- 更新日 : 2024年7月12日
ERPの導入にかかる費用は? | 相場やクラウド型とオンプレミス型の費用の違いを解説
ERPの導入を検討する際、どのくらい費用がかかるのか分からず、検討が進まないという企業も多いのではないでしょうか。
導入にあたってどのような費用が発生するのか、ERPの種類によって費用の違いがあるのかを理解することができれば、検討も進むことと思います。
そこで今回はERPの導入に必要な費用や、ERPの種類による費用の違い、その相場をご紹介します。
目次
ERPの導入にかかる費用
ERPの導入にはどのようなコストがかかるのか、種類をご説明します。
イニシャルコスト
イニシャルコストとは、導入時に1回だけかかるコストです。
ライセンス費用
ERPシステムを利用するためのライセンスです。主に人数によって変化しますが、料金体系はクラウド型とオンプレミス型で大きく異なります。
初期導入費
ERPシステムの導入にかかる、ライセンスとカスタマイズ以外の費用です。主にハードウェアの購入、導入時のサポート費用、導入教育の費用などです。
開発費
ERPシステムを自社に合わせてカスタマイズするための費用です。カスタマイズの部分が大き
いほど料金も高くなります。
ランニングコスト
毎月、もしくは毎年、ERPを利用している間は継続的にかかる費用です。
月額利用料
毎月ERPを利用するための料金で、メンテナンスやサポートが含まれます。
運用・保守費用
システムの保守運用にかかる費用です。主にオンプレミス型ERPで必要になります。
クラウド型ERPとオンプレミス型ERPの費用の違い
クラウド型ERPとオンプレミス型ERPでは必要な費用が大きく異なります。それぞれの特徴を理解して導入を検討しましょう。
クラウド型ERP
クラウドサービスで提供されており、サーバーや回線などのハードウェアを用意する必要はありません。そのため、イニシャルコストを低く抑えることができます。すでに構築されているシステムを利用するため、自社に合わせたカスタマイズは制限されますが、システムのアップデートや法令対応もベンダー側で対応してくれ、それも含めて月額利用料のみで利用することが可能です。
オンプレミス型
自社でサーバーや回線、接続機器、OSやミドルウェアを用意する必要があります。そのため大きなイニシャルコストが必要です。カスタマイズは比較的自由にできますが、その分開発費が高くなります。運用・保守にも費用がかかります。
クラウド型ERPの導入にかかる費用
クラウド型ERPの導入にかかる費用をご説明します。クラウド型ERPの料金体系には2種類あります。ライセンス費用、初期導入費用などに分かれるタイプと、毎月一定の料金を支払うサブスクリプションタイプです。
ライセンス費用
ライセンス費用の相場は以下になります。ERPを利用している間は、継続的に必要です。
- 基本ライセンス(事業所ごとに1つ必要):数万円~100万円程度
- ユーザーライセンス(ユーザー1人当たりに必要):数千円~数万円程度
ライセンスは5人当たり、10人当たりで計算するベンダーもあります。また、年間契約(12ヶ月分一括払い)することで割引となるベンダーもあります。
初期導入費
システム導入にかかる費用です。クラウド型ERPはハードウェアを用意する必要がなく、カスタマイズの余地も小さいので、比較的低く抑えることができます。
ただし、導入時のサポート費用や導入教育の費用などが必要になる場合もあります。費用は0円から10数万円程度です。ベンダーによっては、オプションになっているところもあります。
月額利用料
サブスクリプションタイプの場合は、毎月固定で一定額を支払います。相場は1ユーザー当たり月数千円から数万円ですが、ユーザー数に応じて料金が大きく変動するので、見積もりを取る必要があるでしょう。
多くのクラウド型ERPのベンダーがサブスクリプション料金を取り入れています。料金体系が変わっても、提供されるサービスは変わりません。
オンプレミス型ERPの導入にかかる費用
オンプレミス型ERPでは、サーバー、回線、接続機器などハードウェアからOS、ERPのカスタマイズなど、導入時にさまざまな料金がかかります。また、導入時のサポート費用や導入教育の費用はクラウド型ERPと同様に必要です。ただし月額利用料は小さいので、長期利用すれば割安になる傾向にあります。
ライセンス費用
オンプレミス型のライセンス費用の多くは、基本ライセンスのみ、またはユーザーライセンスのみです。ただし、基本ライセンスという名称でもユーザー数で変動することが多いので、基本ライセンスもユーザーライセンスと同じようなものと考えてよいでしょう。
- ライセンス費用:数百万円~数千万円
金額は、人数によって大きく変動します。また、データ使用量で変動することもあります。
オンプレミス型のライセンス費用は1回支払えばよく、継続的に発生することはありません。
初期導入費
オンプレミス型では、ハードウェアの準備に大きな費用がかかります。自社にどれだけハードウェア資産があるかによっても大きく異なるので、見積もりが必要です。
最低、開発用サーバーと本番用サーバー、回線、接続機器などが必要です。現在のハードウェア資産を利用できれば、低く抑えることができます。
- 基本導入費用:数十万円~数千万円
導入サポートや教育費用は、ユーザー数によって異なります。
- 導入サポート費用:数百万円~数千万円
- 教育費用:数万円~数百万円
開発費
ERPのシステムを自社に合わせてカスタマイズするための料金です。カスタマイズする部分が大きいほど費用が高くなります。カスタマイズする部分が少ないERPを選べば費用を抑えることができます。予算と相談して節約しやすい部分といえるでしょう。
- 1つの機能追加/修正費:数万円~数百万円
運用・保守費用
オンプレミス型ERPでは、運用保守は基本的に自社で行います。自社で行えない部分をベンダーに委託することもできますが、割高な費用がかかります。また、システムに大型のバージョンアップがあれば、費用がかかる場合もあります。
導入後に追加で導入後教育を行うことも多いですが、そのときは別に費用が必要です。内容に合わせて大きく変動するので、見積もりを取りましょう。
まとめ
クラウド型ERPとオンプレミス型ERPでは、導入に必要なコストの種類も金額も大きく異なります。それぞれの違いを理解したうえで、従業員数や業務の内容だけでなく、予算の面でも自社に合ったERPを長期的な目線で検討することが必要です。クラウド型ERPは必要なシステムだけ部分的に導入可能なコンポーネント型ERPもあるため、費用を抑えたい企業様に検討をおすすめします。
よくある質問
①ERPの導入にはどんなコストがかかるか?
ライセンス費用、必要なハードウェアの購入、導入時のサポートや教育費用などが必要です。
②クラウド型ERPの導入にはどんなコストがかかるか?
ライセンス費用のほかに、サポート・教育費用などが必要です。
③オンプレミス型ERPの導入にはどんなコストがかかるか?
ライセンス費用、サポートや教育費用に加えて、開発費やハードウェアの費用が必要です。
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