- 更新日 : 2024年10月7日
予算管理システムとは?メリット・デメリット、導入するステップを解説
予算管理は、企業の財務体質や運営を強化するために欠かせない業務です。企業にとって重要な業務である一方、多くの工数を要するため、担当者の負担が大きくなりがちです。
しかし予算管理システムを導入すれば、予算管理業務を効率化することができ、担当者の負担軽減につながります。
さらに、企業の財務健全性と効率的な経営の実現も期待できるでしょう。
本記事では、予算管理システムの概要やメリット・デメリット、導入するステップについて解説します。
目次
予算管理システムとは
予算管理システムとは、予算管理業務を効率的に行えるシステムのことです。
予算管理業務には、予算計画の立案や実績との比較、予算目標に向けた活動の進捗管理などさまざまな業務があります。
これらの業務を全て手動で行うと手間と時間がかかる上、入力ミスや転記ミスなどが起きやすくなります。
予算管理システムを導入すれば、手間がかかる予算管理業務を効率的かつ正確に行うことが可能です。
予算管理システムの種類
予算管理システムの種類は、大きく「クラウド型」と「オンプレミス型/パッケージ型」の2つに分けられます。
クラウド型は手軽に導入ができ、コストも抑えられますが、企業独自の細かい運用要件に完全に対応するのが難しい場合があります。
オンプレミス型/パッケージ型は企業に合わせてカスタマイズしやすく、オフラインでも使用できるのが特徴です。ただし、機能を追加したりカスタマイズしたりする際には、コストと時間がかかります。
予算管理システムを選定する際は、上記を踏まえ、使用する環境や予算に応じて選ぶことをおすすめします。
予算管理システムの主要機能
予算管理システムの主要機能について解説します。
予算計画
予算計画とは、事業計画に沿って予算を配分・管理できる機能のことです。予算計画をシステム上で運用すれば、各部門の予算編成手続きを簡素化できます。
ダッシュボード機能
ダッシュボード機能とは、予算の達成率や部門別・項目別の実績を可視化する機能のことです。ダッシュボードの数値を確認することで効果的な施策を早期に講じることができ、経営判断のスピードと精度の向上につながります。
シミュレーション機能
シミュレーション機能とは、予算や業績をシミュレーションする機能のことです。シミュレーション結果を活用すれば、さまざまな状況を想定した上で的確な経営判断を下せるようになります。
分析・レポート機能
分析・レポート機能は、収集したデータを多角的に分析する機能です。分析結果を自動でレポートにまとめることもできるため、経営層への報告や意思決定をスムーズに実施できます。
アクセス制御機能
アクセス制御機能とは、社員ごとのアクセス権限を設定する機能のことです。アクセス権限を設定することにより、データの不正持ち出しを防止できます。
監査ログ機能
監査ログ機能とは、システムの利用状況を監査ログとして記録する機能のことです。社員の不正行為を抑止する効果が期待できます。
予算管理システムのメリット・デメリット
ここでは、予算管理システムのメリット・デメリットについて解説します。
メリット
予算管理システムを導入すれば、予算管理のプロセスを可視化することが可能です。
現場ごとに今注力すべき業務を確認できるため、従業員のモチベーションアップにつながります。
さらに、事業が計画通りに進んでいるのかをリアルタイムでモニタリングできるため、予算と実績の比較分析を容易に実施できるというメリットもあります。予算と実績の乖離が大きい場合、即座に確認して対応することも可能です。
デメリット
予算管理システムのデメリットは、導入・運用コストがかかる点です。
コストを最小限に抑えたい場合は、クラウド型の予算管理システムを利用することをおすすめします。また、自社で運用している会計ソフトと連携できない場合は手動でデータを入力する必要があり、業務効率の低下につながる可能性があるため、注意が必要です。
予算管理システムを導入するステップ
予算管理システムを導入する際は、下記のステップで進める必要があります。
- システム選定
- 導入計画の立案と実行
- トレーニングとサポート体制の整備
1.システム選定
まずは、予算管理システムに求める機能や要件を洗い出しましょう。
洗い出しが済んだら、市場に出回っている予算管理システムをリサーチし、候補をリストアップします。
予算管理システムを選定する際は、下記の項目を確認すると良いでしょう。
確認観点 | 確認内容 |
---|---|
移行性 | 旧システムの既存データをCSVファイルなどからスムーズに移行できるか |
操作性 | (無料トライアルを実施しているシステムであれば) 画面UIや操作がしやすいか |
連携性 | 会計システムや原価計算システム、販売管理システム、給与計算システムなどと連携できるか |
サポート体制 | サポート体制が充実しているか 導入時のコンサルサービスを実施しているか |
KPI設定 | 抱える課題に合わせてKPI(重要業績評価指標)を設定できるか |
対応言語 | (海外に取引先がある場合など)多言語・多通貨対応しているか |
上記の観点で各サービスを比較し、社内の関係者と協議した上で導入するシステムを決定します。
2.導入計画の立案と実行
続いて、導入プロジェクトを実行するチームを編成し、導入のスケジュールを立てます。ここで、各ステップの期限も詳細に設定しましょう。
スケジューリングが完了したら、必要なハードウェアやソフトウェアを準備し、データのクレンジングを行います。
予算管理システムのインストールと初期設定が済んだら、既存のデータを新システムに移行します。移行作業ではデータの整合性を念入りにチェックすることがポイントです。システムの動作確認やパフォーマンステストも実施し、不具合がないかを確認しましょう。
3.トレーニングとサポート体制の整備
導入が完了したら、社員が予算管理システムを使いこなせるようにトレーニングを実施します。ITベンダーや社内の専門家によるトレーニングセッションを開催し、操作マニュアルを作成・提供します。
さらに、社員からの問い合わせやトラブルに対応するためにヘルプデスクも設置しましょう。
運用開始後はシステムのアップデートやメンテナンスを定期的に実施し、常に最新の状態を保つようにします。ユーザーからのフィードバックも定期的に収集し、システムの改善に役立てるようにしましょう。
まとめ
予算管理は、企業の財務体質や運営を強化するために欠かせない業務の一つです。
予算管理システムを導入すれば、予算管理業務を効率的に実施できます。
システムで予算管理プロセスを可視化することで現場ごとに今注力すべき業務を確認でき、従業員のモチベーションアップにつなげることができます。
また、予算と実績の比較分析も容易に実施できるようになるでしょう。
予算管理システムを導入した後は、社員が使いこなせるようにトレーニングを実施しつつ、サポート体制を整備することが重要です。
予算管理システムは、基本的に予算管理に特化したシステムです。予算管理を効率化しつつ企業全体のデータの一元管理や意思決定の迅速化も図りたい場合は、ERPの導入もおすすめです。自社の目的に応じたシステムを導入するようにしましょう。
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