• 更新日 : 2023年5月11日

ペーパーレス化とは | メリット・デメリットと推進のポイントを解説

最近は業種・業界を問わず、ペーパーレス化の動きが加速しています。その要因として、業務のデジタル化、コロナ禍によるテレワーク推進、電子帳簿保存法の施行による経理の電子化などが挙げられるでしょう。

しかし、まだ紙での業務がメインの企業もたくさんあります。そのような企業でペーパーレス化推進を促すには、どうすればよいのでしょうか。

ここでは、ペーパーレス化がなぜ必要なのか、どのようなメリットやデメリットがあるのか、ペーパーレス化推進のポイントなどを紹介します。

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ペーパーレス化とは

ペーパーレス化とは、紙の書類を電子化し、その内容をデータとして利活用できるようにすることです。

ペーパーレス化を進めるためには、次の2つの作業を行わなくてはなりません。

  • 既存の紙の書類を電子化、データ化すること
  • これから作成する書類を最初から電子文書で作成するよう、業務フローを変更すること

そのためにはシステムを導入し、業務のデジタル化を進めていかなくてはなりません。

ペーパーレス化の必要性

今、ペーパーレス化がなぜ必要なのでしょうか。そこには次のような理由があります。

コスト削減

ペーパーレス化を進めることで紙の書類がなくなり、次のようなコストを削減できます。

  • 書類を印刷するコスト
  • 書類を配布・郵送するコスト
  • 書類を保管するスペースにかかるコスト
  • 書類を管理する社員にかかるコスト

働き方改革への対応

ペーパーレス化を進めることで、業務のシステム化が進みます。それにより、テレワーク推進や働き方改革にもつながり、多様な働き方を実現できます。

ペーパーレス化の対象となる書類

業務を電子化するといっても、全ての書類を電子化するわけではありません。電子化できるものと、できないものがあります。

ペーパーレス化の対象となる書類、つまり電子化できる書類とは、次のものです。

  • 書類や資料などのビジネス文書
  • 伝票などの経理書類のうち、電子帳簿保存法で電子保存が認められたもの
  • 自社のパンフレットやカタログ、書籍、雑誌などの紙類
  • チラシやポスターなどの販促物
  • FAXでやり取りした文書

この他にも企業によってはさまざまな文書をデータとして保存します。逆に電子化できないものには、免許証や許可証類、安全の手引きなどが挙げられます。これらは、コピーではなく原本が必要なもの、必要なときにはすぐに取り出せなくてはいけないものです。

ペーパーレス化の現状と課題

ペーパーレス化の現状と、そこにある課題を確認しておきましょう。

ペーパーレス化の現状

情報通信白書によると、約3割の企業が社内業務のペーパーレス化に取り組んでいます。また、約2割の企業が社外取引のペーパーレス化を行っています。

引用元:総務省|平成24年版 情報通信白書

また、別の調査では2022年に社内のペーパーレス化を推進した企業が52.4%あります(積極的に行った:17.8%、ある程度行った:34.6%)。
参考:【リサーチ】「ペーパーレス化に伴う2023年度予算」に関する調査 | paperlogic

ただし、上記は2022年に行った内容の調査で、その前年に行った調査では「72.3%の企業がペーパーレス化を推進している」とされています。
参考:【リサーチ】「ペーパーレス化に伴う2022年度予算」に関する調査 | paperlogic

ペーパーレス化の課題

多くの企業では、ペーパーレス化が進んでいます。この中でもペーパーレス化が進んでいない企業には、どのような課題があるのでしょうか。

  • ITリテラシーの問題
    社員の間でITリテラシーに大きな差がある企業も多く、システムの導入を拒む、システムを導入しても紙の書類を使うという社員が残ってしまうケースがあります。
  • 業務フローの変更
    ペーパーレス化のためにITシステムを導入すると、これまでの業務フローが変更になります。それにより、社内で摩擦が起こることもあるでしょう。
  • システムの導入コストが高額
    ペーパーレス化のためにはITシステムの導入が必要になりますが、導入する範囲によってはシステムの導入コストが高額になってしまう場合があります。
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ペーパーレス化のメリット・デメリット

ペーパーレス化には、多くのメリットと、いくつかのデメリットがあります。導入前には、メリットやデメリットをよく理解しておきましょう。

ペーパーレス化のメリット

ペーパーレス化には次のようなメリットがあります。

印刷・保管のコスト削減

紙の書類で業務を行うには、いくつかのコストがかかります。主に書類を印刷するコスト、印刷した書類を配布や郵送するコスト、役目の終わった書類を適切に保管と管理するコストなどです。ペーパーレス化すれば、それらのコストを削減できます。

業務効率化

ペーパーレス化を行うことで、書類の電子化が行われます。書類を電子化してデータ化することで利活用の幅が大きく広がります。
例えば、社内でデータを連携して共有することで、これまで書類を転送したりデータを転記したりしていた業務を削減し、ミスをなくすことも可能です。これは大きな業務効率化につながります。

システムによる情報の一元管理

書類の内容をデータ化することで、データをシステムに保存し、関連するデータを一元管理できます。またERPを導入すれば、全てのデータを一元管理し、共有することも可能です。

一元管理によるセキュリティ強化

データを一元管理することで、細かくアクセス権限を設定したり、操作ログを保存したりと、セキュリティ対策を行うことができます。紙の書類よりも情報漏洩のリスクを防ぎ、セキュリティを高めることにつながります。

デジタル化によるテレワークの実現

書類をデータ化し、業務をデジタル化することで、出社をしなくても自宅で業務が可能になります。これはテレワークの推進につながり、多様な働き方を可能にします。

オフィスのスペースの有効活用

紙の書類をなくすことで、それを保管していたスペースが不要になります。そのスペースをより有効に活用することが可能です。

デメリット

また、ペーパーレス化には、次のようなデメリットもあります。

紙での保管が必要なものがある

ペーパーレス化を行っても、全ての書類を電子化できるわけではありません。種類や取引担当者によっては、どうしても紙での保存が必要な書類もあります。

システムの導入コストがかかる

ペーパーレス化を行うには、文書を電子化して保存するためのシステムの導入が必要です。そのためには、システムのライセンス、サーバーなど、システムを導入するためのコストがかかります。

一覧性・視認性の低下

端末の画面の大きさには限界があります。そのため、電子文書は紙よりも全体を俯瞰して見にくく、情報の概要を把握しにくいというのが弱点です。特に複数ページにわたる資料では、概要がわかりにくくなります。

システムはネットワーク環境やシステム障害の影響を受ける

多くのシステムはクラウドサービスを利用しているため、ネットワーク環境が悪いとアクセスできず、業務を進められません。またシステム障害やサーバー、端末などの故障により、データが破損・消失する可能性もあります。

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ペーパーレス化を推進するためのポイント

ペーパーレス化の推進には、次のようなポイントがあります。

ペーパーレス化の必要性や意義などの認識を統一する

ペーパーレス化を推進する前にペーパーレス化の意義、目的、必要性などを設定しましょう。それを全社で共有することで、ペーパーレス化に対して従業員の理解を得ることができ、スムーズに推進できます。

段階的に移行する

一度に全部の書類を電子化する必要はありません。一部の部署、一部の書類からスモールスタートし、徐々にペーパーレス化の適用範囲を広げていけば、確実に進めることができます。

目的に合ったシステムを導入する

ペーパーレス化を導入する場所によって、導入するシステムも変わります。営業ならSFA(Sales Force Automation)やCRM(Customer Relationship Management)、経理なら会計システムなどです。ワークフローシステムや文書共有システムなら、幅広い部署で利用できます。これから導入を検討する場合、全ての部署の情報を一元管理できるERP(Enterprise Resource Planning)がおすすめです。

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まとめ

企業のペーパーレス化の動きはこれからも加速することが予測されます。

ペーパーレス化はコスト削減や業務効率化のためだけではなく、電子帳簿保存法への対応としても必要になります。。電子帳簿保存法への対応は企業規模に関係なく、必要なことであり、避けることはできません。

まだペーパーレス化に取り組めていない企業は、まず紙の書類を使用する業務が多い経理部門からペーパーレス化を導入することで、大きな効果を得られるでしょう。

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株式会社藤井大丸 会計課 上杉様

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株式会社藤井大丸 会計課 上杉様


よくある質問

なぜペーパーレス化が必要なのか?

ペーパーレス化により、コスト削減やテレワークの推進などが可能になるためです。

ペーパーレス化のメリットは?

コスト削減、業務効率化、データの一元管理、セキュリティの強化、テレワークの推進、スペースの有効活用などのメリットがあります。

ペーパーレス化のポイントは?

ペーパーレス化の意義や必要性を全社で共有すること、スモールスタートし、段階的に進めること、目的に合ったシステムを導入することなどです。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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