• 作成日 : 2022年12月12日

コンポーネント型ERPとは?ERPの種類と特徴を解説

従来、業務システムの導入を検討するときは、多くの企業は1つの業務に特化した業務システムを導入していました。しかし最近は、いくつもの機能を統合した業務システムであるERPを導入する例が増えています。特に中小企業では、大規模な統合型ERPではなく、コンパクトで取り入れやすいコンポーネント型ERPが注目されているのです。この記事では、コンポーネント型ERPの概要と、他のERPとの比較、ERPの選び方の基本などをご紹介します。

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コンポーネント型ERPとは?

コンポーネント型ERPとは必要な業務システムのみを組み合わせて導入できるERPのことです。
「コンポーネント」とは営業や受注、生産など1つひとつの業務単位のことで、それらのコンポーネントを連携することで1つのERPとして使用します。

ERPとは

ERP(Enterprise Resource Planning)は、基幹業務を統合して一元管理するシステムです。業務システムとの違いは、それぞれの業務を管理するシステムが個別で動くのではなく、データベースを統合して企業のリソースを一元管理できるところです。
ERPはどの業務範囲をカバーするか、どのような機能があるかによって、コンポーネント型、統合型、業務システム型に分けられます。また、導入形態によってクラウド型かオンプレミス型に分けることもできます。

コンポーネント型ERPの特徴

コンポーネント型ERPはコンポーネントと呼ばれる単品の業務システムから必要なものだけを選び、組み合わせて使うERPです。コンポーネントは、営業、受注、生産、会計、総務などそれぞれの業務に分かれています。

一度にすべての機能を導入するのではなく、必要な部分だけ利用して最小限のシステムで始める「スモールスタート」が可能です。その後、必要に応じて他のコンポーネントを追加することもできます。

また、既存システムの再構築や、2層ERPにも利用できます。2層ERPについては、次の記事をご参照ください。

統合型ERP・業務システム型ERPとの比較

統合型ERPと業務システム型ERPの特徴についても説明します。

統合型ERPとは

統合型ERPとは企業の経営に必要なすべての業務をカバーしているERPのことです。

コンポーネント型ERPや業務システム型ERPに比べて大規模なシステムになるため、導入費用も大きくなります。そのため、大企業向けに開発されたものが多く、また海外製の製品が多いためグローバル展開している企業でも導入しやすいという特徴があります。ただし、必要な部分のみを選んで使うことはできません。

業務システム型ERPとは

業務システム型ERPは、特定の業務のみをカバーしたERPで、人事、会計、発注管理、生産管理などの部門単位で導入でき、その部門内での業務効率化を図ることができます。機能が絞られているため導入費用も比較的小さく、短期間で導入できるため、中堅・中小企業でも導入しやすいERPです。

他の業務システム型ERPと連携することも可能ですが、データを一元管理することはできません。そのため、コンポーネント型ERPよりも連携機能は弱くなります。

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ERPの導入形態

ERPは導入形態によってクラウド型とオンプレミス型に分けることもできます。

クラウド型

クラウド型はERPサービス提供企業がインターネット上で構築したシステムにアクセスして使用します。他のシステム同様、クラウド型のメリットとデメリットを持っています。

メリット

  • 時間や場所を問わずアクセスが可能
  • サーバーや回線などのインフラを自社で用意する必要がない
  • 導入コストが安い
  • 短期間で導入が可能
  • 常に最新のアプリケーションを使用でき、法改正にも対応
  • システムのメンテナンス、トラブル対応などはクラウドサービスに任せられる
  • セキュリティ対策もクラウドサービスにある程度任せられる
  • 柔軟な拡張性

デメリット

  • インターネット環境がないと使用することができない
  • カスタマイズの余地が少ない

オンプレミス型

オンプレミス型は、自社内にサーバーを立て、ERPシステムをインストールして使います。他のシステム同様、オンプレミス型のメリットとデメリットを持っています。

メリット

  • カスタマイズしやすい
  • 強固なセキュリティを実現し、維持しやすい
  • 既存のシステムと連携しやすい

デメリット

  • サーバーや回線も自社で用意するため、導入には初期費用がかかる
  • アプリケーションの更新、トラブル対応などの運用管理も自社で行わなければならない
  • 導入の準備期間が長くかかる
  • 自社が災害にあうとオンプレミスサーバーも被害を受ける

ERPの選び方

ここまでERPについて種類や導入形態について解説してきましたが、ではどれを選べばよいのでしょうか。自社に合ったERPを選ぶときのポイントをご紹介します。

自社の課題を解決できるか

・導入目的に合っているか

導入時には会計処理を効率化したい、受注管理から生産管理までを一本化したいなど、明確な目的を設定し、目的に合ったシステムを選びましょう。

・自社の業務に合っているか

経費精算や債権支払など、同じ業務であっても業務フローは企業によってさまざまです。自社の業務フローに合ったシステムを選びましょう。

・必要な機能があるか

導入目的、企業規模、業界の事情などに合わせて必要な機能をリストアップし、その機能があるシステムを選びましょう。

・カスタマイズはどの程度可能か

導入時には業界の慣習や自社の事情に合わせてカスタマイズが必要です。どの程度カスタマイズが可能か導入前に確認しましょう。

・あとから機能を追加できるか

企業の成長や業務形態・内容の変化によっては、あとからカスタマイズが必要になります。導入後のカスタマイズについても確認しましょう。

・導入形態は自社に合っているか

クラウド型かオンプレミス型かは、自社の業務や勤務形態、既存のシステムなどに合わせて選びましょう。

コストと機能のバランスが適切か

・機能やカスタマイズの自由さは自社の規模に合っているか

グローバル展開や多くの事業所・事業部を持つ企業に合うERPと、国内での取引が多い中堅・中小企業では、必要な機能が異なります。例えば大企業に合う統合型ERPは、中小企業には多機能すぎて十分に使いこなすことが難しく、また、大規模なシステムには大きなカスタマイズも必要で、難易度も高くなります。機能やカスタマイズ性が自社の規模に合うかは重要なポイントです。

・コスト感は自社の規模に合っているか

高機能で大型なERPは高価なものです。コンポーネント型や業務システム型は、導入するシステム数によってコストが大きく異なります。コスト感と自社に必要な機能のバランスを考えて選ぶことが大切です。

・ライセンス提供方法は自社に合っているか

オンプレミス型は初期費用が大きくなり、クラウド型は月々もしくは毎年一定の費用が必要になります。
どちらにコストメリットがあるかは利用期間や利用するサービスの料金形態などにもよりますが、コストの発生タイミングの違いがあることを理解しておく必要があります。

使いやすさやサポート体制は整っているか

・使いやすいか

画面設計は見やすいか、実務担当者が無理なく操作できるかを確認します。トライアルが可能なシステムも多いため、導入前に実際のシステムを使用してみるとよいでしょう。

・運用管理はどの程度自社で可能か

定期的にベンダーのサポートがあっても、日々の管理は自社で行う場合も多いため、簡単なトラブル対応まで自社でできれば、ベンダーへの負担も減り、コストも抑えることが可能です。

・ベンダーのサポートはあるか

カスタマイズ、導入教育、メンテナンスなど、サポートが必要な場面はたくさんあります。標準でどの程度のサポートがあるのか、オプションで何ができるのかを確認しておきます。

・ベンダーの導入実績は豊富か

導入実績が豊富なベンダーを選びましょう。特に同じ規模の国内企業や、同じ業界の企業の導入実績があれば安心です。

・セキュリティはしっかりしているか

ERPでは、顧客情報や経理・会計情報など自社の機密情報を多く扱うので、セキュリティは重要です。オンプレミス型でもクラウド型でも、高いセキュリティを確保できるシステムを選びましょう。

まとめ

最近はバックオフィスの業務効率化やDXの第一歩としてERPを導入する企業が増えています。しかし、ERPと一言で言ってもカバーする業務の範囲や導入方法によってさまざまで、自社に最適なシステムを選ぶことが重要です。

コンポーネント型ERPは必要な部分だけ最小限のシステムで始める「スモールスタート」が可能となり、中小企業を中心に注目されています。

自社の規模や業務に合わせて最適なERPを選択し、業務効率化やDX化を進めましょう。

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よくある質問

コンポーネント型ERPとは?

必要な業務に関するコンポーネントだけを選び、組み合わせて導入できるERPです。企業規模に合わせて必要な部分だけを導入できます。

コンポーネント型ERPの特徴は?

1つのコンポーネントは1つの業務しかカバーしていませんが、他のコンポーネントとデータを一元化でき、連携しやすくなっています。

ERPを選ぶときのポイントは?

自社の課題を解決できるか、コストと機能のバランスが適切か、使いやすさやサポート体制などを確認しましょう。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

執筆:成瀬恭子

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