• 作成日 : 2024年3月8日

M&Aとは?M&Aの概要・目的・手続きの流れなどを詳しく解説

M&Aとは

はじめにM&Aの概要について解説します。

M&A(エムアンドエー)は、「Mergers(合併) and Acquisitions(買収)」の略語です。
これは、企業や事業の全部または一部が移転する取引を指しますが、通常は企業または経営権の移転を意味します。

国内市場が縮小している中、業績が好調でも「後継者不在」や「成長戦略の見通しがつかない」といった課題を抱える中小企業が増加しています。
特に後継者が見つからないという問題が深刻で、経営者が進むべき道が見つからずに、廃業を余儀なくされるケースが見受けられます。

このような中で注目されているのが、「M&A」を通じた事業承継です。
M&Aを利用することで、健全な企業に事業を引き継ぎ、企業の歴史を途絶えさせずに事業を継続・拡大することが可能です。

M&Aの種類〜合併と買収の違い〜

M&Aの種類は基本的に、合併と買収の二つに大別できます。
合併は、契約によって複数の企業が一つの法人に統合されることを指します。
一方で買収は、株式の取得や事業資産の取得を通じて、対象企業の経営権や事業を引き継ぐプロセスを指します。

M&Aの流れ

M&Aの流れは主に3つのフェーズに分かれます。その概要を以下に紹介します。

1. 準備フェーズ:

  • M&Aの相談/検討:
    自社にとってM&Aが最も適した選択かどうかを考え、必要であれば相談を行います。自社の状況や資産・負債の把握:自社の状態を把握します。
  • M&A仲介業者/アドバイザー選定:
    M&Aが自社にとって適切な選択かどうかを判断し、M&Aの目的や自社の経営状況を理解した後、M&Aのサポートを担当する業者を選びます。

2. 交渉フェーズ:

  • ノンネームシートや企業概要書の作成:
    ノンネームシートは、企業が特定されない範囲で企業の情報をまとめた資料で、M&Aアドバイザーが譲渡企業を譲受企業に紹介する際に利用されます。
    譲受を希望する企業にはより詳細な企業概要や財務状況が含まれた企業概要書が提供されます。譲受企業はこれらの資料をもとにしてM&Aを進めるかどうかを判断します。
  • M&Aスキームの選択:
    M&Aを進める段階で、どのような手法を使うかを考えるのも、交渉フェーズの一環です。
  • トップ面談:
    M&Aを進めたい相手企業が見つかったら、「トップ面談」を行います。
  • 基本合意:
    トップ面談後、M&Aを進める相手企業が決まったら、「基本合意書」を締結します。
    この書類では、これまでの条件を整理し、譲渡価額やスケジュールなどが明記されます。
  • デューデリジェンス:
    基本合意書の締結後には「デューデリジェンス」と呼ばれる買収監査が行われます。
    譲受企業が指定した専門家が法務や税務などの観点から譲渡企業を詳細に調査します。

3.最終契約フェーズ:

  • M&Aの最終契約締結:
    「最終契約」はM&Aにおける最終的な合意内容を指し、主に取引金額や表明保障、補償条項、解除条件などが含まれます。
  • クロージング:
    「クロージング」は最終契約に基づく経営権の移転手続きを指し、これを実施することでM&Aの手続きが完了し、取引が成立します。
  • M&Aの事後処理:
    クロージングによる経営権の移転手続き後、M&Aの事後処理が行われます。
    新たな組織体制が始まる際には、臨時株主総会の開催や必要に応じて定款の変更、代表取締役の新任に伴う取締役会の実施などが必要です。

M&Aの目的

ここでは、M&Aの目的について買い手と売り手に分けて解説します。

買い手の目的

事業成長にかかる時間を短縮するため
M&Aは事業を拡大する時間を大幅に早めるため、新しい事業を素早く展開する手段として利用されます。既存事業の規模拡大や新規事業創出には膨大な時間がかかるため、M&Aはその時間を買うことができる強力な手法です。

相乗効果(シナジー効果)の獲得
M&Aを通じて、自社の弱みを補完し、強みを最大化する相乗効果(シナジー効果)を得ることも目的の一つです。異なる企業が統合されることで、新しいテクノロジーや人材、市場を取り込み、追加の価値を生み出します。

事業規模の拡大(スケールメリット)
競争が激化する市場で生き残るため、事業を拡大しスケールメリットを得ることもM&Aの目的です。企業の規模を拡大させ競争力を維持する必要がある場合に、M&Aがその手段として選ばれます。

売り手の目的

投資回収・現金化までの時間を短縮するため
売り手にとっては、M&Aを通じて事業に投資された資本を迅速に回収し現金化することは大きな目的の一つです。M&Aでは未来の収益も評価されるため、投資回収までの時間を短縮できます。

事業承継・後継者探し
後継者が見つからない中小企業や、後継者が経営能力を持っていない場合、M&Aが事業を承継する手段として利用されます。

創業者の利益確定
創業者はM&Aを通じて、事業の成長に対する対価を得ることができます。創業者は売却代金を得て、引退後の生活や新たな事業に活用することができます。

資源の集中
弱みとなる事業を売却し利益率の高い部門に資源を集中させて、企業の経営を筋肉質にすることを目的にM&Aが行われることもあります。

M&A成功のためのポイント

企業買収を成功させるためには、以下のポイントに留意することが重要です。これにより、金銭や時間、労力などを無駄にすることなく、M&Aの成功確率を高めることができます。

デューデリジェンスを徹底する

買収前にはデューデリジェンス(買収監査)を行うことが不可欠です。高値での取引やシナジー効果の過大評価、未払い債務の引き継ぎなどのリスクを減らし、問題が浮上した場合は価格の調整やリスク対策、あるいは買収中止を検討します。

シナジー効果を見込める買収先を選定する

買収によって生まれるシナジー効果(売上増加、コスト削減、節税、金融コスト削減など)を見込める会社や事業を慎重に選定します。これにより、買収資金を上回るメリットを確保できます。

規模が大きすぎる買収は避ける

売り手企業の規模が大きいほど買収価格が高額になり、失敗した場合には大きな損失が生じる可能性があります。企業の規模が大きければ難易度も高まるため、買収の経験が不足している場合は規模の小さい企業の買収を検討します。

買収後のPMI(Post Merger Integration)を怠らない

買収後の統合計画(PMI)を丁寧に実行することで、経営統合が円滑に進み、期待されるシナジー効果が発揮されます。従業員間の摩擦を防ぎ、人材流出を最小限に抑えるためにも、PMIの徹底が重要です。

M&Aの専門家によるサポートを活用する

買収検討段階から、デューデリジェンスやバリュエーションなど専門的な知識が必要な場面では、M&Aの専門家のサポートを最大限に利用します。専門家の助言により、スムーズなプロセスと成功への道筋を描くことができます。

まとめ

この記事ではM&Aについて説明しました。
M&Aにはさまざまなメリットがありますが、注意が必要です。
良い条件で契約が成立しても、統合プロセスで問題が生じる可能性もあります。期待されたシナジー効果が得られないばかりか、逆に事態が悪化するリスクも潜んでいます。
リスクを最小限に抑えるために、準備段階から信頼できる専門家の意見を取り入れ、自社に最適な相手を見つけ出すために慎重に検討していきましょう。


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