- 作成日 : 2023年7月25日
売上管理とは?基礎知識や管理上のポイント、効率化に役立つツールを解説

売上管理とは、自社の売上目標の達成を目的に、売上目標の達成率や売上の前年比・前期比などを管理する活動を指します。
売上管理では、自社にとって必要な管理項目を明確にした上で、管理ルールや管理体制を事前に定めて運用していくことが重要です。本記事では、売上管理の概要や主な管理項目、管理上のポイントなどについて解説します。
目次
売上管理とは
はじめに、売上管理の概要や目的について解説します。
売上管理の概要
売上管理とは、企業が売上目標を達成するために、売上状況や達成率などを日常的に管理する活動のことです。売上管理は、月単位や四半期単位などで行い、過去の売上高との比較や商品・サービス別の分析、地域別の分析などを行います。
売上管理を確実に行うためには、日々の売上状況を記録していくことが大切です。
売上管理の目的
売上管理の大きな目的は、自社の売上目標を達成することです。そのための手段として、売上目標に対する進捗状況を把握したり、さまざまな切り口から売上状況を管理したりします。
売上状況管理の切り口としては、例えば以下のようなものが挙げられます。
- 商材別
- 顧客別
- 部門別
- 担当者別
- 期間別
複数の観点から売上状況を把握することで、売上目標達成に向けた課題の把握や、改善施策の検討を行えるでしょう。
売上管理で主に管理する項目
売上管理では、主に以下のような項目を管理します。
- 売上高
- 売上目標および目標に対する進捗状況
- 売上の前年比・前期比
- 原価や経費
売上高
売上管理においてまず必要となるのが売上高です。売上金額や商品・サービスの品目、販売数、顧客・得意先情報、売上時期などの管理を行います。
売上目標および目標に対する進捗状況
売上目標および目標に対する進捗状況も売上管理で重要となる項目です。
期初に立てた売上目標と実際の売上高を月単位や四半期単位などで比較することで、売上目標に対する進捗状況の確認ができます。
売上ペースが目標から大きく遅れている場合は、進捗スピードを速めるための改善施策の検討が必要となるでしょう。また、進捗が想定よりも大幅に進んでいる場合は、当初立てた売上目標の妥当性を改めて検証することも大切です。
売上の前年比・前期比
売上の前年比や前期比も管理することで、新たな施策の効果などを検証できます。仮に売上が前年や前期と比べて大幅に落ちている場合は、マーケティング施策や営業戦略の見直しも必要になります。
ただし、事業内容や組織構成を大きく変更した場合、前年・前期との比較から施策の効果を検証することは難しくなるため、注意しましょう。
原価や経費
原価や経費は売上とは直接関係しないものの、売上総利益(粗利)を把握する上で必要な項目となります。
業種によっては原価がはっきりしないこともあるため、その場合は過去の原価実績を参照するなど、社内ルールを決めて管理することが重要です。
売上管理を実施する上でのポイント
ここでは、売上管理を実施する上でのポイントとして、以下の点を解説します。
- テンプレートを用意する
- 事前にルール・体制を決めておく
- 売上管理の状況を定期的にチェックする
- 状況に応じて対策を検討する
テンプレートを用意する
売上管理の対象項目をまとめたテンプレートを作成することがポイントのひとつです。
テンプレートを作成しておくことで、管理対象となる項目の具体化ができるため、項目忘れや入力漏れを防止することが可能です。
また、売上管理を行う担当者が変更となった場合でも、テンプレートがあれば引き継ぎがスムーズに行えます。
事前にルール・体制を決めておく
売上管理は複数人で行うケースもあるため、事前に社内のルール・体制を決めておくこともポイントです。例えば、金額の単位や数値を入力する箇所、備考欄の書き方などのルールを統一しておくとよいでしょう。
また、担当者の氏名なども明記し、更新する箇所の分担をはっきりさせておくことで管理漏れを防げます。
売上管理の状況を定期的にチェックする
売上管理は数値の入力だけで終わりにせず、定期的に状況をチェックすることも重要です。売上管理の状況をこまめに確認することで、売上に大きな変動が生じた際の要因分析を適切に行えるようになるでしょう。
例えば、関係者を集めた定期的なミーティングを開催し、売上管理表の確認や、現況の要因分析を行っていくことなども重要です。
状況に応じて対策を検討する
売上管理の状況を定期的に確認するとともに、状況に応じた対策検討を行うことも大事なポイントとなります。
売上管理の大きな目的は自社の売上目標を達成することであり、売上目標達成のためには追加の施策などが必要となる場合も考えられます。
例えば、新規顧客からの売上が計画を大きく下回っている場合は、新たな顧客層の開拓やマーケティングチャネルの追加などを検討しましょう。
反対に、売上進捗が計画よりも順調に進んでいる場合は、うまく行った施策内容を分析し、今後の施策内容に反映していくことが大切です。
売上管理の効率化につながるツール・システム
売上管理を効率化するには、以下のツール・システムを活用していくことが効果的です。
- エクセル
- 会計ソフト
- ERP
エクセル
簡単に売上管理表を作成して管理したい場合は、エクセルが始めやすいでしょう。エクセルであれば新たなシステムの導入などが不要であるとともに、自社の用途に応じてフォーマットのカスタマイズも可能です。
一方で、エクセルの関数スキルなどが求められる点や、最初に売上管理表を作成した担当者に管理が依存しがちな点が課題であるといえます。
会計ソフト
会計ソフトを活用することで、効率的な売上管理が可能です。会計ソフトであれば、日々の売上データなど売上管理に必要な情報をまとめて管理でき、前年・前期とのデータ比較や商材別の売上管理などもスムーズに行えます。
また、会計ソフト内にあるデータをCSV形式などで出力し、エクセルに貼り付けるような活用方法もあります。
ERP
ERPを導入することで、売上管理だけでなく人事管理や勤怠管理、経費精算といった社内業務の一元管理をも実現できます。
全社最適の視点で、売上を含めた社内データの一元化を行いたい場合は、ERPの活用が効果的です。
また、会計ソフトなど他システムとの連携も可能であるため、自社のニーズに合った形での導入もできます。
ERP導入の詳細に関しては、以下の関連記事も併せてご確認ください。
まとめ
売上管理とは、企業の売上目標を達成するために、売上目標の達成率などを日々管理する活動を指します。売上管理の大きな目的は自社の売上目標を達成することであり、そのために商材別や顧客別、期間別などの切り口で分析を行うことが重要です。
売上管理では、主に売上高や売上目標、目標に対する進捗度、売上の前年比・前期比などを管理します。売上管理を行ううえでは、売上管理表のテンプレートを作成し、管理対象項目を明確にしておくことが大切です。
また、事前に管理ルールや管理体制を決めておくとともに、定期的な売上管理の状況確認や要因分析、対策検討を行っていくことがポイントとなります。売上管理を効率的に行うには、エクセルや会計ソフト、ERPなどのツールの活用も検討していくとよいでしょう。

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