• 更新日 : 2023年12月21日

クラウドとオンプレミスの違いは?概要から費用・メリットを徹底比較!

クラウドとオンプレミスの違いは?概要から費用・メリットを徹底比較

「クラウド」と「オンプレミス」は、いずれもシステムの利用形式を指す言葉です。昨今では、クラウドの普及やその魅力の多さから、オンプレミスからクラウドへ移行する企業が増えています。

この記事では、クラウドとオンプレミスの概要や比較、どちらかを選ぶ際に考慮すべきポイントなどを解説します。

クラウドとオンプレミスとは

はじめに、クラウドとオンプレミスの概要・特徴と、メリット・デメリットについて解説します。

オンプレミスの特徴

オンプレミスとは、システムを自社サーバーにインストールして利用するスタイルのことです。

オンプレミスには、以下のようなメリットがあります。

  • 外部ネットワークの影響を受けずにシステムを利用できる
  • 外部ネットワークと切り離せるため、セキュリティレベルが高い
  • カスタマイズがしやすい

一方で、以下のようなデメリットがあります。

  • システムの導入・運用コストが高くなる
  • データのバックアップなど可用性の考慮が必要
  • 自宅や外出先で使用できないケースがある

クラウドの特徴

クラウドの場合は、自社サーバーを用いずにインターネットを介してシステムを利用します。

クラウドには、以下のようなメリットがあります。

  • 導入・運用コストが安い
  • 自社でインフラの管理をする必要がない
  • インターネット接続環境があれば、テレワークでも利用可能

一方で、クラウドには以下のようなデメリットがあります。

  • 標準化されているため、カスタマイズ性が低い
  • インフラ管理はベンダーに依存するため、サービス変更や停止のリスクがある
  • インターネット接続がない環境では利用できない

クラウドとオンプレミスの比較

クラウドとオンプレミスの最も大きな違いは、システムの利用形態です。

オンプレミスが自社サーバーにシステムをインストールして利用するのに対し、クラウドは外部サーバーのシステムにインターネット経由でアクセスし、利用します。

他にも、クラウドとオンプレミスについて、以下のポイントで比較してみましょう。

クラウドオンプレミス
導入コスト低い高い
運用コスト従量課金制高い
導入スピード早い遅い
セキュリティレベル基本的に高い基本的に高い
カスタマイズ性低い高い

導入・運用コストについて、オンプレミスではサーバーの購入・設置などの導入時やメンテナンス・セキュリティの維持などの運用にコストがかかり、負担が大きくなりがちです。
それに対し、クラウドの導入費用は比較的安価で、運用コストは使用した分だけ支払う従量課金制が一般的です。

また、オンプレミスはサーバーの選定・導入に時間がかかる反面、クラウドは登録すればすぐにシステムが利用できるため、導入スピードにも差があります。

いずれもセキュリティレベルは基本的に高いですが、クラウドはシステムのベンダー次第で、オンプレミスは自社のセキュリティ対策に依存するため、セキュリティレベルはシステム以外の要因にも左右されます。

さらに、オンプレミスは導入時に企業の要件にあわせてカスタマイズしやすく、柔軟性が高いという特長があります。一方で、クラウドは標準化された機能を利用するため、特定のニーズに対する細かなカスタマイズは制限されます。

クラウドとオンプレミス、選び方のポイント

ここでは、クラウドとオンプレミスのどちらを導入するか迷った際、選定のポイントとなる点を解説します。

オンプレミスが向いているケース

オンプレミスが向いているケースは以下のとおりです。

  • 自社のセキュリティ要件や基準が厳しく、条件を満たす業者がない
  • 自社のニーズに合わせた高度なカスタマイズを行いたい
  • セキュリティ方針により、外部ネットワークには一切接続できない

オンプレミスは、公共機関や金融機関など、高度なセキュリティが必要な企業に向いています。

クラウドが向いているケース

一方で、クラウドが向いているケースは以下のとおりです。

  • コストをなるべく抑えてシステムを導入・運用したい
  • サーバー管理やセキュリティ対策の負荷を軽減したい
  • 自宅や外出先でもシステムを利用したい

クラウドは、コストを抑えつつ、システムの管理負荷を軽減したい企業に向いています。

オンプレミスからクラウドへ移行するステップ

ここからは、オンプレミスのシステムを導入済みの方に向けて、システムをオンプレミスからクラウドへ移行するステップを解説します。

ステップ1.移行対象システムの情報整理

まずは、以下のポイントを確認し、移行対象システムの情報整理を行います。

  • 移行対象システムの明確化
  • 既存機能の洗い出し
  • 移行要件の定義
  • データ移行の検討

移行対象のシステムや機能、移行における必須および望ましい要件などを明確にします。
また、データ移行が必要かどうかも検討しましょう。

ステップ2.移行計画の作成

続いて、システム移行を行う手順を明確にするため、移行計画を作成します。

システム移行時には、既存システムの運用を一時停止して、システムの切り替えをしなければならないケースがあります。

計画には、移行にかかると想定される時間や、万が一問題が発生した場合の切り戻し(ロールバック)手順についても具体的に記載しておきましょう。

ステップ3.移行リハーサル

移行計画書に基づいて、実際の移行作業をシミュレーションする移行リハーサルを行います。

リハーサルでは、移行にかかる想定時間と比較して実際にどの程度の時間がかかるか、データは正確に移行されているか、システムがきちんと動作しているかなどを評価します。

何らかの問題が発生した場合は計画を見直し、必要に応じて再度移行リハーサルを実施しましょう。

ステップ4.本番移行

本番移行では、移行計画に基づいて、移行リハーサルどおりに移行作業を実施します。

本番移行の際には、対象システムの利用部門と連携し、移行作業のスケジュールやシステムの停止時間などを明確にしておきましょう。

また、想定外のエラーが発生した場合に備え、既存システムへの切り戻しをスムーズに行えるようにしておくことも大切です。

クラウドのセキュリティリスクへの対策方法

基本的にクラウドサービスのセキュリティレベルは高いですが、システムの運用業者に依存するのも確かです。

高いセキュリティレベルを求める場合は、総務省の資料に基づき、以下のポイントが押さえられているかどうかを確認するとよいでしょう。

  • データセンターの物理的な情報セキュリティ対策(災害対策や侵入対策など)
  • データのバックアップ
  • ハードウェア機器の障害対策
  • 仮想サーバなどのホスト側のOS、ソフトウェア、アプリケーションにおける脆弱性(ぜいじゃくせい)の判定と対策
  • 不正アクセスの防止
  • アクセスログの管理
  • 通信の暗号化の有無

参考サイト:クラウドサービスを利用する際の情報セキュリティ対策 – 総務省

これらのポイントを踏まえてシステムを選定することで、セキュリティレベルがさらに高まります。

まとめ

クラウドとオンプレミスは、いずれもシステムの利用形態を指しています。オンプレミスが自社サーバーでシステムを利用するのに対し、クラウドは外部サーバーへインストールされたシステムを、インターネット経由で利用します。

自社のセキュリティ要件によりオンプレミスしか利用できないケースを除けば、基本的にクラウドがおすすめです。システムの導入・運用コストを抑えたい場合や、自宅や外出先でもシステムを利用したい場合は、クラウドの導入を検討しましょう。


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