IPOに向けて内部統制強化へ。システム間の連携で情報の一元管理も実現
- 導入サービス
- 債務支払経費会計Plus請求書Plus for SalesforceERP
- 業種
- IT・メディア
- 事業規模
- 法人(51~300名)
課題
・バックオフィス体制の整備に着手できていなかった
・売上と入金を正しく把握できていない状態で、業務フローも属人化していた
・見積書、発注書、請求書の業務フローが煩雑であった結果
・バックオフィス体制が整備され、情報の一元管理と内部統制強化につながった
・業務フローを整備したことで、数字を適切に把握できる状態になった
・全てのシステムを連携することで、業務効率化が実現された
今後の上場を見据え、未整備だった業務フローや管理体制を見直すことに。上場に耐えうる体制を構築する必要がありました。
――まずは、貴社の事業概要やビジョンについてお聞かせください。
小澤様:当社は、TikTokをはじめとするショートムービーに特化したクリエイター共創型マーケティング事業を展開しています。「TikTok」の活用とクリエイターアサインを軸に、インフルエンサー・マーケティング施策の提供や、Z世代向けのブランド創造支援を行なっています。また、自社独自のクリエイタープラットフォーム『Edison』を開発し、クリエイターのアサインや効果のシミュレーションなども行なっています。
当社は、「人類をタレントに」というミッションを掲げ、一人ひとりの個性と才能が活きる社会をデザインしていくことを目指しています。今後は、これまで展開してきたクリエイター共創型マーケティング事業に加え、バーチャル領域の事業推進に向かい、新しい自己実現の方法を提供することにもチャレンジしていきます。
――コーポレート本部の体制や、ご自身の役割、コーポレート本部全体における目標についてもお教えください。
小澤様:当社のコーポレート本部は、2つの部門で構成されています。事業計画や予算策定、ファイナンスなどの“攻めのコーポレート”を担う経営戦略部と、会計・経理・法務・労務・総務といった“守りのコーポレート”を担う経営管理部があり、コーポレート本部のメンバーは総勢6名となっています。経営管理部は、公認会計士の経験を持つ部長を含む4名のメンバーが在籍しており、会計・経理・総務・労務を各メンバーが担当し、法務についてはCFOや部長が兼務する形をとっています。
私自身は、コーポレート本部のトップを務めると同時に、経営戦略部長も兼務しています。コーポレート本部は、攻めの観点では、企業価値の向上に注力し、資金調達や対外向けアピール、外部株主とのやりとりなどで当社の価値を最大化することをミッションとしています。一方、守りの観点では、上場準備のために上場企業たるルール構築を進めており、内部統制や稟議などを含めた上場企業としての組織体制の構築を進めています。今後の上場準備のため、コーポレート業務全般の整備を担っています。まずは決算早期化に取り組み、10営業日以内に決算を締めることを目指していきます。
――マネーフォワード クラウドの導入に向かった背景・理由や、当時抱えていた課題についてお聞かせください。
小澤様:私はコーポレート領域を担う初めての人材として、2021年にこの会社にジョインしました。入社時点で、マネーフォワード クラウド会計Plusとマネーフォワード クラウド経費、マネーフォワード クラウド請求書はすでに導入済みでしたが、当時はまだ企業規模が小さく、バックオフィス体制の整備まで手が回っていませんでした。マネーフォワード クラウド会計Plusもほぼ使いこなせておらず、経理業務はほとんど外注していました。
今後の上場を見据え、未整備だった業務フローの見直しと管理体制の整備をすることが必要だと思いました。そこで、すでに導入されていたマネーフォワード クラウド会計Plusを中心に、周辺システムを整備し、上場に耐えうる業務フローを確立しようと考えたのです。
マネーフォワード クラウド会計Plusを中心に、必要なシステムの段階的な導入・連携で全体最適の実現へ
――マネーフォワード クラウド会計Plusはすでに導入されていたとのことですが、導入の際、他社との比較検討はされたのでしょうか。
小澤様: 2社を検討した結果、顧問税理士が強く推薦するマネーフォワード クラウド会計Plusを導入したと聞いています。上場にも耐えうる機能を備えていることを大前提とし、社内外へのヒアリングを行い、機能面で問題がないか、当社の業務にマッチした内容であるかを確認したそうです。
私自身もこれまでの経験から、マネーフォワード クラウド会計Plusは、問題なく上場にも対応できる会計システムだと認識していました。私自身が会社経営をしていた時の顧問税理士も使っていましたし、当社の顧問税理士も使っています。会計・簿記の専門知識がある方はマネーフォワード クラウドの会計システムを使っている印象があります。ですから、今回、バックオフィス体制の整備を進める際にも、マネーフォワード クラウド会計Plusを起点に、どう周辺を整備するかを考えていましたね。
――今回、マネーフォワード クラウド会計Plusを中心に全体の体制整備をするにあたって、どのような課題があったのかお教えください。
小澤様:マネーフォワード クラウド会計Plusとの連携性・連動性を重視して、必要に応じたシステムを順次拡張していこうと考えました。導入にあたって最も検討すべき課題は、売上と入金を正しく把握できる体制をどのように構築するかという点でした。以前は、各営業担当者が案件ベースで請求を行い、請求書のフォーマットも各自で作成していました。その後、銀行口座に入金されたタイミングで、経理担当者1名が売上を把握、起票して税理士に連携するという流れでした。売上と入金を正しく把握できていないことに加え、営業担当者も経理担当者も属人化した体制になってしまっている点が問題だと感じていました。
――すでにマネーフォワード クラウド請求書は導入済みとのお話でしたが、マネーフォワード クラウド請求書Plus for Salesforceを導入されたのはなぜでしょうか。
小澤様:当社では創業2年目にSalesforceを導入していましたが、使いこなせていない状態でした。。先にお話しした通り、売上と入金を正しく把握できていない状態だったため、まずは請求書を発行したタイミングで売上を把握できる体制を構築することが必要でした。また、未入金を検知できる体制を構築したいと考えました。そのため、Salesforceの活用を前提とし、連携できる請求書発行システムを導入する必要があったのです。
これに加えて、当社には見積書の発行においても課題がありました。以前はマネーフォワード クラウド請求書で発行した請求書を見積書としており、実際の請求書を発行する際には、内容を修正して再発行するという業務フローでした。そのため、どれが見積書の代用書類で、どれが本当の請求書なのかわからず、業務が煩雑になってしまっている点が問題でした。きちんと見積書、発注書、請求書という段階を踏む業務フローを作り、最後に請求書が会計システムにつながって売上に計上されるようにすることで、コーポレート側で全て把握できるようにしたいと考えました。
――マネーフォワード クラウド債務支払の導入背景についてもお教えください。
小澤様:マネーフォワード クラウド債務支払については、今まさに導入を進めている最中です。これまで支払い情報についてはスプレッドシートを使って管理していましたが、部門ごとに科目コードをつけていないため、どの部門が何に使用した費用なのかわからない点が問題でした。そこで、各部門で使われた費用を把握し、予実管理ができる体制を整備することを目指すために、マネーフォワード クラウド債務支払を導入することにしました。また、ガバナンスの面でも、承認申請の仕組みをきちんと作りたいと考えました。
経理業務フローの整備で一元管理と内部統制強化へ!業務効率化により、経理担当者を増やさずに会社の急成長にも対応
――実際に導入してみて、どのような効果があったのでしょうか。
小澤様:情報の一元管理と内部統制の強化、業務フローの整備ができました。マネーフォワード クラウド請求書Plus for Salesforce導入後は、見積書、発注書、請求書と段階を踏んで発行することができ、請求書の発行漏れもなくなりました。さらに、マネーフォワード クラウド請求書Plus for salesforceで発行された請求書の情報が、マネーフォワード クラウド会計Plusに連携されることで、売上もきちんと計上され、適切に把握できるようになりましたね。
Salesforceに売上管理のデータを入力し、クラウドサインと連携させ、最終的にマネーフォワード クラウド請求書Plus for Salesforceに反映されるという業務フローを構築したことで、全てのシステムを意味あるものとして使いこなせるようになりました。
現在は、Salesforceに入力すれば、クラウドサインやマネーフォワード クラウド請求書Plus for Salesforceに連携していく流れができているので、全ての案件のスタートからクロージングまで、抜け漏れなく営業管理ができます。
担当者ベースでも手順に沿えばしっかり業務を進めていけるため、安心して運用できますし、業務が属人化することもなくなるだろうと考えています。
マネーフォワード クラウドの各種システムは連携性に優れているので、それぞれの数値やデータが即時に集約される点に大きなメリットを感じています。例えば、マネーフォワード クラウド経費のデータは、マネーフォワード クラウド会計Plusに自動連携される上、一元管理できるので、経理担当者にとってはかなり楽になったと思います。これから運用するマネーフォワード クラウド債務支払についても、大きく期待しています。
――業務工数における具体的な効果や、使い勝手について実感されていることなどもお教えください。
小澤様:バックオフィスの体制と業務フローを整備できたことで、企業規模が大きく成長しても経理専任者を増やさずに対応できています。私がこの会社にジョインしてから取引先の数は倍々に増加しており、それに合わせて営業やクリエイティブディレクターも増えています。当時15名だった社員数が現在では60名に成長していますが、バックオフィスの人数は過剰に増やさずに対応できているので、業務効率化できていることを実感しています。営業担当者が請求書の発行漏れなどのミスをすることもなくなってきましたし、経理担当者の消し込み作業も快適になっています。
使い勝手については、各種システムが連携しているので、仕訳元のデータを参照するのがとても楽になったと感じます。マネーフォワード クラウドのシステムを通じて申請したものは、すべてマネーフォワード クラウド会計Plusからリンクで飛べるようになるので、証憑類の確認などもしやすいですね。確認時間を短縮できることは、業務効率化という意味でも大きなメリットだと感じます。
また、紙でのやり取りが減ったので、ペーパーレスの観点でも優れていることを実感しています。現在、経費の領収書はスマートフォンなどで撮影し、マネーフォワード クラウド経費にアップする形式としていますが、証憑となる領収書原本の管理は紙で行なっています。しかし、それ以外の業務は電子化が完了し、ペーパーレス化できています。導入後、経理担当者を含む現場の社員から、ネガティブな声は一切上がっていないので、社内への定着もスムーズだったと感じています。
――マネーフォワード導入時のサポートについてはいかがでしたか。
小澤様: マネーフォワードは、導入サポートも強いと感じています。各システムを導入するタイミングで導入コンサルをしてくれて、非常に手厚い。システム導入における大きな相談には、担当者の方が迅速に対応してくれました。小さな疑問点についても、すぐにメール対応してくれますし、電話もつながりやすく、不自由を感じたことは一度もありません。
また、導入前には、コストについても、利用する人数や使用する機能など、こちらが求める内容に応じて柔軟な提案をしてくれました。導入後も、eーラーニングなどの研修が用意されていた点が非常に良かったです。そもそもマネーフォワード クラウドの各種システムは、どれも使い勝手がいいので、研修を受けて一度使ってみれば、誰でもすぐに理解できると思います。
上場に向けてより強固なバックオフィス体制へ。マネーフォワード クラウドの各種システムをより活用していきたい
――今後の展望やマネーフォワードに期待することについてお教えください。
小澤様:おかげさまで、リモートワークでの対応やペーパーレス化が社内に浸透してきています。今後は、上場に向けてより強固な管理体制を構築することを目指します。さまざまな業務の自動化・効率化を進めるために、マネーフォワード クラウドの各種システムをもっと活用していこうと思います。
また、メンバーには、スキルを含め、勉強し続けることが大切だと常々伝えています。現在、我々に求められている成果・結果は、上場に耐えられる管理体制の構築を進めることなので、社内管理体制の強化やガバナンスについて、より積極的に学んでもらおうと考えています。コーポレートは、企業としての致命傷を防ぐことが非常に重要です。さまざまな側面を学んで体制を強化し、リスクヘッジしていくことが大事なので、私自身もマネーフォワードのセミナーなどに参加し、他社事例を学んでいます。マネーフォワードには、よりリアルな現場の課題や解決策など、情報提供の面でも期待しています。
今後も企業成長に伴い社員数を増やすことを予定しているため、バックオフィスもサイズアップすることを検討しています。ある程度のスキルを保有している人材を採用し、経理人材を増やしてきたいです。とはいえ、月次、日次経理の継続性を強化するには属人化させないことが重要です。担当者がお休みの場合でもチームとして対応できる体制を作っていこうと思います。
――最後に、会計システムの導入・移行を検討されている方々に向けて、メッセージをお願いいたします。
小澤様:顧問税理士やベンチャー企業の経営層とお話すると、やはり皆さん、マネーフォワードクラウドを推しています。私自身としても、大きなメリットを感じているので、お勧めできますね。上場準備段階はもちろん、上場後も使える機能があり、さまざまな領域のシステムが揃っているので、必要に応じて導入・拡張していける点も魅力です。
加えていえば、他社の周辺システムとも連携ができるので、すでに導入しているものと連携させたり、また新たなものを導入して連携させたり、求める機能に合わせてカスタマイズしやすいところもいいですね。基幹システムとして使い勝手が良いので、これから整備していく場合はもちろん、すでにあるシステムを拡張していく場合にもお勧めだと思います。
※掲載内容は取材当時の情報です。
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