• 作成日 : 2024年3月8日

ERPとBIツールの関係とは?これらツール連携のもたらすメリットなどを徹底解説

近年では、企業内部のデジタル化とともに、ERPの導入が進みました。そして、ERPに蓄積されるさまざまなデータを活用し、企業の成長につなげるためには、BIツールとの連携が有効です。
本記事では、ERPにおけるBIツールの重要性、ERPとBIツールの連携方法、BIツールの選定ポイントついて解説します。

ERPにおけるBIツールの重要性

まず、BIツールの特徴と、ERPとの関連性について解説します。

BIツールとは

BIツールとは、企業が持つ膨大かつ複雑なデータを分析・可視化し、意思決定に活用するためのソフトウェアです。ERPを含むさまざまなデータソースと連携し、データ分析レポートの作成や直感的なダッシュボード・予測などの機能を提供します。これにより、迅速かつ効果的な意思決定が可能となり、業績の向上や競争優位性の獲得が期待できます。BIツールは企業の経営・組織におけるデータドリブン型の活動を支え、市場の変化に適応する力を高めます。

ERPとBIツールの関係

ERPは、販売管理や会計、在庫管理など、企業活動を支える基幹業務を効率化して、一元管理するシステムです。一方でBIツールは、ERPの扱う膨大なデータをさまざまな形で分析・出力することに長けたツールです。
BIツールが真価を発揮するには、ERPが扱う膨大なデータが整備された状態であることが不可欠です。
その逆も同様で、ERPの膨大なデータを有効に活用するためには、BIツールが欠かせません。両者は連携・活用することで相乗効果を発揮し、多くのメリットをもたらします。
そのため、近年ではERPの一機能としてBIツールを装備した製品も増えています。

ERPとBIツールを連携するメリット

ERPと連携したBIツールは、膨大なデータをリアルタイムに分析し、視覚的にレポーティングする機能により、迅速かつ正確な意思決定を可能とします。これにより、企業は効果的な戦略を策定でき、競争力の強化を実現可能です。ここでは、ERPとBIツールを連携する具体的なメリットを解説します。

リアルタイム分析

BIツールはERPと連携することで、常にERPデータにアクセスして分析できるようになり、リアルタイムに数値を得られます。

業績の可視化

ERPのデータを分析し、視覚的にレポーティングする機能により、業績やトレンドを容易に理解できます。これにより、業績の全体像を把握しやすくなります。

データ精度の向上

自動連携することで、手動でのデータ加工が不要となります。誤ったデータが作成されることがなくなるため、正確な経営判断につながるでしょう。

戦略的な意思決定

リアルタイムに正確な分析が行えるため、戦略的な意思決定をしやすくなり、市場変化に素早く対応できるようになります。

業務の効率化

従来はエクセルやデータの扱いに長けた専門チームによってERPのデータを分析していた工程が不要となり、業務の効率化につながります。

以下の記事では、データドリブン経営について詳しく解説しています。
あわせてお読み下さい。

ERPとBIツールの連携方法

次に、ERPとBIツールを連携させる代表的な方法を紹介します。

API連携

もっとも一般的な方法が、API(Application Programming Interface)を使用した直接の連携です。ERPベンダーやBIツールの提供元が公開しているAPIを使用して、データの連携を行います。リアルタイムにデータをやり取りでき、迅速な分析やレポート作成が可能です。

DWH(Data Warehouse)を介した連携

DWHを介する連携では、ERPからデータを抽出し、大量データを高速で処理するのに適したDWHに蓄積します。その後、BIツールを使ってDWHから必要なデータを取得し、分析を行います。DWH連携はAPI連携よりも難易度が高く、一般的には以下の流れで連携する必要があります。

ステップ1:データの抽出と変換・格納

ERPから必要なデータを抽出し、DWH環境の形式に変換してDWHへ格納します。

ステップ2:データのモデリング

DWH内のデータを適切にモデリングし、BIツールが理解しやすい形に整備します。これにより、BIツールによるスムーズな可視化や分析が可能です。

ステップ3:BIツールの設定

BIツールがDWHにアクセスできるように設定します。またBIツールでは、分析結果が視覚的にわかるように必要なレポートやダッシュボードを作成します。

API連携とDWH連携の比較

API連携は、リアルタイムにデータを連携でき、導入・運用コストもDWH連携より低い傾向があります。ただし、APIツールの仕様によっては、データ量の制限を受けるため注意が必要です。
DWH連携は、大量のデータを取り扱うことができ、システムが複数ある場合でもデータの統合が可能です。一方、データ連携頻度は日次や週次となり、リアルタイム性の高さはAPIほどではありません。また、構築労力や初期コスト、運用労力がAPI連携よりかかりがちです。

ERPとの連携を考慮したBIツールの選定ポイント

ここでは、ERPとの連携を前提として、BIツールを選ぶ際に重視したいポイントを紹介します。

連携の容易さ

ERPのデータをBIツールと容易に連携できるかどうかは重要なポイントです。スムーズに連携できれば、BIツールの導入期間・コストも抑えられます。連携処理が複雑になると、時間がかかるほか、運用時のコスト増につながりします。

データ処理能力

膨大なデータを処理できる能力が必要です。データ量が増加しても処理速度が低下しない、安定した動作を提供できるBIツールを選びましょう。
また、データ保存容量・同時アクセス数・バックアップ機能なども確認が必要です。

拡張性

将来的なデータ量の増加や、分析ニーズの変化に対応できる機能の拡張性があるかどうかも重要です。

ユーザビリティ

データ分析の専門知識がないユーザーでも、簡単に操作できるかどうかもポイントです。レポート機能の表現種類の豊富さなども確認しておきましょう。

これらのポイントを総合的に検討し、自社や組織に合ったERPとの円滑な連携を実現できるBIツールを選択しましょう。

以下の記事では、ERPを導入することで得られるメリットや実現できることを解説しています。あわせてお読み頂くとより理解が深まります。

まとめ

この記事では、ERPとBIツールが昨今のビジネスにおいていかに重要であるかを中心に解説しました。ERPとBIツールをうまく連携することで、データを有効活用でき、ERP導入の効果を最大限に発揮できます。企業をデータドリブン経営へと近づけるために、ぜひこれらのツール導入を検討してみてはいかがでしょうか。


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