• 作成日 : 2022年12月29日

ERPとBPRの関係性は? | 定義やBPR成功のポイントをわかりやすく解説

1990年に提唱されたBPR(業務改善)ですが、最近また注目を集めており、BPRを実現するための手段としてERPを導入する企業が増えています。
また、ERPど導入する際に「BPRを実行する必要があるかどうか」を考える必要があります。
ここではERPとBPRの関係性についてわかりやすく解説していきます。

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BPRとは

BPR(Business Process Re-engineering)は「業務改革」と訳され、「業務プロセスの再設計」とも言われます。業務内容や業務プロセスを振り返り、再設計して抜本的に改善することです。それによって、既存のプロセスにあった「ムリ・ムダ・ムラ」をなくし、作業工程を大きく効率化することができます。

BPRは、既存のプロセスをベースに見直しを行うのではなく、今あるプロセスを一度壊し、ゼロベースでプロセスを再構築することです。それによって、抜本的な改革を実現します。

どんな業務でも継続的に行っていると無駄な部分が発生するため、BPRは一度ではなく、何度も繰り返すことが重要です。

BPRの定義と目的

BPRは、1990年代にアメリカで生まれ、世界中に広まりました。日本では、次のように定義されています。

「コスト、品質、サービス、スピードのような、重大で現代的なパフォーマンス基準を劇的に改善するために、ビジネス・プロセスを根本的に考え直し、抜本的にそれをデザインし直すこと」
引用元:民間企業等における効率化方策等(業務改革(BPR))の国の行政組織への導入に関する調査研究|三菱UFJリサーチ&コンサルティング

BPRの目的は、次の3つです。

  • 生産性向上
    業務を見直して無駄を省き、生産性を向上させます。
  • コスト削減
    業務の無駄をなくすことでコストを削減します。
  • 顧客と従業員の満足度アップ
    生産性の向上により従業員満足度が向上し、モチベーションアップにつながります。また、コスト削減により顧客満足度が向上します。

BPRが注目されている背景

BPRは、提唱された1990年代に注目されていました。当時は、バブル経済が崩壊して急激に景気が悪化し、経営効率の向上が求められていたのです。

BPRの一環としてビジネスの現場に多くのIT機器が導入されましたが、まだユーザーの多くがIT機器に慣れておらず、かなりの混乱が生じました。

そして、2010年代以降、働き方改革推進のために再注目されているのです。BPRを導入して生産性を向上させ、長時間労働を減らすという目的で、これには働き方改革における「残業時間の上限規制」も関係しています。

BPRと業務改善の違い

BPR(業務改革)と業務改善はよく似た言葉で、混乱する人もいるでしょう。2つの違いを解説します。

BPR(業務改革)

業務プロセスそのものを見直し、ゼロベースで無駄を省いた業務プロセスを再構築します。多くの場合、業務プロセスは大きく変わります。改革の対象は、企業全体です。一部の部署だけで行うことはありません。

業務改善

業務プロセスはそのまま維持し、部分的に発生する無駄をなくします。各部署に限定して行うもので、全社にわたって一度に行うことはありません。

ERPとBPRの関係性とは

ERPとBPRには、深い関係があります。BPRを実現するにはERPが必要です。また、ERPを導入するときには、BPRを意識して運用することでより効果を発揮します。

ERPとは

ERP(Enterprise Resouces Planning)は、「経営資源計画」とも言われ、会社の資源を適切に管理し、活用するための考え方です。また、統合基幹業務システムと呼ばれる、経営資源計画を実現するためのシステムでもあります。

ERPは各業務システムを統合し、すべてのデータを1つのデータベースで一元管理できます。それによって作業の多くを自動化し、人的ミスを削減して大きな業務効率化を実現することが可能です。

ERPはBPRを実現するための手法

ERPはBPRを実現するための1つの手法です。また、ERPをうまく運用して本来の効果を発揮するためには、BPRという考え方が不可欠です。

ERPを導入してBPRを実現する

BPRを行うためには、全社の情報を正確に把握し、一元的に管理する必要があります。そのためには、ERPは欠かせません。また、ERPの導入で業務の自動化が進み、さらに業務効率化を進めることができます。

BPRを意識してERPを運用することでERPの効果を上げる

BPRという考え方を伴わないでERPを導入しても、既存の業務システムをいくつか導入しただけの状態と変わりません。既存の業務プロセスを見直して変革したあとで、ERPを導入することで、十分な効果を発揮できるのです。

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BPRを成功させるためのポイント

これまで解説してきたように、BPRとERPは密接に関係していますが、導入には順序があります。BPRを先に導入し、ある程度BPRを進めたところで導入するERPを決めると、スムーズです。ここでは、BRPを成功させるためのポイントをみていきましょう。

目的意識を共有する

BPRを行う背景、目的、なぜBPRが必要なのかなどを全社で共有し、共通認識を作ります。それによって、業務プロセスの改革や新しいシステムの導入をスムーズに進めることが可能です。BPRについての共通認識がなければ、現場から改革への反対が起こったり、求めるイメージが異なって混乱が起きたりするでしょう。

BPRを行う目的を明確にする

BPRの最初には、「なんのためにBPRを行うのか」という目的を決めましょう。目的が決まると、どこにリソースを重点的に振り分けるのか、どこから優先的に改革を進めていくのかが決めることができます。

優先順位を決めるには、各部署で業務の棚卸しが必要です。各部署で、どんな業務にどのくらいのリソースを投入しているのかを可視化しましょう。

結果を分析し、改善を続ける

BPRを一通り実施したあとには、必ず結果を振り返り、分析します。それをもとに改善策を練り、またBPRを実行していきます。効果があれば他の部署や業務でも応用し、効果がなければ、原因を分析してより効果的な方法を考えます。

このサイクルを繰り返すことで、業務改革を実現し、維持することが可能になります。BPRは継続的に行うことが重要です。

まとめ

BPR(業務改革)は、既存の業務プロセスを抜本的に見直して改善し、業務を効率化するものです。また、ERP(統合基幹業務システム)は、各基幹業務システムを統合し、データを一元管理できるシステムを指します。

ERPはBPRを実現するための1つの手法で、ERPの効果を十分に発揮するにはBPRが必要です。BPRのポイントを押さえ、ERPを導入して継続的にBPRを繰り返すことで、大きな効果を上げることができます。

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よくある質問

BPRとはなにか?

業務改革とも言います。業務内容や業務プロセスを振り返り、再設計して抜本的に改善することです。

BPRとERPとはどのような関係にあるか?

補完関係にあります。BPRを実現するにはERPが必要で、ERPが効果を発揮するにはBPRが必要です。

BPRを成功させるためのポイントはなにか?

目的を明確にし、目的意識を全社で共有すること、さらに結果を分析してそれをもとに改善を繰り返すことが大切です。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

執筆:成瀬恭子

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