのでしょうか?その理由は、大きく3つ挙げられます。日本の企業がDXに取り組むべき理由について、詳しくみていきましょう。

「2025年の崖」への対策

日本企業の多くは「2025年の崖」と言われる問題に直面しています。これは「複雑化・老朽化・ブラックボックス化した既存システムが残存した場合、2025 年までに予想される IT 人材の引退やサポート終了等によるリスクの高まり等に伴う経済損失は、2025 年以降、最大12兆円/年(現在の約3倍)にのぼる可能性がある」という問題です。

参考:DXレポート ~IT システム「2025 年の崖」の克服と DX の本格的な展開~|経済産業省

変革することなく、現在の既存システム(レガシーシステム)を使い続ければ、急速にデジタル化が進む環境に対し新しい機能や技術に対応できない、あるいは維持管理に必要な人材が確保できないなどの理由から企業の競争力は失われ、大きな経済損失につながると政府では予想しています。また、いずれは使用しているアプリケーションなどのサポートは終了し、セキュリティの面でも大きなリスクにさらされることになります。

こうした問題に対処するには、DXの推進が不可欠です。2025年の壁を乗り越えるためにも、できるだけ早い対応が求められているのです。

働き方改革の実現

ビジネス環境が大きく変化した今、テレワークや時短勤務など、多様な働き方が求められています。政府はこれを働き改革として推進し、企業は働き改革に柔軟に対応し実現することで、人材不足を解決したり優秀な人材を獲得したりすることができるようになります。そのためには、業務のデジタル化やDXの推進が有効だと考えられているのです。

働き改革におけるDXを推進するメリットには、次のような点があります。

  • 業務をデジタル化することで、時間や場所を問わず業務用のファイルやシステムにアクセスし、仕事をすることが可能になる
  • 業務効率化により作業時間を削減でき、時短勤務が可能になる
  • レガシーシステムを刷新し、新しい技術や機能に対応できるようになる

企業の競争力、優位性の維持・向上

DXにより、大幅な業務効率化や生産性の向上が期待できます。例えばデータやデジタル技術を活用することで社員をシンプルな単純作業から解放させ、本来やるべき業務に集中させたり、よりクリエイティブな作業へ転換させたりすることができるようになります。

その結果、社会や顧客のニーズをもとにした新しいビジネスモデルを創造することが可能になり、企業は高い競争力や優位性を維持、向上させることができるのです。

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クラウド型ERPの活用でDXを実現

速やかに「2025年の崖」問題への対策を行い、DXを推進していくには、クラウド型ERPの導入をおすすめします。クラウド型ERPは、オンプレミス型ERPに比べて次のようなメリットがあり、よりDXを加速することが可能です。

一般的なERPのDXへのメリットについては「DX(デジタルトランスフォーメーション)推進ガイドラインとは? ポイントとERPが担う役割をわかりやすく解説」を参考にしてください。

経理部門のテレワーク化

クラウド型ERPを導入することで、紙の書類が多いバックオフィス業務もペーパーレス化を進めることが可能になります。ペーパーレス化が進むことで、これまでオフィスに出勤しなければできない業務もテレワークで対応が可能になり、バックオフィスのテレワーク化につながります。

業務の標準化と効率化

ERPを導入するためにはシステムに合わせて業務フローを見直す必要があり、それにより属人的になってしまっていた業務や無駄な業務を削減することで業務の標準化と効率化が可能になります。
また、ERPはデータが自動連携されるため、データの転記など人的ミスの発生しやすい業務を廃止することができます。

監査対応のデジタル化

ERPは各システムを統合したデータベースにアクセスするため、正確性が保証されています。

ERPの機能を活用することで、人的ミスや内部不正の防止、アクセス管理、操作ログの保存などが可能で、内部統制を強化することができます。また、監査の際にもERPに保存されている証憑を確認することができるため、これまでのように紙の書類を集めて用意するということも不要になります。

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まとめ

DXとは、デジタルトランスフォーメーションの略で、企業全体またはビジネスそのものを変革させることを意味します。

DXは、単なる業務をデジタル化することではありません。企業活動全体をデジタル化し変革することで新しい価値を生み出し、企業の競争力や優位性を維持、向上させることを目指します。DXの目的は、これらの変革そのものなのです。

このDXの推進において、現在、日本の企業は世界から遅れをとっているのが現状です。「2025年の崖」に記されているように、IT人材の不足をはじめ、世界的に大きな変化が進むビジネス環境への対応の遅れが競争力の低下を招くなど、多くの問題を抱えています。世界的にデジタル化が急速に進み、進化し続けるビジネスシーンのなかで生き残っていくためには、できるだけ早いDXの推進が不可欠なのです。

そのためには、社内のデジタライゼーションを進め、DXを推進できるような基盤を作る必要があります。業務の標準化と効率化を実現し、バックオフィスのテレワーク化を進めるにはクラウド型ERPの導入がおすすめです。

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株式会社藤井大丸 会計課 上杉様

マネーフォワード クラウドERPをご利用のお客様の声

マネーフォワード クラウドを導入し、業務改善の積み重ねたことにより、紙の使用量を半分以上削減し、ペーパーレス化に成功しました。また、業務効率化にも成功し、人的リソースを削減しながら月次締めにかかる日数を3営業日短縮することができました。

株式会社藤井大丸 会計課 上杉様


よくある質問

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズをもとに、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立することです。

企業がDXに取り組むべき理由とは?

「2025年の崖」への対策と働き方改革の実現、企業の競争力、優位性の維持・向上のためです。

クラウド型ERPの活用で実現できることとは?

経理部門のテレワーク化や業務の標準化と効率化、監査対応のデジタル化を実現します。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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