- 作成日 : 2023年8月28日
データドリブン経営とは?概要やメリット、実現に向けたポイントを解説

データドリブン経営は、企業経営に関する多種多様なデータを収集・分析し、それらを活用することで意思決定の迅速化やビジネス課題の早期解決を実現するための経営手法として注目されています。本記事では、データドリブン経営の概要やメリット、データドリブン経営を実現するためのポイントについて解説します。
目次
データドリブン経営とは
はじめに、データドリブン経営の概要や注目されている理由について解説します。
データドリブン経営の概要
データドリブン経営とは、経営に関するさまざまなデータを分析・活用することで、ビジネス上の課題解決や新規価値の創出を実現する経営手法のことです。
そもそもデータドリブンとは「Data Driven」(データ起点)を意味し、勘や経験に頼らずにデータに基づいた意思決定を行うことを指します。
デジタル技術の発達や顧客ニーズの多様化が進む現代では、企業経営に関する多種多様なデータを利活用していくことが不可欠であるといえるでしょう。
データドリブン経営が注目されている理由
データドリブン経営が注目されている理由としては、主に以下の点が挙げられます。
顧客行動の複雑化・多様化
近年ではSNS上で口コミが拡散されることも増え、顧客はオンライン・オフライン問わずさまざまな商品・サービスに関する情報を容易に得られるようになりました。
検討材料や情報収集のチャネルが増えたことで顧客の行動パターンも複雑化・多様化し、顧客行動を正確に捉えることが困難になっています。そのため、データドリブン経営によって根拠に基づいた施策を立てることが求められているのです。
データを収集・分析できる仕組みの整備
デジタル技術の発達により、さまざまなデータの収集や分析、加工を行いやすくなったことも理由です。
例えば、IoTデバイスを通じた現場データの収集など、データドリブン経営を実施するための仕組みが整備されてきています。
市場環境の変化スピードの加速
デジタル技術の発達や顧客ニーズの多様化により、市場環境の変化スピードが加速していることも理由のひとつです。不確実性の高い市場の中で競争優位性を保つためには、データに基づいた正確な状況把握や迅速な意思決定が重要となります。
データドリブン経営のメリット
ここでは、データドリブン経営のメリットとして、以下の項目を解説します。
- 経営上の意思決定を迅速化できる
- 顧客ニーズをより深く理解できる
- さまざまなデータを客観的に捉えることができる
- 働き方改革に貢献する
経営上の意思決定を迅速化できる
データドリブン経営の大きなメリットのひとつは、経営上の意思決定を迅速化できることです。
常にデータの収集やモニタリングを行うことで、起きている事象をすぐに検知し、速やかな現場判断・経営判断につなげることができます。
また、事象が深刻化する前に適切な対処を行うことも可能となります。
顧客ニーズをより深く理解できる
顧客データをはじめ多種多様なデータを収集・分析することで、顧客が求めている価値を深く理解することにもつながります。顧客ニーズを正しく捉えられるようになることで、それを自社の商品・サービスに反映し、商品価値の向上を実現することも可能です。
さまざまなデータを客観的に捉えることができる
社内外のさまざまなデータを集めて分析することで、自社が置かれている状況を客観的に捉えることができます。従来の勘や経験による考察・判断では気づけなかった自社の課題や強み、市場の変化に気づくきっかけにもなるでしょう。
加えて、新たな気づきから新規事業や新商品・新サービスなどの構想・企画に発展させられる可能性もあります。
働き方改革に貢献する
データドリブン経営は、働き方改革にもプラスに働く効果があります。
例えば、これまでオフィスに出社して紙ベースでやり取りしていた事務作業をオンライン化することで、リモートワークの促進につながるでしょう。
また、非効率的な作業プロセスを見直すきっかけにもなり、作業効率化や生産性の向上も期待できます。ご参考までに、経理のペーパーレス化を実現するための方法などを解説している以下の関連記事も併せてご確認ください。
データドリブン経営を実現するためのポイント
本章では、データドリブン経営を実現するためのポイントとして、以下の点を解説します。
- データ活用の機運を社内全体で高めていく
- データドリブンな企業活動を支えるためのシステム基盤を構築する
データ活用の機運を社内全体で高めていく
データドリブン経営を実現するためには、まず社内全体でデータ活用の機運を高めていくことが重要です。
どんなにデータ活用ができる環境が整っていても、従業員たちにデータを活用する意識がなければ、十分な効果を得ることはできません。
経営幹部や各部門の責任者も巻き込みながら、データ活用の意義やメリットを社内全体で共有して浸透させていくことがポイントです。
勘や経験に頼っていたこれまでの社内文化を一朝一夕で変革することは容易ではありませんが、少しずつでもデータドリブンな企業活動を行う文化を醸成していくことが求められます。
データドリブンな企業活動を支えるためのシステム基盤を構築する
データドリブンな企業活動を行うための文化の醸成とともに、データドリブンな企業活動を支えるためのシステム基盤を構築することもポイントです。
データドリブン経営においては、各拠点の現場データや営業活動に関するデータ、会計・経理上のデータといったさまざまなデータを収集できる仕組みが必要となります。
そして、集めたデータを蓄積・分析するためのシステム基盤や、分析結果を可視化して共有するためのダッシュボードなども求められるでしょう。
データドリブン経営の実現をサポートする具体的なツール
データドリブン経営の実現においては、以下に挙げるツールを活用していくことが効果的です。
- DMP
- BI
- データレイク
- ERP
DMP
DMPは「Data Management Platform」の略であり、顧客データの管理やマーケティングへの利活用を行うためのプラットフォームを指します。
DMPには、自社内のみで機密情報を含めたデータを一元管理する「プライベートDMP」や、外部からの提供データもまとめて一元管理する「パブリックDMP」といった種類があります。
DMPの活用によって、データに基づいて顧客行動を正しく理解でき、顧客ターゲティングの精度向上や広告配信効果の最大化などを図れるようになるでしょう。
BI
BIとは「Business Intelligence」(ビジネスインテリジェンス)の略で、企業内に蓄積されたさまざまなデータを分析・可視化するためのツールのことです。
顧客数の推移や商材別の売上高といった各種データをリアルタイムに可視化でき、データドリブン経営の実現に役立ちます。
データレイク
データレイクとは、各部門や各拠点から集めたあらゆるデータを元の形式のまま保存できるレポジトリ(格納場所)を指します。
データレイクによって、多種多様なデータを一元的に管理でき、BIツールなどの周辺システムへのデータ連携も可能となります。
ERP
ERPは「Enterprise Resource Planning」の略であり、ヒト・モノ・カネ・情報など経営に関するあらゆるリソースを有効活用して、経営効果を最大化させるための計画・考え方を指します。
また、リソースの有効活用による経営効果の最大化を支えるためのシステムを指すことも多く、ERPでは例えば販売データや生産データ、会計データなどをまとめて管理することができます。
ERPを活用することで、企業内のさまざまなデータを一元管理できるため、データドリブン経営の実現につながるでしょう。
まとめ
データドリブン経営とは、経営におけるさまざまなデータを分析・活用し、ビジネス上の課題解決や新規価値の創出を実現するための経営手法を指します。
データドリブン経営によって、経営上の意思決定の迅速化や顧客ニーズの深い理解、客観的な自社分析などが期待できます。また、リモートワークの促進や生産性の向上といった働き方改革にも貢献するでしょう。
データドリブン経営を実現するためには、データ活用の機運を社内全体で高めていくための活動や、データドリブンな企業活動を支えるための仕組みの構築が重要です。具体的なツールとしては、DMPやERPなどが挙げられます。

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