• 更新日 : 2024年4月1日

OEMとは?メリット・デメリットや成功に必要なポイントをわかりやすく解説

OEMとは、自社オリジナル製品の製造を他社へ依頼することを指します。
OEMは企業にさまざまなメリットをもたらしてくれる一方で、デメリットもある点に注意が必要です。

この記事ではOEMの概要やメリット・デメリットをはじめ、OEMを成功させるためのポイントなどを解説します。

OEMとは

OEMとは「Original Equipment Manufacturing(またはOriginal Equipment Manufacturer)」の略語であり、日本語に訳すと「オリジナル製品の製造業者」と表現されます。
簡単にいえば「自社オリジナル製品の製造を他社へ依頼すること」、あるいは「自社オリジナル製品の製造を他社へ依頼してできた製品」を指します。

OEMとして有名な製品のひとつが、トヨタの自動車である「ライズ」です。
ライズは、ダイハツが製造・販売する「ロッキー」のOEM製品となります。
つまり、ダイハツが開発・生産する「ロッキー」をトヨタへOEM製品として提供しているのが「ライズ」という自動車になります。

OEMのメリット

本章では、OEMの主なメリットについて解説します。

コスト削減

OEMを採用することにより、コスト削減が可能です。
OEM委託側は、製造を外部企業へ委託することで工場などの設備を自社で保有する必要がなくなります。また、製造に関わる人材の雇用も不要となります。
そのため、さまざまなコストの削減につながるでしょう。

リスク低減

OEM委託側は、製造(生産)に関するリスクを低減できる点もメリットのひとつです。

OEM委託側は、複数の製造受託業者と契約をすることで生産ラインの冗長化を実現できます。加えて、商品の需要と供給に応じて自由に製造量をコントロールすることもできます。
結果として在庫リスクなどはもちろん、財務面のリスクも軽減されるため、安定した経営を実現できるでしょう。

なお、OEM委託側は自社の規模以上の生産能力を獲得できるため、ビジネスのスケールに寄与する点もメリットだといえます。

専門性の集中

OEM委託側とOEM受託側が、後述する「垂直的分業」というOEM種類にあたる場合は、それぞれの専門領域に資源を集中できる点もメリットだといえます。

例えば製造業の場合、OEM委託側は「製品設計」に、受託側は「製品製造」にといったように各々の専門性を持つ工程に注力することで、自社の強みをさらに伸ばすことが可能です。

OEMのデメリット

OEMにはさまざまなメリットがある一方で、次のようなデメリットも存在します。

技術の偏り

OEMの委託側と受託側は、それぞれの工程に特化することになります。
その結果、自社で担当しない工程に関するノウハウやナレッジが蓄積しにくい環境になってしまいがちです。
結果的に長期的なスパンでみた場合、技術が偏る恐れがある点はデメリットだといえるでしょう。

利益率の低さ

受託側の利益率が低くなりやすい点も、OEMのデメリットに挙げられます。

製造業などには「スマイルカーブ」という言葉があります。
スマイルカーブとは、製造工程の上流(企画・設計など)と下流(販売・保守など)の利益率が高く、中流(製品の製造)は利益率が低くなることを表す言葉です。

OEM委託側は上流工程と下流工程を担当するため、利益率を高めることができます。
しかし、OEM受託側は利益率が低めの中流工程を担当するため、利益率が低くなってしまいがちです。

製造パートナー(OEM受託側)との競合リスク

OEM委託側は、受託側となる製造パートナーにノウハウを共有することになります。
そのため、自社の技術やノウハウが製造パートナーに流出するリスクがある点もデメリットのひとつです。
結果として、製造パートナーが強力な競合他社となることもあります。

OEMとODM、PBの違い

OEMと類似する言葉としては「ODM」や「PB」などがあります。
本章では、それらの違いについて解説します。

OEMとODMの違い

ODMとは「Original Design Manufacturing」の略語です。

OEMの場合、製品の製造を外部企業へ委託しますが、ODMの場合は「企画」→「設計」→「製造」といった広範囲な工程を外部企業へ委託する点が両者の違いです。
なお、OEMは委託側が主導権を持ち、ODMは受託側が主導権を持つ、あるいは委託側と対等なケースが一般的です。

OEMとPBの違い

PBは「Private Brand」の略語です。

PBとは、製品を販売する側で用いる用語であり、OEMやODMで製造した製品を販売側が持つブランドで販売することを指します。

OEMの種類と事例

ここでは、OEMの種類や事例について紹介します。

OEMの種類

OEMは「垂直的分業」と「水平的分業」という2つの種類に分けられます。

垂直的分業とは、製造プロセスを複数に分割した上で、技術を持つOEM委託側が比較的技術レベルが低いOEM受託側を指導しながら製品の製造を行う手法です。

一方で、水平的分業とは同レベルの技術水準を持つ企業同士がOEMを行うケースを指します。
水平的分業は、市場成長期や市場成熟期に生産量を増大する際に用いられることが多い手法です。

OEMの事例

OEMの事例としては、次のようなものがあります。

業界・業種などOEM委託側/OEM受託側概要
自動車トヨタ自動車株式会社/ダイハツ工業株式会社ダイハツ工業の「ロッキー」をトヨタ自動車の「ライズ」として販売。
アパレル株式会社ファーストリテイリング/株式会社マツオカコーポレーションユニクロの商品の縫製をマツオカコーポレーションが担う。
コンビニエンスストア・スーパーイオン株式会社/食品会社
セブン-イレブン/食品会社
イオンのPBである「TOPVALU」やセブン-イレブンのPBである「セブンプレミアム」などは製造をさまざまな食品会社にOEM委託。
化粧品株式会社資生堂 など/株式会社竹宝堂資生堂などの大手化粧品会社は、高品質の化粧筆を製造する竹宝堂にOEM委託。

OEMを成功させるためのポイント

OEMを成功させるためには、幾つかのポイントがあります。
本章ではそれらのポイントについて解説します。

信頼できるパートナーの選定

OEMは生産技術や製品の設計など、自社の強みとなる技術などを共有するためリスクが高めです。
万が一、技術漏えいや不正が発生した場合、自社にとって大きな脅威となってしまいます。
そのため、技術力はあることを前提に、自社と伴走してくれる信頼できるパートナーを選ぶことが重要です。

契約の明確化

OEMの場合、製造を外部へ委託することになりますが、各工程の責任範囲が曖昧になりがちです。
問題発生時に不要なトラブルを招かないためにも、品質や納期に関する契約を明確にしておく必要があります。

品質管理の徹底

OEM製品の品質に問題が発生した場合、自社のブランド価値や企業イメージが損なわれる恐れがあります。
OEMを成功させるためには、受託側にすべてを丸投げするのではなく、徹底した品質管理を行う必要があります。

まとめ

OEM委託側になれば、高利益体質のビジネスを構築でき、また、OEM受託側の企業も、OEM委託側としてビジネス領域を拡大していくことが求められます。

OEMを活用することで、自社の強みを中心としたビジネス展開が可能です。
さまざまな業界で熾烈な競争が繰り広げられる現代において、OEMは今後も更に拡大していくでしょう。

特にスタートアップ企業や中小企業がビジネスを継続していくためには、限られたリソースを、強みとなる事業へ集中的に投資することが重要になります。


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