- 作成日 : 2023年12月29日
エクセルでプロジェクト管理をするには?より効率化する方法も解説
プロジェクトの目標を達成するためには、関係するタスクやリソース(ヒト・モノ・カネ・情報)を効果的に管理することが大切です。
プロジェクトは、多くの従業員が複数のチームに分かれてタスクに取り組み、プロジェクト同士が関係性を持っていることが一般的です。
プロジェクトには考慮すべき項目が多くあり、それらを適切に管理することが、プロジェクトの成功を大きく左右します。
本記事では手軽に始めることができる、エクセルを使用したプロジェクト管理を効率的に行う方法などについて解説します。
目次
エクセルを使ったプロジェクト管理とは
プロジェクト管理の際に対象となることが多い、タスク、リソース、スケジュールの管理について、エクセルを活用したアプローチを解説します。
タスク管理
プロジェクト内のタスクを管理することで作業の抜け漏れを防ぐことができるほか、各タスクの優先度や関連性を明確にできます。
エクセルを用いたタスク管理では、すべてのタスクを一覧にまとめ、管理に必要な項目(期限、優先度、ステータスなど)も記載しておくことが重要です。
リソース管理
プロジェクトの進行に必要なリソース(人材や資源など)の割り当て・管理を行います。特に人材にフォーカスし、プロジェクトの状況の変化に応じて、適切に配置することが重要になります。
エクセルでリソース管理を実施する際は、メンバーの現在の稼働状況と今後の予定が確認できるようにしておき、チームや部門間で共有可能な状態にすることが大切です。
スケジュール管理
スケジュール管理とは、プロジェクト内のさまざまなタスクや作業の期日、優先順位を管理することです。
ガントチャートは、タスクの流れや期日、ステータスなどを視覚的に表し、プロジェクトの進捗状況を明確に表すのに適したツールです。
エクセルでガントチャートを作成することによりプロジェクト全体の進捗状況が可視化され、プロジェクトを効果的に管理できます。
エクセルの機能を使ったプロジェクト管理方法
ここからは、エクセルの機能を利用してプロジェクト管理を効率よく行う方法を説明していきます。
入力規則
タスクのステータスなど決められた値を選択する項目では、エクセルの入力規則という機能を使うとよいでしょう。あらかじめ決められた項目しか選択できないようにすることができ、データの整合性を維持しやすくなります。
フィルター
特定の行のデータだけを抽出表示させることができます。
例えば、優先度が高いタスクだけを表示させる、特定の担当者に割り振られたものだけを表示させることなどが可能です。
フィルター機能を利用すれば、タスクが増えてしまっても、必要な情報にすぐにアクセスできます。
条件付き書式
条件付き書式を利用すると、ステータスや優先度に基づいて、セルの色を変更することができます。
プロジェクトの中で特に注意すべきタスクを自動的に強調することができ、関係者へ手軽に情報共有が可能です。
ピボットテーブル
ピボットテーブルを利用することで、プロジェクト管理のデータを集計することが可能になります。
作業時間を記録していれば、各担当者の期間ごとの稼働時間を集計することができるので、負荷の確認なども簡単に行えます。
マクロ
マクロを利用すると、エクセルの作業を自動化できます。プロジェクト管理用のエクセルファイルは多くのメンバーが頻繁に利用するため、繰り返し作業を自動化することで、時間短縮につながります。
エクセルを使ったプロジェクト管理のメリット・デメリット
ここからは、エクセルでプロジェクト管理を行うメリットとデメリットについて解説します。
メリット
- 目的に応じたカスタマイズがしやすい
エクセルは多機能なので、図形や画像の挿入、データベース機能など、他の機能と組み合わせて利用することができます。
自由度が高く、ニーズに合わせてカスタマイズできる点がメリットです。 - ランニングコストがかからない
多くの企業ではあらかじめエクセルが導入されているため、新たにアプリケーションを購入する必要がありません。 - 広く普及しているツールであるため導入しやすい
エクセルは広く普及しているため、基本的な操作は理解している人が多く、学習コストがかかりません。 - テンプレートが数多く提供されている
シンプルなものから複雑なものまで、さまざまなテンプレートが提供されているため、プロジェクト計画を作成するのにかかる時間を短縮できます。
デメリット
- 管理の手間が増える
エクセルでのプロジェクト管理は、計画変更に対応しにくいです。
数値の変更程度なら簡単にできますが、そうでない変更が頻発すると、それに伴う煩雑な作業が発生してしまいます。 - メンテナンスや復元が難しい
エクセルで計算や集計のために関数を使う場合、扱う関数によっては特定の従業員しか理解できず、メンテナンスを限られた人に依存するという事態に陥ります。
また、誤って操作してしまった場合にデータの復元が困難になるリスクもあります。 - リアルタイムな更新が難しい
エクセルは、1つのファイルを同時に複数の人で編集できないという特徴があります。
これによってプロジェクト管理に関する入力作業が滞るなど、作業効率の低下につながりやすいです。 - ヒューマンエラーが起きやすい
エクセルは自由度が高い反面、計算方法を間違えるなどのヒューマンエラーが起きやすいというリスクがあります。
これらのヒューマンエラーはプロジェクト計画の作成時点だけではなく、運用中は常に発生する可能性があるため、注意が必要です。
プロジェクト管理をより効率化するために
エクセルでのプロジェクト管理の限界
エクセルでのプロジェクト管理には、手軽かつ低コストで自由にカスタマイズできるという特徴がありますが、仕事量や複雑な案件に対応するのには限界があります。
企業内の全てのプロジェクトの状況をエクセルのみで把握しようとすると、現場の負荷が高くなってしまうでしょう。
またプロジェクト管理においては、タスクやスケジュールだけではなく、コストや品質も重要な管理対象となるため、必要なデータの準備などに時間がかかりすぎる傾向があり、効率が落ちてしまいます。
ツールやシステムの導入
エクセルでのプロジェクト管理に限界を感じている場合は、プロジェクト管理ツールやERPなどのツールの導入を検討することが解決策の1つです。
- プロジェクト管理ツール
プロジェクト管理ツールは、企業内の全てのプロジェクトを「可視化」し、タスクの割り当てやタスクの進捗管理、メンバー間でのスムーズな情報共有などをサポートします。
プロジェクトの情報を一元管理でき、効率的なプロジェクト運営が可能になります。 - ERP
ERPシステムは、企業のさまざまな業務プロセスを統合し、情報の一元管理を実現します。
財務、人事、製造、販売などの異なる部門のデータを統合し、業務効率化やコスト削減、意思決定の迅速化を支援します。
プロジェクト中心のビジネスを展開する企業の方は、以下の記事も参考にしてみてください。
関連記事:プロジェクト管理型のビジネス企業に向けたERPについて
まとめ
プロジェクト管理において、タスクとスケジュールは情報量が少なく、エクセルでの管理が可能ですが、コストや品質管理はデータが多く、エクセルでは効率が低下します。
業務改善にはERPのプロジェクト管理機能などを活用し、コストと品質の分析を通じてビジネスを向上させるべきでしょう。
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