バルス株式会社

システム間の連携でバックオフィス全体の効率化と内部統制の強化を実現

バルス株式会社 コーポレート 人事労務総務マネージャー 中村洋祐様
コーポレート 経理担当 相澤香恋様
  • 課題

    ・会社設立に伴い︎、連携を強みとするバックオフィスシステムを探していた
    ・その後、IPO準備に向けて内部統制の強化が必要だった
    ・業務の属人化や情報の分散化が起こらないバックオフィス体制の構築を目指していた

  • 結果

    ・システム間の連携や外部とのAPI連携により、ミスの削減と業務効率化を実現できた
    ・マネーフォワード クラウド会計Plusの承認機能で内部統制強化につながった
    ・連携機能を活用し、ほとんどの業務を自動化することができた

会社設立のタイミングでマネーフォワード クラウドを導入。必要なシステムを段階的に拡張し、IPOにも耐えうる体制構築に成功
ライブプラットフォーム「SPWN」の運営や、XRコンテンツの企画・制作・運営を手掛けるバルス株式会社。コーポレート部門のメンバーは7名で、人事労務総務と財務経理の2チームに分かれています。IPOに向けた内部統制の強化や月次決算業務の早期化などを図るため、マネーフォワード クラウド会計Plusをはじめとするマネーフォワード クラウドの各種ツールを導入。マネーフォワード クラウド間および他社システムとの連携をスムーズに行えるようになり、「バックオフィス業務全体の効率化やIPOに耐えうる体制構築に成功した」という同社に、導入の背景や導入後の効果を伺いました。

会社設立に伴い、会計ソフトの導入が必要でした。

システム間の連携でバックオフィス全体の効率化と内部統制の強化を実現

――まずは貴社の会社概要と事業内容について教えてください。

中村:当社は「Update Entertainment:高度な知識がなくても、誰もが気軽に作り、ファンと一緒に楽しめる環境を作る」というミッションのもと、主にVTuber(バーチャルYouTuber)をはじめとするあらゆるアーティストのXRライブ・イベントの企画から制作までを支援しているほか、ライブプラットフォームである「SPWN」の運営を行っております。「SPWN」は、配信だけでなくグッズ販売や顧客分析などもできることが特徴です。VTuber様やライブ配信を行う企業様にメリットがあることに加え、エンドユーザーであるVTuber様のファンの方たちに向けたサービスも提供しています。
当社の強みとしては、プラットフォーム事業とXRライブ事業の二軸で、ライブ制作から配信、グッズ販売まで一気通貫でサービスを提供できる点が挙げられます。
また、2017年設立と比較的若い会社ということもあり、20代から30代前半のフットワークの軽い社員がたくさん活躍している点も特徴です。

――コーポレート部門の体制や、ご自身の役割、コーポレート部門全体における目標についてもお教えください。

中村:コーポレート部門は人事労務総務と財務経理の2つのチームに分かれており、私は人事労務総務チームのマネージャーをしております。人事労務総務チームは私を含めて3名体制で、文字通り人事・労務・総務に関する業務を取りまとめています。私自身はチームの全体統括が主な役割で、その他の2名で人事労務担当と総務担当を分担しています。
人事労務総務チームでは、マネーフォワード クラウド給与やマネーフォワード クラウド年末調整、マネーフォワード クラウドマイナンバーを利用しています。給与計算に関しては、委託している社労士から提出されたものをマネーフォワード クラウド給与へアップロードし、そのチェック対応を社内のメンバーで行うという流れで委託先の社労士とも連携しながら利用しています。

相澤:私は財務・経理チームで経理を担当しています。財務経理チームも同じく3名体制で、マネージャーが1名、実務担当者として私ともう1名が所属しています。月次決算業務やIPO準備などが主な担当業務で、実務担当2名で分担し業務に取り組んでいます。
財務・経理チームではマネーフォワード クラウド会計Plus、マネーフォワード クラウド経費、マネーフォワード クラウド請求書を利用しています。

中村:人事労務総務チームで掲げている目標は、「ミスのない運用」です。給与計算や社会保険などは社員にダイレクトに影響する部分のため、間違えることのないように心がけています。
今後は事業拡大に伴い人員拡大を予定しており、業務量が増えることが予測されるため、ミスのない運用と併せて業務効率化を加速させていくことも目標の1つです。また、業務の属人化や情報の分散化も課題であると感じているため、それぞれの業務や情報のありかを明確にすることで、業務の標準化にも取り組んでいます。

相澤:財務・経理チームでは、月次決算の早期化を大きな目標として掲げており、具体的には月初7営業日以内に締めることを目指しています。以前までは予実分析も含め、月次決算を締めるまでかなりの時間がかかっていました。最も時間がかかっていた頃は毎月23〜25日くらいまで締め業務を行っており、営業日換算では15〜17営業日程度要していたと思います。
現在は業務改善が進んだこともあり、直近数か月は月初の7営業日以内に締めるという目標を達成できていますが、余裕がある状態ではないため、さらなる早期化を目指しています。

――マネーフォワード クラウドの導入に至った背景についてお聞かせください。

中村:当社では会社設立時に導入する会計システムを探していました。当時の担当者からは、複数の会計システムを比較検討した上で、マネーフォワード クラウドを導入したと聞いています。マネーフォワード クラウド間の連携はもちろん、その他の周辺システムとの連携を重要視しており、その点でマネーフォワード クラウドが最もスムーズに連携できると判断し、導入を決定したようです。

IPOに向けてマネーフォワード クラウド会計Plusを導入。承認機能やログの管理で内部統制の強化に。

――マネーフォワード クラウド会計からマネーフォワード クラウド会計Plusへ移行された背景と移行後の効果について教えてください。

中村:マネーフォワード クラウド会計Plusに移行した一番の目的はIPOに向けた内部統制の強化になります。特に、仕訳の承認フローの部分は監査法人からも指摘を受けていたため、早急に整備する必要がありました。

相澤:マネーフォワード クラウド会計Plusにはシステム内に承認フローの機能があることに加え、修正などのログも残すことができるため、内部統制の強化にとても役立ちました。申請中なのか承認済みなのか、差し戻し中なのかなど、それぞれの仕訳のステータスがすぐにわかる点や、どのようなステータスのものを最初に探すように設定するのか個人のアカウントで設定することができる点もとても便利です。

各仕訳に証憑や関連URLを添付できるという点も、内部統制の強化はもちろんのこと、日頃の業務効率化にも役立っています。これまでは証憑を確認する必要があるときに、各仕訳に証憑が添付されておらず、探すのに手間と時間がかかっていましたが、マネーフォワード クラウド会計Plusに移行してからはそのような負担が軽減されたと感じています。

――マネーフォワード クラウドを実際に利用してみての感想を教えてください。

中村:人事労務総務チームでは個人情報を扱う業務が多いのですが、マネーフォワード クラウドはクラウドシステムであるため、セキュリティが担保されており、紙での管理やオンプレミス型のシステムと比較して安心して利用できます。特にマイナンバーは秘匿性の高い情報であり、紙での管理はリスクがあると考えていたため、マネーフォワード クラウドマイナンバーでは従業員本人が情報を入力し、根拠資料をデータでアップロードできるので、管理上とても役立っています。
また、マネーフォワード クラウド給与ではCSVデータを取り込むことで従業員を一括登録・一括編集ができる点がとても便利だなと感じています。

相澤:財務・経理チームとしては、マネーフォワード クラウドを導入したことでリモート勤務など、多様な働き方に柔軟に対応できるようになりました。例えば、産休前の社員が出社することが難しい場合でも、自宅からクラウド上の会計システムにログインすることができる環境のため、働きやすいという声が上がっています。
また、日々新機能のアップデートや改善がなされている実感があります。特に、プロジェクトマスタは待望していた機能でしたので、アップデートがあり非常に嬉しかったです。もともとプロジェクト単位で収支を確認したいというニーズがあり、これまでは取引先をマスタとして使い、アナログでプロジェクト管理をしていましたが、アップデートがあってからは仕訳で取引先やプロジェクトを設定できるようになり、情報の検索が非常に容易になりました。

システム間の連携やAPI連携を活用することで手作業を削減し、バックオフィス全体の効率化に成功。

――マネーフォワード クラウド間の連携や、その他の周辺システムとの連携で得られた効果があれば教えてください。

中村:現在は給与計算を社労士に委託していますが、社労士は他社システムを導入しているため、そのシステムと連携する必要があります。社労士から提出されたCSVデータをマネーフォワード クラウド給与へアップロードしているのですが、汎用性があり、スムーズにアップロードできる点がとても良いです。
マネーフォワード クラウド内での連携では、マネーフォワード クラウド給与とマネーフォワード クラウド年末調整との連携ができる点も非常に良い点です。年末調整の際に都度紙に記入して提出するのではなく、給与データから基礎情報を年末調整へと連携できるのでミスが発生せず、従業員にとっても入力工数の削減になっています。

相澤:経費や請求書、給与などの周辺システムとの自動連携や、銀行、クレジットカードなどとのAPI連携のお陰で、仕訳の計上に関するミスを防げるようになりました。特に、クレジットカードは金額が少額のケースもあり、これまでは取引のたびにすべての内容を確認して入力していく必要がありましたが、自動化・機械学習の機能があることで工数の削減につながっています。また、財務・経理チームでは受取請求書の処理は他社システムを導入しており、そのシステムで振込データの作成や仕訳登録をしているのですが、マネーフォワード クラウド会計Plusとスムーズに連携できました。
仕訳登録に関しても、インポート機能を使ってスムーズにできましたし、部門設定や勘定科目の連携についても迷うことなく行えたのは大きな効果でした。この点は月次決算の早期化に大きく寄与したポイントだと思います。

中村:また、マネーフォワード クラウドを導入し、連携機能を活用することで、ほとんどの業務を自動化できています。一部、CSVデータの加工や入退社に伴う個人情報の入力は手作業で実施している部分もありますが、業務の中ではごくわずかです。前職では多くの業務をアナログで対応していたので、改めてとても助かるシステムだと実感しています。

相澤:財務・経理チームもほぼ自動化できていますが、売上管理は一部手動で対応しています。請求書を発行している売上については、マネーフォワード クラウド請求書で請求書を発行し、そこから自動で計上できているのですが、自社サービスで売上が発生したものについては、手作業で入力しているため、ここは今後の課題だと認識しています。

今後の会社の変化にもマネーフォワード クラウドを活用して柔軟に対応していきたい。

システム間の連携でバックオフィス全体の効率化と内部統制の強化を実現

――今後のチームや業務についてお考えになっていることがあれば教えてください。

中村:今後は従業員数を増員する方針であり、働き方の多様化やそれに伴う給与体系や福利厚生の見直しなどの変化が発生する見込みです。こうした変化や新しい環境に対し、マネーフォワード クラウドをもっと活用してスピーディーかつ安定的に対応していきたいと思っています。

相澤:現在は「月次決算を7営業日で締める」という目標は達成してはいるものの、今後会社が成長した場合にも現在の日数で締められるよう改善を続けていく状況です。会社の規模拡大に耐えうる体制を整え、月次決算をより短縮化できるようにすることが今後の目標です。さらなる業務の効率化を意識して、マネーフォワード クラウドを活用していきたいと思っています。

――最後に、マネーフォワード クラウドの導入を検討されている方々に向けて、メッセージをお願いいたします。

中村:まず、どの企業でも人事労務総務の業務では個人情報を扱うことが多いと思うので、マネーフォワード クラウドはクラウドサービスであるため、セキュリティ面で安心できるという点がおすすめのポイントです。また、連携機能が充実していることで、業務の効率化を実現でき、手入力の削減によるミスの低減を期待できるところもおすすめしたいポイントです。

相澤:マネーフォワード クラウド同士での連携が非常にスムーズで、業務の効率化に大きく貢献しているため、会計システムとあわせて経費や請求書などの周辺システムも一緒に導入することをおすすめします。マネーフォワード クラウドだけでなく、もし利用中の他社システムがある場合には、そのシステムとも連携できるかどうか確認し、バックオフィス全体で業務の自動化を目指すことで、内部統制の強化と月次決算の早期化を実現できると思います。


※掲載内容は取材当時の情報です。

バルス株式会社
「Update Entertainment:高度な知識がなくても、誰もが気軽に作り、ファンと一緒に楽しめる環境を作る」というミッションのもと、アーティストとファンが世界中どこにいても一緒に楽しめる場所を創るという想いから始まった。 チケット・配信・物販などの統合型プラットフォーム「SPWN Portal事業」と、VTuberをはじめとするアーティストのライブ・イベントの企画から制作までを一気通貫で支援する「XRライブ事業」の2つの事業を展開し、エンタメ業界のインフラとして必要な機能を網羅的に提供している。※掲載内容は取材当時の情報です。