- 更新日 : 2024年7月16日
VUCAとは?いまの時代に必要なスキル!企業にとっての意味を解説
社会情勢は目まぐるしく変動し続けており、ビジネスの現場でも対応が求められています。しかし、先の読めない情勢への対応は極めて困難であり、苦慮している企業が多いでしょう。
当記事では、変動を続ける環境を生き抜くため、企業に求められるスキル「VUCA」について解説します。興味をお持ちの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
VUCAとは?
VUCAとは、社会情勢やビジネス環境の不確実性が高く、将来の見通しが立てづらい状況または、それらへの対応能力を指す言葉です。目まぐるしく変動を続ける現代のビジネス環境を生き抜くためには、VUCAを備えた企業となることが必要でしょう。
VUCAは略語
VUCAは、それ自体が1つの単語ではなく、4つの要素を表す英単語の頭文字を取った略語です。次項から4つそれぞれについて解説します。
Volatility
VUCAのVは「Volatility」から取られています。「変動性」を表す単語で、VUCAにおいては社会の仕組みや、人々の考え方などが変化することを意味します。
Uncertainty
VUCAのUは「Uncertainty」から取られています。「不確実性」の意味を持つ単語で、VUCAでは新型コロナウィルスのパンデミックなど、将来的に何が起こるか予測し得ない状況を指しています。
Complexity
VUCAのCは「Complexity」から取られており、「複雑性」を意味する単語です。VUCAでは、ビジネスのグローバル化などによって生じる国ごとの法律や慣習の違いに由来する取引環境やビジネスモデルの複雑化を指して使われます。
Ambiguity
VUCAのAは「Ambiguity」から取られています。「曖昧性」を意味する単語であり、VUCAでは、物事の因果関係が不明瞭であることを指して使用されます。SNSの普及によるニーズの多様化で、成功要因が把握しづらくなっていることなどが例として挙げられるでしょう。
VUCAが注目されるようになった背景
VUCAは、2016年に開催されたダボス会議で、「VUCA world」という言葉が使用されたことをきっかけとして注目を集め始めたといわれています。
現代では、人工知能や量子コンピューターなどをはじめとするテクノロジーの進歩が、目覚ましい速度で進んでいます。ビジネスにおけるIT化やDXの導入も早い速度で進んでおり、デジタルツールの活用はいまや当たり前となっています。また、新型コロナウィルスによるパンデミックなどは、多くの人は予想できなかったでしょう。
技術の進歩や未曽有のパンデミックは、ビジネスモデルの急激な変革をもたらし、既存の価値観や手法では対処が難しい状況です。そのように予測困難な現代のビジネス環境を背景として、VUCAに注目する企業が増えています。
VUCAを備えた企業になる方法
VUCAを備えることに多くのメリットがあることがわかりました。では、VUCAを備えた企業となるためには、どのようにすればよいのでしょうか。
ビジョンを明確化する
変動し続けるビジネス環境にあっても、目標となるビジョンはぶれることなく、明確でなければなりません。明確なビジョンがなければ、場当たり的な対応に終始し、根本的な解決は図れないでしょう。
リスクを恐れずチャレンジし続ける
既存の価値観にこだわっていては、変化への対応も望めません。そのため、VUCAを備えた企業となるためには、新しい技術や価値観を肯定的に受け入れることが必要です。新技術の導入などにはリスクが伴いますが、チャレンジし続ける姿勢が重要となります。
最新の情報をつねにキャッチアップする
ビジネスの現場では、膨大な情報が洪水のように流れ続けています。それらの情報を絶えず追いかけ、情報のアップデートを行い続けることは、的確な状況把握につながります。常に最新の情報を得ることは、変化し続ける現代において、対応のための大きな武器となるでしょう。
対話による相互理解を深める
VUCAを備えるためには、対話によるメンバー同士の相互理解が不可欠です。メンバーがお互いを理解していなければ、連携も図れず、変化する状況への適切な対応も困難となります。食事会や情報共有のためのミーティングを密に開催し、相互理解に努めましょう。
上層から意識改革を行う
従来の課題解決方法から脱却し、変化し続ける現代の環境に対応するためには、意識改革が必要です。そのためには、まず役員や役職者が率先して、範を示すことが有効な手段となります。上層部の意識が変われば、会社組織としての改革も進めやすくなるでしょう。
VUCAを醸成するためのキャリアプランを準備する
VUCAを備えた企業となるためには、VUCAを備えた人材が不可欠です。実際の業務を行う個々人がVUCAを備えていなければ、組織としてのVUCAも望めません。そのためには、専門家による支援や、学び直しなどを活用したVUCA醸成のためのキャリアプラン策定が必要となります。
組織情報の公開
VUCAを備え、変化へ対応するためには、情報の収集が重要な要素となります。対応のための情報がなければ、対応策も立てられないでしょう。しかし、会社組織における情報の把握は、役員や役職者などの上層部と従業員では異なっていることが通常です。情報格差を埋めるためにも、積極的な情報公開が必要となります。
メンバー各自の主体性をはぐくむ
従来のような指示待ちの姿勢では、変化する状況への対応は困難です。よりスピード感を持った対応のためにも、メンバー各自が主体的に行動することが求められます。また、主体性を持つことは、自分の仕事への責任感を持つことにもつながります。
評価基準の明確化
明確な評価基準を設けていなければ、どのような評価を下されるのか判然とせず、行動自体も不明瞭なものになってしまいます。VUCAを備えるためには、明確なビジョンに沿った行動が求められるため、評価基準の明確化は不可欠です。
VUCAを進める上で必要な人材
企業としてVUCAを備えるためには、適切な人材を選任し配置することが必要です。では、具体的にどのような人材が必要になるのでしょうか。
リーダーシップがある人
短期間のうちに目まぐるしく変動する状況に対応するためには、強いリーダーシップを持った人材が先頭に立つ必要があります。強力なリーダーシップを持った人材は、未知の状況にもうろたえることなく、適切な判断を下し、対応に当たってくれるでしょう。
コンセプチュアルスキル、ヒューマンスキル、テクニカルスキルを備えた人
変化への対応には、物事の本質を見極める「コンセプチュアルスキル」が必要となります。また、メンバー同士の相互理解を進めるためには、良好な関係構築を助ける「ヒューマンスキル」を持った人材による円滑なコミュニケーション促進が必要となるでしょう。業務上の知識や技術もVUCAには必要となるため、業務遂行能力である「テクニカルスキル」を持った人材も必要です。
責任能力のある人
VUCAを備えた企業への変革を遂行するには、最後まで投げ出すことのない高い責任能力が必要です。変革のためには、未知の状況へのチャレンジなど、困難を乗り越えることが必要となります。そのため、責任能力の低い人材では、途中で投げ出してしまいかねません。また、そのような態度では、明確なビジョンを維持することは難しく、変革は中途で終わってしまうでしょう。
VUCAを備えた企業への変革が必要
急速な技術革新や、パンデミックへの対応など現代のビジネス環境では、先を見通すことは極めて困難です。このような状況下にあっても、発展を続ける企業となるためには、VUCAを備えることが必要となります。そのために、ぜひ当記事を活用してください。
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